日本人のRhマイナス(Rh陰性)は、全体の約0.5%。つまり、約200人に1人しかいない血液型です。一方、欧米の白人では約15%に達する集団もあり、日本人との間には大きな頻度の差があります。なぜ、これほど違いが生まれるのでしょうか。
その背景にあるのは、赤血球の表面に存在するD抗原と、それを作るRHD遺伝子の違いです。実は、日本人と欧米人ではRhD陰性になる遺伝的な仕組みにも特徴があります。加えて、Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれる可能性や、妊娠時の抗D抗体、輸血用血液の確保にも関係しています。
2026年11月現在の日本赤十字社の案内や国立成育医療研究センターの研究、医学論文をもとに、Rhマイナスが日本人に少ない理由から遺伝の仕組み、医療上の注意点まで詳しく解説します。
【2026年最新】日本人のRhマイナスは約0.5%!欧米との割合の違い

日本人にRhマイナスが少ないことを示す代表的な数字が、約0.5%という割合です。
日本赤十字社の患者向け輸血情報や各地の赤十字血液センターでは、日本人のRh陰性の頻度を約0.5%、つまり200人に1人と案内しています。
これに対して、白人では約15%とされており、単純比較すると日本人の約30倍です。ただし、欧米でも国や祖先集団によって頻度には差があり、すべての欧米人が同じ割合というわけではありません。
日本人と欧米人のRh血液型の割合主な比較は次のとおりです。
- 日本人:約0.5%
- 白人:約15%
- 欧米の一部の集団:15%を超える場合もある
日本人の場合、Rhプラスが約99.5%を占めます。日常生活ではRhマイナスの人と出会う機会が少ないため、血液型の話題でもABO式血液型ほど身近に感じられない可能性があります。
血液型別に見るRhマイナスの割合日本赤十字社の茨城県赤十字血液センターが公開している目安では、ABO式血液型とRhマイナスを組み合わせた割合にも違いがあります。
- A型Rhマイナス:約0.2%(約500人に1人)
- O型Rhマイナス:約0.15%(約670人に1人)
- B型Rhマイナス:約0.1%(約1,000人に1人)
- AB型Rhマイナス:約0.05%(約2,000人に1人)
特にAB型Rhマイナスは約2,000人に1人という計算になります。ABO式とRh式の両方を考慮すると、適合する血液を確保する際の条件がさらに限られることが分かります。
2026年最新の割合はどう考えるべき?2026年時点で、日本赤十字社が一般向けに案内している日本人のRh陰性の基準値は約0.5%です。
この数字は、2026年に実施された全国民対象の最新血液型調査による確定値という意味ではありません。医療機関や血液事業で用いられている頻度の目安です。
また、Rhマイナスは病気ではありません。赤血球の表面にある特定の抗原の有無を示す分類であり、Rhマイナスだから健康状態が悪い、体力が弱いといった医学的な意味はありません。
【少ない本当の理由】D抗原とRHD遺伝子に隠された仕組み
日本人にRhマイナスが少ない理由を理解するには、まずRh血液型の判定基準を知る必要があります。
Rh血液型にはD・C・c・E・eなど複数の抗原があります。その中でも特に重要なのがD抗原です。
RhプラスとRhマイナスを分けるD抗原とは?赤血球の表面にD抗原が存在すればRhD陽性(Rhプラス)、存在しなければRhD陰性(Rhマイナス)と判定されます。
D抗原の発現に関係するのが、1番染色体上にあるRHD遺伝子です。この遺伝子が正常に働くことで、赤血球の表面にD抗原を持つタンパク質が作られます。
一方、RHD遺伝子が欠失していたり、変異によって正常に働かなかったりすると、D抗原が赤血球の表面に現れなくなります。
つまり、Rhマイナスは単純に血液の成分が不足している状態ではなく、遺伝子の構造や働きによって決まる血液型なのです。
日本人のRh陰性が少ないのは遺伝子の頻度が違うため日本人と欧米人の大きな違いは、RhD陰性に関係する遺伝子の集団内での頻度です。
白人ではRHD遺伝子そのものが欠失しているタイプが、RhD陰性の主要な原因です。一方、東アジア人では遺伝子欠失型のほかに、遺伝子の一部が変化したタイプや、別のRh遺伝子との組換えによって生じたタイプも存在します。
国立成育医療研究センターの研究紹介でも、白人と東アジア人ではRhD陰性を生み出す遺伝子の構造が異なることが説明されています。
ただし、遺伝子の仕組みの違いだけで、日本人にRhマイナスが少ない理由のすべてを説明できるわけではありません。集団ごとの遺伝子の頻度や祖先集団の歴史的な違いが背景にあります。特定の進化上の理由だけで説明できると確定しているわけではありません。
【遺伝子研究で判明】日本人と欧米人ではRhマイナスの成り立ちが違う
RhD陰性を決めるRHD遺伝子には、いくつかの異なる変化があります。代表的なのが、欠失変異、点変異、組換え変異です。
これらは同じRhD陰性という血液型に分類されても、遺伝子の状態は同じではありません。
RHD遺伝子に起こる3種類の変化それぞれの特徴を整理すると、次のようになります。
- 欠失変異:RHD遺伝子の全部または一部が失われ、D抗原を作れなくなる。
- 点変異:DNAの塩基配列の一部が変化し、D抗原の発現が失われたり、極端に弱くなったりする。
- 組換え変異:よく似たRHD遺伝子とRHCE遺伝子の配列が組み換わり、正常なD抗原を発現できない遺伝子が生じる。
この違いは、単なる遺伝学上の話ではありません。血液型の判定や輸血、妊婦の胎児RhD型を調べる検査にも関係しています。
2015年の日本人献血者3,526人を対象にした研究日本赤十字社の研究者らによる2015年の論文「Molecular basis for D− Japanese: identification of novel DEL and D− alleles」では、血清学的検査でRhD陰性と判定された日本人献血者3,526人を対象に、RHD遺伝子の解析が行われました。
その結果、次のような遺伝子型が確認されました。
- 3,091人(87.7%):RHD遺伝子の欠失型を両方の染色体に持つ。
- 318人(9.0%):アジア型DELに関係する遺伝子型を持つ。
- 103人(2.9%):RHDとRHCEの組換えによるハイブリッド型を持つ。
- 残る14人:その他の遺伝子変異などを持つ。
この研究では、c.761C>Gというナンセンス変異によってD抗原が発現しなくなるタイプや、c.1252T>Aによる新しいDEL型も確認されました。
ここで注目したいのが、DELというタイプです。DELはD抗原の発現量が非常に少なく、一般的な血清学的検査ではRhD陰性と判定されることがあります。しかし、遺伝的にはRHD遺伝子が残っており、微量のD抗原を発現している場合があります。
そのため、通常のRhD陰性とDELを同じものとして扱うと、輸血や遺伝子検査の判断に影響する可能性があります。
日本人のRhD陰性に見られる遺伝子の関係一覧| 対象となる要素 | 遺伝的な関係・仕組み | 医学的な意味 |
|---|---|---|
| D抗原 | RHD遺伝子によって発現する | RhD陽性・陰性を判定する基準 |
| RHD遺伝子の欠失型 | 遺伝子の全部または一部が失われる | 日本人のRhD陰性でも主要なタイプ |
| 点変異型 | 塩基配列の変化によって発現が阻害される | 抗原が発現しないタイプやDEL型などがある |
| 組換え型 | RHDとRHCEの配列が組み換わる | 正常なD抗原を発現できない場合がある |
| DEL型 | RHD遺伝子が残り、D抗原が極めて弱く発現する | 一般的な検査では陰性と判定される場合がある |
| 国立成育医療研究センター | 次世代シーケンス技術を利用した胎児RHD遺伝子型判定法を開発 | 東アジア人の多様な遺伝子型の識別に貢献 |
なお、上記の2015年の割合は研究対象となったRhD陰性献血者の遺伝子型の内訳です。日本人全体における各変異の発生率を示す数字ではありません。
DEL型の発見が示す日本人特有の問題2021年に発表された東アジアのRhD陰性献血者に関する研究では、日本人の血清学的RhD陰性献血者のうち、約8.7%にDELが確認されたと報告されています。
この結果は、一般的な血液型検査でRhD陰性と判定された人の中にも、遺伝子レベルではD抗原をわずかに発現している人が存在することを示しています。
特に輸血では、DEL型の赤血球を真のRhD陰性の人に使用すると、抗D抗体が作られる可能性があります。血液型の判定だけでは見えない遺伝的な違いが、医療上の重要な課題になっています。
【親から子供への遺伝】Rhプラス同士でもRhマイナスは生まれる?
Rhマイナスについてよくある疑問が、「両親ともRhプラスなのに、子供だけRhマイナスになることはあるのか」というものです。
答えはあるです。
Rh血液型は親から子へ遺伝します。一般的な遺伝モデルでは、D抗原を発現させる遺伝子をD、D抗原を発現させない遺伝子をdとして説明します。
Rhマイナスの遺伝は潜性(劣性)的な仕組み基本的な遺伝の考え方は次のとおりです。
- DD:Rhプラス
- Dd:Rhプラス
- dd:Rhマイナス
D抗原を発現させる遺伝子が1つでもあれば、一般的にはRhプラスになります。一方、両方の遺伝子からD抗原を発現させる働きが受け継がれなければRhマイナスになります。
Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれる確率父親も母親もRhプラスであっても、両方がDdという遺伝子型なら、子供がRhマイナスになる可能性があります。
Dd同士の組み合わせでは、子供の遺伝子型は次の4パターンになります。
- DD:25%
- Dd:25%
- Dd:25%
- dd:25%
つまり、両親がともにRhプラスでも、子供がRhマイナスになる確率は25%です。
一方、Rhプラスの親がDDであれば、相手がRhマイナスのddであっても、一般的な遺伝モデルでは子供は全員Rhプラスになります。
親の血液型と子供のRhマイナスの遺伝確率基本的な遺伝モデルに基づく組み合わせを整理します。
- Rhプラス(Dd)×Rhプラス(Dd):Rhマイナス25%
- Rhプラス(Dd)×Rhマイナス(dd):Rhマイナス50%
- Rhプラス(DD)×Rhマイナス(dd):Rhマイナス0%
- Rhマイナス(dd)×Rhマイナス(dd):Rhマイナス100%
ただし、これは典型的なD抗原の遺伝を単純化した説明です。実際にはDEL型や弱いD型、遺伝子の組換えなどが存在するため、血液型の結果だけから親の正確な遺伝子型を判断することはできません。
愛知医科大学病院も、Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれる可能性について、両親がともにD抗原を発現させる遺伝子を1つずつ持つ場合には25%の確率があると説明しています。
【妊娠・出産への影響】RhD不適合妊娠と抗D抗体の注意点
Rhマイナスが医学的に特に重要になる場面が、妊娠と出産です。
問題になるのは、母親がRhD陰性で、胎児がRhD陽性の場合です。この組み合わせをRhD不適合妊娠と呼びます。
なぜRhD不適合妊娠で問題が起きるのか母親の血液に胎児の血液が混ざると、母親の免疫システムが胎児の赤血球に存在するD抗原を異物として認識する場合があります。
その結果、母親の体内で抗D抗体が作られることがあります。この状態をD抗原への感作といいます。
一度抗D抗体が作られると、その後の妊娠でRhD陽性の胎児を授かった際に、母親の抗D抗体が胎盤を通過し、胎児の赤血球を攻撃する可能性があります。
これによって胎児や新生児に溶血性貧血、黄疸などが起きることがあり、重症の場合には胎児水腫などにつながる可能性もあります。
なお、最初の妊娠で必ず問題が起きるわけではありません。過去の妊娠や輸血などで既に感作されている場合もあるため、妊娠初期から血液型と不規則抗体の検査を受けることが大切です。
抗Dヒト免疫グロブリンとは?こうした感作を防ぐために使用されるのが、抗Dヒト免疫グロブリン製剤です。
これは母親自身が抗D抗体を作ってしまうことを防ぐための予防的な血液製剤です。胎児由来のD抗原を持つ赤血球に作用し、母体の免疫反応による抗体産生を抑えます。
日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会がまとめた「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」では、RhD陰性で抗RhD抗体を持たない妊婦について、妊娠28週前後の抗D免疫グロブリン投与が示されています。
加えて、出産後に赤ちゃんがRhD陽性と確認された場合には、原則として分娩後72時間以内の投与が推奨されています。
流産、人工妊娠中絶、異所性妊娠、腹部への強い衝撃、羊水検査など、胎児の血液が母体に入る可能性がある出来事の後にも、医師による評価と予防投与が検討されます。
RhD陰性の妊婦が知っておきたい3つのポイント- 妊娠初期:血液型と不規則抗体検査を受け、抗D抗体の有無を確認する。
- 妊娠中:必要に応じて妊娠28週前後に抗Dヒト免疫グロブリンを投与する。
- 出産後:赤ちゃんがRhD陽性の場合、原則72時間以内に予防投与を行う。
一方、胎児がRhD陰性と判明している場合や、母親がすでに抗D抗体を持っている場合などは、予防投与の必要性や管理方法が異なります。
国立成育医療研究センターの研究でも、胎児のRhD血液型を妊娠中に判定する技術の開発が進められています。胎児の血液型が分かれば、不必要な抗Dヒト免疫グロブリン投与を避けられる可能性があるためです。
【輸血と献血】日本赤十字社はRhマイナスの血液をどう確保している?
日本人のRhマイナスは約0.5%しかいないため、輸血が必要になった際に同じ血液型を確保できるのか、不安に感じる人もいるでしょう。
日本赤十字社では、献血された血液の検査や血液型の管理を通じて、必要な血液を医療機関に供給する体制を整えています。
Rhマイナスの人にはRhD陰性の血液が原則RhD陰性の患者に輸血を行う場合、基本的にはRhD陰性の赤血球製剤を使用します。
RhD陽性の血液が輸血されると、患者の免疫システムがD抗原を異物として認識し、抗D抗体を作る可能性があるためです。
特に、将来妊娠する可能性がある女性や女児では、抗D抗体ができることによる将来の妊娠への影響も考慮しなければなりません。
ただし、大量出血などの緊急時には、救命を最優先に輸血方針を判断する場合があります。RhD陰性血液の確保が難しい状況では、患者の状態や年齢、妊娠の可能性などを考慮して医師が判断します。
日本赤十字社による血液確保の取り組み日本赤十字社では、献血された血液の検査を行い、必要な血液を医療機関に届ける仕組みを運用しています。
また、通常の血液型とは異なる特殊な血液型については、献血登録制度を活用し、必要な患者に適合する血液を届けられるよう取り組んでいます。
日本赤十字社の2022年4月の広報記事によると、特に希少な血液型の血液については、マイナス80度以下で凍結保存する取り組みも行われています。保存期間が10年に及ぶものもあります。
ここで興味深いのは、Rhマイナスは人口比率が低いにもかかわらず、日本赤十字社の分類では必ずしも「まれな血液型」の管理区分に含まれないという点です。
茨城県赤十字血液センターの説明によると、Rhマイナスは約200人に1人と少ないものの、献血者全員について血液型検査を行っているため、輸血時に大きな支障が生じることは比較的少ないとされています。
つまり、Rhマイナスの割合が低いからといって、必ずしも輸血用血液の確保が常に困難になるわけではありません。検査、供給管理、献血者の協力が重要な役割を果たしています。
国立成育医療研究センターのRHD遺伝子研究Rhマイナスをめぐる研究では、国立成育医療研究センターの取り組みも重要です。
同センターの周産期ゲノミクス研究室では、妊婦の血液中に存在する胎児由来のDNAを利用し、胎児のRhD血液型を判定する技術を開発しました。
この研究が重要なのは、欧米人を対象とした従来の胎児RhD検査を、そのまま東アジア人に適用することが難しかったためです。
白人では欠失型がRhD陰性の主要な遺伝的背景である一方、東アジア人では欠失型、点変異型、組換え型という複数の遺伝子タイプが存在します。
同センターは次世代シーケンス技術を活用し、こうした異なる遺伝子タイプを識別する方法を確立しました。
2020年度の研究報告では、国立成育医療研究センター、東京慈恵会医科大学、昭和大学の3施設でRhD陰性妊婦15症例を集め、胎児RHD遺伝子型の判定技術の精度評価が行われています。
こうした研究は、妊婦への負担を抑えながら胎児の血液型を把握し、必要な予防医療をより適切に行うための基盤となります。
【よくある誤解を検証】Rhマイナスは珍しいだけ?健康や体質との関係
Rhマイナスについては、人口に占める割合が少ないことから、特別な体質や健康上の問題と結び付けられることがあります。しかし、血液型の希少性と健康状態は別の問題です。
Rhマイナスだと病気になりやすい?Rhマイナスそのものは病気ではありません。D抗原を持たない、あるいは通常の検査で検出できるD抗原を発現しないという血液型の特徴です。
Rhマイナスであることだけを理由に、日常生活で特別な食事制限や運動制限をする必要はありません。
Rhマイナスは日本人にはほとんど存在しない?約0.5%なので少数ではありますが、日本国内にも多くのRhマイナスの人がいます。人口規模を考えれば、決して数人しかいないというわけではありません。
また、Rhマイナスは日本人だけの血液型ではありません。世界各地に存在し、集団によって頻度が異なります。
Rhマイナスの人は必ず同じ血液型の人から輸血を受ける?原則としてRhD陰性の血液が優先されますが、輸血ではABO式血液型や不規則抗体、交差適合試験なども考慮されます。
RhDだけで輸血の適否が決まるわけではありません。緊急時には医師が患者の状態を踏まえて最適な血液製剤を選択します。
Rhマイナスの人が輸血を受ける際に大切なのは、自己判断で輸血の可否を決めることではなく、医療機関で正確な血液型と抗体の検査を受けることです。
【rhマイナスの日本人が少ない理由】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:日本人のRhマイナスは何人に1人ですか?
A1:日本赤十字社が案内する目安では約200人に1人です。割合にすると約0.5%で、日本人の約99.5%はRhプラスとされています。
Q2:なぜ日本人は欧米人よりRhマイナスが少ないのですか?
A2:主な背景は、集団ごとにRhD陰性に関係する遺伝子の頻度が異なることです。日本人を含む東アジア人と白人では、RHD遺伝子の欠失型や点変異型、組換え型などの分布にも違いがあります。
Q3:Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれることはありますか?
A3:あります。両親がともにDdという遺伝子型の場合、一般的な遺伝モデルでは子供がRhマイナスになる確率は25%です。
Q4:Rhマイナスは病気や体質の異常ですか?
A4:いいえ。Rhマイナスは赤血球表面のD抗原の有無を示す血液型の分類です。それ自体が病気や健康上の異常を意味するものではありません。
Q5:Rhマイナスの女性が妊娠すると危険ですか?
A5:RhD陰性の母親とRhD陽性の胎児の組み合わせでは、母親が抗D抗体を作る可能性があります。ただし、妊娠中の検査や抗Dヒト免疫グロブリンによる予防など、医療的な管理方法が確立されています。
Q6:Rhマイナスの人は献血や輸血で困りますか?
A6:RhD陰性血液は人口比率が低いため、供給管理が大切です。一方、日本赤十字社では献血血液の検査や供給体制を整えており、必要に応じて適合する血液を確保する仕組みがあります。
Rhマイナスが日本人に少ない最大の背景は、RHD遺伝子に関係する遺伝的特徴が、集団によって異なることです。
日本人のRh陰性は約0.5%、約200人に1人という頻度です。白人の約15%と比較すると大きな違いがありますが、これは血液型を決める遺伝子の集団内での分布が異なるためです。
加えて、日本人を含む東アジア人では、RHD遺伝子の欠失だけでなく、点変異や組換え変異、DEL型など多様な遺伝的背景が確認されています。
Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれる可能性もあり、妊娠時には母親と胎児のRhD型の組み合わせが重要になります。抗Dヒト免疫グロブリンによる予防や、輸血時の血液型確認によって、医療上のリスクを管理することができます。
国立成育医療研究センターによる胎児RHD遺伝子型判定の研究も、東アジア人特有の遺伝的な複雑さに対応する取り組みです。
Rhマイナスは珍しい血液型ではありますが、病気ではありません。大切なのは、単に割合の少なさに注目するのではなく、D抗原とRHD遺伝子の仕組み、遺伝の確率、妊娠や輸血で必要になる医療的な対応を正しく理解することです。
2026年以降も遺伝子解析技術の進歩によって、胎児の血液型判定や輸血医療の精度向上が期待されます。血液型の違いを正しく知ることが、安全な医療につながります。
主要な根拠資料- 日本赤十字社:日本人のRh陰性の割合、血液型と献血・輸血の仕組み。
- 日本赤十字社の研究者による2015年のRHD遺伝子解析、および2021年のDEL型研究。
- 国立成育医療研究センター:東アジア人に対応した胎児RHD遺伝子型判定技術。
- 日本産科婦人科学会・日本産婦人科医会「産婦人科診療ガイドライン―産科編2023」。
- 愛知医科大学病院:Rhプラスの両親からRhマイナスの子供が生まれる遺伝確率。