失業認定申告書は、雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)を受けるために、求職活動の状況や就労の有無などを申告する書類です。初回認定日を迎える人にとってはもちろん、アルバイトや内職をした人、求職活動の実績が足りない人にとっても、記入方法を正しく理解しておくことが欠かせません。
2026年10月時点で確認できる厚生労働省とハローワークの公的案内をもとに、失業認定申告書の書き方を項目ごとに解説します。記入例、初回認定日の注意点、アルバイトの就労時間と失業給付の関係、内職の収入欄、書き間違いの訂正方法、不正受給を避けるためのポイントまで、認定日に提出する前に確認しておきたい情報をまとめました。
【2026年版】失業認定申告書とは?認定対象期間と提出書類を確認

失業認定申告書は、ハローワークが受給者の失業状態を確認するための書類です。単に現在働いていないことを伝えるのではなく、前回の認定日以降にどのような求職活動をしたか、仕事や内職をしたか、収入があったかなどを申告します。
ハローワークインターネットサービスの「雇用保険の具体的な手続き」では、失業の認定は原則として4週間に1度行われ、失業認定申告書と雇用保険受給資格者証を提出する流れが案内されています。
認定対象期間はいつからいつまで?通常の認定対象期間は、前回の認定日から今回の認定日の前日までです。初回認定日の場合は、受給手続きをした日から今回の認定日の前日までを基本に考えます。実際の対象期間は、ハローワークから渡された書類や説明に従って確認してください。
たとえば、認定対象期間中に求人へ応募した場合、その応募日や応募先などを申告します。期間内に短時間のアルバイトをした場合も、給与の振込日が認定対象期間の外であっても、働いた事実そのものを申告する必要があります。
認定日に持参するもの- 記入済みの失業認定申告書
- 雇用保険受給資格者証、またはハローワークから交付された受給資格に関する書類
- 必要に応じて、求職活動や就労の状況を確認できる資料
必要書類や受付方法は、交付された案内に従いましょう。アルバイトをした場合は、勤務日、勤務時間、勤務先、賃金の支払日、収入額などを事前にメモしておくと、申告内容を整理しやすくなります。
【記入例付き】失業認定申告書の書き方を項目ごとに解説
失業認定申告書は、用紙に記載された質問に対して、認定対象期間中の事実を回答していく形式です。設問の番号や欄の配置は交付された用紙を確認し、裏面の注意事項も読んでから記入してください。
1.就職・就労・内職・手伝いの有無認定対象期間中に、アルバイト、パート、単発の仕事、内職、家業の手伝いなどをしたかどうかを回答します。仕事をした場合は「した」、仕事をしていない場合は「しない」を選びます。
仕事をした場合は、用紙のカレンダー欄にも該当日を記入します。一般的な記入例では、1日4時間以上働いた日は「○」、4時間未満の日は「×」とする方法が案内されています。ただし、交付された用紙の説明を優先してください。
2.内職・手伝いによる収入内職や手伝いによって収入を得た場合は、指定された収入欄に、収入のあった日、金額、何日分の収入かを記入します。収入が振り込まれた日と実際に作業した日が異なる場合は、両方を区別して記録しておくと混乱を防げます。
なお、収入欄は、カレンダーに記入する就労日をそのまま転記する欄ではありません。どの収入を記載するかは用紙の説明を確認し、判断に迷う場合はハローワークの担当者に確認しましょう。
3.求職活動の実績認定対象期間中に求職活動を行った場合は、活動方法、活動日、利用した機関の名称、活動内容などを記入します。求人に応募した場合は応募先の会社名や応募日、ハローワークで職業相談を受けた場合は相談日や相談内容などを整理しておくと、記入がスムーズです。
4.就職できる状態かどうか失業給付の基本手当は、働く意思と能力があり、積極的に求職活動をしているにもかかわらず、職業に就けない人を対象とする制度です。設問に対しては、その期間の実際の状況を回答してください。病気やけが、育児などで就職できない状態になった場合は、申告内容を自己判断で処理せず、ハローワークに相談しましょう。
5.氏名・支給番号・提出日など氏名、支給番号、提出日などの基本情報も忘れずに記入します。支給番号は雇用保険受給資格者証などで確認し、数字や氏名に誤りがないか提出前に見直してください。
項目別の記入例と注意点| 記入項目 | 記入例・確認方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 就労の有無 | 仕事をした場合は「した」、していない場合は「しない」 | 短時間勤務や収入のない手伝いも、申告が必要か確認する |
| カレンダー欄 | 勤務した日を、用紙の指定に従って記入する | 勤務日と給与の支払日を混同しない |
| 内職・手伝いの収入 | 収入日、収入額、何日分かを記入する | 収入が後日振り込まれる場合も、申告時期を確認する |
| 求職活動実績 | 応募日、応募先、職業相談日、活動内容などを記入する | 求人サイトを閲覧しただけの行為は、原則として実績に該当しない |
| 就職できる状態 | 設問に対して実際の状況を回答する | 就職できない事情がある場合は、別の手続きが必要か相談する |
| 氏名・支給番号・提出日 | 交付された書類と照合して記入する | 記入漏れや番号の誤記がないか確認する |
上記は記入内容を整理するための一般的な例です。申告書の様式や記入方法については、ハローワークが配布する記入例と、実際に交付された用紙の指示を優先してください。
【初回認定日も要確認】求職活動実績の書き方と活動しなかった理由
失業認定申告書で迷いやすいのが、求職活動の実績欄です。活動した事実があっても、すべての行動が実績として認められるわけではありません。厚生労働省とハローワークの案内では、就職しようとする意思を具体的かつ客観的に確認できる活動が、求職活動実績として扱われます。
求職活動実績として認められる主な行動- 求人への応募や応募書類の送付、採用面接
- ハローワークでの職業相談・職業紹介
- 許可・届出のある民間職業紹介機関などでの職業相談・職業紹介
- 公的機関などが実施する就職支援セミナーや個別相談が可能な企業説明会への参加
- 再就職に役立つ国家試験や検定などの資格試験の受験
一方、ハローワークや求人サイトで求人情報を眺めただけの場合、知人に仕事の紹介を頼んだだけの場合、民間の職業紹介サービスに登録しただけの場合は、原則として求職活動実績には該当しません。
初回認定日までに必要な実績は何回?ハローワークインターネットサービスの案内によると、基本手当の支給に係る最初の認定日では、認定対象期間中に原則1回以上の求職活動実績が必要です。通常の認定対象期間では、原則2回以上が必要になります。
ただし、給付制限期間がある場合などは、必要な実績回数の考え方が異なります。退職理由や個別の受給状況によっても扱いが変わるため、初回認定日までに必要な活動回数は、受給資格者のしおりやハローワークの説明で確認してください。
初回認定日までに活動した場合は、活動日と内容をメモしておき、申告書の該当欄に正確に記入します。求職活動の実績が不足しているからといって、実際には行っていない活動を記入してはいけません。
求職活動をしなかった理由はどう書く?申告書に求職活動をしなかった理由を記載する欄がある場合は、その期間に活動できなかった事情を事実に沿って説明します。理由を記入すれば必ず基本手当が支給される、という仕組みではありません。
求職活動をしていない場合は、原則として基本手当の支給に影響します。また、病気やけがなどによって、すぐに働くこと自体ができない状態になった場合は、基本手当の受給要件を満たさなくなる可能性もあります。実際の事情を担当者に伝え、必要な手続きについて確認してください。
【アルバイト・内職】収入欄の書き方と就労時間による失業給付の違い
失業給付を受けながらアルバイトやパートをする場合は、勤務時間や働き方によって基本手当の取り扱いが異なります。収入が少ないから申告しなくてもよい、給与がまだ振り込まれていないから記入しなくてもよい、と判断するのは危険です。
1日4時間が判断の目安になる東京ハローワークの求職者給付に関するQ&Aでは、原則として、1日の労働時間が4時間未満の場合は「内職・手伝い」、4時間以上の場合は「就労・就職」として取り扱うことが案内されています。
- 1日4時間未満:内職・手伝いとして扱われ、収入額などによって基本手当が減額される場合がある。
- 1日4時間以上:就労・就職として扱われ、原則として働いた日は基本手当の支給対象にならない。
- 週20時間以上の継続的な仕事:アルバイトという名称でも、就職として扱われる場合があるため、事前に相談が必要。
この区分だけで受給の可否がすべて決まるわけではありません。契約内容、勤務の継続性、雇用保険の加入条件なども関係します。新しく仕事を始める場合や勤務時間が増える場合は、早めにハローワークへ相談しましょう。
アルバイトをした場合の申告方法認定対象期間中にアルバイトやパート、研修、試用期間中の勤務などをした場合は、収入の有無にかかわらず、申告書に必要事項を記入します。働いた日と勤務時間、勤務先、賃金の支払日、収入額などを記録しておくと、正確に申告できます。
たとえば、1日5時間のアルバイトをした場合は、その勤務日を申告書のカレンダー欄に記入します。1日3時間の仕事をした場合も同様に申告し、内職・手伝いとして扱われる場合は、該当する収入欄の記入方法を確認します。実際の記号や収入欄の扱いは、交付された申告書の説明に従ってください。
内職・手伝いの収入欄はいつ記入する?内職や手伝いの収入は、作業した日と支払日が一致しない場合があります。たとえば、月末締め翌月払いであれば、働いた月と収入が入る月が異なります。こうしたケースでは、作業した日をカレンダー欄に記録し、収入欄については用紙の指示に沿って、収入日・金額・何日分かを申告します。
愛知労働局の記入案内でも、短時間の仕事について、収入の申告時期と実際に働いた日を区別する考え方が説明されています。給与の計算期間や支払日が複雑な場合は、給与明細や勤務記録を持参し、担当者に確認するのが確実です。
申告しなければどうなる?アルバイトや内職の事実を申告せず、基本手当を受給すると、不正受給と判断される可能性があります。申告した結果、基本手当が減額されたり、働いた日が支給対象外になったりする場合はありますが、申告しないことが解決策になるわけではありません。
仕事をすること自体が一律に禁止されているわけではありません。大切なのは、働き方や収入を正確に伝え、受給資格への影響を確認することです。
【書き間違い・提出方法】訂正の仕方と認定日に慌てない準備
失業認定申告書を書き間違えた場合は、誤った内容をそのままにせず、提出前に訂正しましょう。訂正方法はハローワークの案内によって異なる場合があるため、全国共通の方法だと決めつけないことが大切です。
書き間違いを訂正する方法愛知労働局などの記入案内では、黒のボールペンで記入し、間違えた箇所に二重線を引いて訂正する方法が示されています。別の案内では訂正印や直筆サインについても説明されていますが、必要な方法は交付元の指示を確認してください。
- 誤記した箇所を確認し、指定された方法で訂正する。
- 修正液や修正テープで元の記載を隠すことは避ける。
- 訂正印や署名が必要かどうかは、管轄のハローワークに確認する。
- すでに提出した後に誤りに気づいた場合は、できるだけ早く担当者に申し出る。
勤務日や収入額など、給付の判断に関係する項目を間違えた場合は、単に書き直すだけでなく、正しい日付や金額を説明できるようにしておきましょう。
ハローワークへの提出方法原則として、指定された認定日に、管轄のハローワークへ失業認定申告書と雇用保険受給資格者証などを提出します。受付窓口や提出箱の利用方法、受付時間などは施設ごとに異なるため、案内された手順に従ってください。
認定日に行けない事情が生じた場合は、放置せず、手続きをしているハローワークへ事前に連絡し、指示を受けることが基本です。就職のための面接や本人の病気・けがなど、一定の事情があれば認定日の変更が認められる場合がありますが、理由を問わず自由に変更できるわけではありません。
提出直前のチェックリスト- 認定対象期間を正しく確認した。
- 就労した日、勤務時間、内職・手伝いの有無を申告した。
- 収入欄に必要な日付・金額・日数を記入した。
- 求職活動の日時、利用機関、活動内容を確認した。
- 氏名、支給番号、提出日を記入した。
- 雇用保険受給資格者証などの必要書類を用意した。
- 記入漏れや訂正箇所がないか、表裏両面を見直した。
【プロの結論】不正受給を避けるために知っておきたい3つの判断基準
失業認定申告書で最も注意したいのは、記入欄を埋めることそのものより、実際の活動や働き方を正確に申告することです。厚生労働省やハローワークが公表する案内では、求職活動の虚偽申告、アルバイトや内職の未申告、自営業や請負による仕事の未申告などが、不正受給の典型例として挙げられています。
判断基準1:実際に行った活動だけを書く求人サイトで求人情報を閲覧しただけでは、原則として求職活動実績にはなりません。応募や職業相談など、実際に行った活動を記録し、その内容を申告しましょう。実績が不足している場合も、事実と異なる活動を記入することは避けてください。
判断基準2:仕事の名称や収入の有無だけで判断しない「単発だから」「手伝いだから」「まだ報酬を受け取っていないから」といった理由だけで、申告不要と判断するのは危険です。アルバイト、パート、研修、試用期間、内職、家業の手伝いなども、申告が必要になる場合があります。働いた事実と収入の状況を分けて整理し、判断に迷う場合は相談してください。
判断基準3:不正受給の処分は重いハローワークインターネットサービスの「不正受給の典型例」では、不正受給があった場合、その行為があった日以降の基本手当等の支給停止、不正に受給した額の返還、さらに不正受給額の2倍に相当する額以下の納付命令があり得ると説明されています。返還額と追加納付額を合わせて、一般に「3倍返し」と呼ばれる仕組みです。
これは必ず一律に3倍の金額が課されるという意味ではありませんが、申告漏れを軽く考えるべきではありません。間違えて申告したことに後から気づいた場合も、そのままにせず、速やかにハローワークへ相談しましょう。
正確な申告は、必要以上に不安になるためのものではありません。働き方や求職活動について疑問があるときに、早めに相談し、受給資格への影響を確認することが、結果的に手続きを円滑に進める方法です。
【失業認定申告書書き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:初回認定日までに求職活動は何回必要ですか? A1:基本手当の支給に係る最初の認定日では、認定対象期間中に原則1回以上の求職活動実績が必要です。通常の認定対象期間では原則2回以上ですが、給付制限期間などによって異なる場合があります。受給資格者のしおりやハローワークの案内を確認してください。
Q2:求人サイトで求人情報を見ただけでも実績になりますか? A2:単に求人情報を閲覧しただけの場合は、原則として求職活動実績には該当しません。求人への応募、職業相談、就職支援セミナーへの参加など、実績として認められる活動を行い、正確に申告しましょう。
Q3:アルバイトをしたものの、まだ給料を受け取っていない場合は申告不要ですか? A3:いいえ。収入がまだ発生していなくても、働いた事実について申告が必要です。勤務日や時間を記録し、内職・手伝いの収入欄を記入する時期については、用紙の指示やハローワークの案内を確認してください。
Q4:失業認定申告書を書き間違えたら、最初から書き直す必要がありますか? A4:必ずしも最初から書き直す必要があるとは限りません。二重線などによる訂正方法が案内されている場合がありますが、訂正印や署名の要否は提出先の指示に従ってください。提出後に気づいた場合は、速やかに担当者へ申し出ましょう。
Q5:求職活動をしなかった場合、理由を書けば失業給付を受けられますか? A5:理由を記入すれば必ず支給されるわけではありません。原則として求職活動実績が必要であり、働くことができない状態になった場合は、受給資格への影響や受給期間の延長などについて相談が必要です。
Q6:失業認定申告書はどこに提出すればよいですか? A6:原則として、指定された認定日に管轄のハローワークへ提出します。雇用保険受給資格者証など、案内された必要書類も持参してください。受付場所や提出方法は、交付された案内で確認しましょう。
失業認定申告書の書き方で押さえておきたいのは、認定対象期間を確認し、就労状況、内職・手伝いの収入、求職活動実績をそれぞれ正確に記入することです。初回認定日では求職活動の必要回数を確認し、アルバイトをした場合は勤務時間や収入の有無にかかわらず、必要な申告を行いましょう。
書き間違いは、交付元の案内に従って訂正します。提出方法や収入欄の扱いなど、判断が難しい点は自己判断で処理せず、管轄のハローワークに確認してください。
2026年10月時点で公表されている厚生労働省とハローワークの案内を確認しながら、事実に沿って申告することが、認定日の手続きを円滑に進め、不正受給のリスクを避けるための基本です。