2026年の大きな変化は、六代目山口組と分裂後の関係団体との間で適用されていた特定抗争指定のうち、2件が解除されたことだ。
ただし、3団体すべてとの対立が解消されたわけではない。
2026年11月現在の指定状況
六代目山口組 × 神戸山口組2027年1月6日

現在の指定期限
2026年10月5日に3カ月間の延長が官報で公示された。2020年の指定開始以来、27回目の延長となる。
六代目山口組 × 池田組
2026年9月8日
約2年間、対立抗争とみられる事件が発生していないことなどを踏まえ、指定が解除された。
六代目山口組 × 絆會
2026年9月21日
約3年5カ月間、対立抗争とみられる事件が発生していないことなどから、指定が解除された。
兵庫県公安委員会は2026年9月17日、六代目山口組と神戸山口組に対する特定抗争指定の延長を決定した。
その理由について、兵庫県警暴力団対策課は、両組織の対立抗争が終結したとは認められず、両団体の動向などを総合的に判断したと説明している。
この判断は、池田組や絆會との関係についての判断とは異なるものだった。
指定の延長後、警戒区域は9府県17市町に及び、期限は2027年1月6日となった。
警戒区域では何が禁止されるのか特定抗争指定暴力団等に指定されると、警戒区域内で組員の活動に厳しい制限が設けられる。
代表的な規制は次のとおりだ。
- 暴力団事務所の新設
- 指定対象となる事務所への立ち入りや使用
- 対立組織の構成員へのつきまとい
- 対立組織の構成員の居宅や事務所周辺でのうろつき
- おおむね5人以上での集合など、法律で定められた行為
違反した場合には、刑事罰の対象となる場合もある。
この制度の目的は、抗争による一般市民への被害を防止し、地域の安全を確保することにある。
2025年4月の抗争終結宣誓書は本当に終結を意味したのか2025年4月7日、六代目山口組の幹部らが兵庫県警を訪れ、抗争終結に向けた宣誓書を提出した。
関西テレビやサンテレビの報道によると、書面には今後一切揉め事を起こさないという趣旨の内容が記されていた。
しかし、警察側はこれを一方的な終結宣言として捉え、神戸山口組側の動向も注視する姿勢を示していた。
実際、宣誓書の提出後も、神戸山口組との特定抗争指定は解除されていない。
加えて、警察庁の2026年4月公表資料では、2025年中に対立抗争に起因するとみられる事件が1件発生したと記録されている。
つまり、宣誓書の提出と、公安委員会による抗争終結の認定は別の問題だ。2026年9月に池田組と絆會との指定が解除された一方、神戸山口組との指定が続いたことが、その違いを端的に示している。
【構成員数の推移】山口組の勢力は現在どこまで縮小したのか
山口組の組織規模を把握するには、構成員数と準構成員等の人数を分けて見る必要がある。
警察庁の2026年4月公表資料によると、2025年末の六代目山口組の構成員数は約3,100人だった。
一方、準構成員等を含めた暴力団全体の人数は約17,600人となっている。
主要団体の構成員数2025年末時点の警察庁統計を整理すると、次のようになる。
主要団体の構成員数
2025年12月末・概数
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{item.n}
{item.v.toLocaleString("ja-JP")}人
{/each}
各団体の構成員数。準構成員等は含まない。
ここで注目したいのは、六代目山口組と分裂後の3団体との規模の差だ。
六代目山口組の構成員数は約3,100人であるのに対し、神戸山口組は約110人、絆會は約50人、池田組は約30人となっている。
数字だけを比較して組織間の実際の影響力を判断することはできないが、分裂後の各団体の勢力が大きく変化していることは読み取れる。
準構成員等を含めると数字はどう変わる?暴力団統計では、正式な構成員とは別に、暴力団と関係を持ち、その活動や運営に協力・関与する準構成員等も集計される。
2025年末の全国統計は次のとおりだ。
- 暴力団構成員:約9,400人
- 準構成員等:約8,200人
- 合計:約17,600人
六代目山口組についても、準構成員等を含めると約6,300人となる。
したがって、ネット記事などで「山口組は約3,100人」「約6,300人」という異なる数字を見かけても、必ずしも矛盾しているわけではない。集計対象が異なるためだ。
暴力団全体の減少傾向も続いている警察庁の統計では、全国の暴力団構成員等の人数は1991年末の約91,000人から、2025年末には約17,600人に減少した。
約80.7%減
1991年末から2025年末までの全国の暴力団構成員等の減少率。公表概数からの計算。
暴力団対策法の運用強化、警察による取締り、暴力団排除条例の浸透、金融機関や企業による反社会的勢力排除など、複数の要因が背景にある。
山口組の分裂も、こうした全国的な勢力縮小の流れの中で捉える必要がある。
【公開情報と非公開情報】ネット上の山口組組織図はどこまで信用できる?
山口組の組織図を調べる際に、特に注意したいのが情報の公開範囲だ。
警察庁や公安委員会が公表する情報には、一定の基準がある。
公的資料で確認できる情報次の情報は、警察資料や官報公示、公安委員会の発表などで確認できる。
- 代表者の氏名
- 主たる事務所に関する公示情報
- 構成員数
- 勢力範囲
- 指定暴力団としての指定状況
- 特定抗争指定の期限
- 公表された役職人事や組織の動向
一方、全傘下団体の完全な一覧、個々の構成員の所属関係、内部の意思決定の詳細などは、公開資料だけでは把握できない。
ネット上の組織図を読むときの注意点検索結果に表示される組織図には、過去の人事情報を現在の情報として掲載したものや、複数の時期の情報を混在させたものもある。
特に次の3点は区別したい。
1. 歴代の役職者と現在の役職者
過去に若頭や本部長を務めた人物が、現在も同じ役職にあるとは限らない。
2. 傘下だった団体と現在の所属関係
過去に神戸山口組の傘下にあった池田組のように、後に独立した団体もある。古い組織図をそのまま現在に当てはめることはできない。
3. 特定抗争指定と組織の所属関係
特定抗争指定は、対立する団体間の危険性に対して行われる法的措置である。指定されたからといって、両団体が同じ組織に属するわけではない。
現在の情報を調べる際は、警察庁の年次資料、官報、兵庫県公安委員会などの公表内容、複数の報道機関による最新報道を照合することが判断の基本となる。
【山口組の組織図最新2026年版】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年現在の六代目山口組の組長は誰ですか?
A1:司忍こと篠田建市です。2026年に公表された警察庁資料でも、六代目山口組の代表者として篠田建市が記載されています。
Q2:神戸山口組と六代目山口組の抗争は終結しましたか?
A2:2026年11月2日現在、公安委員会による特定抗争指定は継続しています。2026年10月5日に指定期限が延長され、2027年1月6日までとなっています。
Q3:池田組と絆會は六代目山口組の傘下ですか?
A3:いいえ。両団体はそれぞれ独立した指定暴力団として公表されています。池田組は2020年に神戸山口組傘下からの離脱を表明し、絆會は2017年に神戸山口組から離脱した勢力を前身としています。
Q4:2026年に山口組と池田組の抗争指定が解除された理由は何ですか?
A4:対立抗争とみられる事件が約2年間発生していなかったことや、関係者への聴取などを踏まえ、公安委員会が指定期限を延長しないと判断したためです。2026年9月8日に解除されました。
Q5:山口組の組織図は完全公開されていますか?
A5:いいえ。代表者や構成員数、役職人事などの公的情報は確認できますが、全役職者や全傘下団体の詳細な所属関係を網羅した最新の公式組織図は公表されていません。
【プロの結論】2026年の山口組情勢は「分裂後の再編」と「抗争指定の個別解除」が焦点
2026年の六代目山口組をめぐる動きを整理すると、重要なのは単純な組織規模の比較ではなく、分裂後の関係がどのように変化しているかという点だ。
今回の情勢には、3つの大きな特徴がある。
第一に、六代目山口組は現在も構成員数で国内最大規模の暴力団である。
2025年末の構成員数は約3,100人。分裂後も最大規模を維持していることが警察庁の資料で確認できる。
第二に、池田組と絆會との特定抗争指定が2026年9月に解除された。
これは2015年の分裂以降、続いてきた対立関係の一部に変化が生じたことを意味する。ただし、指定解除は抗争の危険性が低下したという公安委員会の判断であり、団体間の和解や統合を意味するものではない。
第三に、神戸山口組との特定抗争指定は依然として続いている。
2027年1月6日まで指定が延長された事実は、分裂問題が完全には解決していないことを示している。
山口組の組織図を調べる読者にとって、最も大切なのは、歴代の役職者を並べた古い図を現在の組織構造だと誤認しないことだ。
公的な代表者情報、構成員数、分裂の経緯、公安委員会による指定状況をそれぞれ確認すれば、現在の実態をより正確に理解できる。
今後は、2027年1月6日に期限を迎える神戸山口組との特定抗争指定について、兵庫県公安委員会がどのような判断を示すかが大きな注目点となる。
山口組の情勢は、組織の歴史だけでなく、地域社会の安全や暴力団排除政策にも関わる問題である。今後も警察庁の公表資料と公安委員会の正式発表を基準に、その変化を見ていく必要がある。
主な参考資料:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」(2026年4月)、兵庫県公安委員会の特定抗争指定に関する公示、神戸新聞、関西テレビ、サンテレビ、共同通信の2026年9~10月の報道。