じゃがいもの収穫時期は、春植えか秋植えか、栽培する地域や品種、天候によって変わります。家庭菜園では、植え付けから約100〜120日をひとつの目安にしながら、葉や茎が黄色く枯れてきたか、試し掘りしたいもの皮が十分に固まっているかを確認することが大切です。
収穫が早すぎると、いもが十分に育たず、保存性も低くなりがちです。一方、雨で土が湿った状態で掘ると、傷みや腐敗につながるおそれがあります。2026年10月時点の栽培情報や農林水産省、各地の農業関係機関が示す栽培のポイントを踏まえ、地域別の収穫カレンダーから新じゃがの掘りどき、プランター栽培、収穫後の乾燥・長期保存まで詳しく解説します。
【まず結論】じゃがいもの収穫時期は植え付けから100〜120日が目安

じゃがいもの収穫時期を判断する際、最初の目安になるのが植え付けからの日数です。農林水産省の家庭向け栽培解説では、植え付けから約100日がたち、葉や茎が黄色くなってきた頃を収穫の目安としています。品種や栽培環境によっては90〜120日程度かかるため、日数だけで収穫日を決めるのは避けましょう。
じゃがいもは、地上の葉や茎でつくられた養分を地下のいもに蓄えて育ちます。生育が進んで地上部が自然に黄変・枯死してくると、いもの成熟も進んでいると判断できます。収穫適期を見極めるには、地上部の変化と地下のいもの状態を組み合わせて確認が必要です。
家庭菜園では、次の3つを順番に確認すると、掘りどきを判断しやすくなります。
- 植え付け後の日数:約100日を過ぎたら、株の状態をこまめに観察する。
- 葉や茎の状態:株全体の葉や茎が黄色くなり、自然に枯れてきているか確認する。
- 試し掘りの結果:いもの大きさと皮の固さを確かめ、収穫を続けるか判断する。
ただし、葉が黄色くなる原因は成熟だけではありません。病気や根の傷みなどによって、収穫適期より早く葉が枯れることもあります。黄変が急激に進んだ場合や、葉に不自然な斑点がある場合は、成熟したと決めつけず、試し掘りで状態を確認しましょう。
【春植え・秋植えと地域別】じゃがいもの収穫カレンダー
じゃがいもの収穫時期は、全国一律ではありません。冷涼な気候を好む作物であるため、春の気温上昇や夏の暑さ、秋の冷え込み、霜が降りる時期などによって、植え付けと収穫のタイミングが変わります。
農林水産省の栽培資料では、本州中部の植え付けは3月上旬〜中旬、北海道ではそれより約1か月遅い時期が目安として示されています。また、農林水産省の食育資料では、春植えの収穫は6〜7月ごろ、暖かい地域の秋植えは12月ごろが代表的な時期として紹介されています。
家庭菜園で予定を立てる際は、以下の地域別カレンダーを参考にしてください。あくまで一般的な目安であり、標高、品種、地域の気候や植え付け日によって前後します。
| 地域・栽培タイプ | 植え付け時期の目安 | 収穫時期の目安 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 九州などの暖地・春植え | 1〜3月 | 5〜6月 | 高温になる前に成熟させることを意識する。 |
| 関東・東海・近畿など・春植え | 2〜3月 | 5〜6月ごろ | 遅霜や梅雨入り、土の乾き具合を確認する。 |
| 東北・北陸・高冷地・春植え | 3〜5月 | 6〜7月ごろ | 気温が低い地域では植え付け・収穫ともに遅くなりやすい。 |
| 北海道・春植え | 4〜5月 | 8〜10月 | 秋の冷え込みや降霜を考慮して収穫計画を立てる。 |
| 九州などの暖地・秋植え | 8〜9月 | 11〜12月ごろ | 残暑による生育への影響と、冬の低温に注意する。 |
春植えは、家庭菜園で取り組みやすい一般的な栽培方法です。地域に応じて2〜4月ごろに植え付け、気温や生育状況に応じて5〜7月ごろに収穫します。
春植えでは、梅雨の長雨と夏の高温が収穫計画に影響します。収穫適期に土が湿っている場合は、無理に掘らず、土が乾くタイミングを待つことが大切です。ただし、地域によっては高温や病害のリスクもあるため、収穫を不必要に先延ばしにしないようにしましょう。
秋植えのじゃがいもは11〜12月が目安暖地では、8〜9月ごろに植え付け、晩秋から初冬にかけて収穫する栽培も可能です。春作と同じように植え付け後の日数を確認しながら、株全体の黄変やいもの成熟を見極めます。
秋植えで注意したいのは、暑さと寒さの両方です。植え付け直後の残暑が厳しいと発芽や生育に影響が出ることがあり、収穫前に気温が下がりすぎると生育が進みにくくなります。北海道や寒冷地では一般的な暖地向け秋作をそのまま当てはめず、地域に適した栽培時期を選んでください。
北海道のじゃがいも収穫時期は8〜10月北海道では、4〜5月ごろに植え付け、夏から秋にかけて収穫するのが一般的です。2026年10月22日付のカルビーの産地レポートでは、北海道で9月から本格化したじゃがいもの収穫が、10月下旬にはおおむね終了したと紹介されています。同レポートでは、生育期間を通して比較的冷涼な気候が続き、降雨も適度だったことから、各地で豊作傾向が見られたと伝えています。
これは2026年の北海道の産地動向を示す情報であり、すべての畑の収穫日や収量を一律に示すものではありません。家庭菜園では、北海道という地域名だけで判断せず、実際の株の成熟具合や天候を優先しましょう。
【収穫適期の見分け方】葉や茎の黄変と試し掘りが決め手
じゃがいもの収穫適期を見極めるには、地上部の変化と、実際に掘り出したいもの状態を確認するのが確実です。葉が黄色くなったからといって、すぐにすべての株を掘り上げる必要はありません。
葉が黄色くなったら株全体を観察する収穫が近づくと、葉の緑色が薄くなり、茎や葉が徐々に黄色くなって枯れていきます。農林水産省も、地上部の茎や葉が全体的に黄色く枯れてから収穫するよう案内しています。
ここで大切なのは、下葉が数枚黄色くなっただけの状態と、株全体が成熟して枯れてきた状態を区別することです。下葉だけの黄変は、生育途中でも起こります。株全体の変化を確認し、植え付けからの日数と合わせて判断しましょう。
茎が枯れたら試し掘りで確認する茎や葉が枯れてきたら、いもが十分に育っているかを確かめるために試し掘りを行います。試し掘りとは、畑やプランターの一部を掘り、実際のいもの大きさや皮の状態を調べる方法です。
試し掘りの手順は次のとおりです。
- 株元から少し離れた位置にスコップや移植ごてを差し込み、いもを傷つけないように土を掘る。
- いもを数個取り出し、大きさや形を確認する。
- いもの表皮を親指で軽くこすり、簡単にむけてしまわないか確認する。
- 十分に育ち、皮も固まっていれば収穫する。皮が薄く、むけやすい場合は、天候と株の状態を見ながら数日後に再確認する。
品種によって、もともとのいもの大きさや形は異なります。大きさだけで成熟度を決めず、同じ品種のいも同士を比較し、皮の固さも確認してください。
収穫を早める場合と待つ場合の判断基準食べる分を早めに掘りたい場合は、試し掘りで十分な大きさになっているかを確かめます。一方、長く保存したい場合は、いもの成熟と皮の固さを重視し、未熟な状態で一斉に収穫することは避けましょう。
ただし、葉や茎の枯れ込みが病気によるものと疑われる場合は、単純に待てばよいとは限りません。株の変色が急激だったり、斑点が広がっていたりする場合には、成熟による黄変と区別して対応する必要があります。
【晴れの日に収穫する理由】新じゃがの掘りどきと失敗しない手順
収穫日は、株の成熟だけでなく、土の状態も見て決めます。農林水産省やJA佐賀の家庭菜園向け情報では、土が乾いた晴天の日に収穫することが勧められています。雨の日や雨上がり直後を避けるのには、いくつかの理由があります。
- 土がいもに付着しにくい:乾いた土は落としやすく、収穫後の取り扱いがしやすい。
- 腐敗のリスクを抑えやすい:土やいもが過度に湿った状態を避けることで、貯蔵中の傷みを防ぎやすくなる。
- 乾燥工程に移りやすい:掘り上げた後に表面を乾かしやすく、保存の準備がしやすい。
可能であれば、晴天が2〜3日続いた後など、土が十分に乾いているタイミングを選びましょう。ただし、地域の気象条件や畑の水はけによって乾燥の進み方は違います。晴れていても土が湿っている場合は、土の状態を優先してください。
じゃがいもを傷つけずに掘る方法収穫では、スコップやフォークを株のすぐそばに差し込むと、地下のいもを切ったり傷つけたりすることがあります。株元から少し距離を取って土を掘り、株全体を持ち上げるようにすると、傷を減らしやすくなります。
掘り出したいもは、直射日光の下に長時間放置しないでください。じゃがいもは光に当たると緑色に変色することがあり、天然毒素のソラニンやチャコニンへの注意も必要です。収穫後は、日陰の風通しがよい場所に移しましょう。
新じゃがの収穫時期はいつ?新じゃがは、収穫したばかりのじゃがいもを指し、春から初夏にかけての産地の収穫物や、地域によっては秋に収穫されたものも流通します。家庭菜園で早掘りを楽しむ場合は、植え付け後7〜8週間程度で収穫できるケースもありますが、通常の成熟収穫よりも早いため、品種や生育状況を見て判断してください。
早掘りした新じゃがは、皮が薄く、こすれや衝撃で傷つきやすい傾向があります。長期保存向きの成熟したいもとは扱い方を分け、なるべく早めに食べるのがおすすめです。
また、早く掘れば必ず安全というわけではありません。農林水産省は、家庭菜園で収穫する場合にも、十分に育ったいもを選び、未熟ないもや緑色に変色したいもに注意するよう呼びかけています。極端に小さいいもや、緑色になった部分が広いもの、苦味があるものは食べないようにしましょう。
【プランター栽培】じゃがいもの収穫時期と掘り方のコツ
プランターで育てたじゃがいもも、基本的な収穫時期の見極め方は畑と同じです。植え付けから約100日を目安に、葉や茎の黄変と試し掘りの結果を確認します。容器で育てているからといって、必ず早く収穫できるわけではありません。
プランター栽培では、土の量や深さ、水はけ、日当たりによって生育が変わります。地上部が枯れてきたら、まず表面の土を少し取り除くなどして、いもが十分に育っているか確認しましょう。土を大きく崩すと、ほかのいもを傷つけることがあるため注意が必要です。
プランターから掘り出すときのポイント- 葉や茎が全体的に黄色くなり、枯れてきた頃を目安にする。
- 土が湿っている場合は、可能な範囲で乾くのを待つ。
- 茎を強く引っ張らず、土を崩しながらいもを取り出す。
- 容器を横に倒せる場合は、土の塊を崩しながら収穫すると、いもを傷つけにくい。
プランターを横倒しにする方法は、容器の大きさや重量、安全に作業できる環境を確認してから行ってください。重い容器を無理に持ち上げる必要はありません。
また、収穫量を増やそうとして、葉がまだ青々としているうちに土を大きく掘り返すのは避けましょう。いもが十分に育っていない可能性があるため、試し掘りで状態を確認してから本収穫に進むのが基本です。
【収穫後の乾燥・長期保存】腐敗と緑化を防ぐ方法
じゃがいもは、掘り上げて終わりではありません。収穫後の扱い方によって、保存中の腐敗や緑化、傷みやすさが変わります。特に大切なのは、表面を乾かすこと、傷のあるいもを分けること、光を避けて保存することです。
収穫後の乾燥は日陰で風を通す農林水産省は、収穫したじゃがいもを日陰の風通しがよい場所で乾燥させ、表面が乾いてから土を落として保存するよう案内しています。
乾燥の際は、次のポイントを守りましょう。
- 掘り上げたじゃがいもを、日陰の風通しがよい場所に広げる。
- いも同士を重ねすぎず、表面の水分や土が乾くようにする。
- 表面が乾いたら、土をやさしく落とす。
- 傷が付いたもの、腐り始めているものは分け、長期保存用に混ぜない。
乾燥時間は、収穫時の土の湿り方や気温、風通しによって異なります。乾かすために直射日光へ長時間さらすのは避けてください。表面を乾燥させることと、光に当て続けることは別です。
じゃがいもの長期保存は「暗く、涼しく、風通しよく」長く保存するには、光が当たらず、涼しく、通気性のある場所を選びます。段ボール箱などを利用し、光が入らないように保管すると管理しやすくなります。密閉して湿気がこもる状態は避けましょう。
北海道庁のじゃがいもに関するQ&Aでは、産地で収穫されたじゃがいもを倉庫で貯蔵する方法として、温度を約5度に保つ管理が紹介されています。これは出荷用の貯蔵管理に関する情報です。家庭では、温度を一定に保ちにくい場合もあるため、できるだけ涼しく暗い場所を確保し、傷んだいもがないか定期的に確認してください。
保存中は、芽が出ていないか、皮が緑色に変わっていないかもチェックします。光が当たると緑化しやすくなるため、袋や箱を明るい場所に置きっぱなしにしないことが大切です。
緑色のじゃがいもや芽が出たいもは食べられる?じゃがいもの芽や緑色になった部分には、天然毒素であるソラニンやチャコニンが多く含まれることがあります。農林水産省は、芽を取り除き、緑色の部分は厚めに皮をむくよう注意喚起しています。
ただし、緑色の部分が広範囲に及ぶものや、強い苦味があるものは食べないでください。芽や緑色の部分を取り除けば、どのようなじゃがいもでも安全になるわけではありません。未熟ないもや傷んだいもも避け、収穫したじゃがいもは状態を確認しながら早めに消費しましょう。
【じゃがいも収穫時期】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:じゃがいもは植え付けから何日で収穫できますか?
A1:一般的な目安は約100〜120日です。品種や気温、植え付け時期によって90日程度で収穫できる場合もあります。日数だけで決めず、葉や茎の黄変と試し掘りで成熟度を確かめてください。
Q2:葉が黄色くなったら、すぐに収穫してもよいですか?
A2:下葉が少し黄色くなっただけなら、まだ収穫には早い可能性があります。株全体が黄色く枯れてきたかを確認し、試し掘りでいもの大きさと皮の固さを確かめましょう。病気による急激な黄変にも注意が必要です。
Q3:じゃがいもは雨の日や雨上がりに収穫しても大丈夫ですか?
A3:できるだけ避け、土が乾いた晴天の日に収穫するのがおすすめです。湿った土はいもに付着しやすく、収穫後の乾燥にも時間がかかり、保存中の腐敗につながるおそれがあります。天気予報だけでなく、実際の土の乾き具合を確認してください。
Q4:北海道と九州では収穫時期がどれくらい違いますか?
A4:北海道では春に植え付け、主に8〜10月に収穫します。一方、九州などの暖地では春作のほかに秋作も行われ、秋植えは11〜12月ごろが目安です。ただし、同じ地域でも標高や気象条件、品種によって時期は変わります。
Q5:収穫したじゃがいもは、すぐに洗ってもよいですか?
A5:長期保存する場合は、すぐに水洗いするより、まず日陰の風通しがよい場所で表面を乾かし、乾いた土をやさしく落とす方法が適しています。洗った場合は水分が残らないようにし、長期保存より早めの消費を優先してください。
じゃがいもの収穫時期は、春植え・秋植えや地域によって異なります。家庭菜園では、植え付けから約100〜120日を目安にしながら、葉や茎が株全体で黄色く枯れてきたか、試し掘りでいもの大きさや皮の固さが十分かを確認することが、失敗を防ぐ基本です。
収穫日を決める際は、暦だけでなく、土の乾き具合と天候も確認しましょう。晴れて土が乾いた日に丁寧に掘り、収穫後は日陰で表面を乾かしてから、暗く涼しく風通しのよい場所に保管します。長期保存する場合は、傷のあるいもを分け、芽や緑化の有無も定期的に確認してください。
【プロの結論】収穫適期を判断するうえで、最も頼りになるのは「植え付け後の日数」「株全体の黄変」「試し掘り」「土の乾燥状態」の4つです。日数は収穫準備を始める合図、葉や茎は成熟のサイン、試し掘りは最終確認、天候は収穫日を決める判断材料として使い分けましょう。2026年の栽培情報を参考にしながらも、最終的には自分の畑やプランターの状態を観察することが、おいしく、傷みにくいじゃがいもを収穫する近道です。