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残業時間の上限は月何時間?2026年最新ルールと36協定・罰則を徹底解説

霧島 直人 霧島 直人 • 更新: • 公開: • 読了約 17 分
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2026年10月現在、会社が従業員に命じられる残業時間には、労働基準法に基づく上限が設けられています。一般的な労働者の場合、原則は月45時間・年360時間です。臨時的な特別の事情があり、労使が適切に合意した場合でも、時間外労働は原則として年720時間以内に収めなければなりません。

ただし、年720時間以内なら自由に残業させられるわけではありません。休日労働を含む月100時間未満、2~6か月平均80時間以内という別の上限もあります。違反した場合には罰則の対象となる可能性があり、建設業・自動車運転者・医師には業務の特性を踏まえた特例も設けられています。厚生労働省の現行案内と労働基準法をもとに、上限の数字、36協定の仕組み、違反時の対応まで整理します。

【2026年最新】残業時間の上限は月何時間まで?

残業時間上限

残業時間の上限規制は、働き方改革関連法による労働基準法の改正で導入されました。大企業では2019年4月、中小企業では2020年4月から適用され、建設業・自動車運転者・医師などについても、原則として2024年4月から上限規制が適用されています。

2026年10月時点で、一般的な労働者について押さえておきたい数字は、月45時間、年360時間、年720時間、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内の5つです。それぞれ対象となる労働時間や計算方法が異なります。

原則は月45時間・年360時間

労働基準法第32条では、法定労働時間を原則として1日8時間・週40時間と定めています。この時間を超えて働かせる場合には、原則として労働基準法第36条に基づく36協定の締結・届出が必要です。

36協定で定める時間外労働の限度時間は、原則として月45時間かつ年360時間です。月45時間と年360時間の両方を守る必要があり、年間の合計が360時間以内でも、特定の月に45時間を超えれば問題になる場合があります。

なお、ここでいう時間外労働は、原則として法定労働時間を超えた労働を指します。会社が定める所定労働時間を超えていても、法定労働時間を超えていない時間は、法定時間外労働とは区別されます。

特別条項があれば年720時間まで可能?

臨時的に業務量が大幅に増加するなど、通常は予測できない特別な事情がある場合には、特別条項付き36協定を締結することで、月45時間・年360時間の原則を超える時間外労働を認められる場合があります。

ただし、特別条項を設けても、一般的な労働者について時間外労働は年720時間以内でなければなりません。また、月45時間を超えられるのは、原則として1年のうち6か月までです。繁忙期が続いて年間を通じて毎月45時間を超えるような働かせ方は認められません。

重要なのは、年720時間という数字だけで判断しないことです。月単位や複数月平均の上限も同時に適用されます。

【36協定と特別条項】残業時間の上限を超えて働かせる条件

36協定とは、会社と労働者側が時間外労働・休日労働について締結する労使協定です。労働者側は、過半数で組織する労働組合、または適正な手続きで選出された過半数代表者が担います。協定は所轄の労働基準監督署に届け出る必要があります。

36協定を締結・届出したからといって、どれだけ残業させてもよいわけではありません。協定に定めた時間数と法律上の上限の両方を守る必要があります。

特別条項には具体的な理由が必要

特別条項は、日常的な人手不足や慢性的な長時間労働を正当化するための制度ではありません。通常予見できない業務量の大幅な増加など、臨時的な特別の事情を前提としています。

協定には、限度時間を超えて働かせる必要がある具体的な事情、延長できる時間数、延長できる回数などを定めます。加えて、健康・福祉を確保するための措置や、労働者側の手続きを含め、法令に沿った運用が大切です。

月45時間を超えられるのは年6か月まで

一般的な労働者が特別条項を利用しても、月45時間を超える時間外労働は年間6か月までです。例えば、7か月にわたって月46時間以上の残業が続けば、年720時間以内に収まっていたとしても、この条件に違反する可能性があります。

また、特別条項付き36協定を締結していない会社が、繁忙期だからという理由だけで月45時間を超える残業を命じることもできません。まず自社の36協定の有無、適用対象、協定上の延長時間を確認することが大切です。

【一覧表】残業時間の上限・休日労働の数え方を比較

残業時間の上限規制で混乱しやすいのは、年720時間と月100時間未満、2~6か月平均80時間以内では、計算に含める労働時間が異なる点です。厚生労働省の「時間外労働の上限規制」に関する案内をもとに、一般的な労働者のルールを整理します。

規制項目 上限 休日労働の扱い 注意点
月の限度時間 45時間 原則として含めない 超過できるのは原則として年6か月まで
年間の限度時間 360時間 原則として含めない 特別条項がない場合の原則
特別条項の年間上限 720時間以内 含めない 法定時間外労働の合計で判定
単月の上限 100時間未満 含める 時間外労働と法定休日労働の合計
複数月の平均上限 2~6か月の各平均が80時間以内 含める 2・3・4・5・6か月のすべての平均を確認

月100時間未満は「100時間ちょうど」でも違反

単月の上限は、時間外労働と法定休日労働を合わせて100時間未満です。「100時間以内」ではありません。合計が100時間ちょうどになった場合も、上限を守ったことにはなりません。

一方、2~6か月平均の上限は80時間以内です。例えば、ある2か月の時間外労働と法定休日労働の合計が150時間なら、平均は月75時間となり、この2か月の平均条件は満たします。ただし、各月の単月上限など、ほかの条件も別途満たさなければなりません。

休日労働はすべての上限で同じ扱いではない

法律上の「休日労働」とは、法定休日に働いた時間を指します。会社独自の休日や所定休日に働いた時間は、労働日の配置や法定労働時間との関係によって扱いが変わります。

そのため、勤務表で休日出勤の日数だけを数えるのではなく、法定時間外労働と法定休日労働を分けて把握することが必要です。年720時間以内に収まっていても、休日労働を含めた単月・複数月の条件に違反するケースがあります。

【上限を超えたらどうなる?】残業時間上限の罰則と企業の責任

残業時間の上限規制は、単なる行政上の目安ではありません。労働基準法による法的な規制であり、違反すれば罰則の対象となる可能性があります。

労働基準法第119条の罰則

上限規制に関する違反には、労働基準法第119条に基づき、6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金が科される可能性があります。実際の責任や処分は、違反内容、関係者の責任、具体的な事実関係などによって判断されます。

2025年6月1日から刑法上の刑罰の名称が改められたため、2026年時点の現行法に沿った表記は「拘禁刑」です。古い資料に「懲役」と書かれている場合は、作成時期にも注意してください。

会社が36協定を締結していたとしても、法定上限を超える労働を適法にできるわけではありません。協定を締結していない場合や、協定に定めた時間を超えて働かせた場合なども、違法となる可能性があります。

会社に求められる対応

上限規制への違反が疑われる場合、労働基準監督署による調査や是正指導などにつながることがあります。違反の内容によっては、刑事責任が問われる可能性もあります。

会社には、労働時間を適正に把握し、36協定の範囲内で勤務を管理することが大切です。長時間労働が発生している場合には、業務配分、人員配置、納期設定、勤務シフトなどを見直すことも必要です。

残業した労働者自身が処罰されるのか

上限規制違反について、基本的に罰則の対象となるのは違法な時間外労働をさせた使用者側です。労働者が残業時間の上限を超えて働いたという理由だけで、労働者自身が同じ罰則を科されるわけではありません。

ただし、違法な長時間労働が発生していても、未払い残業代や健康被害の問題が自動的に解決するわけではありません。労働時間の記録を確保し、必要に応じて会社への申告や公的な相談窓口の利用を検討してください。

【業種別の例外】建設業・ドライバー・医師の残業時間上限

建設業、自動車運転者、医師には、長時間労働が発生しやすい業務の特性などを踏まえた特例があります。ただし、これらは残業時間の上限規制そのものがなくなるという意味ではありません。業種ごとに適用される上限と例外の範囲を見分ける必要があります。

建設業:原則として一般業種と同じ上限

建設業にも2024年4月から上限規制が適用されています。原則は月45時間・年360時間で、特別条項を利用する場合も年720時間以内、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内などの条件を守らなければなりません。

例外となるのは、災害時の復旧・復興事業です。この場合、時間外労働と休日労働の合計について、単月100時間未満と複数月平均80時間以内の規制は適用されません。ただし、それ以外の上限規制まで一律に免除されるわけではありません。

建設現場の長時間労働は、作業員の勤務管理だけでなく、工期の設定や発注側の対応にも左右されます。厚生労働省などが2026年にも適正な工期設定を求める取り組みを続けている背景には、現場だけに負担を押しつけない環境づくりの必要性があります。

自動車運転者:時間外労働は年960時間以内

トラック・バス・タクシーなどの自動車運転者は、特別条項付き36協定を締結する場合、時間外労働の上限が年960時間以内となります。

一般的な労働者に適用される、時間外労働と休日労働を合算した月100時間未満・2~6か月平均80時間以内という規制や、月45時間を超えられるのは年6か月までという規制は、自動車運転者には適用されません。

ただし、年960時間以内なら無制限に働かせてよいわけではありません。運転時間、拘束時間、休息期間などについては、自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)による別のルールも守る必要があります。

医師:年960時間が基本、指定された水準では年1,860時間まで

医師の時間外・休日労働には、医療機関の指定や業務内容に応じた水準が設けられています。一般的なA水準では、時間外・休日労働の上限は原則として年960時間です。

地域医療の確保などを目的とするB水準・連携B水準や、臨床研修・専門研修などのC水準では、所定の条件のもとで年1,860時間まで認められる場合があります。これらは指定された医療機関などに限られる特例であり、すべての医師に一律に適用される上限ではありません。

医師については、一般の労働者とは異なる上限の仕組みが設けられていますが、健康確保措置も重要です。月100時間以上の時間外・休日労働が見込まれる場合には、面接指導などの措置が必要となり、条件によって個人に対する上限の扱いが変わる場合があります。副業・兼業先での労働時間の通算にも注意が必要です。

研究開発業務など、別の扱いとなるケース

新技術・新商品・新サービスなどの研究開発に係る業務は、労働基準法第36条の一部の上限規制について適用除外となる場合があります。ただし、健康確保のための措置など、別の規定までなくなるわけではありません。

また、「管理職」という肩書があるだけで、残業時間の上限規制が自動的に適用除外になるわけではありません。労働基準法上の管理監督者に該当するかは、職務内容、権限、勤務実態、待遇などを踏まえて判断されます。

【自分の残業時間を確認】上限超過を防ぐチェック方法と違反時の対応

残業時間の上限違反を判断するには、給与明細の残業代だけでなく、実際に働いた時間を確認する必要があります。会社の勤怠システムに表示された数字が、実態を正確に反映しているかどうかも確認しましょう。

確認すべき4つのポイント
  • 実際の労働時間:タイムカード、勤怠システム、パソコンのログイン記録、業務メール、入退館記録などを確認します。記録の意味は状況によって異なりますが、実労働時間を把握する手がかりになります。
  • 36協定の内容:協定の有無、対象となる労働者、月・年の延長時間、特別条項の条件を確認します。
  • 休日労働の区分:法定休日の労働時間を把握し、月100時間未満・複数月平均80時間以内の計算に含めます。
  • 複数月の平均:直近の2~6か月について、それぞれの期間の平均が80時間以内かを確認します。単月だけのチェックでは不十分です。
上限を超えている疑いがある場合の手順

まずは、日々の勤務記録や給与明細、会社とのメール、業務指示などを保存してください。記録は、いつ、どのような業務に従事したかが分かるように整理しておくと、状況を説明しやすくなります。

続いて、会社の人事・労務担当者や労働組合などに相談し、実際の労働時間と36協定の内容を照合します。社内で解決しない場合や、違法な長時間労働が続いている場合は、事業場を管轄する労働基準監督署に相談する方法があります。

労働条件全般の相談先としては、各都道府県労働局などの総合労働相談コーナーも利用できます。健康に不調が出ている場合は、法令違反の確認だけでなく、医療機関への相談や休養の確保も優先してください。

なお、残業時間の上限を超えているかどうかと、残業代が適切に支払われているかどうかは別の問題です。上限内であっても未払い残業代が発生する可能性はあり、逆に残業代が支払われていても上限規制違反が解消されるわけではありません。

【残業時間上限】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:残業時間は月45時間を超えたら必ず違法ですか?
A1:原則として月45時間が限度ですが、臨時的な特別の事情があり、適法な特別条項付き36協定を締結している場合には、一定の条件のもとで超えることが認められます。ただし、年720時間以内、月100時間未満、2~6か月平均80時間以内などの条件も守る必要があります。

Q2:年720時間以内なら、月100時間まで残業しても問題ありませんか?
A2:問題になる可能性があります。年720時間の上限とは別に、時間外労働と法定休日労働の合計を月100時間未満にしなければなりません。100時間ちょうども認められず、2~6か月平均80時間以内の条件も同時に満たす必要があります。

Q3:残業時間の上限を超えている場合、どこに相談すればよいですか?
A3:労働基準法違反が疑われる場合は、事業場を管轄する労働基準監督署が主な相談先です。勤務記録、給与明細、36協定の内容、業務指示などを整理しておくと、状況を説明しやすくなります。労働条件全般については、総合労働相談コーナーでも相談できます。

2026年の残業時間上限を理解するうえで、最も重要なのは、月45時間・年360時間という原則と、特別条項を利用した場合の年720時間以内という上限を区別することです。加えて、一般的な労働者には休日労働込みの月100時間未満、2~6か月平均80時間以内という規制も適用されます。

建設業、自動車運転者、医師には特例がありますが、いずれも対象や条件が定められています。業種名だけを見て一般ルールが適用されないと判断するのは危険です。

労働者は実際の勤怠記録と36協定を照合し、会社は時間外労働の管理に加えて、人員配置や業務量、工期、勤務体制を見直すことが大切です。残業時間の上限は単なる数字ではなく、長時間労働を抑え、働く人の健康を守るための法的な基準です。上限を超えている疑いがある場合には、記録を確保したうえで、会社や公的な相談窓口に早めに相談してください。

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コンテンツディレクター 霧島 直人
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芸能担当15年。事務所の公式リリースと本人の公式SNSを一次情報とし、夕刊紙の報道は複数媒体が一致した場合だけ触れます。

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