ディープフェイクアダルトとは、AI(人工知能)を利用して実在する人物の顔や身体、声などを合成・加工し、本人が出演していない性的な画像や動画を作り出す行為、またはその生成コンテンツを指します。本人が裸の写真を撮影したことも、性的な動画に出演したこともないのに、SNSに公開した通常の顔写真などを素材として、あたかも本人が性的な行為をしているかのような偽造映像が作られる点が大きな問題です。
2026年は、警察庁が未成年者を対象とした性的ディープフェイクの被害状況を公表したほか、AIで加工された児童の画像をめぐる刑事裁判や、成人女性を対象とした偽造画像の投稿事件も報じられました。被害の対象は著名人だけではなく、一般人、学生、会社員、モデルなどにも広がっています。生成の仕組み、本物との見分け方、日本国内での違法性、証拠保存、画像の削除方法、相談先まで、2026年11月時点の情報を整理します。
【基礎知識】ディープフェイクアダルトとは?生成の仕組みと性的画像が作られる背景

ディープフェイクアダルトを理解するには、まずディープフェイクという技術と、本人の同意を欠いた性的コンテンツの問題を分けて考える必要があります。
ディープフェイクと性的ディープフェイクの違いディープフェイク(Deepfake)は、ディープラーニングと呼ばれる機械学習技術などを利用して、人物の顔、表情、声、動作などを合成・改変する技術や、その生成物を指します。
例えば、実在する人物の顔を別の映像に合成したり、実際には発言していない言葉を本人の声で話しているように見せたりすることが可能です。
この技術を性的な画像や動画に悪用したものが、性的ディープフェイクやディープフェイクポルノと呼ばれています。
特に問題なのは、本人が性的な撮影に参加していなくても、一般公開されている顔写真や学校行事の写真などから、本人が性的な行為をしているように見える画像が作られる可能性があることです。
したがって、実際のアダルトビデオへの出演や本人による性的画像の公開とは、根本的に性質が異なります。
ディープフェイクポルノの仕組み性的ディープフェイクの生成技術は、大きく分けると次のような種類があります。
- 顔の置き換え:別の映像や画像に映る人物の顔を、対象となる人物の顔に置き換える技術。
- 画像の生成・再構成:既存の写真をAIで加工し、実際には存在しない身体表現や衣服の状態などを描写する技術。
- 動画の合成:人物の表情や顔の動きを映像に反映させ、実際には参加していない場面に出演しているように見せる技術。
- 音声の合成:本人の声に似た音声を生成し、映像と組み合わせる技術。
これらの技術は、必ずしも一つだけで使われるわけではありません。複数の生成・編集技術を組み合わせることで、静止画だけでなく、動画や音声を含む偽造コンテンツが作られる場合もあります。
なお、ここでいう生成方法は技術の分類を指します。実在する人物を本人の同意なく性的に加工するための具体的な操作手順やツールの利用を推奨するものではありません。
なぜ一般人の写真まで悪用されるのか大きな要因は、素材となる人物写真がインターネット上に数多く公開されていることです。
こども家庭庁が2026年3月に公表した「令和7年度 青少年の被害・非行防止に向けた環境整備に関する調査研究」では、学校行事の写真やアルバム、SNSに投稿された画像を無断で利用し、生成AIによって性的な画像に加工する事例が紹介されています。
また、加害者が必ずしも見知らぬ第三者とは限らないことも特徴です。同じ学校の生徒や教職員など、被害者の身近にいる人物が関与した事例も確認されています。
つまり、著名人だから被害に遭うのではなく、一般人であっても顔が確認できる写真を公開していれば、悪用の対象になる可能性があります。
【2026年最新】ディープフェイクアダルトの被害実態と国内の重要事件
2026年の日本では、性的ディープフェイクが単なるインターネット上の迷惑行為ではなく、実際の人権侵害や刑事事件として扱われる場面が増えています。
警察庁が公表した2026年上半期の被害状況2026年8月3日、警察庁が公表した18歳未満を対象とする性的ディープフェイクの被害状況は、問題の深刻さを示すものとなりました。
2026年1月から6月までに全国の警察が取り扱った事案は123件で、前年同期の60件から2倍以上に増加しています。2025年の年間114件も、2026年は上半期だけですでに上回りました。
被害者の内訳では中学生が79人、高校生が38人、小学生が3人、年齢を特定できなかったケースが3人でした。また、加害者と疑われる人物については、同級生や同じ学校の生徒が関係する事案が83件、SNSなどを通じて知り合った人物が関係する事案が7件と報じられています。
この123件は18歳未満を対象とした警察の取扱事案であり、成人を含めた国内の性的ディープフェイク被害総数ではありません。成人被害を含むすべての実態が、この数字だけで分かるわけではない点にも注意が必要です。
2026年に注目された主な事件・調査2026年の重要な動きを時系列で整理すると、法律の適用範囲、学校内での被害、成人女性への画像加工など、問題が複数の領域に及んでいることが分かります。
| 時期 | 出来事・関係機関 | 確認された内容と注目点 |
|---|---|---|
| 2025年3月18日 | 政府の国会答弁 | 性的ディープフェイクの法的規制について、個別の犯罪成立は証拠に基づいて判断すると説明。名誉毀損罪や侮辱罪が成立する可能性にも言及。 |
| 2026年3月 | こども家庭庁の調査報告書 | 学校行事の写真やSNS画像をAIで性的に加工し、販売・共有した事例などを整理。 |
| 2026年6月4日 | 名古屋地方裁判所の判決 | 実在する児童の写真をAI加工した性的画像について、児童ポルノ禁止法違反の罪を認定した判決が報じられた。 |
| 2026年8月3日 | 警察庁の被害状況公表・警視庁の事件 | 未成年者の被害が上半期123件に増加。別の事件では、40代女性の過去の写真を性的画像に加工して投稿した疑いで会社員が逮捕され、加工を依頼した高校生も書類送検された。 |
| 2026年8月20日 | 成人女性の被害報道・学校での懲戒処分 | 撮影会モデルが性的ディープフェイクの被害を語ったほか、神奈川県教育委員会が同僚女性教諭の水着画像をAI生成した男性教諭を停職6か月の懲戒処分にしたと報じられた。 |
| 2026年8月26日 | チャイルド・ファンド・ジャパンと追手門学院大学の調査 | 16~24歳の2,060人を対象とした調査で、3.7%が自身の性的ディープフェイクを作成された経験があると回答。オンラインで性的画像の共有を求められた若者の70.5%が誰にも相談していなかった。 |
特に注目されるのが、2026年6月4日の名古屋地方裁判所の判決です。教員による児童の盗撮画像共有事件に関連して、元小学校教諭がAIで加工された女児の性的画像を所持したとして、児童買春・児童ポルノ禁止法違反などの罪で懲役3年6か月の判決を受けました。
この判決では、実在する児童の写真を加工した画像が児童ポルノに当たると認定された点が注目されました。ただし、懲役3年6か月は盗撮や画像共有など複数の犯罪を含む事件全体に対する刑であり、AI画像の所持だけに科された刑ではありません。また、個別事件の判断を、あらゆるAI生成画像に一律に当てはめることもできません。
さらに2026年8月には、成人女性の過去の写真を加工した事件も報じられました。被害者は40代女性でしたが、素材となった写真は中学生時代に撮影されたものだったとされています。このように、被害者の現在の年齢だけでなく、素材となった画像の内容や撮影時期も法的判断に関係する場合があります。
若者の調査から見えた相談の難しさ2026年8月に公表されたチャイルド・ファンド・ジャパンと追手門学院大学の共同調査では、全国の16~24歳の男女2,060人を対象にオンラインアンケートが実施されました。
自身の性的ディープフェイクを作成された経験があると回答した割合は3.7%でした。また、オンラインで知り合った人物から性的画像の共有を求められた人の70.5%が、誰にも相談していなかったとされています。
この調査は警察の認知件数とは異なる自主回答型の調査ですが、被害を受けても周囲に打ち明けにくい状況を示す資料です。恥ずかしさや人間関係への影響を心配して相談をためらうことが、被害の長期化につながる可能性があります。
【見分け方】AI生成の偽造動画と本物を判断するチェックポイント
ディープフェイクアダルトを見分ける際に知っておきたいのは、AI生成画像には必ず分かりやすい不自然さが残るわけではないということです。
生成技術の進歩によって、静止画の顔の輪郭や肌の質感だけを見ても、偽物かどうかを判断することが難しくなっています。
画像で確認したい5つのポイント- 顔と髪の境界:顔の輪郭、耳、髪の毛の周囲に不自然なぼやけや色の変化がないか確認する。
- 光と影:顔、身体、背景で光の方向や影の濃さが一致しているか確認する。
- 身体の描写:関節、手指、身体の輪郭などに不自然な形状やつながりがないか確認する。
- 背景との整合性:鏡やガラスへの映り込み、文字、周囲の物体の形状が不自然に変化していないか確認する。
- 肌や質感:顔と身体で解像度や質感が極端に異なっていないか確認する。
これらは確認の手掛かりであり、偽物であることを証明する決定的な条件ではありません。反対に、不自然な箇所が見つからないからといって本物と判断することもできません。
動画の場合は時間的な不整合も確認する動画では、静止画とは異なる確認ポイントがあります。
- 顔の輪郭が動きに合わせて不自然に変化していないか。
- 口の動きと音声のタイミングが一致しているか。
- 表情が変化する場面で顔のパーツが不自然に崩れていないか。
- 照明や背景の位置関係が映像全体で一貫しているか。
ただし、高度な生成技術では、こうした不自然さも目立たなくなっています。映像の一部分だけを切り取って判断するのは避けるべきです。
AI判定ツールだけを信用してはいけない理由インターネット上には、AI生成画像やディープフェイク動画を判定するサービスがあります。しかし、検出ツールの結果は確定的な証拠とは限りません。
圧縮、再編集、スクリーンショット、SNSへの再投稿などによって、画像の特徴やメタデータが変わることもあります。逆に、AI生成物であることを示す情報が確認できないからといって、実写だと断定することもできません。
より確実な確認には、次のような情報を組み合わせる必要があります。
- 最初に公開された投稿や元画像の出所を調べる。
- 画像検索などで、同じ素材が以前から存在していたか確認する。
- 投稿者や掲載媒体の信頼性を確認する。
- 必要に応じて、専門家によるデジタルフォレンジック調査を検討する。
内閣官房の偽情報対策に関する啓発資料でも、画像や動画の不自然な点を確認することに加え、過去の画像の使い回しや他の情報源との照合が推奨されています。
なお、自分が被害者になった場合、偽物であることを自力で完全に証明するまで相談を待つ必要はありません。本人の同意なく性的な画像が作成・公開されている疑いがあれば、まず証拠を確保して相談することが大切です。
【法律解説】ディープフェイクアダルトの違法性とリベンジポルノとの違い
ディープフェイクアダルトの法律上の扱いは、画像の内容、対象者の年齢、作成しただけなのか、第三者に送信したのか、不特定多数に公開したのかによって変わります。
2025年3月18日の政府答弁では、ディープフェイク技術を悪用した性的コンテンツについて、個別の犯罪の成否は捜査機関が収集した証拠に基づいて判断されるとの考え方が示されました。既存の刑法などによって対処できるケースもあります。
1. リベンジポルノ防止法との関係いわゆるリベンジポルノ防止法の正式名称は「私事性的画像記録の提供等による被害の防止に関する法律」です。
この法律では、本人が第三者に見られることを認識して撮影を許可した画像などを除き、性交や性的な姿態などを撮影した画像を私事性的画像記録として定義しています。
被害者が特定できる形で、こうした画像を不特定または多数の人に提供したり、公然と陳列したりする行為は処罰の対象です。
ただし、普通の顔写真をAIで加工して、実際には存在しない裸の姿を生成したケースについては、法律上の「撮影された画像」という要件との関係が問題になります。AIで作った画像なら必ずリベンジポルノ防止法が適用される、という単純な関係ではありません。
2. 刑法の名誉毀損罪・侮辱罪本人が実際には行っていない性的行為を、本人が行った事実であるかのように公開すれば、社会的評価を傷つける可能性があります。
刑法では、次の犯罪が成立する可能性があります。
- 名誉毀損罪(刑法230条):公然と具体的な事実を示し、人の社会的評価を傷つける行為。法定刑は3年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金。
- 侮辱罪(刑法231条):具体的な事実を示さなくても、公然と人を侮辱する行為。法定刑は1年以下の拘禁刑もしくは30万円以下の罰金、または拘留もしくは科料。
性的な偽造画像を本人のものだと偽って公開する行為は、投稿の内容や公開状況などによって名誉毀損罪などが問題になります。
3. わいせつ物頒布等の罪刑法175条では、わいせつな文書、画像、電磁的記録などを頒布したり、公然と陳列したりする行為を処罰しています。
インターネットを通じてわいせつな電磁的記録を送信する行為も対象になり得ます。法定刑は2年以下の拘禁刑、250万円以下の罰金もしくは科料、または拘禁刑と罰金の併科です。
性的ディープフェイクについても、内容や公開方法によってこの規定が問題になる場合があります。ただし、性的な画像であればすべて自動的にわいせつ物頒布等の罪になるわけではありません。
4. 児童ポルノ禁止法が適用されるケース対象が18歳未満の場合は、成人を対象としたケースとは異なる法律上の問題が生じます。
2026年6月の名古屋地方裁判所の判決では、実在する児童の写真を性的に加工した画像が児童ポルノに当たると認定されました。
この事件は、実在する児童の姿を基にしたAI加工画像について、所持罪などが問題となった重要な事例です。一方で、実在する人物を使っていない架空のAI画像まで、すべて同じ扱いになると理解するのは適切ではありません。
5. 民事上の損害賠償や肖像権侵害刑事事件として立件されない場合でも、民事上の責任が生じる可能性があります。
例えば、本人の顔を無断で性的な画像に合成し、インターネット上に公開した場合、肖像権、プライバシー、名誉感情などの人格的利益が侵害されたとして、損害賠償請求や差止めを検討できる場合があります。
また、加工の素材となった写真や動画について、著作権者の権利が侵害されるケースもあります。ただし、写真に写っている人物と著作権者は必ずしも同じではありません。
内閣官房のAIと知的財産権に関する検討資料でも、ディープフェイクによる肖像権・パブリシティ権侵害や、名誉毀損などの法的責任について整理されています。実際の責任は具体的な利用態様や被害の内容によって判断されます。
リベンジポルノとディープフェイクアダルトの違い両者は本人の同意なく性的な画像が公開されるという点では共通していますが、画像が作られた経緯に違いがあります。
- リベンジポルノ:実際に撮影された本人の性的な姿態を含む画像や動画が、本人の同意なく公開・拡散される問題。
- 性的ディープフェイク:実在する人物の顔や特徴をAIで合成し、実際には存在しない性的な画像・動画を作り出す問題。
なお、リベンジポルノという言葉は、元交際相手への復讐目的に限定されません。こども家庭庁の2026年の報告書でも、復讐目的の有無にかかわらず、本人の同意なく性的画像を公開・拡散する行為として整理されています。
重要なのは、どちらの場合も本人が性的なコンテンツの公開に同意していないという点です。実際の撮影があったか、AIで生成されたものかによって、適用される法律や証拠の種類が変わります。
【被害対策】ディープフェイク画像の削除方法・証拠保存・相談先
自分の顔や名前を使った性的な偽画像・動画が公開されていると分かった場合、最初に行うべきなのは、被害を広げずに証拠を確保することです。
STEP1:ディープフェイク被害の証拠を保存する削除申請や警察への相談を行う前に、可能な範囲で次の情報を保存してください。
- 投稿されたページや動画のURL。
- 投稿者のアカウント名、ユーザーID、プロフィール情報。
- 投稿日時や確認した日時。
- 投稿内容、説明文、コメント、ハッシュタグ。
- 投稿画面全体のスクリーンショット。
- 加害者から送られたDM、メール、脅迫文、通話履歴。
- 元になった写真や動画がある場合は、そのオリジナルデータ。
スクリーンショットは投稿内容だけでなく、投稿者や掲載日時が分かる状態で残すと、後から状況を説明しやすくなります。
画像を編集したり、証拠として残すために再投稿したりすることは避けてください。元データがある場合も、加工せずに保管しておくことが大切です。
特に児童の性的画像・動画が関係する場合は注意が必要です。違法な画像を新たにダウンロードしたり、保存・転送・共有したりせず、掲載先のURLや投稿情報を記録して警察などに相談してください。
STEP2:SNSや掲載サイトに削除を申請する証拠を確保したら、画像や動画が公開されているSNS、掲示板、動画サイトなどの運営会社に削除を申請します。
多くのサービスでは、次のような報告カテゴリーが用意されています。
- 本人の同意がない性的画像・動画。
- 性的なディープフェイクやAI加工画像。
- なりすましや本人の肖像の無断利用。
- プライバシー侵害や嫌がらせ。
申請時には、対象となる投稿のURL、本人であることを説明する情報、同意のない加工・公開であること、削除を求める理由を具体的に伝えます。
同じ画像が複数のアカウントやサイトに転載されている場合は、それぞれの掲載先について削除を求める必要があります。
STEP3:情報流通プラットフォーム対処法を理解する2025年4月1日には、情報流通プラットフォーム対処法が施行されました。これは旧プロバイダ責任制限法を改正した法律で、大規模なSNSなどに対して、権利侵害情報への対応の迅速化と透明化を求めるものです。
対象となる大規模プラットフォームには、削除申出の窓口や対応体制の整備、申出に対する判断・通知などが義務付けられています。
原則7日以内に削除するかどうかの判断結果を申出者に通知する仕組みが設けられていますが、7日以内の削除が必ず保証されているわけではありません。
申請しただけで自動的に画像が消える制度ではないため、対応状況を確認しながら、必要に応じて法務局や専門家にも相談してください。
STEP4:ディープフェイク被害の主な相談先日本国内には、性的画像の拡散やインターネット上の人権侵害について相談できる公的・民間の窓口があります。
1. 警察相談専用電話「#9110」
脅迫、嫌がらせ、性的画像の無断公開、加害者の特定につながる情報などについて、警察に相談できます。緊急性が高い場合や身の危険がある場合は110番を利用してください。
2. 性犯罪被害相談電話「#8103」
性犯罪・性暴力被害に関する警察の相談窓口です。発信地域を管轄する都道府県警察につながります。原則24時間相談を受け付けています。
3. 法務局「みんなの人権110番」
電話番号は0570-003-110です。インターネット上での人権侵害やプライバシー侵害について相談でき、削除申請の方法の助言や、事案に応じたプロバイダ等への削除要請を行っています。
4. 総務省「違法・有害情報相談センター」
インターネット上の画像や動画、誹謗中傷、プライバシー侵害などについて相談できる窓口です。専門の相談員が、削除依頼の方法や対応手順についてアドバイスします。相談窓口自体が直接削除を行うサービスではありません。
5. セーフライン
インターネット上の違法・有害情報について通報や相談を受け付け、被害者に代わって無料で削除依頼を行う民間のホットラインです。自分で掲載先に削除申請することが難しい場合にも検討できます。
6. 性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター「#8891」
医療的支援、心理的支援、警察への同行、弁護士などの専門家につなぐ法的支援を行う窓口です。被害による精神的な負担が大きい場合にも相談できます。
7. 法テラス犯罪被害者支援ダイヤル
電話番号は0120-079714です。犯罪被害者向けの支援制度や、弁護士費用などの援助制度について案内を受けられます。
STEP5:加害者の特定や損害賠償を検討する画像を削除するだけでは被害の回復が十分ではない場合もあります。投稿者が分からない場合には、弁護士に相談し、発信者情報開示請求などを検討する方法があります。
情報流通プラットフォーム対処法では、権利侵害が生じた場合の発信者情報開示請求や裁判手続についても定められています。
加害者が特定できれば、具体的な事情に応じて損害賠償請求や投稿の差止めなどを検討できます。
また、金銭を要求されたり、画像の拡散を材料に脅迫されたりしている場合は、相手との交渉を一人で続けないでください。支払いを急いだり、追加の性的画像を送ったりせず、メッセージを保存して警察や専門家に相談が必要です。
【よくある質問】ディープフェイクアダルトに関する疑問を解説
Q1:ディープフェイクアダルトを作成するだけでも違法になりますか?
A1:対象者の年齢、画像の内容、作成方法、所持や公開の状況などによって異なります。成人を対象とするAI画像の作成だけで、すべてのケースに同じ犯罪が成立するわけではありません。一方、児童を対象とする場合や、画像の公開・販売・脅迫などが伴う場合には、児童ポルノ禁止法や刑法などが問題になります。
Q2:本人の裸の写真がなくても性的ディープフェイクの被害に遭いますか?
A2:遭う可能性があります。SNSのプロフィール写真、通常の顔写真、学校行事の写真などがAI加工の素材として悪用される場合があります。本人が実際に性的な撮影をしたことがなくても、性的な偽画像による名誉や人格的利益の侵害が生じる可能性があります。
Q3:ディープフェイク画像は一度公開されたら完全に削除できますか?
A3:必ずしも完全削除できるとは限りません。元の投稿を削除できても、第三者による保存や転載、別サイトへの再投稿が残る可能性があります。発見した時点で証拠を確保し、掲載先への削除申請と専門窓口への相談を並行して進めることが大切です。
【プロの結論】ディープフェイクアダルト問題で知っておくべき判断基準と今後の動向
ディープフェイクアダルトの本質は、AI技術そのものではなく、実在する人物の顔や身体的特徴を本人の同意なく性的な表現に利用し、本人の尊厳や社会的信用を傷つけることにあります。
2026年の国内動向を見ると、未成年者への被害だけでなく、成人女性や職場の関係者を対象とした事案も報じられています。特別な立場の人だけが被害に遭う問題ではなく、一般のSNS利用者にも関係する問題です。
読者が特に押さえておきたい判断基準は、次の3点です。
- 画像の出所を確認する:本物か偽物かを見た目だけで判断せず、元画像や投稿の経緯を調べる。
- 法律を行為ごとに考える:作成、所持、送信、販売、不特定多数への公開では、適用される法律や犯罪成立の要件が異なる。
- 被害時は証拠保存と相談を優先する:投稿を拡散せず、URLやアカウント情報を記録し、警察、法務局、専門相談窓口などにつなぐ。
今後は生成AIの精度向上に伴い、画像の真偽を目視だけで判断することがさらに難しくなる可能性があります。一方、2026年には政府機関による被害実態の把握や、プラットフォーム事業者への対応要請、若者を対象とした調査なども進められています。
性的ディープフェイクをめぐる問題では、画像が本物か偽物かという技術的な議論だけに終始してはいけません。本人が望まない性的表現を作成・公開されない権利、被害を受けた人が安心して相談できる環境、そして迅速な削除と適切な法的救済が必要です。
被害に遭った場合、本人が悪いと考える必要はありません。画像を公開した側、無断で加工した側、拡散に関与した側の行為が問題です。一人で抱え込最初に、証拠を残し、早い段階で専門機関に相談することが被害の拡大を防ぐ第一歩になります。
2026年11月現在、ディープフェイクアダルトは単なるAI画像加工の問題ではなく、個人の尊厳、インターネット上の人権、刑事・民事上の責任が交差する重要な社会課題です。
主な根拠資料・2026年の報道
- こども家庭庁「令和7年度 青少年の被害・非行防止に向けた環境整備に関する調査研究」および警察庁の被害状況。
- 2026年6月の名古屋地方裁判所判決、8月の成人女性を対象とした事件報道。
- チャイルド・ファンド・ジャパン、追手門学院大学による2026年8月の若者調査。
- e-Gov法令検索、衆議院の政府答弁、内閣官房のAIと知的財産権に関する資料。
- 内閣府男女共同参画局、警察庁、法務省による削除・被害相談の案内。