2026年7月2日、カナダ・トロントで行われたFIFAワールドカップ2026のポルトガル代表対クロアチア代表は、ポルトガルが2-1で逆転勝利を収めた。イバン・ペリシッチの先制ゴールでクロアチアがリードしたものの、クリスティアーノ・ロナウドのPKとゴンサロ・ラモスの後半アディショナルタイム弾によって試合が決着。終了間際にはVARによるオフサイド判定もあり、最後まで目の離せない展開となった。
この試合は、2026年W杯の決勝トーナメント1回戦に相当するラウンド32の一戦だ。ルカ・モドリッチ率いるクロアチアの組織力と、ロベルト・マルティネス監督が率いるポルトガルの攻撃力がぶつかった激闘は、両チームの戦術的な違いを浮き彫りにした。試合結果だけでなく、得点時間、先発メンバー、VARの判断、歴代対戦成績まで詳しく振り返る。
【試合結果を速報】ポルトガルがクロアチアに2-1で逆転勝利

ポルトガル代表とクロアチア代表の対戦は、2026年7月2日、トロント・スタジアムで開催された。試合は前半を0-0で折り返し、後半に入ってから一気に動き出した。
クロアチアは53分、イバン・ペリシッチのゴールで先制。しかし、ポルトガルは68分にクリスティアーノ・ロナウドがPKを決めて同点に追いつく。さらに90+4分、途中出場のゴンサロ・ラモスがヘディングシュートを決め、土壇場で逆転した。
試合の公式結果はポルトガル2-1クロアチア。FIFAの大会日程では第83試合、ラウンド32に分類されている。
なお、大会ラウンドの表記には注意が必要だ。2026年大会は48チーム制で、決勝トーナメントは32チームから始まる。したがって、この試合は決勝トーナメントの初戦に当たるラウンド32であり、16強によるラウンド16そのものではない。
クロアチアは敗退した一方、ポルトガルはラウンド16へ進出。その後、7月6日のスペイン戦で0-1と敗れ、準々決勝進出はならなかった。
【得点経過を時系列で解説】ペリシッチ、ロナウド、ラモスの3ゴール
この試合を象徴するのは、後半に生まれた3つのゴールだ。それぞれ異なる形で決まり、両チームの攻撃の特徴が表れた。
53分:イバン・ペリシッチがクロアチアに先制点後半開始後、勢いを増したクロアチアが先手を取った。53分、ヨシプ・スタニシッチのクロスをペリシッチがコントロールし、左足でシュート。ポルトガルのGKディオゴ・コスタを破り、クロアチアが1-0とリードした。
前半はポルトガルがボールを保持する時間を増やしていたが、後半はクロアチアが攻撃のテンポを上げた。イゴール・マタノビッチの投入も前線の活性化につながり、マテオ・コバチッチにも得点機が訪れた。
ペリシッチにとって、このゴールは2026年大会での初得点であり、W杯通算7得点目。クロアチア代表のW杯通算得点記録でダボル・シュケルの6得点を上回る歴史的なゴールとなった。
68分:クリスティアーノ・ロナウドがPKで同点追いかけるポルトガルは攻撃を強め、68分に試合を振り出しに戻した。セットプレーの場面で、クロアチアのニコラ・ブラシッチがポルトガルのレナト・ヴェイガを倒したと判断され、VAR確認を経てPKが与えられた。
キッカーを務めたのはクリスティアーノ・ロナウド。相手GKの前で落ち着いてシュートを決め、スコアを1-1とした。
この得点には特別な意味もあった。ロナウドにとって、W杯決勝トーナメントでの初ゴールだった。Opta Analystの集計によると、決勝トーナメントでの9試合目、通算31本目のシュートで生まれた記念すべき得点だった。
90+4分:ゴンサロ・ラモスが劇的な決勝ゴール勝負を決めたのは、途中出場のゴンサロ・ラモスだった。
後半アディショナルタイム4分、ラファエル・レオンが左サイドからクロスを供給。ラモスが相手DFより高く跳び、頭で合わせてゴールネットを揺らした。
この一撃でポルトガルが2-1と逆転。試合終了直前の得点だっただけに、クロアチアにとっては非常に厳しい失点となった。
ラモスは先発ではなく、途中から投入された選手だ。限られた出場時間で決定的な仕事を果たしたことは、マルティネス監督の選手交代が結果につながった象徴的な場面だった。
得点経過一覧
- 53分:イバン・ペリシッチ(クロアチア)0-1
- 68分:クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル・PK)1-1
- 90+4分:ゴンサロ・ラモス(ポルトガル)2-1
【VARとオフサイド判定】クロアチアの幻のゴールが試合終盤を揺らす
ポルトガル対クロアチアの一戦で大きな議論を呼んだのが、VARとオフサイドによる得点取り消しだ。
単に2-1というスコアだけを見ると、ポルトガルが終盤に勝ち越した試合に見える。しかし、実際にはクロアチアにも複数の得点機会があり、判定によって試合の流れが変わる場面が続いた。
クロアチアの攻撃を止めた複数のオフサイドクロアチアは56分ごろ、ニコラ・ブラシッチのオフサイドが絡んだプレーからマタノビッチがゴールを決めたものの、得点は認められなかった。
さらに80分にはペタル・スチッチがGKコスタを破ったが、こちらもオフサイドの判定で取り消された。クロアチアにとっては、追加点を奪って試合を優位に進める機会を逃したことになる。
試合終了間際のグバルディオルのゴールも認められず最も大きな波紋を呼んだのは、ポルトガルが2-1とした後の終盤だった。
アディショナルタイム13分、クロアチアのヨシュコ・グバルディオルがゴールを決め、一度は同点に追いついたかに見えた。しかし、ゴール前のプレーでマリオ・パシャリッチがオフサイドポジションにいたと判定され、VARによる確認を経て得点は取り消された。
この判定によってクロアチアの同点劇は実現せず、ポルトガルがリードを守り切った。
ここで重要なのは、グバルディオルのシュートそのものではなく、その前段階のプレーにおけるパシャリッチの位置が判定対象になった点だ。ゴールに直接関与する選手だけでなく、攻撃の組み立てに関わる位置関係が結果を左右することを示した場面だった。
また、ロナウドのPKもVAR確認を経て認められている。つまり、この試合ではPKの判定と終盤のゴール取り消しという、勝敗に直結する複数の局面でビデオ判定が関わった。
VARは試合を決めるための仕組みではなく、競技規則に基づいて主審の判断を支援するものだ。この試合でも、得点の喜びと取り消しが繰り返される緊迫した展開を生み出した。
【スタメンとフォーメーションを比較】ロナウドとモドリッチの役割
両チームは基本的に4-2-3-1の布陣で試合に臨んだ。ポルトガルは前線の個人能力とサイド攻撃を生かす構成、クロアチアは中盤のパスワークと選手間の連係を重視する構成だった。
ポルトガル代表のスタメンロベルト・マルティネス監督が起用した先発メンバーは次の通り。
- GK:ディオゴ・コスタ
- DF:ジョアン・カンセロ、ルベン・ディアス、レナト・ヴェイガ、ヌーノ・メンデス
- MF:ジョアン・ネヴェス、ヴィティーニャ、ペドロ・ネト、ブルーノ・フェルナンデス
- FW:ラファエル・レオン、クリスティアーノ・ロナウド
4-2-3-1を基本とし、ロナウドを最前線に置きながら、ブルーノ・フェルナンデスが攻撃の組み立てを担当。レオンとネトのサイドからの仕掛けも大きな武器となった。
試合途中にはベルナルド・シウバ、フランシスコ・コンセイソン、ヌーノ・セメドらが投入された。さらにラモスが前線に入り、終盤の決勝点につながる攻撃の選択肢を増やした。
クロアチア代表のスタメンズラトコ・ダリッチ監督率いるクロアチアも4-2-3-1を採用した。
- GK:ドミニク・リバコビッチ
- DF:ヨシプ・スタニシッチ、ヨシプ・シュタロ、マリン・ポングラチッチ、イバン・ペリシッチ
- MF:マテオ・コバチッチ、ルカ・モドリッチ、マルティン・バトゥリナ、ペタル・スチッチ、ニコラ・ブラシッチ
- FW:アンテ・ブディミル
クロアチアはモドリッチとコバチッチを中心に中盤を構成。経験豊富なモドリッチのゲームコントロールと、ペリシッチの攻撃参加がチームの強みだった。
ルカ・モドリッチの試合内容と存在感モドリッチは先発出場し、クロアチアの中盤を支えた。59分には警告を受けているが、後半にチームが攻勢を強める時間帯にも中盤の中心選手としてプレーした。
ただし、この試合ではモドリッチ自身が得点を挙げることはできなかった。クロアチアはコバチッチやマタノビッチを中心にゴールへ迫ったものの、ポルトガルのGKコスタの好守やゴールポストにも阻まれた。
Opta Analystによると、この試合はモドリッチにとってW杯通算23試合目。ロナウドの26試合目、ペリシッチの21試合目と合わせ、W杯出場20試合以上の選手が3人同時に出場した歴史的な一戦でもあった。
【人物と勝敗の関係】試合を動かした5人のキープレーヤー
この試合は、両チームの中心選手だけでなく、途中出場選手やGKの働きも勝敗に直結した。主要人物と試合で果たした役割を整理する。
| 選手 | 所属代表 | 試合での役割・結果 |
|---|---|---|
| クリスティアーノ・ロナウド | ポルトガル | 68分にPKを成功。W杯決勝トーナメント初ゴールを記録。 |
| ゴンサロ・ラモス | ポルトガル | 途中出場から90+4分にヘディングで決勝点。 |
| ラファエル・レオン | ポルトガル | ラモスの決勝ゴールをアシスト。左サイドから攻撃を活性化。 |
| イバン・ペリシッチ | クロアチア | 53分に先制ゴール。W杯通算7得点に到達。 |
| ルカ・モドリッチ | クロアチア | 先発として中盤を統率。59分に警告を受けた。 |
| ディオゴ・コスタ | ポルトガル | コバチッチらの決定機を阻止し、リードを守る重要な役割を担った。 |
特に注目したいのは、ラモスとレオンの関係だ。ロナウドのPKで追いついた後も、ポルトガルは攻撃の選択肢を増やすために選手を入れ替えた。最後にレオンのクロスとラモスの高さが組み合わさり、決勝点が生まれた。
一方のクロアチアは、ペリシッチの経験とモドリッチのゲームメイクによって試合を組み立てた。後半には攻撃の勢いでポルトガルを上回る時間帯もあったが、決定機を得点に結びつけられなかった。
【歴代対戦成績とFIFAランキング】ポルトガルが優勢を維持
ポルトガルとクロアチアは、これまで欧州選手権、UEFAネーションズリーグ、国際親善試合などで対戦してきた。
11v11の対戦記録によると、2026年7月2日のW杯での勝利を含め、両国の対戦は通算11試合。ポルトガルが8勝2分け1敗と大きく勝ち越している。
主な歴代対戦結果- 1996年6月19日:ポルトガル3-0クロアチア
- 2005年11月12日:ポルトガル2-0クロアチア
- 2013年6月10日:クロアチア0-1ポルトガル
- 2016年6月25日:クロアチア0-1ポルトガル(EURO)
- 2018年9月6日:ポルトガル1-1クロアチア
- 2020年9月5日:ポルトガル4-1クロアチア
- 2020年11月17日:クロアチア2-3ポルトガル
- 2024年6月8日:ポルトガル1-2クロアチア
- 2024年9月5日:ポルトガル2-1クロアチア
- 2024年11月18日:クロアチア1-1ポルトガル
- 2026年7月2日:ポルトガル2-1クロアチア
特筆すべきは、クロアチアが2024年6月の親善試合でポルトガルに2-1で勝利していることだ。しかし、その後のネーションズリーグではポルトガルが2-1で勝ち、2024年11月には1-1で引き分けた。2026年W杯でもポルトガルが2-1で勝利し、直近の対戦ではポルトガルが優位を保った。
2026年10月時点のFIFAランキング比較試合後の両国の実力を比較する参考として、2026年10月7日に発表されたFIFA男子世界ランキングを見ると、ポルトガルは5位、クロアチアは14位だった。
ポルトガルは前回から2ランク上昇し、トップ5入り。クロアチアは1ランク下がって14位となった。これはW杯開催後の国際試合も反映したランキングであり、7月2日の試合当日の順位とは区別する必要がある。
この順位差はポルトガルの選手層や直近の成績を評価する材料になる。ただし、ランキングだけで試合内容を説明することはできない。実際の対戦ではクロアチアが先制し、終盤まで同点・逆転の可能性を残していた。
【プロの結論】ポルトガルが勝利した3つの決定的要因
ポルトガル対クロアチアの2-1という結果を分析すると、勝敗を分けた要素は大きく3つある。
1. 途中交代によって攻撃の形を変えた最も大きかったのは、終盤の選手交代だ。ラモスを投入したことで、ポルトガルはロナウド中心の攻撃だけでなく、ゴール前で高さを生かす攻撃も選択できるようになった。
レオンのクロスにラモスが合わせた決勝点は、交代選手の特徴を生かした攻撃の成果だった。試合終盤に得点を必要とする場面で、異なるタイプのFWを投入できることは大きな強みになる。
2. クロアチアの決定機をGKと守備陣が防いだクロアチアは後半に複数のチャンスを作り、コバチッチのシュートはポストを直撃。マタノビッチにも得点の機会があった。
それでもポルトガルはコスタの好セーブなどで失点を最小限に抑えた。攻撃で2点を取っただけでなく、相手が勢いづいた時間帯を耐えたことが勝利につながった。
3. 終盤の集中力とVAR対応クロアチアは最後まで同点を狙い続けたが、ポルトガルはアディショナルタイムの決勝点で試合をひっくり返した。加えて、終了間際のグバルディオルのゴールがオフサイド判定で取り消されたことで、リードを守ることができた。
ただし、VARだけが勝敗を決めたと評価するのは適切ではない。ロナウドのPK、ラモスの決勝点、コスタの好守という複数の要素が重なった結果だ。
この試合の本質は、ポルトガルがボールを保持するだけでなく、相手の攻勢を耐えながら試合終盤に勝負を決める力を示した点にある。
【よくある質問】ポルトガル代表対クロアチア代表に関するFAQ
Q1:2026年W杯のポルトガル対クロアチアの試合結果は?
A1:2026年7月2日に行われた試合は、ポルトガルが2-1で勝利した。ペリシッチが53分に先制し、ロナウドが68分にPKで同点、ラモスが90+4分に決勝ゴールを決めた。
Q2:クリスティアーノ・ロナウドは何分にPKを決めた?
A2:68分にPKを成功させた。VAR確認を経て与えられたPKで、ロナウドにとってW杯決勝トーナメント初ゴールとなった。
Q3:クロアチアのグバルディオルのゴールが取り消された理由は?
A3:ゴール前の攻撃において、マリオ・パシャリッチがオフサイドポジションにいたと判定されたため。VARによる確認後、得点は認められなかった。
2026年FIFAワールドカップのポルトガル代表対クロアチア代表は、ポルトガルが2-1で勝利した。ペリシッチの先制点、ロナウドのPK、ラモスの劇的な決勝ゴールという3つの得点が試合の流れを形作った。
加えて、クロアチアの複数のオフサイド判定や、終了間際のグバルディオルのゴール取り消しなど、VARが試合の重要局面に関わったことも大きな特徴だった。
歴代対戦成績ではポルトガルが8勝2分け1敗とリード。2026年10月のFIFAランキングでもポルトガルが5位、クロアチアが14位となっている。
この試合から読み取れる最大の教訓は、強豪同士の対戦では先制点やボール支配率だけで勝敗が決まらないということだ。選手交代のタイミング、GKの対応、終盤の集中力、そしてゴール前のわずかな位置関係が結果を左右する。
ポルトガルはクロアチアを下してラウンド16へ進んだものの、次のスペイン戦で敗退した。一方、クロアチアはペリシッチとモドリッチら経験豊富な選手を擁しながら、トーナメントを去ることになった。2-1という数字の裏には、両国の戦術と選手の個性がぶつかった、2026年W杯を象徴する激闘があった。
主な事実確認資料: FIFA大会公式日程、クロアチアサッカー連盟、Opta Analyst、11v11、2026年10月のFIFAランキング発表。