2026年の杉田水脈氏の落選理由を考える際、得票数だけでなく、選挙区の政治的な特徴、対立候補との関係、過去の政治活動に対する評価を合わせて見る必要がある。
今回の選挙について、報道から読み取れる主な背景は3つある。
1. 大阪5区は維新の影響力が強い選挙区だった2026年の大阪5区で当選した梅村聡氏は、日本維新の会の候補者だった。
日刊スポーツの選挙報道では、大阪の選挙区における維新の強さや、杉田氏が地縁の薄い地域で戦う落下傘候補だったことが取り上げられている。
大阪では維新が強い政治基盤を持ち、杉田氏が所属する自民党にとっても簡単に議席を獲得できる環境ではなかった。
実際、梅村氏は93,472票を獲得しており、杉田氏の48,051票を大きく上回った。
2. 地域に根差した支持基盤の構築が課題だった日刊ゲンダイの2026年2月9日の報道では、杉田氏が大阪5区に地縁を持たず、自民党の後援組織も弱かったという府政関係者の見方が紹介されている。
同記事は、当初は兵庫8区での立候補が検討されていたものの、最終的に大阪5区での出馬となった経緯にも触れている。
また、選挙活動の日程をSNSなどで積極的に告知しない戦略も報じられた。
本人は、活動日程を公開しない理由について、街頭演説を聞きに来る支援者への配慮を挙げていた。
こうした選挙戦略がどの程度得票に影響したかは数字だけでは測れないが、地域での認知度や支持組織の強さが課題だったことは、選挙戦を考えるうえで重要な要素だ。
3. 政治資金問題や過去の発言をめぐる批判杉田氏の政治活動には、以前から政治資金問題や人権に関する発言をめぐる議論があった。
特に2024年には、旧安倍派の政治資金パーティーをめぐり、資金管理団体の収支報告書に1,564万円の不記載があったことが判明。自民党から党役職停止6か月の処分を受けた。
また、2016年に国連女性差別撤廃委員会の参加者についてブログなどに投稿した内容をめぐっては、2023年に大阪法務局が人権侵犯と認定したことが報じられている。札幌法務局でも関連する人権侵犯の認定があった。
これらの問題は、政治家としての説明責任や有権者からの信頼という観点で議論の対象になってきた。
2025年の参議院選挙でも落選しており、2026年の衆院選は、こうした政治的評価が問われる再挑戦でもあった。
ただし、これらの問題が48,051票という結果にそれぞれ何票分影響したかを示す公的なデータはない。落選の背景は、地域の政治情勢、選挙基盤、候補者への評価が重なったものとして見るのが妥当だ。
【比例近畿ブロックの結果】杉田水脈はなぜ比例復活できなかった?

2026年の衆議院選挙では、杉田氏は大阪5区で敗れた場合に備え、比例近畿ブロックにも重複立候補していた。
しかし、こちらでも当選には至らなかった。
その理由を理解するには、比例代表の名簿順位と惜敗率を知っておく必要がある。
自民党の比例名簿では同順位の候補者との競争があった2026年の比例近畿ブロックで、自民党は28議席中10議席を獲得した。
杉田氏の名簿順位は3位。小選挙区との重複立候補者が同じ順位に並ぶ場合、惜敗率などによって当選者が決まる仕組みだった。
杉田氏の惜敗率は約51.4%だった。
小選挙区での当選者である梅村氏の得票数93,472票に対し、杉田氏の得票数48,051票という結果からも、両者の差が大きかったことが分かる。
比例近畿ブロックの自民党候補者には、杉田氏より高い惜敗率を記録した候補者も複数いた。そのため、比例代表での復活当選も実現しなかった。
比例中国ブロックから比例近畿ブロックへの変更もポイント過去の杉田氏は、比例中国ブロックから2回当選している。
一方、2026年は大阪5区に立候補したため、重複する比例代表の対象も近畿ブロックになった。
これは、比例代表の選挙区が候補者個人に固定されているわけではなく、立候補する地域や政党の公認方針によって変わるためだ。
したがって、次の3つは区別しておきたい。
- 比例近畿ブロック:2012年の初当選と2026年の重複立候補
- 比例中国ブロック:2017年・2021年の当選
- 大阪5区:2026年に立候補した小選挙区
「杉田水脈は中国地方の議員」という認識だけでは、2026年の選挙結果を正しく理解できない。
【2026年現在の活動】杉田水脈は議員を辞めた?自由民主党との関係は?
2026年11月現在、杉田水脈氏は衆議院議員ではない。
2026年2月の選挙で小選挙区・比例代表の双方で議席を獲得できなかったため、国会議員としての立場には戻っていない。
本人の公式サイトでも、肩書は「元衆議院議員」となっている。
現在は講演会や政治関連の活動を継続本人の公式サイトに掲載された2026年の活動予定・実績には、次のようなものがある。
- 2026年7月19日:第10回OSAKA憲法トークライブに登壇
- 2026年10月30日:ChannelAJER特別企画の政経セミナーに出演
- 2026年11月28日:札幌市で特別講演会を開催予定
11月28日の講演会は、国内外の情勢をテーマとするものとして案内されている。
このように、国会議員ではなくなった後も、講演や政治に関する情報発信を続けていることが分かる。
自由民主党との関係はどうなっている?杉田氏は2017年以降、自民党公認で衆議院選挙に出馬してきた。
2025年の参議院選挙、2026年の衆議院選挙でも自民党公認候補として立候補している。
ただし、選挙で公認を受けたことと、現在の党内役職や党組織での立場は別の問題だ。
2026年11月現在、確認できる本人の公式プロフィールでは元衆議院議員と紹介されており、過去のような政府の政務官や衆議院議員としての職務には就いていない。
今後、国政選挙に再挑戦するのか、講演や政治活動を中心に活動するのかは、今後の動向を見守る必要がある。
【よくある質問】杉田水脈の選挙区に関するFAQ
Q1:杉田水脈の現在の選挙区はどこですか?
A1:2026年2月の衆院選では大阪5区から立候補しました。ただし落選しているため、2026年11月現在、現職の衆議院議員としての選挙区はありません。
Q2:杉田水脈は大阪5区で何票獲得しましたか?
A2:2026年2月8日の衆議院選挙で48,051票を獲得しました。当選した日本維新の会の梅村聡氏は93,472票で、45,421票の差がありました。
Q3:杉田水脈は比例中国ブロックで何回当選しましたか?
A3:2017年と2021年の2回です。2012年には比例近畿ブロックで初当選しており、衆議院議員としての当選回数は合計3回です。
Q4:杉田水脈は2026年の選挙で比例復活しましたか?
A4:いいえ。大阪5区で落選し、重複立候補していた比例近畿ブロックでも議席を獲得できませんでした。
Q5:杉田水脈は現在何をしていますか?
A5:2026年11月現在は元衆議院議員として、講演会や政治関連の活動を行っています。本人の公式サイトには2026年の講演・セミナー情報も掲載されています。
杉田水脈氏の選挙歴を振り返ると、兵庫6区から出発し、比例近畿ブロック、比例中国ブロックを経て、2026年には大阪5区へと活動の舞台が変化してきたことが分かる。
今回の選挙結果を整理すると、要点は次のとおりだ。
- 2012年:日本維新の会から兵庫6区に出馬。比例近畿ブロックで初当選。
- 2017年・2021年:自民党から比例中国ブロックで2回当選。
- 2024年:政治資金問題による党処分を受け、衆院選への出馬を辞退。
- 2025年:参議院比例代表に立候補するも落選。
- 2026年:大阪5区から出馬し、48,051票で落選。比例近畿ブロックでも議席を得られず。
杉田氏の衆議院議員としての当選回数は通算3回。総務大臣政務官を務めた経験もある一方、政治資金問題や過去の発言をめぐる批判など、政治家としての評価にはさまざまな論点が存在する。
【プロの結論】
杉田水脈氏の選挙歴を正確に理解するためには、「どこの小選挙区から出たのか」と「どの比例ブロックで当選したのか」を分けて考えることが欠かせない。
特に、比例中国ブロックで2回当選した経歴があるからといって、2026年も中国地方が選挙区だったわけではない。2026年は大阪5区と比例近畿ブロックが選挙の舞台だった。
今後の政治的な影響力を判断する際には、過去の当選回数だけでなく、実際の得票数、地域での支持基盤、政党内での位置づけ、そして本人の継続的な活動を確認することが重要になる。
2026年11月現在、杉田氏は元衆議院議員として活動を続けている。今後の国政復帰の可能性も含め、政治活動の行方が注目される。