ホーム スポーツ トリプルコーク1440とは?平野歩夢の初成功から1620との違い、2026年五輪まで徹底解説

トリプルコーク1440とは?平野歩夢の初成功から1620との違い、2026年五輪まで徹底解説

雨宮 理沙 雨宮 理沙 • 更新: • 公開: • 読了約 19 分
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スノーボードのハーフパイプ中継で耳にする「トリプルコーク1440」。数字と専門用語が並ぶ技の名前ですが、その正体は、空中で3回の斜め軸回転と合計1440度の回転を組み合わせる、極めて難度の高いエアトリックです。日本の平野歩夢選手が2021年のデュー・ツアーで公式戦初成功を果たし、2022年北京オリンピックでは、この大技を組み込んだ演技で金メダルを獲得しました。

2026年のミラノ・コルティナオリンピックでは、さらに技術が進化。戸塚優斗選手が2種類のトリプルコーク1440を連続で決めて男子ハーフパイプの頂点に立ち、韓国のイ・チェウン選手はトリプルコーク1620にも挑戦しました。技の意味や読み方だけでなく、1440と1620の違い、採点の仕組みまで理解すると、競技の見どころは大きく変わります。

【意味と読み方】トリプルコーク1440はどんな技なのか?

トリプルコーク1440

トリプルコーク1440は、スノーボードのフリースタイル競技で使われる高難度の空中技です。

技の名称は、大きく分けて「回転の方向」「回転の種類」「回転数」という3つの要素から成り立っています。

トリプルコーク1440の読み方

読み方は、「トリプルコーク・フォーティーン・フォーティ」です。

1440を日本語で「せんよんひゃくよんじゅう」と読むのではなく、英語の数字を区切って読むのが競技中継で一般的です。

数字の意味を分解すると、次のようになります。

- トリプル:3回のオフアクシス反転
- コーク:斜めの回転軸を使った反転動作
- 1440:合計1440度、つまり360度を4回転

つまり、空中で3回の斜め軸反転を組み込みながら、4回転分の回転を完成させる技です。

「縦3回転・横4回転」とは?

トリプルコーク1440を説明するときによく使われるのが「縦3回転・横4回転」という表現です。

これは動きを理解するための分かりやすい説明です。

ただし、実際の空中動作は、縦方向と横方向を完全に独立させて回転するものではありません。斜めに傾いた軸を中心に身体を反転させながら、複数の方向へ複雑に回転しています。

2026年2月にGoogle Cloudが公開したフリースタイル競技の動作解析に関する解説でも、従来の技名による回転数は、実際の三次元的な身体の動きを簡略化した表現であると説明されています。

この点を理解すると、同じ1440でも選手によって動き方や見た目が違う理由が分かります。

1440は360度を4回転した数字

数字の仕組みは、計算すると簡単です。

\[
360^\circ \times 4=1440^\circ
\]

1回転が360度なので、1440は4回転を意味します。

ちなみに、数字の部分は次のように対応しています。

技の数字 回転角度 回転数 読み方
720 720度 2回転 セブン・トゥエンティ
900 900度 2.5回転 ナイン・ハンドレッド
1080 1080度 3回転 テン・エイティ
1260 1260度 3.5回転 トゥエルブ・シックスティ
1440 1440度 4回転 フォーティーン・フォーティ
1620 1620度 4.5回転 シックスティーン・トゥエンティ

国際スキー・スノーボード連盟(FIS)のトリック一覧でも、1440は4回転、1620は4.5回転として整理されています。

【仕組みを解説】コーク回転とフロントサイド・バックサイドの違い

トリプルコーク1440の特徴を理解するには、「コーク」と「回転方向」の2つを押さえる必要があります。

コーク回転とは?

コーク(Cork)は、英語のコークスクリュー(Corkscrew)に由来する言葉です。

コークスクリューは、栓抜きのようにらせん状に回転する道具を指します。

スノーボードでは、身体を斜めに傾けた回転軸で反転させる動きをコークと呼びます。

通常の縦方向の宙返りとは異なり、身体が斜めになりながら回転するのが特徴です。

- シングルコーク:1回の斜め軸反転
- ダブルコーク:2回の斜め軸反転
- トリプルコーク:3回の斜め軸反転

トリプルコークでは、空中で頭がボードより下になるような反転動作を3回組み込みます。

そのうえで1440度の回転を完成させるため、空中での姿勢制御と着地のタイミングが非常に重要になります。

フロントサイドとバックサイドの違い

技の名前には「フロントサイド」「バックサイド」という言葉が付く場合があります。

これは、選手がどちらの方向に回転を始めるかを示しています。

種類 回転の特徴 見分けるポイント
フロントサイド 身体の胸側を向ける方向への回転 回転開始後、比較的早い段階で斜面の下方向を向く
バックサイド 背中側を向ける方向への回転 回転開始後、背中が斜面の下方向を向く
キャブ(Cab) スイッチスタンスからのフロントサイド回転 通常とは逆の足の位置で滑り始める

NBC Olympicsの競技用語解説では、フロントサイドとバックサイドは回転の方向を示す用語として整理されています。

また、通常のスタンスとは逆の足の位置で滑ることをスイッチと呼び、スイッチからのフロントサイド回転はキャブとも呼ばれます。

観戦時には、技名の最初にある方向を確認すると、同じ1440でも異なる動きをしていることに気づけます。

【平野歩夢の歴史的快挙】2021年デュー・ツアーで公式戦初成功

トリプルコーク1440を語るうえで欠かせない人物が、選手です。

彼は2021年12月、アメリカ・コロラド州のカッパーマウンテンで開催されたデュー・ツアーで、ハーフパイプ競技史に残る挑戦を成功させました。

2021年12月:フロントサイド・トリプルコーク1440に成功

2021年のデュー・ツアー男子スーパーパイプ決勝で、平野選手は3本目のランに挑戦しました。

そこで成功させたのが、フロントサイド・トリプルコーク1440です。

これはハーフパイプの公式競技で初めて成功したフロントサイド・トリプルコーク1440でした。

当時、この技は練習で習得していたものの、実際の大会で着地まで成功させることは別次元の難しさがありました。

平野選手は歴史的な成功を収めた一方、3本を通じた演技全体では完成度をまとめきれず、最終順位は5位でした。

この結果が示したのは、単発の大技を成功させることと、競技で勝てるランを完成させることは別だという事実です。

当時のロイター通信の報道でも、平野選手の成功は競技史に残る出来事として伝えられました。

2022年北京オリンピック:大技を武器に金メダル

次の大きな舞台となったのが、2022年2月の北京オリンピックです。

平野選手は男子ハーフパイプ決勝で、トリプルコーク1440を組み込んだ演技を披露しました。

2本目のランでは、最初のエアでトリプルコーク1440を成功。高さはパイプ上端から約6メートルに達したとFISは報じています。

しかし、この時点ではオーストラリアのスコッティ・ジェームズ選手が首位。平野選手は91.75点で2位につけていました。

勝負を決めたのは3本目でした。

平野選手は再びトリプルコーク1440から演技を開始し、その後も高難度の技を連続して成功。最後まで完成度の高いランをまとめ、逆転で金メダルを獲得しました。

北京オリンピックでの金メダルは、日本のスノーボード競技における初の五輪金メダルでもあります。

【トリプルコークの歴代成功者】競技の進化を時系列で整理

トリプルコーク1440は、平野歩夢選手が突然生み出した技ではありません。

スノーボード全体では、ビッグエアやスロープスタイルを中心に、複数のトップ選手が空中技の限界を押し広げてきました。

ただし、ビッグエアでの成功とハーフパイプでの成功は区別する必要があります。

代表的な歴史的転換点を整理すると、次のようになります。

時期 選手・大会 主な出来事
2011年 トルステイン・ホルグモ/X Games ビッグエアで競技初のトリプルコークを成功
2011年 マーク・マクモリス バックサイド・トリプルコーク1440を初成功
2021年12月 平野歩夢/デュー・ツアー ハーフパイプ競技初のフロントサイド・トリプルコーク1440を成功
2022年2月 平野歩夢/北京五輪 五輪ハーフパイプでトリプルコークを成功させ金メダル
2026年2月 戸塚優斗/ミラノ・コルティナ五輪 2種類のトリプルコーク1440を連続で決めて金メダル
2026年2月 イ・チェウン/ミラノ・コルティナ五輪 スイッチ・フロントサイド・トリプルコーク1620を成功

2011年のホルグモ選手によるX Gamesでの成功は、競技におけるトリプルコークの普及を象徴する出来事でした。

マクモリス選手も、バックサイド・トリプルコーク1440の先駆者として知られています。

その後、平野選手がハーフパイプで新たな歴史を作り、2026年にはさらに多くの選手が複雑なトリプルコークを競技に取り入れる段階に到達しました。

重要なのは、トリプルコークという技が競技種目を越えて進化してきたことです。

ビッグエアで成功した技術をそのままハーフパイプに持ち込めるわけではありません。パイプの壁を使った高さの確保、連続するエアの構成、着地後の次の動作への移行が求められるためです。

【1440と1620の違い】難易度はどれほど変わる?

トリプルコーク1440と並んで注目されるのが、トリプルコーク1620です。

名前が似ているため、同じ技のバリエーションだと思われがちですが、回転数に明確な違いがあります。

1440と1620を比較
比較項目 トリプルコーク1440 トリプルコーク1620
斜め軸反転 3回 3回
回転角度 1440度 1620度
回転数 4回転 4回転半
読み方 フォーティーン・フォーティ シックスティーン・トゥエンティ
回転の差 基準となる4回転 1440より180度多い

最も大きな違いは、1620のほうが半回転、つまり180度多く回ることです。

トリプルコークという部分は同じなので、どちらも3回の斜め軸反転を含みます。

しかし、1620では空中でさらに半回転する必要があり、着地時のボードの向きや姿勢の調整がより複雑になります。

1620のほうが必ず高得点なのか?

ここは誤解しやすいポイントです。

数字が大きいからといって、必ず1620の選手が1440の選手より高く評価されるわけではありません。

回転方向、スタンス、グラブの種類、空中での高さ、着地の安定性など、技の難しさは複数の要素で決まります。

同じ1620でも、スイッチスタンスから挑戦する場合と通常のスタンスから挑戦する場合では、技術的な条件が異なります。

2026年五輪で見えた1620への進化

2026年2月13日の男子ハーフパイプ決勝では、韓国のイ・チェウン選手がスイッチ・フロントサイド・トリプルコーク1620を成功させました。

FISは、この技を大会で初めて成功した技の一つとして紹介しています。

一方、金メダルを獲得した戸塚優斗選手は、トリプルコーク1440を2種類連続で成功させる構成を披露しました。

この事実は、回転数だけを競うのではなく、異なる技をどのように組み合わせ、演技全体を完成させるかが重要になっていることを示しています。

【難易度と採点】トリプルコーク1440を観戦するときの注目ポイント

トリプルコーク1440は非常に難しい技ですが、成功しただけで優勝できるわけではありません。

ハーフパイプでは、1本のラン全体を総合的に評価します。

FISの2025年版競技規則では、採点に関わる主な評価項目として次の5つが示されています。

1. Execution(完成度)

最も基本的な評価ポイントです。

空中で身体の姿勢をコントロールできているか、グラブをしっかり保持しているか、着地でバランスを崩していないかが見られます。

トリプルコーク1440を成功させても、着地で手をついたり、ボードが流れたりすれば評価に影響します。

2. Difficulty(難易度)

回転数や回転軸、スタンスなど、技術的な難しさが評価されます。

トリプルコーク1440や1620は、この項目で注目される代表的な大技です。

3. Amplitude(高さ・飛距離)

ハーフパイプの壁からどれほど高く飛び出しているかも重要です。

同じ技を成功させても、空中での高さや迫力が違えば評価も変わります。

4. Variety(多様性)

同じ方向の回転や似た技ばかりを繰り返すのではなく、異なる方向や種類の技を組み合わせられるかが見られます。

フロントサイド、バックサイド、スイッチなどを使い分けることがポイントです。

5. Progression(独創性・進歩性)

競技の技術水準を押し上げるような新しい技や組み合わせも評価対象です。

2026年大会で見られたトリプルコーク1620などは、この観点からも注目されました。

FISの競技規則では、これらの要素を踏まえて演技全体を評価するオーバーオール・インプレッション方式が定められています。各ジャッジは100点満点で採点し、転倒やミスも考慮します。

2026年ミラノ・コルティナ五輪の男子結果

2026年2月13日に行われた男子ハーフパイプ決勝では、日本勢が活躍しました。

男子ハーフパイプ決勝・上位7選手

順位 選手 国・地域 得点
1位 戸塚優斗 日本 95.00
2位 スコッティ・ジェームズ オーストラリア 93.50
3位 山田琉聖 日本 92.00
4位 平野流佳 日本 91.00
5位 バレンティノ・グセリ オーストラリア 88.00
6位 イ・チェウン 韓国 87.50
7位 平野歩夢 日本 86.50

特に注目したいのは戸塚選手の優勝ランです。

冒頭でスイッチ・フロントサイド・トリプルコーク1440を決め、続けてフロントサイド・トリプルコーク1440を成功。その後も複数の高難度技をつなぎ、95.00点を獲得しました。

一方、平野歩夢選手はフロントサイド・ダブルコーク1620などを組み込んだ演技で86.50点を獲得し、7位となりました。

また、NBC Olympicsによると、2022年北京大会では平野選手が五輪ハーフパイプでトリプルコークを披露した唯一の選手でしたが、2026年大会では決勝進出者12人のうち10人がトリプルコークに挑戦、または成功するまでに競技水準が進化しています。

この変化こそ、2026年のハーフパイプを象徴する出来事です。

【よくある質問】トリプルコーク1440に関するFAQ

Q1:トリプルコーク1440は何と読みますか?

「トリプルコーク・フォーティーン・フォーティ」と読みます。1440は360度を4回転した角度で、合計1440度を意味します。

Q2:トリプルコーク1440を最初に公式戦で成功させたのは誰ですか?

ハーフパイプ競技では、2021年12月のデュー・ツアーで平野歩夢選手がフロントサイド・トリプルコーク1440を初めて成功させました。スノーボード全体でのトリプルコークの歴史とは区別されます。

Q3:トリプルコーク1440と1620はどちらが難しいですか?

回転数だけを比較すれば、1620のほうが180度多く回るため、より大きな回転が必要です。ただし、実際の難易度は回転方向やスタンス、着地条件などによって変わります。

Q4:トリプルコーク1440を成功させれば高得点になりますか?

必ずしもそうではありません。高さ、グラブ、着地の安定性、技の多様性、演技全体の完成度も評価されます。大技を成功させても、ほかの部分でミスがあれば得点は伸びません。

Q5:2026年ミラノ・コルティナ五輪でトリプルコーク1440を成功させた日本人選手は誰ですか?

戸塚優斗選手が男子決勝で2種類のトリプルコーク1440を連続して成功させ、95.00点で金メダルを獲得しました。

トリプルコーク1440は、3回の斜め軸反転と1440度、つまり4回転を組み合わせたスノーボードの大技です。

平野歩夢選手が2021年のデュー・ツアーでハーフパイプ競技初成功を果たし、2022年北京オリンピックで金メダルを獲得したことで、その技術的価値は世界的に知られるようになりました。

そして2026年、ミラノ・コルティナオリンピックでは戸塚優斗選手が2種類のトリプルコーク1440を連続で成功させて優勝。イ・チェウン選手によるトリプルコーク1620の成功も、競技の新たな進化を印象づけました。

観戦時に覚えておきたい要点は3つです。

1. トリプルコークは斜め軸の反転回数を表す。
2. 1440と1620は、それぞれ4回転と4回転半を意味する。
3. 得点は回転数だけではなく、演技全体の完成度で決まる。

数字だけを見ると難しく感じる技名も、意味を理解すれば選手の挑戦や技術の違いが見えてきます。

今後のスノーボード・ハーフパイプでは、さらなる高回転技の開発だけでなく、異なる技をどれだけ高い完成度で組み合わせられるかが、世界のトップ争いを左右する大きな見どころになっていきます。

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デジタルマーケター 雨宮 理沙
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レーベル公式のリリースとライブ主催者の発表を一次情報とし、セットリストや動員は公式発表で再確認します。

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