日本人投手の日米通算勝利数ランキングは、2026年に大きな動きを見せた。歴代最多の座を守るダルビッシュ有が208勝を記録する一方、巨人の田中将大は9月19日の中日戦で204勝目を挙げ、黒田博樹の203勝を上回って歴代単独2位に浮上した。加えて、楽天に復帰した前田健太も2026年シーズンに通算171勝まで数字を伸ばし、松坂大輔と岩隈久志を追い抜いている。
日本で積み上げた勝利と、メジャーリーグで獲得した勝利。その両方を合わせた数字には、投手それぞれのキャリアや挑戦の歴史が表れている。2026年シーズン終了時点の最新ランキングを中心に、NPB・MLB別の内訳、日米通算200勝達成者、山本由伸の現在地まで詳しく整理する。
【2026年最新】日米通算勝利数の歴代ランキングは?

2026年11月3日時点で確認できる2026年シーズン終了時の記録では、日米通算勝利数の歴代1位はダルビッシュ有の208勝。2位は田中将大の204勝、3位は黒田博樹の203勝、4位は野茂英雄の201勝となっている。
注目すべきは、上位4人が全員200勝を突破していることだ。かつて日本人投手にとって大きな壁だった日米通算200勝は、現在では4人が到達した歴史的な記録となった。ただし、5位の石井一久は182勝で、200勝との差は19勝ある。上位4人と5位以下には明確な隔たりがある。
2026年9月19日には、田中将大が巨人対中日の一戦で7回1失点と好投し、日米通算204勝を達成した。これにより203勝の黒田博樹を抜き、歴代単独2位に浮上。1位のダルビッシュ有との差を4勝まで縮めた。
また、2026年10月5日の楽天対ソフトバンク戦では前田健太が今季6勝目を挙げ、日米通算171勝に到達。従来の170勝で並んでいた松坂大輔と岩隈久志を上回った。2026年のランキングを見るうえでは、この2つの順位変動も見逃せない。(参考:スポーツ報知、スポニチアネックス、パ・リーグ公式情報)
【NPB・MLB別内訳】歴代上位10投手の勝利数を徹底比較
日米通算勝利数を比較するとき、合計だけでなくNPBとMLBの内訳を見ることが重要だ。同じ200勝台でも、日本で実績を築いてから渡米した投手と、メジャーで長く活躍した投手では、キャリアの構成が大きく異なる。
以下は、日本と米国の両リーグで登板経験がある日本人投手を対象に、レギュラーシーズンの公式戦勝利数を合算したランキングである。NPBとMLBの順に記載している。
| 順位 | 投手名 | NPB勝利 | MLB勝利 | 日米通算 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | ダルビッシュ有 | 93勝 | 115勝 | 208勝 |
| 2位 | 田中将大 | 126勝 | 78勝 | 204勝 |
| 3位 | 黒田博樹 | 124勝 | 79勝 | 203勝 |
| 4位 | 野茂英雄 | 78勝 | 123勝 | 201勝 |
| 5位 | 石井一久 | 143勝 | 39勝 | 182勝 |
| 6位 | 桑田真澄 | 173勝 | 0勝 | 173勝 |
| 7位 | 前田健太 | 103勝 | 68勝 | 171勝 |
| 8位タイ | 松坂大輔 | 114勝 | 56勝 | 170勝 |
| 8位タイ | 岩隈久志 | 107勝 | 63勝 | 170勝 |
| 10位 | 和田毅 | 160勝 | 5勝 | 165勝 |
※2026年シーズン終了時点。NPB・MLBのレギュラーシーズン公式戦を対象とした比較。桑田真澄はMLBでの登板経験があるが、MLB公式戦での勝利はない。現役選手の成績はシーズンごとに更新される。
ダルビッシュ有と野茂英雄はMLBでの勝利が多いランキングで特徴的なのが、ダルビッシュ有と野茂英雄の内訳だ。
ダルビッシュは日本で93勝、米国で115勝。野茂は日本で78勝、米国で123勝を記録している。いずれもMLBでの勝利数がNPBを上回っており、海外で長期にわたり実績を残した投手だ。
野茂は1995年にロサンゼルス・ドジャースでメジャーデビュー。独特のトルネード投法とフォークボールで米国の打者を翻弄し、日本人メジャーリーガーの先駆者となった。2005年6月15日には日米通算200勝を達成している。
一方のダルビッシュは、レンジャーズ、ドジャース、カブス、パドレスでプレー。MLB通算115勝という数字は、日本人投手の歴史でも際立った実績だ。2026年シーズンは右肘の手術後のリハビリに専念し、通算208勝のままシーズンを終えている。
田中将大と黒田博樹はNPBでの勝利数が上回る田中将大はNPB126勝、MLB78勝。黒田博樹はNPB124勝、MLB79勝という構成だ。
2人に共通するのは、日本で実績を築いた後、メジャーリーグでも先発投手として長くローテーションを支えた点である。
田中は楽天時代の2013年に24勝0敗という歴史的な成績を残し、球団初の日本一に貢献。その後、ヤンキースで7年間プレーし、MLB78勝を記録した。2021年に楽天へ復帰し、2024年から巨人でプレーしている。
黒田は広島で124勝、ドジャースとヤンキースで79勝を記録。2015年に広島へ復帰した後も勝利を積み重ね、2016年に現役を引退するまで第一線で活躍した。
対照的に石井一久はNPB143勝、MLB39勝。松坂大輔はNPB114勝、MLB56勝である。勝利数の内訳を比較することで、それぞれがどのリーグでキャリアの中心を築いたかが見えてくる。
(参考:日本プロ野球名球会、NPB公式記録、MLB公式記録、2026年9月のランキング集計)
【200勝達成者は4人】野茂英雄から田中将大までの偉業
日米通算200勝は、日本人投手にとって特別な節目だ。2026年11月現在、達成者は野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有、田中将大の4人に限られる。
4人の記録は、単に長く現役を続けたというだけでは説明できない。国内外の異なる環境で結果を残し、故障や移籍、年齢による変化を乗り越えてきたキャリアの積み重ねでもある。
2005年:野茂英雄が日本人初の快挙最初に日米通算200勝へ到達したのは野茂英雄だ。2005年6月15日、タンパベイ・デビルレイズ時代に節目の勝利を記録した。
野茂の特徴は、NPB78勝に対してMLB123勝という内訳にある。日本球界からメジャーへ挑戦する道を切り開き、米国でも長期にわたって先発投手として活躍した。200勝という数字に加え、日本人選手の海外挑戦の歴史を変えた存在でもある。
2016年:黒田博樹が史上2人目の200勝2016年7月23日、広島の黒田博樹が阪神戦で7回無失点の好投を見せ、日米通算200勝を達成した。
MLBではドジャースとヤンキースで計79勝を記録。2015年に広島へ戻ってからもチームの中心として活躍し、2016年には25年ぶりのリーグ優勝にも貢献した。
NPB公式の記録紹介や野球殿堂博物館の資料にも、黒田の200勝達成は大きな節目として記録されている。
2024年:ダルビッシュ有が歴代最多を更新ダルビッシュ有は2024年に日米通算200勝を突破。その後も勝ち星を積み重ね、2026年時点で208勝に到達している。
MLB通算115勝という実績は、上位4人の中でも最多。変化球の多彩さ、投球術、長期にわたる適応力など、メジャーの第一線で勝ち続けてきたことが数字に表れている。
ただし、2025年10月に右肘の手術を受け、2026年は制限リスト入りしてリハビリを続けた。MLB公式の2026年8月の報道ではブルペン投球を再開した一方、現役復帰の時期は明確になっていなかった。208勝は維持しているが、今後の上積みについては復帰の判断とコンディションが鍵を握る。
2025年:田中将大が史上4人目の200勝田中将大は2025年9月30日の中日戦で6回2失点と好投し、史上4人目の日米通算200勝を達成した。
日本プロ野球名球会の公式発表によると、田中は通算432試合目で200勝に到達。これは歴代最少試合数での達成だった。
さらに2026年には記録を204勝まで伸ばした。9月19日の中日戦では7回1失点で今季4勝目を挙げ、黒田の203勝を上回った。200勝到達で終わらず、歴代2位まで順位を上げたことが2026年の大きなニュースとなった。
なお、日米通算200勝の達成順は、野茂、黒田、ダルビッシュ、田中の順。現在の勝利数ランキングの順位とは異なる点にも注目したい。
(参考:日本プロ野球名球会公式発表、NPB公式ニュース、野球殿堂博物館、MLB公式報道)
【200勝の価値】日米通算勝利数が簡単に増えない理由
200勝という数字は、投手の能力だけでなく、長期的な稼働とチーム環境がそろって初めて到達できる記録だ。
先発投手として長期間ローテーションを守る必要がある仮に1シーズン10勝を挙げる投手でも、200勝には単純計算で20シーズンが必要になる。年間15勝を10年以上続ける場合でも、150勝にしかならない。
実際には、故障による離脱や不調、移籍による環境の変化、登板機会の減少などがある。日本と米国の両方でプレーする場合は、移動や時差、球場、ボール、打者の傾向にも適応しなければならない。
野茂や黒田、ダルビッシュ、田中が長期間にわたって第一線で活躍したことには、それぞれ異なる難しさがあった。
勝利数は投手個人だけで決まる記録ではない投手の勝利数には、本人の投球内容だけでなく、打線の援護や守備、救援投手の働きも関係する。
例えば、先発投手が好投しても味方打線が無得点なら勝利はつかない。また、リードを保って降板しても、その後に救援投手が逆転を許せば先発投手の勝利は消える場合がある。
そのため、勝利数だけで投手の実力を完全に比較することはできない。防御率、投球回、奪三振、WHIP、QS数なども合わせて確認すると、選手の実績をより立体的に評価できる。
日米通算200勝は名球会の入会基準にもなる200勝には記録上の価値だけでなく、名球会の入会資格という意味もある。
日本プロ野球名球会の公式規定では、投手は通算200勝以上、または250セーブ以上が主な入会基準となっている。通算成績にはMLBの記録も合算される。ただし、日本プロ野球での記録を起点とする規定だ。
この基準は、長く日本と米国の両方で活躍する選手が増えた時代背景を反映している。田中将大も2025年の200勝達成によって名球会入りの資格を得た。
一方、NPBだけの通算200勝と日米通算200勝は、記録の構成が異なる。両者を同じ条件の数字として扱わないことが、ランキングを理解するうえで大切だ。
(参考:日本プロ野球名球会「入会規定」、NPB公式記録)
【現役投手の現在地】前田健太171勝、山本由伸103勝
2026年の日本人投手を語るうえでは、上位ランキングの変動だけでなく、これから記録を伸ばす現役投手にも注目したい。
前田健太は楽天復帰1年目に171勝へ到達前田健太は2026年、11年ぶりに日本球界へ復帰し、東北楽天ゴールデンイーグルスでプレーした。
2026年10月5日のソフトバンク戦では6回1失点の好投で今季6勝目を記録。これにより日米通算171勝となり、170勝で並んでいた松坂大輔と岩隈久志を上回った。
NPB公式の2026年シーズン終了時の個人成績では、前田のNPB通算勝利は103勝。MLB通算68勝と合わせて171勝となる。
今季は15試合に先発して6勝4敗、防御率2.19。9試合連続でクオリティースタートを記録するなど、シーズン後半に安定感を増した。
200勝までは残り29勝。38歳で迎えた国内復帰シーズンに結果を残したことは、今後のキャリアを考えるうえでも大きな意味を持つ。
山本由伸は2026年に日米通算100勝を突破将来のランキング上位候補として注目されるのが、ロサンゼルス・ドジャースの山本由伸だ。
2026年7月25日(日本時間26日)のメッツ戦で今季11勝目を挙げ、日米通算100勝を達成した。この時点での内訳はオリックス70勝、ドジャース30勝だった。
さらに2026年のMLBレギュラーシーズンを14勝で終え、MLB通算33勝に到達。NPBの70勝と合わせ、シーズン終了時点では日米通算103勝となっている。
山本は2024年にドジャースへ移籍して以来、メジャーの先発ローテーションを担ってきた。2025年に続き2026年も安定した投球を披露し、長いイニングを投げられる先発投手として存在感を高めている。
100勝到達はキャリアの節目ではあるものの、歴代上位の200勝台とはまだ大きな差がある。今後どれだけ長く先発として稼働できるかが、将来の通算勝利数を左右する。
2026年の現役投手を比較する際のポイント現役選手を比較する場合、単純な勝利数の大小だけでなく、年齢、所属リーグ、登板数、先発としての役割、シーズンごとの成績推移を確認したい。
ダルビッシュは208勝という歴代最多記録を持ちながらリハビリ中。田中は204勝で歴代2位。前田は171勝で200勝を目指し、山本は103勝でさらなる記録更新を狙う位置にいる。
この4人の状況はそれぞれ異なり、今後のランキングを予想するうえでも重要な比較対象となる。
(参考:NPB公式個人成績、MLB公式選手成績、日刊スポーツ、パ・リーグ公式情報)
【プロの結論】日米通算勝利数を比較するときの判断基準
日米通算勝利数は、数字が大きいほど長期にわたって勝ち星を積み重ねたことを示す。ただし、ランキングを正確に理解するためには、次の3つの視点が欠かせない。
1. NPBとMLBの内訳を必ず確認する208勝のダルビッシュと201勝の野茂は、MLBでの勝利が100勝を超えている。一方、田中と黒田はNPBでの勝利がMLBを上回る。
合計が近い投手でも、どのリーグで実績を積み重ねたかによってキャリアの特徴は大きく異なる。日本での実績を重視するのか、メジャーでの適応力を評価するのかによって、比較の視点も変わってくる。
2. 記録の集計範囲を統一する日米通算勝利数は、NPBとMLBの公式記録を合算して扱う数字であり、両リーグを一元管理する単一の公式ランキングではない。
一般的な比較ではレギュラーシーズンの公式戦を対象とし、ポストシーズン、オープン戦、マイナーリーグ、NPB二軍、独立リーグなどは含めない。
また、桑田真澄のようにMLBでの登板経験があっても勝利がない投手がランキングに入る場合がある。これは、MLBでの勝利数ではなく、NPBとMLBの両方でプレーした投手を対象にしているためだ。
3. 勝利数以外の指標も組み合わせる投手の実績を評価するなら、通算勝利数だけでなく、防御率、投球回、奪三振、勝率、完投数などを確認することが望ましい。
特に、現代の野球では投手の分業化が進み、先発投手が完投する機会も限られる。昔の投手と現代の投手では登板環境やチームの運用方法が異なるため、単純な勝利数だけで優劣を決めるのは適切ではない。
【プロの結論】日米通算勝利数の本当の価値は、異なる野球環境を経験しながら、長いキャリアを通じて勝ち星を積み重ねた点にある。2026年は田中将大の204勝、前田健太の171勝、山本由伸の103勝という新しい動きがあり、ダルビッシュ有の208勝も歴史的な基準として残っている。今後のランキングを追う際には、合計数と内訳、選手のキャリア、シーズンごとの成績をセットで見ることが重要だ。
日米通算勝利数に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日米通算勝利数の歴代1位は誰ですか?
A1:2026年11月現在、ダルビッシュ有の208勝が歴代1位です。内訳はNPB93勝、MLB115勝です。2位は田中将大の204勝となっています。
Q2:日米通算200勝を達成した日本人投手は何人ですか?
A2:2026年11月現在、野茂英雄、黒田博樹、ダルビッシュ有、田中将大の4人です。達成順は野茂、黒田、ダルビッシュ、田中となっています。
Q3:田中将大はいつ日米通算204勝を達成しましたか?
A3:2026年9月19日の巨人対中日戦です。7回1失点の好投で今季4勝目を挙げ、黒田博樹の203勝を抜いて歴代単独2位に浮上しました。
Q4:黒田博樹と野茂英雄の日米通算勝利数は何勝ですか?
A4:黒田博樹は203勝(NPB124勝・MLB79勝)、野茂英雄は201勝(NPB78勝・MLB123勝)です。
Q5:前田健太の日米通算勝利数は何勝ですか?
A5:2026年シーズン終了時点で171勝です。内訳はNPB103勝、MLB68勝。2026年10月5日に今季6勝目を挙げ、松坂大輔と岩隈久志の170勝を上回りました。
Q6:山本由伸は日米通算100勝を達成していますか?
A6:はい。2026年7月25日(日本時間26日)のメッツ戦で100勝に到達しました。2026年シーズン終了時点ではNPB70勝、MLB33勝の合計103勝です。
Q7:日米通算勝利数にポストシーズンの勝利は含まれますか?
A7:一般的な日米通算ランキングでは含みません。NPBとMLBのレギュラーシーズン公式戦における勝利数を合算します。プレーオフや日本シリーズなどの勝利は別に扱います。
2026年の日米通算勝利数ランキングは、ダルビッシュ有の208勝が首位を維持し、田中将大が204勝で歴代単独2位に浮上した。黒田博樹は203勝、野茂英雄は201勝で続き、日米通算200勝達成者は日本人投手4人となっている。
加えて、石井一久の182勝、桑田真澄の173勝、前田健太の171勝、松坂大輔と岩隈久志の170勝など、上位には異なる時代とリーグで活躍した投手が並ぶ。
2026年は前田健太が楽天で171勝に到達し、山本由伸も103勝まで記録を伸ばした。現役選手の活躍によって、今後のランキングがどのように変化するかにも注目したい。
日米通算勝利数を正しく理解するためには、合計だけでなくNPB・MLB別の内訳、200勝達成までの経緯、選手が活躍した時代の違いを確認することが大切だ。208勝という歴代最多記録を持つダルビッシュの今後、204勝の田中のさらなる上積み、そして前田や山本の挑戦が、日本人投手の歴史に新たなページを加えていく。
主要な情報確認資料- 日本プロ野球名球会:200勝達成者・入会規定
- NPB公式:2026年シーズン終了時の個人成績
- MLB公式:ダルビッシュ有・山本由伸の通算成績
- スポーツ報知・スポニチアネックス:田中将大の204勝、前田健太の171勝に関する報道
- 日刊スポーツ:2026年の記録達成報道