犬の散歩中に出たフンは、その場でどのように処理し、持ち帰った後は何ごみとして捨てればよいのでしょうか。実は、犬のフンの処分方法は全国一律ではありません。燃やせるごみとして出す自治体がある一方、トイレに流すよう案内している自治体もあり、地域によって対応が大きく異なります。
2026年11月現在、倉敷市や新宿区、佐賀市などの自治体公式情報を確認すると、散歩中の回収方法だけでなく、フンの放置に対する条例や罰則、尿の処理についても具体的なルールが設けられています。知らなかったでは済まされない地域ルールもあるため、飼い主は散歩のマナーと家庭での適切な処分方法の両方を把握しておく必要があります。
【基本ルール】犬のフンは散歩中に必ず持ち帰る!正しい処理方法とは

犬のフンの処理で最も大切なのは、排泄した場所に放置せず、飼い主が責任を持って回収することです。
道路や歩道、公園、他人の敷地などに犬のフンを残す行為は、衛生面だけでなく、近隣住民とのトラブルにもつながります。
犬のフンを回収する正しい手順散歩中のフンの処理には、ビニール袋やティッシュ、トイレットペーパーなどを用意しておくと便利です。
公益財団法人福岡県動物愛護センターが紹介する方法を参考にすると、次の手順で衛生的に回収できます。
1. フンの上にトイレットペーパーやティッシュをかぶせる。
2. ビニール袋に手を入れ、袋越しにフンをつかむ。
3. フンをつかんだ状態で袋を裏返す。
4. 袋の口をしっかり結び、密閉する。
5. 自宅まで持ち帰り、自治体の指定方法で処分する。
この方法なら、直接フンに触れることなく回収できます。スコップを使用する場合も、回収したフンを放置せず、必ず袋などに収納して持ち帰りましょう。
犬のフン回収袋は何を選べばよい?散歩用の回収袋は、次の条件を意識して選ぶと使いやすくなります。
- 防臭性: においが漏れにくい素材や構造になっている。
- 防水性: 水分の多いフンでも漏れにくい。
- 耐久性: 破れにくく、持ち運び中のトラブルを防げる。
- 開閉のしやすさ: 排泄後に片手でも扱いやすい。
- 携帯性: 散歩バッグやリードに取り付けられる。
特に夏場や長時間の散歩では、防臭性と密閉性が重要です。
なお、トイレに流せると表示された回収袋であっても、自治体が犬のフンの水洗処理を認めているとは限りません。袋自体を流してよいかどうかも別問題です。処分先のルールを優先してください。
散歩前に自宅で排泄させることも大切犬の散歩は、運動や気分転換、飼い主とのコミュニケーションのための時間です。
東京都の動物愛護相談センターも、散歩前に自宅で排泄を済ませることを推奨しています。
外で排泄する機会を減らせれば、公共の場所を汚すリスクも小さくなります。自宅でも外でも排泄できるようにしつけておくと、悪天候や災害時にも対応しやすくなります。
【2026年最新】犬のフンは何ごみ?捨て方とトイレに流せる条件を解説
犬のフンを持ち帰った後に迷いやすいのが、家庭での処分方法です。
「燃えるごみでよいのか」「トイレに流しても問題ないのか」という疑問には、全国共通の一つの答えはありません。
自治体の公式案内を確認すると、主に次のような違いがあります。
犬のフンは燃やせるごみとして捨てる方法がある多くの自治体では、犬のフンを家庭ごみとして処理する方法を案内しています。
例えば、倉敷市は2026年5月21日更新の公式情報で、次の処分方法を示しています。
- フンを小袋に入れる。
- ごみ袋の中ほどに入れる。
- 燃やせるごみとして出す。
また、佐賀市も2026年6月1日更新の公式ページで、持ち帰った犬のフンは燃えるごみとして処分するよう案内しています。
横須賀市では、ペットのフンを紙などで包み、燃せるごみに出す方法を紹介しています。
家庭で処分する場合は、次の点にも気を配りましょう。
- 袋の口を確実に結ぶ。
- 水分が漏れないようにする。
- においが広がらないよう小袋を活用する。
- 自治体指定のごみ袋や収集日を守る。
特に、フンを入れた小袋を家庭ごみ袋の中に入れる方法は、においや汚れを抑えるうえでも実用的です。
犬のフンはトイレに流せる?犬のフンをトイレに流せるかどうかは、地域によって対応が異なります。
ここで注意したいのが、下水道に流す行為そのものと、自治体が推奨する家庭ごみの処分方法は別の問題だという点です。
2026年1月分の東京都下水道局の公表資料では、ペットのフンをトイレに流す行為について、現行法令上は禁止されているものではないと説明しています。
一方で、ペットのフンには毛などが含まれ、水中で分解されにくい場合があります。ペット用の砂が付着していると、住宅内の排水管が詰まるおそれもあります。
配管が詰まった場合の修理費用は、利用者の負担になるとされています。そのため、東京都下水道局はペットのフンを下水道に流さないよう呼びかけ、自治体の処理ルールに従って判断するよう求めています。
トイレに流す自治体と流してはいけない自治体の違い具体例を見ると、地域による違いがよく分かります。
神戸市の場合
神戸市の公式FAQでは、ペットのフンは市では収集できないとして、砂などを取り除いてトイレに流すよう案内しています。
大津市の場合
大津市は2025年3月28日更新の公式情報で、犬や猫のフンをトイレに流さないよう明確に呼びかけています。
理由は、フンが水に溶けにくく、下水道の排水管が詰まる可能性があるためです。
散歩中に回収したフンを公衆トイレに流すことも禁止するよう案内し、燃やせるごみとして処分する方法を示しています。
つまり、「犬のフンは必ずトイレに流す」「犬のフンは絶対にトイレに流せない」という全国一律の決まりがあるわけではありません。
最も確実なのは、住んでいる自治体のごみ分別案内と下水道管理者の指示を確認することです。
【自治体別比較】2026年の犬のフンの捨て方・条例・処理ルール
ここでは、2026年に確認できる自治体の公式情報をもとに、犬のフンの処分方法と飼い主に求められる対応を整理します。
出典:各自治体公式ホームページ。新宿区の条例上の義務と罰則の範囲については後述。
自分の自治体のルールを調べる方法自治体の公式サイトでは、次の検索語を使うと情報を見つけやすくなります。
- 「犬のフン ごみ 分別 自治体名」
- 「ペットのフン 処理方法 自治体名」
- 「犬のフン トイレに流せる 自治体名」
- 「ペットの排泄物 ごみ収集 自治体名」
ごみ分別表だけでは犬のフンについて明記されていない場合もあります。その場合は、清掃事務所や環境政策課、下水道担当部署に問い合わせると確実です。
【放置するとどうなる?】犬のフン放置条例と罰則を自治体別に検証
犬のフンを放置した場合、自治体の条例に違反する可能性があります。
ただし、罰則の内容や適用条件は地域によって違います。すべての自治体で同じ金額の罰金が科されるわけではありません。
倉敷市飼い犬ふん害防止条例は2012年施行岡山県倉敷市・2026年5月21日更新の公式情報
倉敷市では、2012年1月1日から「倉敷市飼い犬ふん害防止条例」が施行されています。
この条例では、道路や公園などの公共の場所、他人の土地や建物などを犬のフンで汚した場合、飼い主はフンを持ち帰らなければならないと定めています。
また、犬を散歩させる際には、フンを処理するための用具を持参する義務があります。
注目したいのは罰則の適用条件です。
市長が指定する職員からフンを持ち帰るよう命令を受けたにもかかわらず、その命令に従わない場合、1万円以下の過料に処される可能性があります。
単にフンを放置した時点で一律に1万円が請求されるという制度ではありません。命令に従わなかった場合の罰則である点が重要です。
佐賀市では2万円以下の罰金の対象になる場合がある佐賀市の2026年6月1日更新の公式ページでは、「佐賀市飼い犬のふん害の防止に関する条例」によって犬のフンの放置が禁止されていると説明しています。
違反した場合には、2万円以下の罰金の対象となることがあります。
散歩の際には袋やスコップなどの回収用具を携帯し、フンを持ち帰るよう求めています。
枚方市では市の命令に従わない場合に罰金大阪府枚方市では、「枚方市ポイ捨てによるごみの散乱及び犬のふんの放置の防止に関する条例」により、飼い主などによる犬のフンの放置を禁止しています。
加えて、犬の散歩などで所有地以外に出る場合は、フンを処理する用具を携帯することも求められています。
市の命令に従わない場合には、2万円以下の罰金に処されることがあります。
新宿区の犬の散歩マナーと条例上の注意点東京都新宿区では、2026年9月17日更新の公式ページで、犬のフンの放置は条例違反であると明記しています。
飼い主には次の対応が求められています。
- 散歩前に自宅で排泄を済ませる。
- 必要に応じてマナーベルトやおむつを使用する。
- 散歩中に排泄したフンは必ず持ち帰る。
- 水を入れた容器を携帯し、フン尿をした場所には十分な量の水をかける。
- 散歩中は犬にリードをつける。
ここで注意したいのは、条例の罰則の範囲です。
2026年10月1日施行の改正を含む「新宿区空き缶等の散乱及び路上喫煙による被害の防止に関する条例」では、第4条第2項に犬のフンを収納する用具の携帯と適切な処理が定められています。
一方、第14条の2万円以下の罰金は、第7条に規定された空き缶等の投棄を対象とするものです。犬のフンの処理義務と、この罰金規定を混同してはいけません。
自治体ごとの罰則を比較| 自治体 | 罰則・対応 | 適用条件 |
|---|---|---|
| 倉敷市 | 1万円以下の過料 | 職員の命令に従わない場合 |
| 佐賀市 | 2万円以下の罰金 | 条例違反の場合 |
| 枚方市 | 2万円以下の罰金 | 市の命令に従わない場合 |
| 稲城市 | 2,000円以下の過料など | 指導・勧告・命令などを経て対象となる場合 |
| 新宿区 | 犬のフンの適切な処理義務 | 条例第4条第2項。第14条の罰金は別の違反を対象とする |
このように、犬のフン放置に対する罰則は自治体によって異なります。
特に、過料と罰金は法律上の性質が異なるため、同じ意味で扱わないことも大切です。
【犬の尿も要注意】水で流すだけでは不十分?散歩マナーと近隣苦情への対処
犬の散歩マナーでは、フンだけでなく尿の処理も見落とせません。
電柱や住宅の塀、玄関前、植え込みなどに繰り返し尿をかけると、臭いや汚れが残り、近隣住民とのトラブルにつながります。
犬の尿は水で流すのが基本。ただし追加の配慮も必要新宿区や東京都の動物愛護相談センターは、犬が路上や電柱などで尿をした場合、水で流すよう案内しています。
しかし、広島県動物愛護センターが紹介する排泄マナーでは、さらに踏み込んだ処理方法が示されています。
尿の場合は、次のような対応です。
1. ペットシーツなどで尿を吸い取る。
2. 臭いを取り除くため、その上から水をかける。
3. 水で薄めた尿もペットシーツなどで吸い取る。
単純に大量の水をかけるだけでは、尿が道路に広がってしまうことがあります。
特に住宅の玄関前や店舗の壁際などでは、周囲に汚れを広げない配慮が必要です。
また、他人の敷地や建物に尿をかけないよう、散歩コースや犬の行動にも気を配りましょう。
犬のフンに関する苦情はどう対処する?犬のフンの放置で困っている場合、飼い主に直接注意する前に、自治体の相談窓口を活用する方法があります。
例えば、新宿区では犬のフンのマナー啓発プレートを無料で配布しています。
2024年7月12日更新の公式情報によると、プレートは自宅の塀や柵など、自分が管理する場所に掲示して使用するものです。
また、稲城市では犬のフンの放置対策として「イエローチョーク作戦」を実施しています。
放置されたフンを黄色いチョークで囲み、発見日時を記入することで、飼い主に注意を促す取り組みです。同市では、放置した場合に指導・勧告・命令・公表などの対象となり、2,000円以下の過料や市長が指定する美化活動の対象となることがあります。
苦情を申し立てる際には、次の情報を整理しておくと相談がスムーズです。
- フンが放置されている場所
- 発見した日時
- 同じ場所で繰り返されているか
- 道路、公園、私有地のどこで発生しているか
- 被害の頻度や悪臭などの状況
相談先は自治体の環境課、生活衛生課、清掃担当部署などです。
飼い主が特定できない場合でも、自治体に状況を伝えることで、啓発看板や地域への注意喚起などにつながる可能性があります。
苦情を受けた飼い主が見直すべきこと一方、犬のフンについて近隣から苦情を受けた場合は、まず汚した場所を清掃し、散歩方法を見直すことが先決です。
排泄場所を自宅に変更するトレーニングや、散歩コースの変更、尿の吸収用シーツの携帯など、具体的な改善策を取り入れましょう。
一部の飼い主のマナー違反によって、地域全体の犬や飼い主に対する印象が悪くなることもあります。飼い主同士がルールを共有することも、トラブルを防ぐ一つの方法です。
【よくある質問】犬のフンの持ち帰り・捨て方・罰則に関するFAQ
Q1:犬のフンは燃えるごみとして捨ててもよいですか?
A1:自治体が認めていれば、燃えるごみ・燃やせるごみとして処分できます。倉敷市や佐賀市、大津市などがその方法を案内しています。ただし、神戸市のようにトイレへの排出を案内する自治体もあるため、居住地域のルールを確認してください。
Q2:犬のフンをトイレに流すと違法になりますか?
A2:ペットのフンを流す行為が全国一律に法律で禁止されているわけではありません。ただし、配管の詰まりや下水道設備への影響が懸念されます。大津市のように流すことを禁止している自治体もあるため、必ず地域の指示に従いましょう。
Q3:犬のフンを散歩中に放置すると罰金はいくらですか?
A3:自治体によって異なります。倉敷市は職員の命令に従わない場合に1万円以下の過料、佐賀市は2万円以下の罰金、枚方市は市の命令に従わない場合に2万円以下の罰金を定めています。
Q4:犬の尿は水をかけるだけで大丈夫ですか?
A4:自治体の案内では水で洗い流す方法が紹介されています。ただし、尿が広がることを防ぐため、ペットシーツなどで吸い取ってから水をかけ、再度吸収する方法もあります。住宅の玄関前や塀などには排泄させない配慮も必要です。
Q5:犬のフンを放置する近所の飼い主にはどう対応すればよいですか?
A5:自治体の環境課や生活衛生課などに相談しましょう。新宿区の啓発プレートや稲城市のイエローチョーク作戦のように、地域によって注意喚起の制度が用意されています。発生場所や日時を整理して相談すると状況を伝えやすくなります。
犬のフンの処理は、散歩中の回収から家庭での廃棄まで、飼い主が責任を持って行う必要があります。
2026年の自治体公式情報を比較すると、処分方法には明確な地域差があります。燃やせるごみとして処分する地域もあれば、神戸市のようにトイレへの排出を案内する地域もあります。
また、犬のフンの放置については、倉敷市飼い犬ふん害防止条例や佐賀市、枚方市などの条例によって禁止され、違反時の罰則が定められている地域もあります。
飼い主が日常的に守りたい要点は次の5つです。
1. 散歩前にできるだけ自宅で排泄を済ませる。
2. 犬のフン回収袋やティッシュ、水、ペットシーツを携帯する。
3. フンは必ず回収して自宅に持ち帰る。
4. 尿は水で洗い流すだけでなく、必要に応じて吸収する。
5. 家庭での処分方法は自治体の最新のごみ分別ルールに従う。
犬のフンを持ち帰ることは、単なる散歩マナーではなく、地域社会で犬と暮らすための基本的な責任です。
飼い主一人ひとりが適切な処理を続けることが、犬を飼っている人も飼っていない人も気持ちよく暮らせる環境につながります。まずは自分の住む自治体の公式情報を確認し、毎日の散歩に必要な準備を整えておきましょう。