二所ノ関部屋の特徴として注目されるのが、稽古場と生活空間を一体的に整備した施設だ。
2022年6月5日に行われた部屋開きでは、従来の相撲部屋のイメージにとらわれない設備が公開された。
2面の土俵を備えた稽古場施設の主な特徴は次のとおり。
- 約1,800坪の敷地: 約6,000平方メートル規模の広さ。
- 土俵2面: 複数の力士が並行して稽古できる。
- トレーニング室: 土俵上の稽古以外の身体づくりにも対応。
- 屋外運動スペース: バスケットボールのハーフコートや鉄棒を設置。
- 生活設備: 力士の身体の大きさを考慮した浴室や食料保管設備を整備。
特に2面の土俵は、二所ノ関親方がこだわった部分だ。
通常の相撲部屋では土俵が1面というケースが多い。2面あれば、調整を中心とする力士と、申し合いなどで実戦的な稽古を行う力士を分けられる。
2022年6月のスポーツ紙の取材では、土俵を2面使って複数の力士が同時に申し合いを行う様子が報じられた。単に施設を大きくしたのではなく、稽古の効率を意識した設計である。
スポーツ科学を取り入れた育成方針二所ノ関部屋では、相撲の技術だけでなく、栄養やコンディショニングにも力を入れている。
公式サイトで紹介されている主な取り組みは次の3つだ。
1.栄養面のサポート
株式会社DNSからプロテインやサプリメントの提供を受けている。食事に関するレクチャーや、力士個々のカウンセリングも実施している。
2.トレーニング設備の活用
フリーウエイトを中心としたトレーニング機器を備え、全身の筋力向上を目指す。複数の力士が同時にトレーニングできる設備も整えている。
3.整骨院との連携
整骨院と提携し、定期的な診療や治療を受けられる体制を設けている。
こうした取り組みの背景には、二所ノ関親方が掲げる「怪我に強い力士を育てる」という育成方針がある。
力士のプライベートにも配慮した生活空間もう一つ興味深いのが、力士の居住環境だ。
公式サイトによると、二所ノ関部屋では従来型の6〜8人部屋ではなく、3人部屋を基本とした少人数制を採用している。
相撲部屋は共同生活が基本となるが、個人の時間やプライバシーを尊重する考え方も取り入れている。
これは単なる快適さの追求ではない。生活環境を整えることで、力士が相撲に集中できる時間と空間を確保するという発想だ。
もっとも、少人数制だから共同生活の負担がないという意味ではない。集団生活や日々の厳しい稽古に適応する姿勢は、どの部屋でも求められる。
【所在地・アクセス】二所ノ関部屋は茨城県阿見町のどこにある?

二所ノ関部屋の本拠地は、茨城県稲敷郡阿見町にある。
日本相撲協会と部屋の公式サイトに掲載されている所在地は次のとおり。
二所ノ関部屋・本拠地
〒300-1152
茨城県稲敷郡阿見町荒川本郷139-1
電車でのアクセス
JR常磐線・ひたち野うしく駅から徒歩約10分。
車でのアクセス
つくば牛久ICから県道48号方面へ約10分。
出典:二所ノ関部屋公式サイトの宿舎案内
最寄り駅から徒歩でアクセスできる点は、相撲部屋としては比較的便利な立地といえる。
また、二所ノ関親方の出身地である牛久市に隣接していることも、この場所が選ばれた背景の一つだ。
親方は地元茨城県から強い力士を育て、地域に相撲文化を根付かせることを目標としている。
稽古見学は一般人でも可能?二所ノ関部屋を訪問したい相撲ファンにとって、特に気になるのが稽古見学だろう。
結論からいえば、一般の人が自由に稽古場へ入って見学できる仕組みではない。
部屋公式サイトのFAQでは、稽古場の収容人数に限りがあるため、後援会会員を対象に日時を指定した稽古見学会を随時開催していると説明されている。
地方場所の宿舎についても同様の扱いだ。
見学を希望する場合は、次の流れで考えるとよい。
1. 後援会の会員制度を確認する。
2. 希望する見学会の開催条件を確認する。
3. 部屋へ問い合わせ、参加方法や日程を確認する。
4. 指定された日時と案内に従って参加する。
注意したいのは、部屋の所在地が公開されていることと、自由に見学できることは別だという点である。
稽古は力士にとって日常の仕事であり、集中できる環境を維持する必要がある。見学希望者は事前に公式案内を確認したい。
【新弟子募集】二所ノ関部屋に入門する条件と育成制度
二所ノ関部屋では、公式サイトを通じて新弟子を募集している。
単に体格の大きな若者を集めるのではなく、将来の力士を育てるための環境を整えている点が特徴だ。
日本相撲協会が定める入門条件公式の新弟子募集ページに掲載されている基本的な入門規定は以下のとおり。
| 項目 | 基本条件 |
|---|---|
| 性別・健康状態 | 健康な男子 |
| 学歴 | 義務教育修了 |
| 身長 | 167cm以上 |
| 体重 | 67kg以上 |
| 年齢 | 23歳未満 |
| 3月場所の特例 | 中学校卒業見込みの場合、165cm以上・65kg以上 |
年齢については、幕下・三段目付出が承認された場合や、日本相撲協会指定の社会人・大学アマチュア大会で一定の成績を残した場合など、理事長の承認によって25歳未満まで緩和される規定もある。
入門条件を満たしていても、新弟子検査などの手続きが必要になる。
相撲未経験者でも入門できる?二所ノ関部屋の公式サイトでは、相撲未経験者の入門についても肯定的な説明がある。
親方自身が相撲未経験から角界に入った経験を持つことを踏まえ、経験の有無よりも入門後の努力が大切だとしている。
入門後には日本相撲協会の相撲教習所で半年間の研修を受けるほか、部屋でも基本的な相撲の技術を学ぶ。
また、体格に不安がある志望者についても、入門規定を満たしていれば応募できるとしている。
二所ノ関部屋独自の育成サポート二所ノ関部屋の新弟子募集ページでは、次のような育成環境を紹介している。
- プロテインや栄養指導による身体づくり
- トレーニング機器を使った筋力向上
- 整骨院との連携によるコンディショニング
- 少人数制の居住環境
- 親方や先輩力士からの相撲指導
このように、身体を大きくすることだけでなく、食事、トレーニング、身体のケア、生活習慣まで含めた育成を目指している。
入門希望者の問い合わせ方法公式サイトでは、入門希望者本人からの問い合わせだけでなく、入門候補者の推薦も受け付けている。
推薦があれば、全国へスカウトに出向くという案内も掲載されている。
相撲経験がない人や、進路として角界を検討している若者にとって、まず相談できる窓口があるのは心強い。
ただし、入門を希望する場合は、身体検査や年齢などの協会規定を確認し、部屋側に最新の募集条件を問い合わせることが必要だ。
【後援会・評判と実態】二所ノ関部屋を応援する方法
二所ノ関部屋では、個人会員と法人会員を対象に後援会を運営している。
後援会は単なるファンクラブではない。力士の育成を支援し、部屋とファンをつなぐ役割を持つ。
個人会員の会費と特典公式サイトに掲載されている個人会員の料金は次のとおり。
| 月額会費 | 主な特典 |
|---|---|
| 1,500円/1口 | 番付送付(東京場所のみ)、記念品 |
| 3,000円/1口 | 番付送付、記念品、ちゃんこ会招待、カレンダー |
3,000円のコースでは、ちゃんこ会への招待など、部屋との交流を楽しめる特典が用意されている。
また、複数口で入会した場合は、口数に応じて稽古見学会やちゃんこ会への同伴人数を増やせる仕組みもある。
小学生以下の子どもは無料で同伴できるという案内も掲載されている。
法人会員の制度法人会員は年額制で、公式サイトには次の5種類が掲載されている。
- 10万円
- 30万円
- 50万円
- 100万円
- 200万円
会費に応じて、番付やカレンダーの送付、記念品、ちゃんこ会への招待、法人会員向けパーティー、部屋への企業名やのぼりの掲載などの特典が用意されている。
上位の会員区分では、企業訪問などの特典も設定されている。
なお、個人会員・法人会員ともに、茨城県外からでも入会できる。
二所ノ関部屋の評判を客観的に見る二所ノ関部屋の評判を考える際には、施設、育成制度、競技成績の3つを分けて見ると実態を把握しやすい。
施設面の評価
2面の土俵、トレーニング設備、栄養サポートなど、身体づくりに必要な設備が充実している。少人数制の部屋割りも特徴的だ。
育成面の評価
親方自身が横綱経験者であり、現役時代の経験に加えて大学院でスポーツ科学を学んでいる。伝統的な指導と科学的な身体づくりを組み合わせる方針が明確になっている。
競技成績の評価
2025年7月には大の里が第75代横綱へ昇進した。部屋の育成成果を示す大きな実績であり、2026年11月場所でも東横綱として番付に名を連ねている。
一方、白熊は幕内経験を持ちながら十両に在位している。部屋の所属力士全員が同じ速度で出世するわけではなく、各力士がそれぞれの課題に取り組んでいることも分かる。
2022年の部屋開きでは、地元メディアが朝から夕方まで見物客が訪れていた様子を報じた。地域との接点を大切にする姿勢も、部屋の特徴の一つである。
【プロの結論】二所ノ関部屋の本当の強みは育成環境にある二所ノ関部屋を評価するうえで、最も注目すべきなのは大の里という横綱の存在だけではない。
施設、栄養、トレーニング、身体のケア、生活環境を一体的に考えている点に、部屋の独自性がある。
ただし、充実した設備があれば誰でも関取になれるわけではない。力士本人の努力、稽古への適応力、身体的な特性、勝負の結果が最終的な番付を左右する。
入門を検討する人には、設備の豪華さだけでなく、共同生活や日々の稽古に自分が適応できるかを考えてほしい。
また、相撲ファンにとっては、大の里だけでなく白熊や幕下以下の若手を継続的に追いかけることで、部屋全体の育成方針がより理解しやすくなる。
二所ノ関部屋に関するよくある質問(FAQ)
Q1:二所ノ関部屋の稽古見学は一般人でもできますか?
A1:通常の自由見学はできない。公式サイトによると、稽古場の収容人数の関係から、後援会会員限定で日時指定の稽古見学会を随時開催している。参加希望者は事前に部屋へ問い合わせる必要がある。
Q2:2026年現在、二所ノ関部屋には何人の関取がいますか?
A2:2026年11月場所の番付では2人。東横綱の大の里と、西十両9枚目の白熊が所属している。
Q3:二所ノ関部屋には相撲未経験でも入門できますか?
A3:公式サイトでは未経験者も入門可能としている。ただし、日本相撲協会が定める年齢・身長・体重などの入門規定を満たし、新弟子検査などの手続きを受ける必要がある。
Q4:二所ノ関部屋の最寄り駅はどこですか?
A4:JR常磐線のひたち野うしく駅。公式サイトでは駅から徒歩約10分と案内されている。
Q5:二所ノ関部屋の後援会費はいくらですか?
A5:個人会員は月額1,500円または3,000円のコースがある。法人会員は年額10万円から200万円までの区分が用意されている。
Q6:二所ノ関部屋の師匠は誰ですか?
A6:元第72代横綱・稀勢の里の二所ノ関寛親方。本名は萩原寛で、茨城県牛久市出身。2019年に現役を引退し、指導者として後進の育成に取り組んでいる。
2026年11月現在の二所ノ関部屋は、元横綱・稀勢の里が師匠を務め、横綱・大の里を中心に若手力士を育てる相撲部屋として活動している。
今回確認した重要事項を整理すると、次のとおりだ。
- 師匠: 第72代横綱・稀勢の里の二所ノ関寛親方。
- 看板力士: 第75代横綱・大の里。
- もう一人の関取: 西十両9枚目の白熊。
- 所属力士: 2026年11月場所の番付掲載者24人。
- 所在地: 茨城県稲敷郡阿見町荒川本郷139-1。
- 稽古環境: 2面の土俵、トレーニング設備、栄養・身体ケアのサポート。
- 稽古見学: 後援会会員限定の日時指定制。
- 新弟子・後援会: 公式サイトで募集を継続。
二所ノ関部屋の魅力は、横綱を輩出した実績と、次の関取を育てるための環境づくりが両立しているところにある。
今後は大の里が横綱としてどのような実績を積み重ねるのか、白熊が幕内へ復帰できるのか、そして幕下以下の若手から次の関取が誕生するのかが注目点となる。
横綱の実績だけでなく、その下で育つ力士たちの成長まで追うこと。それが2026年の二所ノ関部屋をより深く楽しむためのポイントだ。
主な参照資料:日本相撲協会公式サイト、二所ノ関部屋公式サイト、茨城県阿見町公式サイト、日刊スポーツ、スポーツニッポン、デイリースポーツ。