フィリーズレビューの過去データを振り返ると、1番人気が勝ち切れない一方、2番人気の安定感や10番人気以下の伏兵による好走など、波乱を予感させる特徴が浮かび上がる。2026年3月7日に阪神競馬場で行われた第60回フィリーズレビューでは、単勝10番人気のギリーズボールが優勝。2着には2番人気のサンアントワーヌ、3着には4番人気のアイニードユーが入り、3連単17万2150円の決着となった。
JRAが公表した過去10年のデータを中心に、2016年から2025年までの歴代優勝馬、人気別・枠順別・脚質別成績、前走別の好走傾向を整理する。さらに2026年の最新結果を照らし合わせ、阪神芝1400mという舞台の特徴や、人気薄の馬を馬券検討に取り入れる際の判断材料まで詳しく解説する。
【レースの基本】フィリーズレビューとは?歴史と桜花賞トライアルの重要性

フィリーズレビューは、3歳牝馬限定で行われるJRAのGⅡ競走。毎年3月に阪神競馬場の芝1400mで開催され、4月の牝馬クラシック初戦・桜花賞へ向かう重要な前哨戦として位置付けられている。
1967年創設、2001年から現在のレース名にJRAの競走史によると、本競走の前身は1967年に創設された「阪神4歳牝馬特別」。当時の馬齢表記では4歳牝馬限定の競走だった。その後、レース名が2度変更され、2001年に現在の「報知杯フィリーズレビュー」へ改称された。
桜花賞トライアルとしての役割は現在も続いており、上位3着以内に入った馬には桜花賞の優先出走権が与えられる。単なる重賞タイトル争いではなく、クラシックへの出走権を懸けた一戦という意味合いが強い。
阪神競馬場の芝1400mが生み出す展開の難しさ舞台となる阪神芝1400mは内回りコースを使用する。スタート地点は2コーナー付近のポケットで、最初の3コーナーまでは約450m。序盤に十分な距離があるため、先行争いが激しくなりやすい。
JRAのコース解説によると、3コーナーから緩やかな下りに入り、ゴール前には高低差約1.8mの坂が待ち受ける。Aコース使用時の直線距離は356.5mだ。
このコースでは、単純なスピードだけでなく、速い前半を追走した後にどれだけ末脚を残せるかが重要になる。前半で位置を取りに行った馬が最後の坂で苦しくなる一方、中団から脚を温存した馬が直線で浮上する展開も珍しくない。
1200mを主戦場にしてきたスプリンターと、1600mを経験してきたマイラーが同じ舞台で競い合うことも、フィリーズレビューの予想を難しくする要因だ。
【歴代優勝馬一覧】フィリーズレビュー過去10年と2026年の勝ち馬を比較
2016年から2025年までの10開催を振り返ると、人気馬だけで決まるレースではないことが分かる。8番人気や11番人気、12番人気の優勝があり、2019年にはノーワンとプールヴィルが1着同着となった。
以下は、各年の優勝馬と単勝人気、勝ち時計をまとめた一覧だ。2026年の最新結果も加えて比較する。
| 開催年 | 歴代優勝馬 | 単勝人気 | 勝ち時計 |
|---|---|---|---|
| 2026年 | ギリーズボール | 10番人気 | 1分20秒6 |
| 2025年 | ショウナンザナドゥ | 3番人気 | 1分20秒7 |
| 2024年 | エトヴプレ | 11番人気 | 1分20秒1 |
| 2023年 | シングザットソング | 2番人気 | 1分20秒7 |
| 2022年 | サブライムアンセム | 2番人気 | 1分19秒9 |
| 2021年 | シゲルピンクルビー | 8番人気 | 1分20秒7 |
| 2020年 | エーポス | 5番人気 | 1分21秒0 |
| 2019年 | ノーワン・プールヴィル | 12番人気・3番人気 | 1分22秒0 |
| 2018年 | リバティハイツ | 8番人気 | 1分21秒5 |
| 2017年 | カラクレナイ | 2番人気 | 1分21秒0 |
| 2016年 | ソルヴェイグ | 8番人気 | 1分22秒1 |
※2019年はノーワンとプールヴィルの1着同着。過去10開催の優勝馬は同着を含めて11頭となる。
歴代優勝馬から分かる3つの特徴1つ目は、人気薄の優勝が繰り返されていること。2016年のソルヴェイグは8番人気、2018年のリバティハイツも8番人気だった。さらに2024年には11番人気のエトヴプレが勝利。2026年には10番人気のギリーズボールが続いた。
2つ目は、2番人気の勝ち星が目立つこと。2017年のカラクレナイ、2022年のサブライムアンセム、2023年のシングザットソングが2番人気で優勝している。極端な穴狙いだけではなく、上位人気にも注目する必要がある。
3つ目は、勝ち時計が馬場状態や展開に左右されること。2022年の1分19秒9は過去10年の最速。一方、2019年は稍重で1分22秒0だった。時計だけを比較して能力を判断するのではなく、当日の馬場や前半のペースを合わせて評価したい。
【過去10年のデータ分析】人気別・枠順別・脚質別成績を徹底比較
ここからは、JRAが2026年の開催前に公表した2016~2025年の過去10年データを中心に分析する。なお、2019年は1着同着のため、各区分の1着数の合計は10ではなく11となる。
人気別成績:1番人気は未勝利、2番人気が安定過去10年で最も目立つのは、1番人気が一度も勝っていない点だ。
- 1番人気:0勝・2着4回・3着0回・着外6回。3着内率40.0%。
- 2番人気:3勝・2着3回・3着1回。3着内率70.0%。
- 3番人気:2勝・2着0回・3着0回。3着内率20.0%。
- 4番人気:3着1回のみ。3着内率10.0%。
- 6~9番人気:3勝・2着1回・3着3回。
- 10番人気以下:2勝・2着1回・3着4回。
1番人気は2着に入るケースが4回あるものの、勝ち切れていない。対照的に2番人気は10頭中7頭が3着以内に入っており、勝率30.0%、3着内率70.0%という優秀な成績を残している。
また、JRAの分析では、過去10年の3着以内馬30頭のうち14頭が6番人気以下。10番人気以下も7頭が馬券圏内に入っている。
ただし、上位人気をすべて軽視するのも危険だ。過去10年では3番人気以内の馬がすべて3着以下に敗れた年は一度もない。人気薄の台頭を警戒しながら、上位人気の好走可能性も残すことが大切だ。
枠順別成績:3枠が最多の5勝枠順では3枠が際立っている。過去10年で5勝、3着内率35.0%を記録し、他の枠を大きく上回った。1枠も2勝しており、内寄りの枠に勝ち馬が集中している。
- 1枠:2勝・2着1回・3着1回
- 2枠:0勝・2着1回・3着0回
- 3枠:5勝・2着0回・3着2回
- 4枠:0勝・2着2回・3着3回
- 5枠:1勝・2着2回・3着1回
- 6枠:1勝・2着0回・3着0回
- 7枠:1勝・2着3回・3着3回
- 8枠:1勝・2着0回・3着0回
ただし、内枠だけを狙えばよいわけではない。JRAの分析では、5~8枠に入った馬のうち単勝3番人気以内だった馬は3勝・2着3回・3着0回。外枠でも上位人気なら十分に信頼できる。
枠順だけで機械的に評価するのではなく、馬の位置取りや先行争い、コーナーでの進路取りを考慮したい。
脚質別成績:差し馬が勝ち星でリード2016~2025年の脚質別集計では、差し馬が最多の6勝を挙げている。続いて先行馬と追い込み馬が各2勝、逃げ馬が1勝という結果だ。
- 逃げ:1勝・2着0回・3着1回・着外8回
- 先行:2勝・2着2回・3着5回・着外34回
- 差し:6勝・2着5回・3着1回・着外54回
- 追い込み:2勝・2着2回・3着3回・着外46回
脚質分類は集計元によって基準が異なるものの、差し馬の勝利数が多いという方向性は注目に値する。
その背景には阪神芝1400mのコース形態がある。序盤から先行争いが起こりやすく、最後には急坂が控えているため、前で運ぶ馬にとっては最後までスピードを維持する負担が大きい。
一方、後方一辺倒では直線の短さが障害になる。理想的なのは、道中で無理なく脚を温存し、4コーナーから直線にかけて進出できるタイプだ。
【前走別成績】阪神JF・オープン特別・1勝クラスのどこを評価する?
フィリーズレビューでは、前走のレース格だけでなく、どの条件を経験してきたかが重要になる。JRAの過去10年データでは、GⅠ組が安定して馬券圏内に入る一方、勝ち馬の数ではオープン特別組がトップとなっている。
前走クラス別の成績- GⅠ組:1勝・2着6回・3着2回・着外22回。3着内率29.0%。
- GⅡ組:0勝・2着0回・3着0回・着外3回。
- GⅢ組:1勝・2着1回・3着0回・着外18回。
- オープン特別組:4勝・2着0回・3着0回・着外27回。
- 1勝クラス組:3勝・2着1回・3着8回・着外50回。
- 未勝利組:2勝・2着1回・3着0回・着外13回。
最も注目したいのはオープン特別組の4勝だ。前走のクラスがGⅠではなくても、オープン特別で実績を積んできた馬が本番で勝ち切っている。
1勝クラス組も3勝を記録している。JRAの分析では、前走1勝クラスで2~5着だった馬のうち、フィリーズレビューで6番人気以下だった馬が2勝・2着0回・3着4回という成績を残している。
つまり、前走で勝ち切れなかった馬でも、一定の能力を示していれば評価を下げすぎる必要はない。人気が集まっていない実力馬を見つけるうえで、有用な条件だ。
前走阪神ジュベナイルフィリーズ組は2着に注目前走別の具体的なレースでは、阪神ジュベナイルフィリーズ組が重要な存在となっている。過去10年の成績は1勝・2着6回・3着2回・着外22回。
GⅠを経験してきた実力馬だけに3着内率は高いものの、勝ち切る回数は少ない。能力の高さを評価しつつ、単勝だけでなく連系の馬券で検討する視点も持ちたい。
また、前走距離別の集計では1600m組が6勝・2着7回・3着3回と好成績。1200m組は1勝・2着1回・3着2回にとどまる。
この違いは、1400m戦への適性を考えるうえで参考になる。1600mから距離を短縮する馬は、マイル戦で培った追走力や持続力を生かせる可能性がある。ただし、距離短縮だけを理由に高く評価するのではなく、前走の内容や当日の馬場も確認したい。
【2026年最新結果】10番人気ギリーズボールが優勝!サンアントワーヌとアイニードユーも好走
2026年3月7日、阪神競馬場で行われた第60回フィリーズレビューは、18頭立ての芝1400m戦。晴天・良馬場で行われ、単勝10番人気のギリーズボールが優勝した。
2026年フィリーズレビューの上位3頭- 1着:ギリーズボール(10番人気・24.5倍)1分20秒6。騎手は西塚洸二。
- 2着:サンアントワーヌ(2番人気・5.4倍)1分20秒9。騎手は荻野極。
- 3着:アイニードユー(4番人気・6.9倍)1分20秒9。騎手は西村淳也。
ギリーズボールはサンアントワーヌに1馬身3/4差をつけて勝利。アイニードユーはサンアントワーヌとハナ差の3着だった。
10番人気の伏兵が勝ち、2番人気が2着、4番人気が3着に入るという組み合わせは、過去10年の傾向とも重なる部分がある。
ギリーズボールの勝因は中団からの末脚レースの通過順位を見ると、ギリーズボールは3コーナー9番手、4コーナー10番手から進出した。上がり3ハロンは34秒2。出走馬の中でも優秀な末脚を発揮し、直線で前との差を詰めて抜け出した。
2着のサンアントワーヌも3コーナー14番手、4コーナー12番手から追い込んでいる。上がり3ハロンは34秒4だった。
対照的に3着のアイニードユーは3コーナー、4コーナーともに先頭。上がり3ハロンは35秒2で、最後まで粘り込んだ。
この3頭の位置取りを比較すると、2026年は差し馬と逃げ馬がそれぞれ上位に入り、異なる脚質の馬が能力を発揮したレースだったことが分かる。
ギリーズボールのプロフィールと重賞初制覇東京馬主協会のレース報告によると、ギリーズボールは美浦・手塚貴久厩舎に所属し、馬主は有限会社キャロットファーム。父はエピファネイア、母はフロアクラフトで、生産者はノーザンファームだ。
2026年のフィリーズレビューは通算3戦目で、重賞は2度目の挑戦。ここでJRA重賞初勝利を挙げた。騎乗した西塚洸二騎手にとっても、本競走は初騎乗での初勝利となった。
10番人気という評価を覆した今回の勝利は、過去のフィリーズレビューで繰り返されてきた人気薄の台頭を象徴する結果となった。
2026年の配当結果- 単勝:2,450円
- 複勝:720円・220円・270円
- 馬連:7,160円
- 馬単:15,480円
- 3連複:23,970円
- 3連単:172,150円
3連単は2→17→7の組み合わせで17万2150円。571番人気の組み合わせとなった。人気薄の勝利が配当に大きく影響した一戦だった。
【配当傾向と馬券攻略】過去データから狙いたい穴馬・人気薄の条件
フィリーズレビューは、人気上位馬の信頼度と伏兵の好走余地を同時に考える必要がある重賞だ。過去の配当と2026年の結果を合わせると、馬券検討ではいくつかの判断材料が見えてくる。
馬連平均7614円、3連単平均は約14万6000円過去10年の配当集計では、馬連の平均配当は7614円。3連単の平均配当は約14万6439円となっている。
3連単の最高配当は2025年の543,240円。2024年も197,830円と高額になった。反対に2022年は11,440円で、人気上位馬を中心とした比較的落ち着いた決着だった。
2026年の3連単172,150円は、過去10年の平均を上回るものの、歴代最高配当には届いていない。10番人気が勝ったという事実だけでなく、2着に2番人気、3着に4番人気が入ったことも配当を考えるうえで重要だ。
過去データから考える馬券検討の3つの視点① 1番人気を過信せず、2番人気の安定感を確認する。
1番人気は過去10年で0勝だったのに対し、2番人気は3勝、3着内率70.0%。人気だけで能力を判断することはできないが、軸馬を検討する際には2番人気の成績が参考になる。
② 3枠と差し馬をチェックする。
3枠は過去10年で5勝。脚質では差し馬が最多の6勝を挙げている。阪神芝1400mの前傾ペースになりやすい特徴を踏まえ、前半で無理なく追走できる差しタイプは注目したい。
ただし、枠順と脚質は独立した条件ではない。内枠に入っても馬群に包まれる可能性があり、差し馬でも進路が確保できなければ末脚を発揮できない。
③ 前走の着順だけでなく、レース内容と人気のギャップを見る。
前走1勝クラスで2~5着だった馬のうち、フィリーズレビューで6番人気以下だった馬は過去10年で2勝・3着4回。前走で勝てなかったことだけを理由に評価を下げると、こうした伏兵を見逃す可能性がある。
オープン特別組が4勝していることも踏まえ、前走のクラス、距離、相手関係、上がり3ハロンを合わせて評価したい。
人気薄を狙うときに確認したいポイント- 前走で上位争いに加わり、着順以上の内容を見せているか。
- 芝1400mへの距離適性や、1600mからの距離短縮に対応できるか。
- 先行争いが激しくなった場合に、脚を温存できるか。
- 阪神の内回りとゴール前の坂に対応できる持続力があるか。
- 人気と実績に大きなギャップがないか。
特に注意したいのは、人気薄だからという理由だけで買い目に加えることだ。過去10年で10番人気以下の馬は7頭が3着以内に入っているが、同じ区分の出走馬は80頭近くに及ぶ。好走率そのものは高くないため、前走内容やコース適性など、具体的な裏付けが必要になる。
また、過去の統計は将来の的中を保証するものではない。馬券購入では予算を決め、無理のない範囲で楽しむことも大切だ。
【フィリーズレビューの過去データ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:フィリーズレビューで過去10年間に最も多く勝っている人気は何番人気ですか?
A1:2016~2025年では2番人気と3番人気がそれぞれ3勝ではなく、2番人気が3勝、3番人気が2勝。最多は2番人気です。なお、6~9番人気の合計でも3勝を挙げています。2019年の1着同着を含む集計です。
Q2:フィリーズレビューは内枠と外枠のどちらが有利ですか?
A2:過去10年では3枠が5勝、1枠が2勝と内寄りの枠が勝ち星を伸ばしています。ただし、外枠の上位人気馬も好走しており、外枠だからといって一律に評価を下げる必要はありません。
Q3:フィリーズレビューでは差し馬と逃げ馬のどちらが有利ですか?
A3:過去10年の集計では差し馬が6勝で最多です。逃げ馬も1勝していますが、阪神芝1400mは序盤のペースが速くなりやすく、最後の坂で前方の馬が苦しくなる展開もあります。中団から末脚を伸ばせる馬が有力な選択肢です。
Q4:2026年のフィリーズレビューを勝った馬は誰ですか?
A4:2026年3月7日に開催された第60回フィリーズレビューの優勝馬は、10番人気のギリーズボールです。西塚洸二騎手が騎乗し、1分20秒6で勝利しました。2着はサンアントワーヌ、3着はアイニードユーでした。
Q5:フィリーズレビューの前走で注目すべきレースは何ですか?
A5:阪神ジュベナイルフィリーズやオープン特別、1勝クラスなどが注目されます。過去10年ではオープン特別組が4勝、GⅠ組が1勝・2着6回という成績です。前走の着順だけでなく、距離やレース内容も確認したいところです。
フィリーズレビューの過去10年を振り返ると、1番人気が未勝利である一方、2番人気は3勝、3着内率70.0%という安定した成績を残している。加えて、10番人気以下の馬も複数回好走しており、上位人気だけでは決着を読み切れない重賞だ。
枠順では3枠が5勝、脚質では差し馬が6勝。前走別ではオープン特別組が最多の4勝を記録している。阪神芝1400mのコース特性を踏まえると、序盤の速い流れに対応し、最後まで末脚を維持できる馬を評価することがポイントになる。
2026年のギリーズボールによる10番人気での優勝は、フィリーズレビューが持つ波乱の可能性を改めて示した。2着サンアントワーヌ、3着アイニードユーという結果も、人気上位馬と伏兵が共存するレースの特徴を表している。
次回以降の予想では、人気別成績だけに頼らず、枠順、脚質、前走クラス、距離適性を総合的に確認したい。過去の傾向を絶対視するのではなく、当日の馬場状態や出走馬の状態と組み合わせることが、フィリーズレビューの馬券検討で失敗を減らすための基本となる。