つけ麺店のメニューや注文時に見かける「あつもり」。読み方は「あつもり」で、漢字では「熱盛り」と書きます。茹でた麺を温かい状態で提供する食べ方で、冷たい麺を楽しむ「ひやもり」と並ぶ、つけ麺の代表的な選択肢です。
あつもりの魅力は、つけ汁が冷めにくく、寒い日でも温かいつけ麺を楽しめること。一方、麺のコシが弱く感じられたり、麺同士がくっついたりすることもあります。六厘舎やつけ麺屋やすべえの公式案内でも、あつもりは通常の冷水締めの麺とは異なる楽しみ方として紹介されています。この記事では、ひやもりとの違い、注文方法、麺がくっつく理由、おいしく食べるコツまで、初めての人にもわかりやすく解説します。
【基本知識】つけ麺のあつもりとは?読み方と作り方を解説

あつもりとは、つけ麺の麺を温かい状態で提供してもらう注文方法です。読み方は「あつもり」、漢字表記は「熱盛り」。つけ汁ではなく、麺の温度を指定する言葉です。
一般的なつけ麺は、茹で上げた麺を冷水で締めてから器に盛り付けます。あつもりでは、冷水で締めた麺を再び熱湯にくぐらせ、温め直して提供する方法が広く使われています。
六厘舎の公式メニューでも、麺を冷水で締めた後に再度お湯に通す方法が説明されており、温め直すことで小麦の香りを感じやすくなる点も特徴として挙げられています。
ただし、すべての店が同じ手順で調理するわけではありません。冷水で締める工程を省き、茹で上げた麺をそのまま温かい状態で提供する方式もあります。湯に浸した状態で提供する方法などもあるため、実際の仕上がりは店によって異なります。
ここで覚えておきたいのは、あつもりが「麺を温かくして食べる」という提供方法であり、特定のスープや味付けを指す言葉ではないことです。同じつけ汁でも、あつもりにするか、ひやもりにするかによって、食感や温度の感じ方が変わります。
【徹底比較】あつもりとひやもりの違いは?メリット・デメリットを整理
あつもりとひやもりの最大の違いは、麺の提供温度です。ひやもりは冷水で締めた麺をそのまま盛り付ける方法で、つけ麺では一般的なスタイル。あつもりは麺を温め直すことで、温かさを重視した食べ方になります。
DELISH KITCHENのつけ麺用語解説でも、ひやもりは冷水で締めた麺、あつもりは温かい状態の麺として紹介されています。それぞれの特徴を比較すると、選び方がわかりやすくなります。
| 比較項目 | あつもり | ひやもり |
|---|---|---|
| 麺の温度 | 温かい | 冷たい、または冷水で締めた状態 |
| 麺の食感 | 柔らかさやもちもち感が際立ちやすい | コシや弾力を感じやすい |
| つけ汁の温度 | 麺によって冷めにくくなる | 冷たい麺を入れると温度が下がりやすい |
| 香りの感じ方 | 温めることで小麦の香りが立ちやすい | 麺の締まった食感や風味を楽しみやすい |
| 麺のくっつきやすさ | 水分や表面のでんぷんの状態によっては、くっつきやすい | 水で締めることで、比較的ほぐれやすい |
| 向いている人 | 温かさや、もちもちした食感を重視する人 | コシや弾力、麺の締まりを重視する人 |
1. つけ汁が冷めにくい
つけ麺は麺とつけ汁が別々に提供されるため、食べ進めるうちにつけ汁の温度が下がっていきます。冷たい麺を入れると、麺からつけ汁へ移る熱の影響で、温度が下がりやすくなります。
あつもりなら、温かい麺をつけ汁に入れるため、ひやもりに比べて温度が下がりにくくなります。濃厚な魚介豚骨系や、温かい状態で香りを楽しみたいタイプのつけ汁とも相性のよい選択肢です。ただし、器の材質や室温、食べる速度などによっても温度は変わるため、最後まで熱々の状態が保たれるとは限りません。
2. 小麦の香りを感じやすい
温度が上がると、麺から立ち上がる香りを感じやすくなることがあります。六厘舎の公式メニューでも、あつもりは小麦の香りをより感じやすい食べ方として紹介されています。麺そのものの風味を重視する人は、一度試してみる価値があります。
3. 寒い日でも食べやすい
冷たい麺を食べると体が冷えるように感じる人や、冬場に温かい麺料理を楽しみたい人にとっても、あつもりは選びやすい方法です。
あつもりのデメリット1. 麺のコシが弱く感じられることがある
冷水で締めた麺は、表面の状態や弾力が整い、歯ごたえを感じやすくなります。一方、再加熱した麺は表面が柔らかくなり、ひやもりに比べてコシや締まりが弱く感じられる場合があります。
2. 麺がくっつきやすい
温め直した麺は、表面のでんぷんや水分の影響で麺同士が付着することがあります。麺が固まると箸で持ち上げにくくなり、食べづらさにつながります。
3. 放置すると食感が変わりやすい
温かい麺を湯に浸したままにすると、水分を吸って柔らかくなり、コシが失われることがあります。あつもりを注文したときは、提供されたら早めに食べ始めるのがおすすめです。
つまり、あつもりとひやもりのどちらが優れているかは、単純には決められません。温度を優先するならあつもり、麺の弾力や締まった食感を優先するならひやもり、という選び方が基本です。
【原因を解説】あつもりの麺がくっつく理由と、麺が伸びる仕組み
あつもりを食べていると、麺が束になって箸でほぐしにくくなることがあります。これは調理の失敗と決めつけられるものではなく、麺の表面に残るでんぷんや水分、提供までの時間などが関係しています。
麺がくっつく主な理由は、表面のでんぷんと水分麺は茹でると、表面のでんぷんが水分を含んで柔らかくなります。冷水で締める工程には、麺の温度を下げるだけでなく、表面の余分なぬめりを洗い流し、食感を整える役割もあります。
ところが、冷水で締めた後に再び温めると、麺の表面が柔らかくなり、残った水分やでんぷんの影響で麺同士が付着しやすくなります。湯切りが不十分な場合や、盛り付けてから時間が経過した場合にも、ほぐれにくくなることがあります。
日清オイリオの技術解説でも、麺類は時間の経過に伴って水分の状態やでんぷんの性質が変化し、麺同士のくっつきやほぐれにくさが生じることが説明されています。温かい麺の扱いでは、こうした変化が食べやすさに影響します。
あつもりの麺は伸びる?あつもりだから必ず麺が伸びるわけではありません。問題になるのは、温め直した麺を長時間放置したり、湯に浸したままにしたりすることです。
茹で上がった麺は、時間が経つにつれて内部への水分移動が進み、弾力や歯ごたえが変化します。特に湯だめ方式などで麺が温かい液体に浸かり続ける場合は、麺が水分を吸収し、柔らかくなりやすい傾向があります。
ただし、あつもりの調理方法や麺の太さ、加水率によっても変化は異なります。しっかり湯切りをして、温め直した麺をすぐに提供する店では、食感の変化を抑えやすくなります。
麺がくっついたときの対処法麺がくっついてしまったら、無理に強く引っ張る必要はありません。箸で少しずつほぐし、必要に応じて麺をつけ汁にくぐらせながら食べてみましょう。自宅で調理する場合は、温め直した後に湯切りを十分に行い、盛り付けてから時間を置かないことがポイントです。
なお、卓上の水や冷たい出汁を自己判断で麺にかけると、温度や味わいが変わってしまいます。食べづらいほど固まっている場合は、店員に相談するのも一つの方法です。
【初心者向け】あつもりの注文方法は?店員への伝え方と注意点
つけ麺のあつもりは、難しい注文方法ではありません。基本的には、つけ麺を注文するときに麺を温かい状態で提供してほしいと伝えるだけです。
初めての店であれば、次のように伝えるとスムーズです。
- 「つけ麺をあつもりでお願いします」
- 「麺は温かいあつもりにできますか?」
- 「あつもりとひやもりでは、どちらがおすすめですか?」
券売機のある店では、まず「つけ麺」の食券を購入し、食券を渡すときにあつもりを希望する方法があります。注文画面に「あつもり」の選択肢がある店では、画面の案内に従って指定しましょう。
ただし、あつもりに対応していない店もあります。また、追加料金の有無や注文のタイミングも店舗によって異なります。つけ麺屋やすべえの公式案内では、あつもりを無料で選べると説明されていますが、これは同店のサービス内容であり、すべての店に共通する条件ではありません。
メニューに記載が見当たらない場合は、「あつもりはできますか?」と確認すれば十分です。対応していないと言われたら、店の案内に従いましょう。
注文時に迷った場合は、次の基準で考えると選びやすくなります。
- 寒い日や温かい麺が好きな人:あつもりを選ぶ。
- 麺のコシや弾力を楽しみたい人:ひやもりを選ぶ。
- 店独自の麺の特徴がわからない人:店員におすすめを聞く。
【おいしい食べ方】あつもりをおすすめしたい人と自宅での作り方
あつもりのおいしさを引き出すには、温度だけでなく、麺の食感やつけ汁との相性にも目を向けることが大切です。ひやもりと比べて何が変わるのかを意識すると、好みの食べ方を見つけやすくなります。
あつもりがおすすめなのは、こんな人つけ汁が冷めるのが気になる人には、あつもりが向いています。冷たい麺をつけ汁に入れたときの温度変化が気になるなら、温かい麺を試してみましょう。
もちもちした食感が好きな人にも、あつもりは選択肢になります。麺の種類や茹で方によって感じ方は変わりますが、ひやもりとは違う柔らかな食感を楽しめることがあります。
反対に、歯ごたえの強い太麺や、冷水で締めた麺ならではの弾力を最優先する人は、ひやもりのほうが好みに合う可能性があります。あつもりが苦手な人に無理に勧める必要はなく、同じ店で両方を試してみると違いがわかりやすくなります。
あつもりをおいしく食べる4つのコツ1. 最初の一口は麺そのものを味わう
つけ汁につける前に、麺を少量そのまま味わってみましょう。小麦の香りや、温め直した麺の柔らかさを感じやすくなります。店が推奨する食べ方があれば、そちらを優先してください。
2. 一度に大量の麺をつけ汁に入れない
麺を少量ずつつけ汁にくぐらせると、温度や味のバランスを調整しながら食べられます。一度に大量の麺を入れると、つけ汁の温度が変わりやすく、食べる間に麺が固まることもあります。
3. 薬味や調味料は少しずつ加える
味に変化をつけたいときは、店に用意されている薬味や調味料を少量ずつ使います。酢や辛味調味料を加えれば、酸味や辛さの変化を楽しめます。最初から大量に加えず、元のつけ汁の味を確かめてから調整しましょう。
4. 食べ終わったらスープ割りも試す
スープ割りとは、食べ終わった後に残ったつけ汁へ出汁などを加え、飲みやすい濃さに調整する方法です。対応している店では、店員に「スープ割りをお願いします」と伝えるか、卓上の割りスープを利用します。あつもりでもひやもりでも楽しめます。
自宅であつもりを作る方法市販のつけ麺を使って自宅であつもりを作る場合は、次の手順が基本です。
- 麺を茹でる:商品パッケージに記載された湯量と茹で時間を守り、麺が固まらないようにほぐしながら茹でます。
- 冷水で締める:一般的なあつもりの作り方では、茹で上がった麺を冷水で洗い、表面のぬめりを落として食感を整えます。
- 熱湯で温め直す:食べる直前に麺を熱湯へ短時間くぐらせ、温かい状態に戻します。長時間浸すと食感が変わりやすいため注意しましょう。
- しっかり湯切りする:余分な湯を切ってから器に盛り付けます。湯が多く残ると、麺がくっつきやすくなったり、つけ汁の味が薄まったりする原因になります。
- 温かいつけ汁と一緒に食べる:つけ汁も食べる直前に温め、麺が固まる前に食べ始めます。
商品によって推奨される茹で方は異なるため、まずはパッケージの説明を確認してください。また、店のあつもりには冷水で締める工程を省く方式もあるので、自宅でも必ず同じ方法になるわけではありません。
麺のくっつきが気になる場合は、温め直した後に十分に湯切りし、時間を置かずに盛り付けることを意識しましょう。温め直す工程を必要以上に長くしないことも、食感を保つポイントです。
【つけ麺あつもりとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:あつもりとひやもりは、どちらがおいしいですか?
A1:好みによって異なります。つけ汁の温かさや、柔らかくもちもちした食感を重視するならあつもり、麺のコシや弾力を重視するならひやもりがおすすめです。同じ店で両方を試すと違いを楽しめます。
Q2:あつもりにすると、つけ汁は最後まで冷めませんか?
A2:あつもりは、冷たい麺を使う場合に比べてつけ汁が冷めにくくなる方法です。ただし、食べる時間や器の材質、室温などによって温度は変化するため、最後まで熱々の状態が続くとは限りません。
Q3:あつもりを注文すると、追加料金がかかりますか?
A3:店舗によって異なります。無料で対応する店もあれば、別料金や提供条件を設けている店もあります。券売機やメニューを確認し、不明な場合は店員に尋ねてください。
Q4:あつもりの麺がくっつくのはなぜですか?
A4:麺の表面に残るでんぷんや水分、温め直しの工程、盛り付け後の時間などが主な原因です。自宅で作る場合は、温め直した後にしっかり湯切りし、時間を置かずに食べることで、くっつきや食感の変化を抑えやすくなります。
Q5:初めてのつけ麺店でも、あつもりを注文できますか?
A5:あつもりに対応している店なら注文できます。「つけ麺をあつもりでお願いします」と伝えるか、「あつもりはできますか?」と確認すれば大丈夫です。すべての店舗が対応しているわけではないため、メニューの表示も確認しましょう。
つけ麺のあつもりとは、麺を温かい状態で提供する食べ方です。一般的には、茹でた麺を冷水で締めた後、再び熱湯にくぐらせて温め直します。つけ汁が冷めにくく、小麦の香りを感じやすい一方、麺のコシが弱く感じられたり、表面のでんぷんや水分によって麺がくっついたりすることがあります。
ひやもりは、冷水で締めた麺の弾力や歯ごたえを楽しみたい人に向いています。あつもりは、温かさを重視する人や、寒い日に温かいつけ麺を食べたい人に適した選択肢です。どちらを選ぶか迷ったら、まずはその日の気温や自分の好みを基準に考えてみましょう。
注文するときは「あつもりでお願いします」と伝えるだけで十分です。ただし、対応の有無や料金、調理方法は店によって異なります。温度と食感の違いを知っておけば、つけ麺を注文するときの迷いも減り、自分に合った一杯を見つけやすくなります。