日系韓国人とは?ルーツ・国籍・在日韓国人との違いを2026年最新情報で解説
「日系韓国人」とは、どのような人を指すのでしょうか。日本人の血筋を持ちながら韓国で暮らす人なのか、日本人の親と韓国人の親を持つ人なのか、それとも日本から韓国に移住して国籍を取得した人なのか。言葉だけでは、その範囲が分かりにくいという問題があります。
実際には、日系韓国人は日本と韓国の法律で定められた独立の国籍区分ではありません。日本人を祖先に持つ韓国人や、日韓国際結婚によって生まれた人などを説明する際に使われる表現です。2026年の最新情報を踏まえ、言葉の定義、歴史的なルーツ、国籍の仕組み、在日韓国人や韓国系日本人との違い、現在の実態を整理します。
【意味と定義】日系韓国人とはどのような人なのか?

日系韓国人という言葉を理解するには、「日系」と「韓国人」を分けて考える必要があります。
「日系」は、日本人を祖先に持つことや、日本から海外に移住した人々とその子孫とのつながりを表す言葉です。一方、「韓国人」は、韓国籍を持つ人という法的な意味で使われる場合と、韓国に民族的・文化的なルーツを持つ人という意味で使われる場合があります。
そのため、両者を組み合わせた日系韓国人は、一般的には日本人の血縁的なルーツを持ち、韓国社会とのつながりを持つ人を説明する表現として理解できます。
日系韓国人に考えられる主なルーツ具体的には、次のような背景を持つ人が該当する可能性があります。
- 日本人の父親または母親と韓国人の親を持つ人
- 日本人の祖父母や曾祖父母を持つ韓国人
- 日本から韓国に移住し、韓国国籍を取得した人とその子孫
- 日韓の国際結婚によって形成された家族の子孫
- 日本にルーツを持ちながら、韓国で生まれ育ち、韓国社会を生活の基盤としている人
ただし、日本人の親を持つことと、本人が韓国籍を持つことは別の問題です。また、日本人の祖先がいるからといって、本人が必ず日系人というアイデンティティーを持つとも限りません。
「日系人」の定義から考える外務省が公表している海外日系人数推計では、日本人の移住者とその子孫について、日本国籍を持っているかどうかにかかわらず、日本人の血統を引き、海外に永住目的で居住する人を日系人に含めています。
つまり、日系人という言葉は国籍だけで決まるものではありません。日本国籍を持たない人でも、日本人の祖先を持ち、海外で生活していれば日系人として扱われる場合があります。
この考え方を韓国に当てはめると、日本人のルーツを持つ韓国人を日系韓国人と説明することには一定の合理性があります。ただし、韓国政府が定めた正式な民族分類や国籍区分と同一視することはできません。
【歴史とルーツ】日系韓国人が生まれた背景とは?
日本と韓国の間に日本人のルーツを持つ人々が生まれた背景には、植民地支配、戦争、戦後の国際結婚、そして現代の人的交流という複数の歴史があります。
1910年から1945年:日本統治時代の朝鮮半島1910年、日本は韓国併合によって朝鮮半島を植民地支配下に置きました。この時期には、日本人が朝鮮半島に移住する一方、日本と朝鮮半島の人々が同じ地域で生活する状況も生まれました。
当時の日本人移住者には、行政、商業、教育、軍事、産業など、さまざまな分野に関わる人々がいました。また、日本人と朝鮮人の結婚も存在しました。
ただし、当時の婚姻関係を現代の対等な国際結婚と同じ条件で理解することはできません。植民地支配という政治的・社会的な力関係が存在していたためです。
1945年:終戦と日本人の引き揚げ1945年の日本の敗戦と朝鮮半島の解放によって、それまで朝鮮半島で生活していた日本人の多くは日本への引き揚げを余儀なくされました。
アジア歴史資料センターの戦後80周年特別展でも、朝鮮半島に居住していた日本人の帰還や、北部朝鮮からの脱出、引き揚げの困難な状況が記録されています。
しかし、すべての日本人が日本に戻ったわけではありません。韓国人男性と結婚していた日本人女性の中には、韓国に残って生活を続けた人々もいました。
こうした女性たちと、その家族の歴史は、日本人のルーツを持つ韓国人を理解するうえで重要な背景になっています。
戦後の日韓国際結婚と在韓日本人妻戦後の韓国には、韓国人男性と結婚し、そのまま韓国で暮らした日本人女性たちがいました。彼女たちは「在韓日本人妻」と呼ばれ、日韓関係の複雑さを家庭生活の中で経験してきました。
その歴史を伝える団体の一つが「芙蓉会」です。聯合ニュースの2026年6月23日の報道によると、同会は1961年に日本語聖書研究会として活動を始め、1963年5月に在韓日本婦人会を発足させ、1966年に現在の名称へ改称しました。
同報道では、在韓日本人妻は2000人以上いたと推定され、そのうち約1200人が日本へ帰国し、1998年時点では約500人が韓国に暮らしていたとされています。
日本人妻の生活は必ずしも平穏ではありませんでした。植民地支配の記憶が残る社会で、日本人であることを理由に周囲との関係に苦労した人もいました。子どもたちへの影響を心配し、三・一節や光復節には目立たないように過ごしたという証言も報じられています。
2026年6月:在韓日本人妻の歴史を伝えた一人の死去2026年6月23日、聯合ニュースは、芙蓉会の韓国在住会員のうち最後の存命者だった山口眞須恵さんが、同年5月8日に仁川市内の高齢者施設で97歳で亡くなったと報じました。
山口さんは1929年に北海道札幌市で生まれ、高校生のときに韓国人留学生と出会い、18歳で韓国に渡りました。その後、韓国国籍を取得しながらも日本名を使い続けていたとされています。
この出来事は、日系韓国人という言葉の背景にある歴史が、単なる血縁や国籍の問題ではなく、移住、結婚、文化、家族の記憶に深く関係していることを示しています。
【違いを比較】日系韓国人・在日韓国人・韓国系日本人は何が違う?
日系韓国人を調べる際に特に混同されやすいのが、在日韓国人、韓国系日本人、在韓日本人という呼称です。
これらは似た表現ですが、実際には出自、国籍、居住地のどこに重点を置いているかが異なります。
| 呼称 | 主な意味・ルーツ | 国籍・居住地の考え方 |
|---|---|---|
| 日系韓国人 | 日本人の祖先や親を持つ韓国人 | 韓国籍の人を指す説明として使われるが、正式な分類ではない |
| 在日韓国人 | 韓国・朝鮮半島にルーツを持ち、日本に住む人 | 韓国籍の人を中心に使われるが、文脈によって範囲が異なる |
| 在日コリアン | 日本に暮らす韓国・朝鮮にルーツを持つ人々 | 韓国籍、朝鮮籍、日本国籍など背景はさまざま |
| 韓国系日本人 | 韓国人の祖先や親を持つ日本人 | 日本国籍を持つ人を指す表現 |
| 在韓日本人 | 韓国に居住する日本人 | 日本国籍を持って韓国で暮らす人。日本人のルーツを持つ韓国人とは別 |
最も大きな違いは、ルーツと居住地の方向です。
日系韓国人は、日本人の祖先を持つ韓国人という意味で理解されます。一方、在日韓国人は、韓国や朝鮮半島にルーツを持ち、日本に暮らす人を指す表現です。
在日韓国人の歴史には、日本統治時代に朝鮮半島から日本へ渡った人々や、その子孫が関係しています。国立国会図書館のリサーチ・ナビでも、在日朝鮮人、在日韓国人、在日コリアンなど、立場や論者によってさまざまな呼称が使われることが整理されています。
日系韓国人と韓国系日本人の違いこの2つは、ルーツと国籍の組み合わせが反対方向になる表現です。
例えば、日本人の母親と韓国人の父親を持ち、韓国国籍を取得して韓国で生活している人は、日本人のルーツを持つ韓国人と説明できます。
一方、韓国人の親や祖父母を持ちながら、日本国籍を取得して日本で暮らしている人は、韓国系日本人と表現できます。
ただし、国籍だけで本人の民族的な帰属意識や文化的アイデンティティーまで判断することはできません。
日系韓国人と在韓日本人の違いここも重要な区別です。
在韓日本人は、韓国に住んでいる日本国籍の人を意味します。仕事、留学、結婚など、韓国で暮らす理由はさまざまです。
それに対して日系韓国人は、日本人のルーツを持ちながら韓国人として生活する人を説明する表現です。韓国に住んでいるという事実だけでは、日系韓国人にはなりません。
【国籍の仕組み】日系韓国人は日本国籍と韓国国籍のどちらを持つ?
日系韓国人の国籍を考える際には、日本と韓国それぞれの国籍法を確認する必要があります。
重要なのは、親の国籍、出生時期、法律上の親子関係、出生届や国籍取得の手続きなどです。日本人の親がいるという理由だけで、本人の現在の国籍を一律に決めることはできません。
日本の国籍法:父母のどちらかが日本人なら原則として出生時に取得日本の国籍法第2条では、出生時に父または母が日本国民である場合、原則として子どもは出生によって日本国籍を取得すると定めています。
したがって、日本人の父親と韓国人の母親、日本人の母親と韓国人の父親という、どちらの組み合わせでも、法律上の親子関係などの要件を満たせば日本国籍を取得できます。
ただし、外国で生まれた子どもが出生によって日本国籍と外国籍を取得した場合には、国籍留保などの手続きが関係することがあります。
韓国の国籍法:1998年に父系血統主義から父母両系血統主義へ韓国の国籍制度には、歴史的に重要な変更があります。
韓国では1998年6月14日施行の国籍法改正によって、従来の父系血統主義から父母両系血統主義へ移行しました。これにより、出生時に父または母のどちらかが韓国国民であれば、原則として出生と同時に韓国国籍を取得する仕組みになりました。
それ以前は、基本的に韓国人の父親から子どもへ国籍を引き継ぐ制度でした。そのため、日本人の母親と韓国人の父親を持つ人と、韓国人の母親と日本人の父親を持つ人では、出生時の国籍の扱いが異なる場合がありました。
日韓の二重国籍になる可能性もある日韓の両方の国籍法によって出生時に国籍を取得する場合、二重国籍となる可能性があります。
ただし、二重国籍の取り扱いは、出生時期、国籍取得の経緯、年齢、国籍選択に関する各国の法律や手続きによって異なります。
特に、1998年以前に生まれた人については、韓国の国籍法改正の経過措置なども関係するため、単純に現在の制度だけを当てはめることはできません。
具体的な国籍を確認する場合は、出生時の親の国籍と法律上の親子関係、出生届、国籍留保の有無、帰化歴などを確認する必要があります。
【2026年の現在】日系韓国人の実態と人口データを検証
現在の日系韓国人について考える際に注意したいのは、日系韓国人だけを独立して集計した統計が一般的な国籍統計には存在しないことです。
韓国籍を持つ日本ルーツの人、日本国籍を持つ韓国系の人、日韓国際結婚によって生まれた人は、それぞれ異なる統計上の扱いになります。
外務省の海外日系人数推計では韓国に約2万2000人参考になる資料として、外務省の「海外日系人数推計」があります。
2023年10月1日現在の推計では、海外の日系人は世界全体で約500万人とされ、韓国は約2万2000人でした。
この推計では、国籍の有無にかかわらず、日本人の血統を引き、海外に永住目的で居住する人を日系人に含めています。したがって、韓国における日本ルーツの人々の規模を考えるための参考資料になります。
ただし、この約2万2000人という数字は2023年時点の外務省による推計です。2026年現在の確定人口でも、韓国籍を持つ日系韓国人だけの人数でもありません。
韓国籍の在日外国人数と混同しないことが重要もう一つ、混同されやすいのが、日本に暮らす韓国籍の人々の統計です。
出入国在留管理庁の2026年6月末の在留外国人統計では、韓国籍の在留者は408,682人となっています。
しかし、この数字は日本に住む韓国籍の人を集計したものです。日本人の祖先を持つ韓国人の人口を示しているわけではありません。
このように、日系韓国人の実態を正しく理解するには、単に韓国籍や日本居住者の人数を見るのではなく、血縁的なルーツと実際の居住地を分けて考える必要があります。
現代の日韓国際結婚と子ども世代のアイデンティティー現在の日系韓国人につながる家族形成は、戦後の在韓日本人妻だけに限られません。
現代では、恋愛、結婚、仕事、留学などをきっかけに日韓の人々が家庭を築いています。日本人の母親と韓国人の父親、あるいはその逆の組み合わせなど、家族の形も多様です。
2025年に韓国の日本研究関連学術誌に掲載された、及川弘恵氏による在韓日本人結婚移住女性の研究動向に関する論文では、2025年6月までに発表された関連研究162本が整理されています。
研究テーマには、韓国での生活、子どもへの継承語教育、日本と韓国の歴史問題による葛藤、言語適応、植民地時代の日朝間の結婚などが含まれています。
この研究動向から分かるのは、日韓の家族にとって、単に日本語と韓国語のどちらを話すかという問題だけではなく、歴史認識や文化的な帰属意識、次世代への言語継承も大切なテーマになっていることです。
【呼称と由来】日系韓国人という言葉を使うときの注意点
日系韓国人という表現は意味を推測しやすい一方、使用する場面によっては誤解を生む可能性があります。
正式な民族名や国籍名ではない日系韓国人は、日本の国籍法や韓国の国籍法で定められた正式な国籍区分ではありません。
また、韓国政府が日系韓国人という名称で独立した民族集団を登録しているわけでもありません。
そのため、個人を説明するときは、実際の背景に合わせて「日本人の母親を持つ韓国人」「日本にルーツを持つ韓国籍の人」「日韓のミックスルーツを持つ人」などと表現するほうが正確な場合があります。
日本人のルーツと本人のアイデンティティーは別日本人の祖先を持っていても、本人が自分を日本人と認識しているとは限りません。
韓国で生まれ、韓国語を母語として育ち、韓国の学校や社会で生活してきた人にとっては、韓国人としての意識が中心になっている場合もあります。
反対に、日本語や日本文化を家庭内で受け継ぎ、日本とのつながりを大切にしている人もいます。
こうした違いは、家族の歴史や育った環境によって変わります。血縁だけを理由に、本人の文化的な帰属意識を決めつけることは適切ではありません。
情報を見極めるための4つの判断基準人物紹介やインターネット上の情報で日系韓国人という言葉を見かけた場合は、次の4点を確認すると混乱を防げます。
- 国籍:本人が現在、日本国籍なのか韓国国籍なのか、あるいは複数の国籍に関係する立場なのか。
- 血縁:日本人の親を持つのか、祖父母やさらに前の世代に日本人がいるのか。
- 居住地:日本に住んでいるのか、韓国に住んでいるのか、別の国に移住しているのか。
- 本人の認識:本人がどのような文化的・民族的アイデンティティーを持っているのか。
特に、名前や外見、話す言語だけで日本人の血筋や国籍を判断することはできません。公表されている本人のプロフィールや公式情報と、実際の法的な国籍を区別して理解することが大切です。
【日系韓国人】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日系韓国人とは日本人と韓国人のハーフのことですか?
A1:必ずしもそうではありません。日本人の親を持つ人だけでなく、日本人の祖父母や曾祖父母を持つ韓国人なども、広い意味で日本にルーツを持つ人として説明できます。ただし、日系韓国人は正式な法的分類ではありません。
Q2:日系韓国人は韓国国籍と日本国籍のどちらを持っていますか?
A2:人によって異なります。出生時の親の国籍、出生時期、国籍法、出生届や国籍取得手続きなどによって決まります。日本と韓国の両方の国籍を取得する可能性もあります。
Q3:日系韓国人と在日韓国人は同じ意味ですか?
A3:同じではありません。日系韓国人は日本人のルーツを持つ韓国人を説明する表現で、在日韓国人は韓国・朝鮮半島にルーツを持ち、日本に居住する人を指す表現です。出自と居住地の方向が異なります。
Q4:韓国に日本人のルーツを持つ人はどのくらいいますか?
A4:外務省の2023年10月1日時点の海外日系人数推計では、韓国の日系人は約2万2000人とされています。ただし、これは韓国籍の人だけを集計した数字ではなく、2026年現在の確定人口でもありません。
Q5:日系韓国人と韓国系日本人の違いは何ですか?
A5:一般的な説明では、日系韓国人は日本人のルーツを持つ韓国人、韓国系日本人は韓国人のルーツを持つ日本人です。前者は日本側のルーツ、後者は韓国側のルーツに重点を置いた表現です。
日系韓国人とは、日本人の祖先や親を持ちながら韓国とのつながりを持つ人を説明する表現です。ただし、正式な国籍区分ではなく、個人の出生、家族構成、移住の経緯、文化的な背景によって意味する範囲が変わります。
その歴史には、日本統治時代の人々の移動、1945年の敗戦と引き揚げ、韓国に残った日本人妻、戦後の日韓国際結婚、そして現代の国際家庭という複数の流れがあります。
また、1998年の韓国国籍法改正による父母両系血統主義への転換は、日韓の親を持つ人々の国籍を理解するうえで重要な転換点です。
【プロの結論】
日系韓国人という言葉を正確に理解するために、最も重要なのは「血縁」「国籍」「居住地」「アイデンティティー」を混同しないことです。
日本人の血筋を持つから日本国籍とは限らず、韓国籍を持っているから日本との文化的なつながりがないとも限りません。また、在日韓国人や韓国系日本人という呼称も、それぞれ異なる歴史と社会的背景を持っています。
2026年現在、日韓の人々の交流や国際結婚によって家族の形は多様化しています。日系韓国人という言葉を単なる国籍や血統のラベルとして捉えるのではなく、複数の歴史や文化を受け継ぐ人々を理解するための表現として考えることが大切です。
主な根拠資料: 外務省「海外日系人数推計」、出入国在留管理庁「在留外国人統計」、法務省「国籍法・国籍Q&A」、国立国会図書館「日本に在留する韓国・朝鮮人について知る」、アジア歴史資料センター、韓国国家法令情報センター、聯合ニュース(2026年6月23日)、韓国学術情報サービス(2025年掲載論文)。