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名誉教授とは何者?学校教育法の定義・授与条件・給与と教授職との違いを徹底解説

橘 悠人 橘 悠人 • 更新: • 公開: • 読了約 25 分
目次

「名誉教授」とは、大学や高等専門学校などが、教育・研究・大学運営に優れた功績を残した教員などに授与する栄誉称号です。一般的には、長年大学に勤務して退職した教授が授与されるイメージがありますが、実際には大学ごとに授与基準が異なり、在職年数だけで決まる制度ではありません。2026年現在、学校教育法第106条に法的根拠があり、短期大学や高等専門学校にも関連規定が適用されています。

一方で、「名誉教授になれば退職後も大学から給料が支給されるのか」「現役の教授と同じ権限を持つのか」「名誉教授と英語のHonorary Professorは同じ意味なのか」といった疑問も少なくありません。1950年の学校教育法改正から現在の授与制度、大学独自の選考基準、退職後の待遇まで、制度の実態を整理します。

【基本知識】名誉教授とは?意味・定義と一般的な役割

名誉教授とは
名誉教授は大学から授与される栄誉称号

名誉教授(めいよきょうじゅ)とは、大学などで教育・研究活動に従事し、優れた功績を残した人物に対して、その貢献をたたえる目的で授与される称号です。

一般的には、大学の教授や学長などを務めた人物が退職する際に授与されます。大学にとっては、長年にわたって教育や研究を支えた人物の功績を公式に認め、大学とのつながりを示す意味があります。

ただし、名誉教授は教授という職位そのものではありません。現役の教授として雇用されている状態を意味するものでもなく、大学から授与された称号として理解する必要があります。

ここで押さえておきたいのは、次の3点です。

  • 大学が功績を認めて授与する称号である。
  • 教授としての雇用関係や職務上の権限を自動的に引き継ぐものではない。
  • 授与後の待遇や大学施設の利用条件は、大学独自の規程によって異なる。
名誉教授になるのはどのような人物か

代表的なのは、長年にわたって大学で教育や研究を行い、学術分野の発展に貢献した人物です。

具体的には、次のような功績が評価対象になります。

  • 専門分野における優れた研究成果や学術的業績
  • 長年にわたる学生の教育・指導や人材育成
  • 学部や研究科、研究施設の設立・発展への貢献
  • 学長や学部長などとしての大学運営上の功績
  • 国内外の学術交流や研究活動への顕著な貢献

必ずしも研究論文の数だけで評価されるわけではありません。教育者としての実績や、大学組織を発展させた功績なども重要な判断材料になります。

名誉教授は学位や国家資格とは違う

名誉教授は、博士号などの学位とは性質が異なります。

博士号は大学などが学術上の能力や研究成果を審査して授与する学位です。一方、名誉教授は、特定の大学などにおける勤務や功績を評価して授与される称号です。

また、医師免許や弁護士資格のように、取得することで法律上の専門職資格が与えられる制度でもありません。

学校教育法に授与の根拠があるという意味では法的な位置づけを持ちますが、全国一律の試験や資格審査によって認定されるものではない点が特徴です。

【法的根拠】学校教育法第106条と1950年の制度改正を解説

現在の名誉教授制度は学校教育法第106条に規定

2026年現在、名誉教授の授与に関する直接的な法的根拠は、学校教育法第106条です。

同条では、大学が、当該大学に学長、副学長、学部長、教授、准教授または講師として勤務した者で、教育上または学術上特に功績のあった人物に対し、大学独自の定めに従って名誉教授の称号を授与できると規定しています。

この条文から読み取れる要点は、次のとおりです。

  • 称号を授与する主体は大学である。
  • 対象者は、その大学で所定の役職・職種に勤務した経験がある人物である。
  • 教育上または学術上の特別な功績が求められる。
  • 具体的な授与基準や手続きは各大学が定める。

つまり、国が全国の大学に共通する一律の勤続年数を設定しているわけではありません。法律が基本的な枠組みを定め、各大学が具体的な選考制度を運用する仕組みです。

1950年4月19日の学校教育法改正が制度の転換点

名誉教授制度の歴史を理解するうえで重要なのが、1950年(昭和25年)4月19日に公布された学校教育法の一部を改正する法律、法律第103号です。

戦前の名誉教授制度は、帝国大学などを中心に勅令によって規定されていました。戦後、新しい学校教育制度が整備されるなかで、従来の制度を見直す必要が生じます。

そこで1950年の学校教育法改正によって、大学の名誉教授に関する規定が新たに設けられました。これにより、従来の官公立大学などに限られていた制度が、国立・公立・私立を問わず大学が称号を授与できる仕組みへと広がりました。

1950年2月27日の衆議院文部委員会の審議では、政府委員の稲田清助氏が制度の趣旨を説明しています。

名誉教授というものは、大学に教授、助教授等の教員として多年勤務して、教育上の功績があった者に対しまして、本人の退職後、その功労を表わすという意味で、当該大学が授与する栄誉的性質の称号であり、身分上または給与の上においての特権を伴うべきものではない

この説明は、名誉教授という称号の本質を理解するうえで重要です。制度の出発点から、給与や身分上の特権を与えるためではなく、教育・研究に対する功績を顕彰するための制度として構想されていました。

2001年の法改正で勤務年数の必須条件が撤廃

もう一つ見逃せないのが、2001年(平成13年)の学校教育法改正です。

文部科学省が2001年7月11日付で発出した改正通知では、名誉教授について、大学が勤務年数を問わずに称号を授与できるようになったことが説明されています。

それ以前の制度では「多年勤務した者」という条件が法律上設けられていました。しかし、改正によってこの勤務年数の要件が削除され、教育上・学術上の顕著な功績を評価する余地が広がりました。

この改正は、名誉教授が単なる勤続年数への褒賞ではなく、実際の教育研究上の功績を評価する称号であることを明確にする転換点になりました。

なお、法律上の条文番号は、その後の学校教育法改正による条文整理を経て、現在の第106条となっています。

高等専門学校にも名誉教授制度がある

名誉教授は大学だけの制度ではありません。学校教育法第123条では、第105条から第107条までの規定を高等専門学校に準用すると定めています。この範囲には名誉教授に関する第106条も含まれます。

そのため、高等専門学校(高専)も、法律上の枠組みに基づいて名誉教授の称号を授与できます。

高専は中学校卒業後の5年間を基本とする教育機関であり、専門的な知識や技術を育成する役割を担っています。高専においても、教育・研究に長年貢献した教員や校長などを顕彰する仕組みが設けられています。

【授与条件】名誉教授になるには?大学ごとの基準と選考手続き

法律上の条件と大学独自の条件は別物

名誉教授の授与条件を考える際には、学校教育法が定める基本条件と、各大学が独自に設ける具体的な条件を分けて考える必要があります。

学校教育法第106条は、教育上または学術上の特別な功績を基本条件としています。一方、何年以上勤務すれば対象になるのか、どのような役職経験が必要なのか、誰が候補者を推薦するのかといった詳細は、各大学の規程によって決まります。

そのため、ある大学で教授として7年以上勤務すれば対象になる場合でも、別の大学では15年以上の勤務が原則となっていることがあります。

実際の大学規程に見る授与条件の違い

具体例として、大阪大学、三重大学、徳島大学の公式規程を比較すると、授与基準の違いがよく分かります。

大学 基本的な授与基準 特例・補足
大阪大学 教授として満15年以上勤務して退職し、教育上または学術上の功績があること 総長経験者や、特に顕著な功績がある人物には勤務年数の例外規定がある
三重大学 教授として7年以上勤務し、教育上または学術上の特別な功績があること 功績が特に顕著な人物や、功績のある学長も対象となる
徳島大学 大学の専任教授として10年以上勤務し、そのうち5年以上を同大学で勤務すること 学長・副学長などの役職経験者や、勤務年数に達しなくても功績が特に顕著な人物も対象となる

このように、同じ名誉教授という称号でも、大学によって求められる勤務年数や評価基準は異なります。

特に大阪大学の規程では、2025年2月19日の改正が反映されており、教授として15年以上勤務した人物を基本としながら、特別に顕著な功績がある場合には勤務年数に達していなくても授与できる仕組みが確認できます。

三重大学では、2025年3月26日に改正された規程において、教授として7年以上勤務した人物のほか、学術・教育上の功績が特に顕著な人物や功績のある学長を対象としています。

徳島大学では、専任教授としての勤務年数だけでなく、同大学での勤務期間も条件に含めています。

名誉教授の選考はどのように行われるのか

一般的な選考の流れは、大学の規程に基づく候補者の推薦、審査機関による選考、学長などによる称号授与という段階に分かれます。

大学によっては、所属学部の教授会が候補者を推薦し、教育研究評議会などが審議したうえで、学長が正式に称号を授与します。

また、称号を授与された後であっても、大学の名誉を著しく損なう行為などがあった場合には、規程に基づいて称号を取り消すことができる制度を設けている大学もあります。

名誉教授になれるのは教授だけなのか

教授経験者が代表的な対象ですが、必ずしも教授という肩書だけで判断されるわけではありません。

学校教育法第106条には、学長、副学長、学部長、教授、准教授、講師が対象となる職として記載されています。また、各大学の規程によっては、大学運営上の功績や特に優れた研究業績を持つ人物について、通常の勤務年数とは異なる選考基準が設けられています。

したがって、名誉教授になれるかどうかを知りたい場合には、勤務先の大学が公開している「名誉教授称号授与規程」を確認するのが最も確実です。

【徹底比較】名誉教授と教授の違いは?職位・権限・待遇を整理

名誉教授と教授は、名称に共通する部分があるものの、制度上の意味は大きく異なります。

教授は大学における職位であり、教育・研究・大学運営などの職務を担います。一方、名誉教授は、過去の功績を評価して授与される称号です。

比較項目 教授 名誉教授
基本的な意味 大学の教員職位 大学などが授与する栄誉称号
主な対象 現役の大学教員 大学で功績を残した人物
雇用関係 大学との雇用関係がある 称号だけでは雇用関係は生じない
給与 勤務条件に基づいて支給される 称号を持つだけでは支給されない
教育・研究活動 職務として担当する 自動的な担当義務はない
大学運営への権限 役職や職務に応じた権限がある 称号だけでは大学運営上の権限はない
退職後の扱い 通常の教授職から退く 授与された称号を保持できる
英語表記 Professor Professor Emeritus / Emeritus Professor
名誉教授になっても教授と同じ権限があるわけではない

名誉教授という称号を授与されても、大学の教授会に自動的に参加できるようになったり、学生の卒業研究を正式に担当できるようになったりするわけではありません。

教授会への参加資格や研究指導の権限は、大学の規則や別途の任用・委嘱によって決まります。

例えば、名誉教授が退職後も大学で講義を行ったり、共同研究に参加したりすることはあります。しかし、それは名誉教授という称号そのものによって自動的に認められる権利ではなく、大学との別の取り決めや研究上の協力関係によるものです。

肩書だけを見て現役教授と同じ立場だと判断しないことが大切です。

【給与・待遇】名誉教授は退職後も大学から給料をもらえる?

名誉教授の称号そのものに給与は発生しない

名誉教授について多くの人が気になるのが、退職後の給与です。

結論からいえば、名誉教授という称号を持っているだけで、大学から毎月の給料や報酬が支給されることはありません。

1950年の国会審議でも、名誉教授は栄誉的な称号であり、身分や給与に関する特権を伴うものではないという制度趣旨が説明されています。

つまり、名誉教授は退職後も教授としての給与を受け取るための制度ではありません。あくまで過去の教育・研究上の功績を認めるためのものです。

退職後の年金や退職金はどうなる?

名誉教授の称号と、退職金・年金は別の制度です。

退職金は、それまでの勤務実績や雇用契約、大学の給与規程などに基づいて取り扱われます。年金についても、加入していた年金制度や受給資格などに従って決まります。

名誉教授の称号を授与されたからといって、退職金が増額されたり、年金が上乗せされたりする仕組みが一般的に設けられているわけではありません。

したがって、退職後の経済的な待遇を確認する場合には、名誉教授の授与規程ではなく、勤務先の退職金制度や年金に関する規定を確認する必要があります。

大学独自の礼遇措置や施設利用はある

一方、給与がないからといって、名誉教授に対する大学側の待遇がまったくないわけではありません。

大学によっては、退職後も大学とのつながりを維持できるよう、一定の礼遇措置を設けています。

例えば、兵庫県立大学の名誉教授称号授与規程では、大学の式典や諸行事への招待、大学施設の利用などを通じて礼遇することが定められています。

また、大学によっては、研究活動のための便宜を提供したり、大学の重要行事に招待したりする制度もあります。

ただし、これらの待遇は全国共通ではありません。図書館の利用、研究室の使用、大学内施設への入館などについても、それぞれの大学が定める条件に従います。

退職後に報酬を受け取るケースもある

名誉教授であっても、退職後に大学から報酬を受け取るケースは考えられます。

例えば、別途大学と契約して講義や研究指導、講演、調査業務などを担当する場合です。

この場合に支払われる報酬は、名誉教授という称号への対価ではなく、実際に依頼された業務や契約に対する報酬です。

つまり、次のように整理できます。

  • 称号の保有:給与は発生しない。
  • 大学施設の利用:大学独自の規程や運用による。
  • 講演・研究などの業務:別途契約や委嘱があれば報酬が発生する場合がある。
  • 退職金・年金:従来の勤務条件や年金制度に基づいて決まる。

【英語・国際比較】Professor EmeritusとHonorary Professorの違いとは

名誉教授の英語表記はProfessor Emeritus

名誉教授の英語表記として一般的なのは、Professor EmeritusまたはEmeritus Professorです。

どちらも退職した教授に対して、これまでの功績をたたえて与える称号を表す表現です。大学や国によって語順の慣習は異なりますが、基本的には同じ種類の称号を指します。

「Emeritus」は、退職した人物に対して、過去の職位や功績を敬意とともに示すために使用される言葉です。

そのため、Professor Emeritusという表現には、以前は教授として勤務しており、退職後もその功績が認められているという意味合いがあります。

Honorary Professorは名誉教授と同じではない

混同しやすいのがHonorary Professorです。

日本語では、どちらも「名誉教授」と訳される場合がありますが、制度上の意味は異なります。

Professor Emeritusは、基本的にその大学で教授として勤務した人物が退職する際に授与される称号です。

これに対してHonorary Professorは、他大学や研究機関などで活躍する人物に対し、その優れた業績や大学への貢献を評価して与える名誉的な肩書として使用されることがあります。

つまり、必ずしも授与する大学の元教授や退職者である必要はありません。

海外大学の制度にも違いがある

英国のエディンバラ大学では、Honorary ProfessorとEmeritus Professorを区別しています。

同大学のカレッジ・オブ・サイエンス・アンド・エンジニアリングが公開する制度説明では、Honorary Professorは、他組織で重要な研究を主導した人物などに対する名誉的な任用として説明されています。大学関係者への助言などを行う役割も想定されています。

一方、Emeritus Professorは、大学で優れた貢献をした教授が退職する際に授与される称号として区別されています。

ただし、Honorary Professorの具体的な位置づけは大学によって異なります。すべての海外大学が同一の制度を採用しているわけではありません。

また、日本の大学が海外の人物に授与する「名誉客員教授」なども、通常の名誉教授とは別の制度として設けられていることがあります。

名誉教授とHonorary Professorの比較
比較項目 Professor Emeritus Honorary Professor
基本的な意味 退職した教授に与える栄誉称号 外部の功績ある人物などに与える名誉的肩書
退職の必要性 一般的には必要 必ずしも必要ではない
元勤務先との関係 授与する大学での勤務実績が基本 他大学・研究機関の人物も対象になり得る
英語表記 Professor Emeritus / Emeritus Professor Honorary Professor
主な目的 長年の教育・研究活動への顕彰 学術的業績や大学への貢献への顕彰

肩書を英語で紹介する場合は、授与された大学の公式英語表記を確認が必要です。日本語で同じ「名誉教授」と表記されていても、英語に置き換えると制度の違いが明確になる場合があります。

【よくある誤解】名誉教授の称号に関する疑問を検証

名誉教授なら現役教授より偉いのか

名誉教授は、現役教授より上位の職位という意味ではありません。

両者は評価する対象が異なります。教授は現在の大学における職位であり、名誉教授は過去の教育・研究上の功績に対する称号です。

名誉教授の中には、大学の発展に大きく貢献した著名な研究者や元学長もいますが、称号だけで大学内の上下関係が決まるわけではありません。

名誉教授なら退職後も大学に自由に出入りできるのか

必ずしも自由に出入りできるわけではありません。

大学施設の利用や研究室への入室、図書館の利用などは、大学ごとの規則や運用によって異なります。名誉教授の称号があることだけで、すべての施設を無条件で利用できるわけではありません。

教授として長年勤務すれば必ず授与されるのか

勤務年数を満たしていても、必ず授与されるとは限りません。

大学によっては、勤務年数に加えて教育上・学術上の功績を求め、教授会や教育研究評議会などの審査を経て決定します。

また、候補者の推薦方法や選考の手続きも大学によって異なるため、長年勤務したという事実だけで自動的に称号が与えられる制度ではありません。

大学以外の研究機関でも名誉教授を名乗れるのか

学校教育法第106条に基づく大学の名誉教授称号と、大学以外の組織が独自に使用する名誉教授という肩書は区別する必要があります。

学校教育法に基づく名誉教授は、同条の対象となる大学などが所定の規程に従って授与するものです。一方、研究機関や民間団体などが独自に名誉教授という肩書を使用している場合、その称号が学校教育法第106条に基づく大学の授与と同じ法的な位置づけを持つとは限りません。

そのため、名誉教授という肩書を見たときには、どの大学・機関が、どの規程に基づいて授与したものなのかを確認すると、経歴を正確に理解できます。

【名誉教授とは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:名誉教授とは簡単にいうと何ですか?
A1:大学などが、教育や研究に優れた功績を残した人物に対して授与する栄誉称号です。一般的には退職した教授などが対象になりますが、大学ごとに具体的な授与条件が定められています。

Q2:名誉教授になるには何年以上勤務する必要がありますか?
A2:全国共通の最低勤務年数はありません。2001年の学校教育法改正で法律上の勤務年数要件が撤廃されました。現在は各大学が独自に基準を定めており、例えば大阪大学は教授として15年以上、三重大学は7年以上を基本基準としています。

Q3:名誉教授には大学から給料が支給されますか?
A3:称号を持っているだけでは給与は支給されません。退職後に大学と別途契約して講義や研究などを担当する場合には、その業務に対する報酬が発生することがあります。

Q4:名誉教授と教授はどちらが上ですか?
A4:上下関係を示すものではありません。教授は大学の職位であり、名誉教授は過去の功績を認められて授与される称号です。

Q5:短期大学や高等専門学校でも名誉教授になれますか?
A5:はい。短期大学は学校教育法上の大学の一形態であり、高等専門学校についても同法第123条によって第106条の規定が準用されています。

Q6:名誉教授の英語表記は何ですか?
A6:一般的にはProfessor EmeritusまたはEmeritus Professorです。Honorary Professorも名誉教授と訳されることがありますが、海外では外部の功績ある人物に与える別の名誉的任用を指す場合があります。

名誉教授とは、大学などが教育・研究・大学運営における功績を評価し、その貢献をたたえるために授与する栄誉称号です。

制度の歴史を振り返ると、1950年4月19日の学校教育法改正によって、大学が名誉教授を授与する法的な枠組みが整備されました。さらに2001年の改正では、法律上の勤務年数要件が撤廃され、現在は各大学が独自の授与規程に基づいて選考しています。

特に理解しておきたいのは、次の4点です。

  • 名誉教授は教授職ではなく、功績に対する栄誉称号である。
  • 学校教育法第106条が大学における授与の法的根拠となっている。
  • 具体的な勤務年数や選考条件は大学によって異なる。
  • 称号そのものに給与は伴わず、退職後の待遇も大学独自の規程によって決まる。

また、英語のProfessor EmeritusとHonorary Professorは、似た日本語訳であっても制度上の意味が異なる場合があります。大学の公式プロフィールや研究者の経歴を読む際には、この違いも押さえておきたいところです。

名誉教授という肩書は、単なる長年勤務したことへの記念ではありません。大学の教育・研究を支え、学術分野や次世代の研究者に貢献した人物に対する評価を表しています。その意味を正しく理解すれば、名誉教授という肩書が持つ社会的・学術的な価値も、より明確に見えてきます。

主な根拠資料(制度・法令・大学公式規程)

- 国会会議録検索システム:1950年2月27日衆議院文部委員会
- 文部科学省:2001年7月11日付「学校教育法の一部改正について(通知)」
- 学校教育法第106条・第123条、短期大学に関する第108条
- 大阪大学・三重大学・徳島大学の名誉教授称号授与規程
- 兵庫県立大学の礼遇措置に関する規程
- エディンバラ大学のHonorary Professor・Emeritus Professor制度説明

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