東京23区は、東京都の区部を構成する23の特別区です。東京都の行政区分では「区部」と呼ばれ、東京都庁がある新宿区をはじめ、政治・経済の中心地から住宅地、商業地、臨海地域まで、多様な都市機能が集まっています。
23区の正式名称は以下のとおりです。
東京23区一覧

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全23区。特別区協議会の公表する正式名称に基づく一覧。
23区は同じ特別区という制度に属していますが、人口、産業、土地利用、都市機能は大きく異なります。
千代田区
政治・行政・ビジネスの中心
皇居、国会議事堂、官公庁街、大手町・丸の内などがあり、日本の政治と経済を支える地域です。
新宿区
東京都庁・商業・交通の拠点
東京都庁が置かれ、新宿駅周辺には商業施設やオフィス、歓楽街が集まっています。
世田谷区
住宅地・子育て・生活環境
住宅地が広がる人口規模の大きな区です。2026年10月1日の推計人口は957,373人で、23区中最多です。
渋谷区
流行・IT・ファッション
渋谷駅周辺を中心に、商業、IT企業、ファッション、文化産業が集積しています。
港区
国際ビジネス・大使館・高層住宅
六本木、赤坂、青山、麻布などを擁し、外国公館や外資系企業も多い国際色豊かな地域です。
このように、千代田区は政治・行政、新宿区は都庁と商業、世田谷区は住宅・生活、渋谷区は流行とIT、港区は国際ビジネスというように、各区には異なる都市機能があります。
【最大の疑問】東京23区と市の違いは?特別区と行政区を比較
東京23区を理解するうえで、最も重要なのが「特別区」と「行政区」の区別です。
東京23区は、単に東京都の内部を23分割した区域ではありません。各区が独自の法人格を持つ地方公共団体であり、住民に身近な行政を担っています。
特別区とは何か?市と同じ自治体としての権限特別区とは、地方自治法に定められた特別地方公共団体の一つです。東京都にある23の区がこれに該当します。
特別区は、市と同様に基礎自治体として機能します。各区には住民が直接選挙で選ぶ区長と区議会があり、地域の実情に応じて条例を制定し、行政サービスを提供します。
例えば、区民の生活に関係する次のような行政を担っています。
- 住民票や戸籍などの窓口行政
- 子育て支援や保育サービス
- 高齢者福祉や障害者福祉
- 区立小中学校などの教育行政
- 地域の道路や公園の管理
- ごみの収集・運搬
- 地域防災や住民生活に関する施策
ただし、法的な分類では、一般の市が普通地方公共団体であるのに対し、特別区は特別地方公共団体です。「市とまったく同じ」ではなく、基礎自治体としての機能を担いながら、東京都と独自の役割分担をする制度になっています。
特別区と行政区の違いは?横浜市、大阪市、名古屋市などの政令指定都市にも区があります。しかし、これらは東京23区とは制度上の性格が異なります。
例えば、横浜市の区は行政区です。横浜市という一つの自治体の内部を分けた行政組織であり、各区が独立した地方公共団体になっているわけではありません。
横浜市の公式説明によると、行政区の区長は市長が任命し、市長の補助機関として行政事務を担当します。一方、東京23区の区長は住民の選挙で選ばれます。
3つの自治体・行政区分を比較この比較から分かるように、東京23区は横浜市の区とは根本的に異なります。東京23区の区長は市長に相当する自治体の長であり、区議会も独自の議決機関として設置されています。
なお、政令指定都市の行政区も、単なる出張所というわけではありません。住民票、福祉、子育てなど、地域に密着した幅広い行政サービスを担当しています。ただし、最終的な自治体としての意思決定主体は市です。
【都区制度の仕組み】東京都と23区の役割分担・財政の実態
東京23区の制度を一般の市町村と区別するもう一つの要点が、東京都と特別区の役割分担です。
通常の市町村では、市が住民サービスを担い、都道府県が広域行政を担当します。しかし、東京23区では、大都市としての一体的な行政運営を実現するため、通常なら市が担う業務の一部を東京都が担当しています。
東京都が担当する仕事東京都は、23区全体に関わる広域的な行政や、大都市として統一的に処理する必要がある事業を担当します。
代表例は次のとおりです。
- 水道事業
- 下水道事業
- 消防行政
- 広域的な都市計画や都市基盤整備
- 広域交通ネットワークの整備
- 都内全域に関係する政策や調整
例えば、消防や上下水道は、区ごとに完全に分けるよりも、広域的に一体運営する方が効率的です。人口や企業活動が密集する東京の特性を踏まえた仕組みです。
特別区が担当する仕事各特別区は、東京都が担当する事務を除き、原則として一般の市町村が処理する事務を担当します。
具体的には、住民登録、子育て、保育、高齢者福祉、地域のまちづくり、区立施設の管理など、住民の日常生活に直結する仕事です。
2000年の地方自治法改正では、特別区を基礎的な地方公共団体と位置づけ、一般廃棄物の収集・運搬・処分に関する事務なども東京都から特別区へ移管されました。
都区財政調整制度とは?税金を23区に配分する仕組み東京都と特別区の関係を考える際、避けて通れないのが「都区財政調整制度」です。
これは、東京都と23区の間で行政事務と財源の配分を調整するとともに、各区の税収格差を是正する制度です。
23区は、商業施設やオフィスの集積度、人口構成、土地価格などが大きく異なります。そのため、税収にも差があります。仮に各区が自分の区域で得た税収だけで行政サービスを提供する仕組みであれば、税源が豊かな区と、行政需要に対して税源が限られる区との間でサービス水準に差が生じる可能性があります。
そこで、固定資産税、市町村民税法人分、特別土地保有税など、通常は市町村税に位置づけられる税の一部を東京都が課税・徴収し、その一定割合を特別区財政調整交付金として各区に配分します。
都区財政調整制度の基本的な流れ
東京都が調整税等を課税・徴収
固定資産税・法人住民税など
調整税等の56%を特別区側に配分
2026年度の配分率
普通交付金94%
基準財政需要額が基準財政収入額を上回る区に配分
特別交付金6%
災害など特別な財政需要がある区に配分
※94%・6%は特別区財政調整交付金の総額に対する内訳。56%は調整税等の配分率。
東京都が2026年8月に公表した令和8年度の算定結果によると、特別区に交付する普通交付金は1兆2,635億91百万円でした。前年度比では496億17百万円、率にして4.1%の増加となっています。
注目すべきは、23区のうち21区が普通交付金の交付対象となった一方、港区と渋谷区は対象外だったことです。両区は基準財政収入額が基準財政需要額を上回ったため、普通交付金が交付されませんでした。
この事例は、東京23区が同じ制度に属していても、財政状況が一律ではないことを示しています。財政調整制度は、単純に各区へ均等にお金を配る制度ではありません。区ごとの財政需要と収入を比較して配分する仕組みです。
【歴史を検証】東京23区はいつ成立した?1947年から現在までの変遷
現在の東京23区は、最初から23区だったわけではありません。東京の区制度は、明治時代の15区から始まり、35区への拡大、戦後の再編を経て現在の形になりました。
東京23区の起源は1878年の15区東京23区の歴史をさかのぼると、1878年(明治11年)に制定された郡区町村編制法に行き着きます。
このとき、東京府には15区と6郡が設けられました。現在の千代田区、中央区、港区などの都心部にあたる地域が中心です。
1889年(明治22年)には市制・町村制の施行に伴い東京市が発足。15区は東京市の行政区域内に置かれることになりました。
1932年に35区へ拡大、1943年に東京都が誕生東京市の周辺では鉄道の延伸や住宅地の開発が進み、人口が急増しました。そこで1932年(昭和7年)、周辺の5郡82町村が東京市に編入され、新たに20区が設けられます。
これによって、従来の15区と合わせて35区となり、大東京市が成立しました。
さらに1943年(昭和18年)7月、戦時体制下での都市行政の一体化などを背景に東京都制が施行されます。東京府と東京市が廃止され、東京都が誕生しました。
1947年、特別区制度がスタート戦後、空襲などによって東京の人口分布は大きく変化しました。特に現在の墨田区、江東区、台東区などにあたる地域では人口が激減し、35区の再編が必要になりました。
1947年3月15日、35区のうち24区が統合され、新たに11区が誕生。統合されなかった11区と合わせて22区になりました。
その後、同年5月3日に日本国憲法と地方自治法が施行され、地方自治法第281条に「都の区は、これを特別区という。」という規定が設けられました。これが特別区制度の法的な出発点です。
さらに同年8月1日、板橋区から練馬区が分離・独立し、現在の23区が成立しました。
特別区はその後も自治権を拡大してきた1947年に特別区が誕生した当初は、市と同様の基礎自治体として出発しました。しかし、1952年の地方自治法改正によって特別区の自治権は大幅に制限され、区長の公選制も廃止されました。
その後、各区による自治権拡充運動が続き、1975年には区長公選制が復活。区が担う行政事務の範囲も拡大しました。
そして2000年(平成12年)の地方自治法改正によって、特別区は「基礎的な地方公共団体」と明確に位置づけられ、現在の制度につながっています。
【2026年最新データ】東京23区の人口と多摩地域との違い
東京23区は、日本でも有数の人口集積地域です。東京都が2026年10月29日に公表した最新の推計人口では、区部だけで約998万人が暮らしています。
2026年10月1日現在の東京23区の人口東京都総務局の「東京都の人口(推計)」によると、2026年10月1日現在の東京都全体の人口は14,288,867人でした。
東京都全体の人口14,288,867人
東京23区(区部)9,983,365人
東京都全体の約69.9%
多摩地域・島しょ地域など
約430万人
出典:東京都「東京都の人口(推計)」2026年10月1日現在。構成比は区部人口を東京都総人口で除して算出。
東京都全体の人口のおよそ7割が23区に集中している計算です。東京の人口や都市機能を考える際、区部が非常に大きな存在であることが分かります。
人口が多い東京23区はどこ?同じ2026年10月1日現在の推計人口によると、人口上位5区は次のとおりです。
世田谷区は約95万7,000人で、23区の中で最も人口が多い区です。練馬区、大田区も76万人台で続きます。
一方、人口が多いことと行政需要の大きさは必ずしも同じではありません。昼間人口、通勤・通学者、観光客、企業活動などによって、各区が対応する行政需要は変わります。
東京23区と多摩地域は何が違う?東京都は23区だけで構成されているわけではありません。23区の西側には多摩地域が広がり、さらに伊豆諸島や小笠原諸島などの島しょ地域も東京都に含まれます。
大きな違いは、自治体の種類と行政の仕組みです。
- 23区: 23の特別区がそれぞれ基礎自治体として行政を担い、東京都と役割を分担する。
- 多摩地域: 26市・3町・1村の普通地方公共団体が、それぞれ独立した自治体として行政を行う。
- 島しょ地域: 町や村が自治体として地域の行政を担う。
例えば、八王子市、立川市、武蔵野市、町田市、府中市などは、東京都に属する市でありながら、東京23区の特別区制度には属していません。
多摩地域の市町村は、通常の都道府県と市町村による二層構造の地方自治制度を採用しています。市町村が基礎自治体として住民サービスを担当し、東京都が広域行政を担います。
つまり、東京都内であっても、23区と多摩地域では自治制度が異なるのです。
【プロの結論】東京23区を理解するために押さえたい3つのポイント
東京23区について知る際には、単に23の地名を覚えるだけでは不十分です。重要なのは、各区がどのような自治体であり、東京都とどのような関係にあるかを理解することです。
1. 東京23区は東京都の出先機関ではない23区は東京都庁の内部組織ではありません。区長と区議会を持ち、条例制定や予算編成などを行う独立した地方公共団体です。
ただし、法律上は特別地方公共団体という位置づけであり、通常の市と完全に同じ制度ではありません。
2. 東京都と23区は対立する関係ではなく、行政を分担する関係東京都が広域的なインフラや消防などを担当し、各区が住民に近い行政サービスを担うことで、巨大都市の行政を運営しています。
この仕組みは、人口や経済活動が集中する東京に合わせた大都市制度です。都区財政調整制度も、行政の役割分担を財政面から支える役割を持っています。
3. 23区と多摩地域は同じ東京都でも制度が異なる東京23区は特別区ですが、八王子市や町田市などは一般の市です。住所に「東京都」と書かれていても、自治体の種類や行政サービスの提供主体は同じではありません。
引っ越し、行政手続き、選挙、税金などを調べる際には、区部なのか多摩地域なのかを確認すると、必要な窓口や制度を把握しやすくなります。
東京23区とはに関するよくある質問(FAQ)
Q1:東京23区はすべて市と同じ自治体ですか?
A1:基礎自治体としての役割を担っており、区長と区議会を持つ独立した地方公共団体です。ただし、法律上は特別地方公共団体に分類され、一般の市とは異なる制度上の特例があります。
Q2:東京23区はなぜ23区なのですか?
A2:1947年3月15日に35区の再編によって22区となり、同年8月1日に板橋区から練馬区が分離・独立したためです。これによって現在の23区が成立しました。
Q3:横浜市の区と東京23区は何が違いますか?
A3:東京23区はそれぞれ独立した特別地方公共団体ですが、横浜市の区は市の内部組織である行政区です。東京23区の区長は住民が選挙で選びますが、横浜市の行政区の区長は市長が任命します。
Q4:東京都庁があるのは何区ですか?
A4:新宿区です。東京都庁の所在地は新宿区西新宿です。
Q5:東京23区で人口が最も多いのはどこですか?
A5:2026年10月1日現在の東京都の推計人口では、世田谷区が957,373人で最多です。次いで練馬区、大田区となっています。
Q6:東京23区と多摩地域は同じ制度ですか?
A6:異なります。23区は特別区制度のもとで東京都と行政事務を分担します。一方、多摩地域の26市・3町・1村は、一般の市町村として東京都と役割を分担しています。
Q7:東京23区には市役所がありますか?
A7:市役所ではなく、それぞれの区に区役所があります。区役所では住民登録、戸籍、税金、保険、子育て、福祉などの手続きを行えます。
東京23区とは、東京都にある23の特別区の総称です。千代田区や新宿区、世田谷区など、23の区がそれぞれ独立した自治体として住民に身近な行政サービスを提供しています。
その最大の特徴は、一般の市と同じように基礎自治体としての機能を持ちながら、東京都と行政事務や財源を分担する「都区制度」にあります。
1947年の地方自治法施行によって制度が始まり、1952年の自治権制限、1975年の区長公選制復活、2000年の自治権拡充を経て、現在の仕組みが形づくられました。
2026年10月1日現在、23区の人口は9,983,365人。東京都全体の約7割が暮らす巨大な都市地域です。加えて、都区財政調整制度によって、23区間の財政格差を調整する仕組みも運用されています。
東京23区を理解する際に覚えておきたいのは、次の3点です。
- 東京23区は行政区ではなく、独立した特別区である。
- 東京都と23区は、都市全体の行政を役割分担している。
- 多摩地域の市町村とは、自治体の種類も行政制度も異なる。
「東京の区は市と同じなのか」「横浜市の区と何が違うのか」という疑問への答えは、この制度上の違いにあります。23区の仕組みを知ることは、東京都の行政、地方自治、税金、住民サービスを正しく理解するための出発点になります。
主な公的資料:東京都総務局「東京都の人口(推計)」、東京都「都政のしくみ/都と特別区」、公益財団法人特別区協議会「特別区とは」「特別区制度の変遷」、横浜市「区の機能強化について」、東京都「令和8年度都区財政調整算定結果」。
記事基準日:2026年11月3日。人口は2026年10月1日現在の推計値、財政情報は2026年度公表資料に基づきます。
公的資料による確認: