2026年の合同結婚式を考えるうえで、最大の注目点は、日本で旧統一教会の解散命令が確定した後も、韓国で国際祝福結婚式が開催されたことです。
2026年5月2日、韓国・加平で国際祝福結婚式2026年5月2日、世界平和統一家庭連合は、韓国の京畿道加平郡にある清心平和ワールドセンターで「2026 天地人真の父母 孝情天宙祝福式」を開催しました。
この開催について、共同通信は現地会場に約1,000人の新郎新婦が訪れ、日本からは約430人が参加したと報道しています。
一方、教団側が5月7日に掲載した開催報告では、会場参加にサテライト会場などを加えると、全世界で2,100組以上が参加し、日本からは約600人が参加したと発表されています。
両者の数字は、集計対象が異なります。共同通信の約1,000人は現地会場に集まった新郎新婦の人数であり、教団発表の2,100組以上はサテライト参加を含む世界全体の組数です。単純に比較できる数字ではありません。
韓鶴子総裁は出席せず、過去の音声で式典を進行今回の式典で注目されたのが、教団の韓鶴子総裁が出席しなかったことです。
共同通信によると、会場には韓総裁の写真と椅子が用意され、過去に婚姻成立を宣言した際の肉声が流されました。
教団幹部は、韓総裁が戻る日に勝利を報告したいという趣旨の演説を行い、信者に結束を呼び掛けたと報じられています。
日本での解散命令確定と、韓国で進む韓総裁の刑事裁判という二つの問題を抱えるなかでの開催でした。従来の式典とは異なる状況が、2026年の特徴です。
2026年3月4日、日本で旧統一教会の解散命令が確定日本国内では、2026年3月4日に大きな法的転換がありました。
東京高等裁判所は、旧統一教会に解散を命じた東京地方裁判所の決定を維持し、教団側の即時抗告を退けました。これにより解散命令が確定し、宗教法人の清算手続きが始まりました。
文部科学省は、長期間にわたり多数の人が違法な献金勧誘などによって財産的・精神的な損害を受けたことを、解散命令決定の重要な背景として説明しています。
2026年5月20日から2027年5月20日までは、被害者などが教団に対する債権を申し出る期間として設定されています。法テラスも、清算手続きや被害救済に関する情報提供を行っています。
ただし、ここで注意したいのは、解散命令が宗教法人としての法的地位を失わせるものであり、信者個人の信仰や宗教活動を一律に禁止するものではないという点です。清算人の公式説明でも、今回の解散命令の対象は世界平和統一家庭連合という法人であり、関連する団体・法人がすべて自動的に解散するわけではないとされています。
韓鶴子総裁は2026年11月3日に保釈取り消し韓国では、韓鶴子総裁をめぐる刑事裁判も進んでいます。
2026年8月31日、ソウル中央地方裁判所は、尹錫悦前政権側への金品提供などをめぐる政治資金法違反などの罪で、韓鶴子被告に懲役2年の実刑判決を言い渡しました。韓被告は起訴内容を否認し、判決を不服として控訴しています。
その後、10月19日にソウル高等裁判所は健康状態などを考慮して保釈を認めました。ただし、居住先を治療中の病院に限定するなど、厳しい条件が付けられていました。
そして2026年11月3日、ソウル高裁は韓被告の保釈を取り消しました。聯合ニュースなどによると、病院を離れて京畿道加平の教団施設に出入りしていたことが確認され、裁判所が保釈条件違反を判断するに至りました。保釈保証金も没収されることになりました。
これは控訴審での最終的な有罪確定を意味するものではありません。韓被告は引き続き控訴審の対象となっており、刑事裁判の結論は別途判断されます。
2026年11月3日時点で、合同結婚式を取り巻く環境は、日本では宗教法人の清算、韓国では指導者の刑事裁判という大きな変化の中にあります。それでも、5月2日の国際祝福結婚式が示すように、教団の国際的な活動は続いています。
【合同結婚式のよくある誤解】参加者全員が同じ経験をするわけではない

合同結婚式に関する情報は、教団の公式説明、元信者の証言、報道機関の取材、裁判記録など、情報源によって内容が異なります。特に次の3点は混同されやすい部分です。
誤解1:すべての参加者が当日初めて相手を知る実際には、写真マッチングなどで事前に相手が決まっていたケースも報告されています。式典当日に初めて対面する形式だけが合同結婚式の実態ではありません。
誤解2:参加者全員が140万円を支払っている140万円は過去の元信者証言や報道で取り上げられた金額です。全時代、全参加者に共通する統一料金ではなく、2026年の参加費として確認された金額でもありません。
誤解3:合同結婚式に参加すると自動的に婚姻が無効になる合同結婚式への参加そのものが婚姻無効の理由になるわけではありません。婚姻意思の有無や手続きの実態など、個別の法的事情によって判断されます。
参加を検討する際に確認したい判断基準宗教的な結婚儀式に参加するかどうかを判断する際には、次の点が重要です。
- 結婚相手を自分自身の意思で選べるか。
- 相手の国籍、年齢、健康状態、仕事、経済状況について十分な説明を受けられるか。
- 結婚後の居住地や生活設計を本人同士で話し合えるか。
- 献金や参加費の内訳、支払い先、返金条件が明確か。
- 参加を断ったり、途中で考え直したりする自由が保障されているか。
- 家族や第三者に相談する機会が確保されているか。
特に、結婚相手の選択と高額な献金が宗教的な義務として一体化し、本人が自由に判断できない状況には注意が必要です。
【合同結婚式に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:合同結婚式とは旧統一教会の結婚式のことですか?
A1:日本で一般に「合同結婚式」と呼ばれているものは、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が実施する「祝福結婚式」を指す場合がほとんどです。教団独自の宗教的な意味を持ち、信者が神の祝福を受けて家庭を築く儀式とされています。
Q2:合同結婚式はいつから始まったのですか?
A2:創始者の文鮮明と韓鶴子の聖婚式は1960年4月11日です。信者を対象とした最初の合同結婚式は1961年5月15日に韓国・ソウルで開催され、36組が参加しました。
Q3:合同結婚式の相手は誰が決めるのですか?
A3:過去には文鮮明が写真などを参考に相手を決めるマッチング方式が行われていました。時代や参加者によって仕組みは異なり、親が2世信者の相手を決める父母マッチングなどもあります。
Q4:合同結婚式の参加費は140万円ですか?
A4:過去の元信者証言では、140万円の感謝献金を求められた事例が報じられています。ただし、全参加者に共通する金額ではなく、2026年現在の一律の参加料金でもありません。
Q5:1992年の3万組合同結婚式には誰が参加しましたか?
A5:1992年8月25日に韓国・ソウルで開催され、桜田淳子、山崎浩子、徳田敦子らの参加が日本でも報じられました。教団発表では3万組規模の国際合同結婚式でした。
Q6:2026年にも合同結婚式は開催されましたか?
A6:開催されました。2026年5月2日に韓国・京畿道加平郡で国際祝福結婚式が行われました。共同通信は現地会場に約1,000人、教団側はサテライト参加を含めて世界全体で2,100組以上と発表しています。
Q7:合同結婚式で結婚した場合、婚姻無効を申し立てられますか?
A7:個別の事情によっては可能です。過去には婚姻意思が存在しなかったとして、合同結婚式後の婚姻無効が認められた裁判例があります。ただし、参加したという理由だけで一律に無効になるわけではありません。
Q8:旧統一教会の解散命令で合同結婚式は完全になくなったのですか?
A8:日本の宗教法人としての解散命令は2026年3月4日に確定しましたが、宗教活動そのものを一律に禁止する措置ではありません。実際に同年5月2日には韓国で国際祝福結婚式が開催されています。
合同結婚式は、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が行う祝福結婚式であり、1961年の36組から始まり、1992年の3万組、1995年の36万組規模へと発展してきました。
その特徴は、単なる集団結婚ではなく、宗教的な祝福、独自のマッチング制度、国際結婚、信仰に基づく家庭形成が一体となっていることです。
一方、過去の元信者の証言からは、140万円の感謝献金、相手選びへの本人の意思の反映、結婚後の生活、離婚や脱会に関する問題も明らかになっています。婚姻意思の不存在を理由に、実際に婚姻無効が認められた裁判例もあります。
そして2026年は、3月4日の日本での解散命令確定、5月2日の韓国での国際祝福結婚式、8月31日の韓鶴子総裁への一審判決、11月3日の保釈取り消しと、教団を取り巻く状況が大きく動いた年になりました。
【プロの結論】合同結婚式を理解するために必要な3つの視点合同結婚式を評価する際には、次の3つを分けて考えることが欠かせません。
第一に、信仰の自由です。宗教的な価値観に基づいて結婚相手を選び、祝福を受けること自体は、信仰を持つ人の人生の選択に関わります。
第二に、結婚する本人の自由です。宗教的な指導者や親の意向があったとしても、結婚する本人の意思や相手を選ぶ権利が尊重されなければなりません。
第三に、金銭と法的責任です。献金が任意だったのか、どのような説明で支払いが求められたのか、婚姻が法的に有効に成立したのかという問題は、信仰上の説明とは別に検証する必要があります。
2026年11月現在、旧統一教会をめぐる問題は、日本の清算手続きと韓国での刑事裁判という新たな段階に入っています。合同結婚式についても、華やかな式典の映像や巨大な参加人数だけで判断するのではなく、参加者一人ひとりの意思、費用、結婚後の生活まで含めて理解が必要です。