鶴保庸介氏は、和歌山県選出の自由民主党所属の参議院議員です。東京大学法学部を卒業後、1998年に参議院議員として初当選し、国土交通副大臣や内閣府特命担当大臣、参議院の各種委員長などを歴任してきました。
一方、2025年7月には、参議院選挙の応援演説で能登半島地震をめぐる不適切な発言を行い、謝罪・撤回した後、参議院予算委員長を辞任しました。2026年11月現在も参議院議員として活動しており、2026年7月14日時点の参議院公式資料では、内閣委員会委員と行政監視委員会理事を務めていることが確認できます。加えて、同年10月には自民党観光立国調査会長としての活動も報告されています。
【経歴と学歴】鶴保庸介は何者?東京大学法学部卒業から政界入りまで

鶴保庸介氏は1967年2月5日、大阪府生まれです。政治家としての活動拠点は和歌山県ですが、出身地は大阪府です。
学歴は大阪府立天王寺高校を卒業後、東京大学法学部に進学。1992年に同学部を卒業しています。
東京大学卒業後は、国際政治学者の若泉敬氏に師事しました。本人の公式プロフィールでは、1991年から1996年まで若泉氏のもとで学び、政治家を目指した経緯が紹介されています。
その後、衆議院議員の秘書を経験し、政治の実務に携わるようになります。大学卒業後すぐに国会議員になったわけではなく、政策や政治の現場を経験してから選挙に挑戦した経歴です。
1998年に和歌山選挙区から初当選鶴保氏は1996年の衆議院議員総選挙に和歌山2区から立候補しましたが、次点で落選しました。
転機となったのは1998年7月の参議院議員選挙です。和歌山県選挙区から立候補して初当選。当時、同選挙区で最年少の当選者となりました。
その後も2004年、2010年、2016年、2022年の参議院選挙で当選を重ね、通算5回の当選を果たしています。
政界入り後は、国土交通分野を中心に、厚生労働、地方創生、観光、科学技術、水産政策など幅広い政策領域に関わってきました。
国土交通副大臣や沖縄・北方担当大臣も経験鶴保氏の政治家としての特徴は、参議院内の委員会運営だけでなく、政府の役職や自民党の政策決定にも携わってきた点です。
2002年には国土交通大臣政務官に就任。2006年には参議院厚生労働委員長、2010年には参議院決算委員長、2011年には参議院議院運営委員長を務めました。
2012年12月には国土交通副大臣に就任。2014年には自民党参議院政策審議会長を務めています。
さらに2016年の第3次安倍第2次改造内閣では、内閣府特命担当大臣として入閣しました。沖縄及び北方対策をはじめ、クールジャパン戦略、知的財産戦略、科学技術政策、宇宙政策、情報通信技術政策などを担当しています。
参議院議員としての在職期間は長く、2023年には在職25年を迎え、参議院から永年在職議員の表彰を受けています。
【2026年最新】鶴保庸介の現在の役職は?参議院での活動を確認
2026年7月14日時点の参議院での役職鶴保氏の現在の立場を把握するうえで重要なのが、参議院が公開している議員プロフィールと委員名簿です。
参議院の公式議員プロフィールに掲載された2026年7月14日現在の役職は、次のとおりです。
- 参議院内閣委員会:委員
- 参議院行政監視委員会:理事
所属会派は「自由民主党・無所属の会」。選挙区は和歌山県で、当選回数は5回です。
ここで注意したいのは、内閣委員会については委員であり、委員長ではないことです。また、行政監視委員会では一般の委員ではなく理事を務めています。
この2つの役職は、2025年に辞任した予算委員長とは別のものです。過去の肩書きを現在の役職として紹介する情報には注意が必要です。
2026年10月には自民党観光立国調査会長として活動2026年7月以降の活動についても、自民党の公式発表から確認できます。
2026年10月16日付の自民党発表によると、鶴保氏は党観光立国調査会長として、10月14日に観光関連団体からヒアリングを実施しました。
会合では、日本観光振興協会、定期航空協会、日本外航客船協会などから事業に関する説明を受け、政府からも観光政策の現状について報告を受けています。
主な論点は、訪日外国人旅行者の地方誘客、オーバーツーリズム対策、地域交通の維持などです。
また、同年6月16日にも同調査会長として、インバウンド消費や民泊事業について事業者・自治体からヒアリングを行っています。
つまり、2025年の予算委員長辞任後も政治活動を続けており、2026年には観光政策を中心とする党内活動が確認できます。
2025年の予算委員長辞任と2026年の役職は別々に考える2025年1月、鶴保氏は参議院予算委員長に就任しました。しかし、同年7月の能登半島地震をめぐる発言問題を受けて辞任しています。
2026年7月時点では、予算委員長ではなく、内閣委員会委員と行政監視委員会理事という立場です。
辞任によって参議院議員の議席を失ったわけではありません。予算委員長という役職から退いた後も、議員としての活動は継続しています。
【時系列で検証】能登半島地震発言から謝罪・撤回、予算委員長辞任まで
問題となったのは2025年7月8日の和歌山市での応援演説鶴保氏をめぐる大きな政治問題となったのが、2025年7月8日に和歌山市で行われた参議院選挙の応援演説です。
当時、鶴保氏は自民党候補者の応援集会で、地方創生の政策として推進されていた「二地域居住」について説明していました。
二地域居住とは、主な生活拠点とは別の地域にも生活拠点を設け、複数の地域に関わりながら暮らすライフスタイルです。
その説明のなかで、2024年1月の能登半島地震に言及し、次の発言をしました。
「運のいいことに、能登で地震があったでしょ。緊急避難的ですけども金沢にいても、輪島の住民票がとれるようになっていった」
この発言は、被災した輪島市の住民が金沢市などに避難した状況を、二地域居住に関連する行政手続きの事例として取り上げたものでした。
しかし、災害によって生活や住居を失った人々の苦境を「運のいいこと」と表現したことが、被災地への配慮を欠くとして強い批判を招きました。
7月9日に謝罪・撤回するも批判は収まらず発言の翌日、鶴保氏は記者会見を開き、発言について謝罪しました。
本人は、能登地方が被災したことを幸運と捉えた趣旨ではなかったと説明したうえで、被災地への配慮が不足していたことを認め、発言を撤回しました。
TBS NEWS DIGなどの報道では、鶴保氏は被災者への配慮が足りず、言葉足らずだったことを深く反省していると説明しています。
ただし、謝罪と撤回だけで問題が収束したわけではありません。
被災地の住民からは、復興に向けて努力している人々の気持ちを考えていないという趣旨の批判が寄せられました。
また、石川県輪島市議会は7月11日、鶴保氏と自民党幹事長宛てに抗議文を送付しました。抗議文では、被災者の感情を傷つけたことに加え、復旧・復興に取り組んできた自治体職員への配慮も欠けているとして、厳正な対応を求めています。
7月14日に参議院予算委員長を正式辞任批判が広がるなか、鶴保氏は発言の責任を取るとして、参議院予算委員長の辞任を決断しました。
7月12日には辞任の意向が報じられ、同月11日付で辞任願を提出したことも伝えられました。
そして2025年7月14日、関口昌一参議院議長が辞任願を許可し、鶴保氏の予算委員長辞任が正式に決まりました。
一連の出来事を整理すると、次のようになります。
| 時期 | 出来事 | 政治的な意味・結果 |
|---|---|---|
| 2025年7月8日 | 和歌山市の参院選応援演説で能登半島地震について問題発言 | 二地域居住の説明中に「運のいいことに」と表現 |
| 2025年7月8日 | 発言を撤回するコメントを発表 | 被災地への配慮不足を認める |
| 2025年7月9日 | 記者会見で謝罪・撤回 | 言葉足らずだったと説明 |
| 2025年7月11日 | 輪島市議会が抗議文を送付 | 被災地から厳正な対応を求める声 |
| 2025年7月11日 | 予算委員長の辞任願を提出 | 発言の責任を取る意向を示す |
| 2025年7月12日 | 辞任の意向が報道される | 政治的責任の取り方に注目が集まる |
| 2025年7月14日 | 参議院議長が辞任願を許可 | 予算委員長を正式辞任 |
重要なのは、辞任したのが予算委員長という役職であり、参議院議員そのものではないという点です。
2025年7月9日の会見では、議員辞職や離党をする考えはないと説明していました。その後も参議院議員として活動を続け、2026年の公式議員名簿にも名前が掲載されています。
【政策を解説】鶴保庸介が掲げる二地域居住と地方創生の考え方
二地域居住は地方への人の流れを生み出す政策能登発言の背景にあった二地域居住は、鶴保氏が重視してきた地方創生に関係する政策テーマです。
二地域居住は、都市部などに主な生活拠点を持ちながら、地方にも継続的な生活拠点を設ける暮らし方を指します。
例えば、平日は都市部で仕事をし、週末は地方で過ごす人や、テレワークを利用して都市と地方を行き来する人などが該当します。
地方にとっては、定住人口を増やすことだけでなく、地域で消費し、仕事を生み出し、地域活動に参加する人を増やす効果が期待されています。
国土交通省によると、二地域居住を促進するための制度整備として、2024年5月に「広域的地域活性化のための基盤整備に関する法律」の改正法が公布され、同年11月1日に施行されました。
この制度では、二地域居住者向けの住まい、仕事、地域住民との交流環境などを整備する取り組みが進められています。
二地域居住と住民票の二重登録は別の問題ここで混同しやすいのが、二地域居住と住民票の扱いです。
二地域居住という言葉から、2つの自治体に同時に住民登録できる制度を想像する人もいる可能性があります。しかし、一般的な住民登録は一人一か所であり、複数の住所を行き来している場合でも、原則として生活の本拠となる住所を届け出ます。
2025年の鶴保氏の演説では、能登半島地震後に避難先でも行政手続きができるようになった事例が取り上げられました。これは、通常の二地域居住制度によって二つの住民票を持てるようになったという意味ではありません。
災害時の行政手続きの柔軟化と、平時の二地域居住の促進は、目的も制度上の位置づけも異なります。
この2つを一つの成功事例のように結び付けて説明したことが、被災地の人々に違和感や反発を与えた大きな要因の一つでした。
公式政策ページに掲載されている3つの重点分野鶴保氏の公式政策ページでは、政策の基本的な方向性を「地域と暮らしの3つの安心」として整理しています。
1.子育ての安心
- 子育て支援や給付・保育施策の充実
- 働き方改革による子育てと仕事の両立支援
- 教育プログラムや学校のICT環境の整備
- 学校施設の耐震化と通学環境の安全確保
2.暮らしの安心
- 防災・減災対策と国土強靱化
- 道路、鉄道、空港、港湾などのインフラ強化
- 地域公共交通やBRTの維持・活用
- ドローンを活用した新しい物流網の整備
- 年金、医療、介護など社会保障制度の充実
3.地域の安心
- 科学技術の社会実装と地域産業の育成
- 観光資源の活用と地方誘客
- 古民家や中古住宅市場の活性化
- 農林水産業の成長産業化
- 捕鯨文化の保護と商業捕鯨の振興
こうした政策を見ると、鶴保氏の政治活動は、地方の生活基盤を維持しながら地域経済を活性化することに重点を置いていると分かります。
ただし、政策ページに掲げられた目標と、実際に達成された成果は分けて考える必要があります。政策の評価には、予算措置、法改正、自治体への支援実績、事業の進捗などを確認することが欠かせません。
【評判と評価】鶴保庸介はなぜ批判された?政治家としての実績と課題
批判の中心は被災者への配慮と発言の責任鶴保氏の評判を考えるうえで、2025年の能登発言は避けて通れない出来事です。
批判の中心にあったのは、単なる言葉の選び方だけではありません。能登半島地震によって大きな被害を受け、生活再建に取り組んでいる人々の状況を、政治家がどのような認識で捉えているのかという問題でした。
特に、輪島市議会が全会派一致で抗議文の送付を決めたことは、批判がインターネット上だけの反応ではなく、被災地の自治体にも及んでいたことを示しています。
野党からは議員辞職を求める声も上がり、与党内でも問題視されました。
この問題では、発言の撤回や謝罪を行ったことと、政治家としてどのような責任を負うべきかという議論が分けて考えられました。
一方で、長年の議会経験と政策分野での実績もある鶴保氏には、1998年から続く長い参議院議員としての経歴があります。
国土交通副大臣、内閣府特命担当大臣、参議院厚生労働委員長、決算委員長、議院運営委員長など、政府と国会の双方で複数の役職を経験してきました。
特に、地方創生、観光、水産、インフラ整備など、地方経済と関係の深い政策領域で活動している点は、政治家としての経歴を評価する際の材料になります。
2026年にも観光立国調査会長としてインバウンドや地方誘客について関係団体から意見を聞いており、観光政策への関与は継続しています。
ただし、長い議員経験や役職の多さだけで政策の成果が証明されるわけではありません。実績を評価するには、具体的な法案や予算、政策の実施結果まで確認する必要があります。
2026年時点での評価は3つの視点から考える鶴保氏を評価する際には、次の3つの観点を分けて見ると、政治活動の全体像を把握しやすくなります。
第一に、政策形成能力です。
国土交通、観光、地方創生、水産などの分野でどのような政策を提案し、実現に結び付けたのかを確認する必要があります。
第二に、議会運営と政治的責任です。
委員長や理事として、国会の議論や行政監視にどのように関わっているのかが評価の対象になります。2026年7月時点では、行政監視委員会の理事という役職も確認できます。
第三に、説明責任と被災地への姿勢です。
能登発言で問われたのは、政治家の言葉が被災者や地域社会に与える影響です。謝罪や役職辞任という対応だけでなく、その後の政治活動でどのように信頼回復に取り組むかも重要な評価ポイントです。
現時点で鶴保氏の評判を一つの言葉で決めることはできません。政策面の実績と、2025年の発言問題に対する政治的責任の双方を踏まえて評価する必要があります。
【プロの結論】鶴保庸介を理解するために押さえたい3つのポイント
鶴保庸介氏の政治家としての歩みを整理すると、長年にわたる議会経験、地方創生や観光政策への関与、そして2025年の能登発言による政治的責任という3つの要素が浮かび上がります。
特に重要なのは、2025年の予算委員長辞任と、2026年現在の政治活動を混同しないことです。
鶴保氏は予算委員長を辞任しましたが、参議院議員を辞職したわけではありません。2026年7月14日時点では内閣委員会委員と行政監視委員会理事であり、同年10月には自民党観光立国調査会長としての活動も確認されています。
また、二地域居住という政策そのものと、能登半島地震をめぐる発言問題も分けて考える必要があります。地方創生や二地域居住は人口減少に直面する地域にとって重要な政策課題ですが、災害の被害を政策推進の好機として表現することには、被災者の感情や現場の実情に対する十分な理解が大切です。
政治家を評価するときは、学歴や肩書きだけでなく、次の点を確認することが大切です。
- どのような政策を掲げ、実際に何を実現したのか
- 国会でどのような役職を担い、どのような活動をしているのか
- 問題発言や政治的な失敗に対して、どのような説明と責任の取り方をしたのか
この3点を分けて確認すれば、報道された一つの出来事だけに左右されず、政治家としての活動をより立体的に理解できます。
鶴保庸介の現在・経歴・政策に関するよくある質問(FAQ)
Q1:鶴保庸介の学歴は?東京大学法学部卒業?
A1:大阪府立天王寺高校を卒業後、東京大学法学部に進学し、1992年に卒業しています。
Q2:鶴保庸介は2026年現在も参議院議員?
A2:はい。2026年7月14日時点の参議院公式プロフィールにも議員として掲載されています。2025年に辞任したのは参議院予算委員長の役職であり、議員辞職ではありません。
Q3:2026年7月時点の鶴保庸介の参議院での役職は?
A3:参議院内閣委員会の委員、行政監視委員会の理事です。なお、2026年10月には自民党観光立国調査会長としての活動も公式発表されています。
Q4:鶴保庸介はなぜ予算委員長を辞任した?
A4:2025年7月8日の参院選応援演説で「運のいいことに能登で地震があった」と発言し、批判を受けたためです。翌9日に謝罪・撤回し、7月14日に予算委員長を正式に辞任しました。
Q5:鶴保庸介の二地域居住政策とは?
A5:都市部などに主な生活拠点を持ちながら、地方にも生活拠点を設ける暮らし方を促進する政策です。地方への人の流れや地域経済の活性化を目指しています。二つの自治体に住民票を二重登録する制度とは異なります。
Q6:鶴保庸介の現在の主な政策分野は?
A6:公式政策ページでは、子育て支援、教育、防災・減災、地域交通、観光、科学技術、農林水産業、捕鯨などが掲げられています。
鶴保庸介氏は、東京大学法学部卒業後、1998年に和歌山選挙区から参議院議員として初当選し、国土交通副大臣や内閣府特命担当大臣などを歴任してきた政治家です。
2025年7月の能登半島地震をめぐる発言では、謝罪・撤回を行い、最終的に参議院予算委員長を辞任しました。一方、議員辞職には至らず、2026年も参議院議員として活動しています。
2026年7月14日時点の参議院公式資料では、内閣委員会委員と行政監視委員会理事。さらに10月には、自民党観光立国調査会長として地方誘客や観光政策に関する議論を進めています。
今後の評価で注目されるのは、地方創生や観光政策で具体的な成果を示せるか、そして能登発言で問われた政治家としての説明責任をどのように果たしていくかという点です。
鶴保庸介氏の現在を理解するには、過去の役職、2025年の問題発言、2026年の参議院での活動を時系列で整理することが欠かせません。肩書きだけでなく、政策の実現状況と政治的責任の両面から、その活動を見ていく必要があります。
主な確認資料: 参議院公式議員プロフィール・委員名簿、鶴保氏公式プロフィール・政策ページ、国土交通省の二地域居住関連資料、TBS NEWS DIG、テレビ朝日、神戸新聞、自民党の2026年活動報告。