2026年11月現在、東京・新宿の歌舞伎町で社会問題となってきた「立ちんぼ」をめぐる状況は、大きく変化している。かつて女性たちが集まっていた大久保公園周辺では客待ちの姿が目立たなくなった一方、周辺のホテル街などに活動場所を移す動きが報道されている。警視庁の取り締まりや新宿区による防犯パトロールが続くなか、路上での売買春を取り巻く環境は新たな局面を迎えた。
注目すべき数字は、警視庁保安課が2026年3月16日に公表した2025年の逮捕者数・延べ112人だ。2024年の97人から15人増加し、動機としてホストクラブやコンセプトカフェなどへの支出を挙げた女性は48人に上った。加えて、最年少の逮捕者は16歳だった。2026年には現地取材でホテル街への移動や「歩きんぼ」の存在も報じられ、法務省では買う側への規制を含む売春防止法の見直しが議論されている。
【2026年最新】歌舞伎町立ちんぼの現在は?大久保公園周辺で起きている変化

歌舞伎町の立ちんぼ問題を考えるうえで、まず押さえておきたいのが警視庁保安課の公表データだ。
2026年3月16日、警視庁保安課は、2025年の1年間に東京都新宿区歌舞伎町の大久保公園周辺で売春目的の客待ちをしたとして、売春防止法違反の疑いで現行犯逮捕した女性が延べ112人に上ったと発表した。
前年の2024年は97人だったため、15人の増加となる。2023年にも140人の逮捕が報じられており、単純に取り締まりを強化すれば問題が解消するという状況ではない。
2025年の逮捕者について、警視庁の公表内容や共同通信、毎日新聞の報道から確認できる主な数字は次のとおりだ。
- 逮捕者数:延べ112人
- 平均年齢:25歳
- 最年少:16歳
- 10代:14人
- ホストクラブ・コンセプトカフェなどへの支出を動機とした人:48人
- 初犯:80人(約71%)
とりわけ深刻なのは、10代の逮捕者が14人に達した点だ。前年と比較して11人増加しており、若年層が売春目的の客待ちに関わっている実態が浮かび上がる。
なお、延べ112人は年間の逮捕件数に基づく人数であり、歌舞伎町に存在する女性の実人数や、その年に路上に立っていた女性の総数を意味するものではない。取り締まりの規模を示す数字と、地域全体の実態を示す数字は区別する必要がある。
2026年夏、大久保公園周辺の光景が一変2026年8月、集英社オンラインは「新宿立ちんぼ・2026夏」と題した現地取材記事を掲載した。
同記事では、かつて大久保公園周辺に多く集まっていた女性たちの姿が、2026年夏には大きく減少している状況を伝えている。
2019年ごろから目立つようになり、2023年には一時的に多くの女性と男性客が集まる場所となった大久保公園周辺。しかし、警察の取り締まりや官民によるパトロールが続いたことで、以前と同じような光景は見られにくくなった。
加えて、2026年9月23日にはFRIDAYデジタルも現地の変化を報道。大久保公園周辺での客待ちが目立たなくなり、警察の取り締まりや撮影目的の動画配信者を避けるように、女性たちの活動場所が周辺のホテル街へ移っている状況を伝えた。
ここで重要なのは、大久保公園周辺で見かける女性が減ったことと、歌舞伎町全体から売春目的の客待ちがなくなったことは同じではないという点だ。
2026年の歌舞伎町は、目立つ場所に人が集まる状態から、周辺に分散する状態へと変化している。街頭の見た目だけで問題の解消を判断できない段階に入っている。
【客待ちの実態】大久保公園からどこへ移った?ホテル街と歩きんぼの現状
ホテル街への移動・分散が報道される理由2026年の現地報道で共通しているのは、大久保公園周辺から周辺のラブホテル街へと客待ちの場所が移っているという点だ。
警察による巡回や摘発が強化されれば、同じ場所に長時間とどまることのリスクは高くなる。かつて人目につきやすかった公園周辺に集まるよりも、周辺地域に分散する動きが生まれる背景には、こうした取り締まり環境の変化がある。
FRIDAYデジタルの2026年9月の報道でも、ホテル街に移った女性たちの存在が取り上げられた。警察による取り締まりに加え、動画配信者などによる撮影やネット上での拡散を避けたいという事情も、移動の背景として報じられている。
一方、集英社オンラインの2026年8月の現地取材では、女性を探してホテル街を歩き回る男性の姿も紹介された。公園周辺で女性が減った後も、買春を目的とする需要が完全になくなったわけではないことがうかがえる。
「歩きんぼ」と呼ばれる新たな客待ちの形2026年の歌舞伎町をめぐる報道で登場する言葉が「歩きんぼ」だ。
これは、特定の場所に立ち続けるのではなく、周辺を歩きながら相手を探す形の客待ちを指す俗称である。
集英社オンラインの2026年8月15日付の記事では、大久保公園周辺にいた女性の一部が周辺のラブホテル街へ移動し、歩きながら客を探している実態が紹介された。
この変化は、単に立つ場所が変わったというだけではない。警察や自治体が特定の場所を重点的に巡回する場合、客待ちの形態そのものが変わる可能性があることを示している。
ただし、「歩きんぼ」という言葉は報道やネット上で使われる俗称であり、警察が公表する統計上の正式な分類ではない。歩きながら移動している女性を一律に売春目的と判断することもできない。
立ちんぼが減少した理由は取り締まりだけではない大久保公園周辺の客待ちが目立たなくなった背景には、複数の要因が重なっている。
- 警察の取り締まり強化:客待ち行為に対する摘発が継続し、同じ場所に集まるリスクが高まった。
- 自治体による巡回:新宿区や東京都などが連携し、地域の防犯・環境改善に取り組んでいる。
- 撮影やネット拡散への警戒:現地の様子を撮影する動画配信者などを避ける動きが報道されている。
- 買う側の行動変化:女性が減った場所でも男性が周辺を探すなど、需要側の行動も変わっている。
したがって、現在の状況を「立ちんぼが完全に消えた」と表現するのは正確ではない。より実態に近いのは、大久保公園周辺への集中が弱まり、周辺地域への分散が確認されているという理解だ。
この点は、今後の行政対策を評価する際にも重要になる。公園周辺の人数だけではなく、周辺地域の状況や、犯罪被害・未成年者保護に関する問題まで含めて確認する必要がある。
【取り締まりの経緯】警視庁保安課と新宿区の環境浄化対策を時系列で整理
警視庁・新宿区・東京都が進める対策歌舞伎町の客待ち問題に対して、中心的な役割を担っているのが警視庁保安課だ。
売春防止法違反の疑いがある客待ち行為を取り締まるだけでなく、地域の安全確保や、困難な事情を抱える女性への支援につなげることも課題となっている。
一方、新宿区は大久保公園周辺の安全確保を目的に、青色防犯パトロールカーによる巡回を実施してきた。
新宿区の2026年度区政方針によると、2025年7月から17時~22時に実施していた大久保公園周辺の巡回について、2026年度からは16時~23時へと時間を拡大している。
また、2026年6月25日には、新宿区・東京都・警視庁の三機関による「歌舞伎町対策協議会」が設立された。治安、防犯、福祉、環境、地域のにぎわいなどを横断的に扱う枠組みである。
主要な出来事と関係機関の役割| 時期・主体 | 主な出来事・取り組み | 歌舞伎町への影響・関係 |
|---|---|---|
| 2023年・警視庁 | 客待ちをしていた女性140人の逮捕が報道される | 大久保公園周辺の問題が広く社会的に認識される |
| 2024年・警視庁 | 年間97人を逮捕 | 客待ち行為への取り締まりが継続 |
| 2025年7月・新宿区 | 青色防犯パトロールカーによる巡回を開始 | 大久保公園周辺の安全確保と環境改善を推進 |
| 2025年・警視庁保安課 | 年間延べ112人を逮捕 | 前年を15人上回る。10代の逮捕者は14人 |
| 2026年2月・新宿区 | 防犯パトロールの時間を16時~23時へ拡大する方針を発表 | 巡回時間を前後に広げ、安全対策を強化 |
| 2026年6月25日・三機関 | 歌舞伎町対策協議会を設立 | 新宿区・東京都・警視庁が治安と福祉などを連携して対応 |
| 2026年8~9月・現地報道 | ホテル街への移動や歩きんぼの存在が報じられる | 公園周辺だけでなく周辺地域への対応が課題に |
| 2026年10月15日・警視庁 | ホテル事業者らに防犯対策と年齢確認の徹底を要請 | 未成年者の犯罪被害防止とホテルの適正利用を推進 |
この表から読み取れるのは、取り締まりが警察だけの活動にとどまらなくなっていることだ。
路上での客待ち、ホテルの利用、未成年者の保護、生活上の困難を抱える女性への福祉支援は、それぞれ異なる行政分野に関わる。複数の機関が連携する必要性が高まっている。
2026年10月、ホテル事業者にも防犯対策を要請2026年10月15日には、警視庁と新宿区保健所が歌舞伎町地区のホテル事業者らに向けて防犯対策の説明会を実施した。
報道によると、説明会にはホテル関係者約50人が参加。大久保公園周辺で目立たなくなった客待ち行為の一部がホテル街へ移っている状況や、ホテルの客室が売春行為、少年少女のたまり場、特殊詐欺の拠点などとして利用される事例が紹介された。
警視庁は、宿泊者名簿の適正な管理や必要事項の確認、宿泊客の年齢確認を徹底するよう呼びかけた。また、家出中と疑われる少年少女や犯罪被害に遭っている可能性のある子どもを発見した場合、ホテル側だけで対応せず、警察などの関係機関に相談・通報するよう求めている。
「少年を犯罪に巻き込ませない、少年を犯罪から守ってほしい」
これは説明会で警視庁保安課長がホテル関係者に向けて述べた言葉として、TBS NEWS DIGが報じた内容だ。
この動きは、客待ち行為の取り締まりだけではなく、ホテルを介した未成年者の犯罪被害やトラブルを未然に防ぐことにも重点が置かれ始めたことを示している。
【法律を解説】売春防止法第5条第3号で立ちんぼはなぜ逮捕される?
客待ち行為の取り締まりに使われる第5条第3号歌舞伎町の立ちんぼ問題で、法律上の重要な根拠となるのが売春防止法第5条第3号だ。
同号は、売春をする目的で、公衆の目に触れるような方法で客待ちをすることや、広告などに類似する方法で売春相手を誘引することを処罰対象としている。
つまり、路上で客を待つ行為が売春目的の客待ちに該当すると判断された場合、同法違反として逮捕される可能性がある。
2025年6月1日からは刑法改正に伴い、従来の懲役刑・禁錮刑が拘禁刑に一本化された。現在の第5条に規定されている法定刑は、次のとおりだ。
- 拘禁刑:6か月以下
- 罰金:2万円以下
なお、路上に立っているという外形だけで直ちに第5条第3号違反になるわけではない。売春をする目的があるか、公衆の目に触れる方法で客待ちをしているかなど、法律上の構成要件に該当するかが問題となる。
売春そのものと客待ち行為は別の問題売春防止法第2条では、売春を対償を受ける、または受ける約束で、不特定の相手と性交することと定義している。
第3条では、何人も売春をし、またはその相手方となってはならないと定めている。
しかし、ここで注意したいのが、売春そのものを禁止する規定と、刑事罰の対象となる行為は必ずしも同じではないという点だ。
現行法では、成人間の売春・買春そのものに対する一般的な直接の処罰規定は設けられていない。一方、売春目的の客待ちや勧誘、周旋、場所の提供などには、それぞれ刑事罰が規定されている。
そのため、歌舞伎町で逮捕者が相次いでいるのは、売春行為そのものだけを理由にした取り締まりではなく、主として客待ちなどの勧誘行為を対象とした摘発である。
女性だけが逮捕される仕組みへの疑問現行制度をめぐって長く議論されてきたのが、売る側と買う側の処罰の不均衡だ。
売春防止法第5条には、売春目的で客待ちや勧誘を行った側に対する処罰規定がある。一方、成人間の買春そのものや、買う側の客探し・勧誘行為については、同じ形の一般的な処罰規定がない。
この制度上の違いから、路上で客待ちをしていた女性が逮捕される一方、買春目的で周辺を歩いている男性は、同法第5条による同じ取り締まりの対象になりにくいという問題が指摘されてきた。
ただし、未成年者が関係する場合や、脅迫・強要など別の犯罪行為がある場合は、児童買春・児童ポルノ禁止法など別の法律が適用される可能性がある。成人間の売買春に関する一般的な制度と混同してはいけない。
【2026年法改正議論】買う側にも罰則は導入される?法務省の検討状況
2026年3月、法務省が有識者検討会を設置買う側への規制をめぐる動きが本格化したのは2026年だ。
法務省は2026年3月24日、売買春に係る規制の在り方を検討する有識者会議の初会合を開催した。
検討会の中心的なテーマは、現行の売春防止法で売る側の勧誘行為などが処罰対象となっている一方、買う側には同様の規定がないという不均衡をどう見直すかという問題だった。
背景には、歌舞伎町などの繁華街で客待ち行為が社会問題となっていることに加え、悪質なホストクラブなどで多額の借金を抱え、売春に追い込まれる女性がいるという問題がある。
法務省は、刑法学者や法曹関係者など11人の委員による議論を進め、2026年9月17日の第9回会議で報告書を取りまとめた。
9月17日の報告書では買う側への規制に異論なし2026年9月17日にまとまった報告書では、買う側による勧誘などについて、何らかの処罰規定を設ける必要性が示された。
複数の委員から新たな規制が必要だとの意見が出され、これに対して異論は見られなかったと法務省は説明している。
これは、買う側の行動についても法律上の責任を明確にしようとする大きな転換点だ。
一方で、報告書は成人間の売買春そのものを一律に処罰する方向を単純に打ち出したものではない。売春行為そのものへの処罰については、支援を必要とする人がいることや、地下化によって問題が見えにくくなる懸念などから慎重な検討が必要とされた。
また、売る側の客待ちなどに関する現行の処罰規定については、維持する方向の意見が大勢だったと報じられている。
2026年11月現在、法改正は成立したのかここは検索する人が特に注意したいポイントだ。
2026年11月3日現在、買う側への罰則は、すでに施行された新制度ではない。
法務省の2026年秋の説明では、9月17日の検討会報告書を踏まえ、買う側による勧誘などのうち、どのような行為を処罰対象とするのか具体的な法整備を検討している段階とされている。
法務省が検討中の法案として「売春防止法の一部を改正する法律案」に言及したことも報じられているが、検討会報告書の取りまとめと、国会での法案成立・施行は別の段階だ。
今後の焦点は、買う側のどのような行為を処罰対象にするのか、インターネット上の誘引をどう扱うのか、売る側への処罰と支援をどのように両立させるのかという点にある。
したがって、「2026年から買春した男性も全員逮捕されるようになった」という理解は誤りだ。現段階では、制度の具体化と法案化の動向を見極める必要がある。
【背景を検証】ホストクラブ・コンセプトカフェと生活困窮女性への支援
48人がホストクラブやコンセプトカフェへの支出を動機に挙げた2025年の逮捕者112人のうち、ホストクラブやコンセプトカフェなどに使う目的を挙げた女性は48人だった。
割合にすると約43%で、警視庁が公表した動機の中で最も多い。
ここで注目すべきなのは、単純な生活費不足だけでは説明できない背景があることだ。
ホストクラブやコンセプトカフェでは、特定の従業員やキャストを応援するために来店を繰り返す利用者がいる。いわゆる推し活や、店内での人間関係を維持するために支出を続けるケースも考えられる。
特に問題となっているのが、ホストクラブで発生する高額な売掛金や借金だ。多額の債務を抱え、返済資金を確保するために路上で客待ちをする女性がいることは、法務省の検討会でも議論の背景として取り上げられている。
ただし、48人全員がホストクラブの売掛金を返済するために客待ちをしていたという意味ではない。警視庁の発表はホストクラブやコンセプトカフェなどへの支出を動機とした人数であり、個々の債務状況まで一律に示すものではない。
生活困窮や孤立など、数字だけでは見えない問題警視庁の発表では、生活困窮を動機として挙げた女性も確認されている。
住居の不安定さ、仕事の収入不足、家族や周囲との関係、借金、精神的な孤立など、客待ちに至る事情は一つではない。
毎日新聞の報道では、ホストやメンズ地下アイドルなどへの支出のほか、中絶費用や美容整形費用を稼ぐためと答えた女性がいたことも紹介されている。
また、逮捕者の約71%に当たる80人が初犯だった。これは、繰り返し客待ちをする常習者だけでなく、初めて摘発される女性も相当数存在することを示す。
こうした実態を考えると、取り締まりだけで問題の根本を解決するのは難しい。逮捕された後に生活を立て直せる環境がなければ、同じような問題に再び直面する可能性がある。
女性支援新法と新宿区の相談体制女性の生活上の困難に対応する制度として重要なのが、2024年4月1日に施行された「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」、いわゆる女性支援新法だ。
この法律は、女性の福祉、人権の尊重・擁護、男女平等という視点に立ち、さまざまな困難を抱える女性一人ひとりの状況に応じた包括的な支援を行うことを目的としている。
支援の対象となる問題は、生活困窮だけではない。
- 住む場所がなく、生活基盤が不安定になっている
- 親しい人や交際相手からの暴力を受けている
- 妊娠や出産について相談できる相手がいない
- 家族や周囲との関係が悪化し、孤立している
- 借金や経済的な事情から生活の立て直しが難しい
新宿区でも女性相談支援員による相談を受け付けている。住居に困っている人、暴力から逃れたい人、異性との関係や妊娠・出産に悩んでいる人などが相談できる体制を設けている。
また、2026年8月に更新された新宿区の相談窓口一覧では、生活上の困りごとや悩みごとに応じた相談先を案内している。
警視庁保安課も、2025年の逮捕者発表に際して、困難な問題を抱える女性への支援を充実させる考えを示している。
つまり、歌舞伎町の立ちんぼ問題は、単純な風紀や治安の問題だけではない。経済的な困難、若年女性の孤立、依存的な消費行動、住居や就労の不安定さが重なった福祉課題でもある。
【未成年者保護の課題】16歳の逮捕者とホテルの年齢確認強化
最年少16歳、10代の逮捕者は14人2025年の逮捕者データで見過ごせないのが、10代の女性が14人いたことだ。
最年少は16歳であり、前年から10代の逮捕者が11人増加した。
未成年者が売春目的の客待ちに関わる背景には、経済的な問題だけでなく、家庭環境、家出、学校や職場での孤立、犯罪被害など、複雑な事情が隠れている可能性がある。
成人と同じように路上での客待ちだけを問題視しても、未成年者が犯罪に巻き込まれる危険性そのものは解消できない。
そのため、警察や自治体に求められるのは、摘発に加えて、少年少女が安全な生活環境に戻れるように関係機関へつなぐことだ。
2026年10月、ホテルの年齢確認と宿泊者名簿の管理を要請2026年10月15日に開催されたホテル事業者向けの説明会では、警視庁が宿泊施設の防犯体制について協力を求めた。
大久保公園周辺からホテル街へ客待ち行為が移っているという状況を踏まえ、宿泊客の年齢確認や宿泊者名簿の適正な管理が改めて課題となった。
特に、家出中の可能性がある少年少女や、犯罪被害に遭っている可能性のある子どもについては、ホテルだけで問題を抱え込最初に、警察などに相談することが求められている。
これはホテル事業者にも地域の防犯を担う役割が期待されていることを意味する。
大久保公園周辺の客待ちが減ったとしても、周辺の宿泊施設で未成年者の安全が守られていなければ、問題が解決したとはいえない。
今後は取り締まりと保護の両立が問われる未成年者保護では、本人を単に違反行為の当事者として扱うだけでは十分ではない。
犯罪被害や搾取に巻き込まれていないか、帰宅できる環境があるか、生活費や住居の問題を抱えていないかなど、個々の状況を確認する必要がある。
警視庁、ホテル事業者、新宿区、福祉関係機関が連携し、危険な状況にある子どもを早期に発見することが、2026年以降の重要な課題となる。
【プロの結論】歌舞伎町立ちんぼ問題は解決したのか?今後の注目点
2026年11月現在の歌舞伎町立ちんぼ問題を評価すると、目に見える変化は確かに起きている。
大久保公園周辺に女性が集中していた以前の光景は変わり、警察の取り締まりや新宿区の防犯パトロールによって、客待ちが目立ちにくくなった。
しかし、ホテル街への移動や歩きんぼの存在が報じられている以上、街頭で見かける人数の減少だけをもって問題の解消と判断することはできない。
今後、実効性のある対策を評価するには、次の4つの視点が欠かせない。
1.大久保公園だけでなく周辺地域も含めて把握すること。
客待ちの場所が移動しているのであれば、公園周辺の人数だけでなく、ホテル街など周辺地域の状況も確認する必要がある。
2.買う側への責任を明確にすること。
2026年9月の法務省検討会報告書では、買う側への勧誘規制を新設する方向に異論がなかった。法改正によって売る側と買う側の責任がどう整理されるかが大きな焦点となる。
3.未成年者を犯罪や搾取から守ること。
16歳の逮捕者が確認された以上、ホテルの年齢確認、警察への通報、福祉機関への接続など、予防的な対策が必要になる。
4.女性が客待ちをしなくても生活できる環境をつくること。
ホストクラブなどへの支出や生活困窮が背景にある場合、摘発だけでは根本的な解決につながらない。住居、就労、債務、心理的な問題などを含めた継続的な支援が求められる。
歌舞伎町の立ちんぼ問題は、路上から人がいなくなれば終わる問題ではない。売春をめぐる需要と供給、経済的な困難、未成年者の保護、法律の不均衡が複雑に絡み合っている。
今後の政策では、取り締まりの成果と同時に、犯罪被害を防げたか、生活再建につながったかという視点が欠かせない。
歌舞伎町立ちんぼに関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在、大久保公園の立ちんぼは完全になくなった?
A1:完全になくなったとはいえない。2026年夏の集英社オンラインや9月のFRIDAYデジタルの現地報道では、大久保公園周辺で客待ちする女性が減った一方、周辺のホテル街への移動や歩きんぼの存在が伝えられている。
Q2:2025年の歌舞伎町立ちんぼの逮捕者数は何人?
A2:警視庁保安課が2026年3月16日に発表した数字は、延べ112人。2024年の97人から15人増加した。平均年齢は25歳、最年少は16歳で、10代は14人だった。
Q3:立ちんぼを買う側の男性も逮捕される?
A3:2026年11月3日現在、成人間の買春そのものを一般的に直接処罰する規定は売春防止法に設けられていない。ただし、未成年者が関係する場合や別の犯罪行為がある場合は別の法律が適用される可能性がある。法務省の有識者検討会は2026年9月17日に買う側の勧誘などへの規制を設ける必要性を報告しているが、新しい罰則がすでに施行されたわけではない。
Q4:立ちんぼで逮捕される根拠となる法律は?
A4:主に売春防止法第5条第3号が問題となる。売春目的で公衆の目に触れる方法による客待ちなどを処罰する規定で、法定刑は6か月以下の拘禁刑または2万円以下の罰金となっている。
Q5:立ちんぼをする女性にはどのような事情がある?
A5:警視庁の2025年の発表では、ホストクラブやコンセプトカフェなどへの支出を動機とした女性が48人いた。また、生活困窮を理由に挙げた女性も確認されている。経済的な問題だけでなく、借金や孤立、住居など複数の事情が関係している。
Q6:新宿区は立ちんぼ問題にどのような対策をしている?
A6:青色防犯パトロールカーによる巡回や、東京都・警視庁との連携を進めている。2026年6月25日には三機関合同の歌舞伎町対策協議会が設立された。女性相談支援員による生活上の相談体制も設けられている。
2026年の歌舞伎町では、大久保公園周辺の客待ちが目立たなくなる一方、ホテル街への分散や歩きんぼの存在が現地報道で明らかになっている。
警視庁が公表した2025年の逮捕者数は延べ112人。ホストクラブやコンセプトカフェなどへの支出を動機とした女性が48人、10代の逮捕者が14人という数字からも、問題の背景にある経済的・社会的な課題は依然として大きい。
加えて、2026年9月には法務省の検討会が買う側への勧誘規制を盛り込んだ報告書をまとめ、10月には警視庁がホテル事業者に未成年者保護や年齢確認の徹底を呼びかけた。
今後は売春防止法の改正議論に加え、女性支援新法に基づく福祉支援、ホテル事業者との連携、地域の安全対策がどこまで実効性を持つかが注目される。
歌舞伎町立ちんぼ問題の本当の解決は、大久保公園から女性の姿が消えることではなく、売買春をめぐる犯罪被害を防ぎ、困難を抱える人が路上で客待ちをしなくても生活を再建できる環境を整えることにある。
主な情報源: 警視庁の発表を伝えた共同通信、毎日新聞、法務省の検討会資料・法務大臣会見、新宿区の公式発表、TBS NEWS DIG、集英社オンライン、FRIDAYデジタル。