今回のブラジル戦は、森保監督がどちらのシステムを選択するかも大きな見どころになる。
森保ジャパンは2026年9月まで3バックを基本としてきたが、10月5日のニュージーランド戦では約2年半ぶりに試合開始から4バックを採用した。これは単なる一試合限りの実験ではない。11月のブラジル戦、パラグアイ戦、そして2027年1月のアジアカップを見据えた戦術的な選択肢の拡大だった。
森保監督は4バックへの変更について「自分たちの戦術の幅を増やすため」と説明している。
スポーツナビが10月6日に掲載した分析によると、ニュージーランド戦では攻撃時に4-1-2-3、守備時に4-4-2へと変化する形が採用された。佐野海舟がアンカー気味に位置し、両サイドバックが高い位置を取ることで、相手を押し込む狙いがあった。
3バックと4バックのメリット・デメリット| 比較項目 | 3バック | 4バック |
|---|---|---|
| 基本布陣 | 3-4-2-1 | 4-1-2-3 |
| 守備の特徴 | 中央に人数を確保しやすい | サイドの守備分担が明確 |
| 攻撃の特徴 | WBの上下動を生かす | SBとウイングの連係を生かす |
| 中盤 | ダブルボランチが基本 | アンカー+2人のMF |
| 長所 | 中央の守備強度とカウンター | サイド攻撃と前線の連係 |
| 課題 | WBが押し込まれると攻撃が停滞 | SBの背後にスペースが生まれる |
ブラジル戦で3バックを採用する最大の理由は、相手のウイングに対する守備対応だ。ヴィニシウスやハフィーニャのような突破力を持つ選手に対して、センターバックとウイングバックが連係して対応できる体制を整えたい。
ただし、3バックにすれば必ず守備が安定するわけではない。ウイングバックが自陣深くまで押し込まれれば、前線との距離が開き、カウンターに必要な選手を残せなくなる。最終ラインを下げすぎないことが重要だ。
一方、4バックには堂安や久保、中村敬斗を攻撃的な位置に配置しやすい利点がある。10月5日のニュージーランド戦では、上田綺世が先制点を挙げ、堂安律が決勝点を記録した。4バックを使った攻撃の形が、実際の得点につながったことは見逃せない。
したがって、ブラジル戦の予想は3バックを第一候補としながら、試合展開に応じて4バックへ移行する可変型が現実的だ。森保監督が10月に試した新しいオプションを、強豪相手にどう使うかが焦点となる。
【ポジション別に徹底分析】鈴木彩艶・久保建英・堂安律の先発可能性

スタメン争いを判断する際は、単純な知名度や過去の実績だけでなく、直近4試合の出場状況、ポジション適性、ブラジル戦で必要になる役割を合わせて見る必要がある。
GK:鈴木彩艶が最有力候補
アストン・ビラ/GK
10月のエクアドル戦、ニュージーランド戦で連続先発。ハイボールへの対応、シュートストップ、後方からのビルドアップが期待される。
9月24日は早川友基、9月28日は小久保玲央ブライアンが先発したが、10月の2試合では鈴木彩艶がゴールマウスを守った。特にブラジルの強力な前線に対しては、シュートストップだけでなく、相手のプレスを受けた状況での判断力も重要になる。
現状の起用実績からは鈴木彩艶が第一候補。早川、小久保も含めたGKの競争は残るものの、ブラジル戦で鈴木を起用する可能性は高い。
DF:瀬古歩夢・板倉滉・伊藤洋輝が軸
センターバック
直近4試合すべてで先発。今回の守備陣を考えるうえで、最も注目したい選手の一人。
瀬古は9〜10月の4試合すべてで先発した。継続して出場機会を得ていることから、ブラジル戦でも起用される可能性が高い。
残る2枠には板倉滉と伊藤洋輝を予想する。板倉は対人守備と中央での統率、伊藤は左足からの配球と守備範囲の広さが魅力だ。河治氏の推奨布陣でも、右から瀬古、板倉、伊藤という並びが提案されている。
4バックに変更する場合は、鈴木淳之介と中野就斗がサイドバック候補になる。10月5日のニュージーランド戦で両選手が先発した実績は、今回の布陣選択にも影響するだろう。
右サイド:堂安律は先発の可能性が高い
右ウイングバック/右サイド
直近4試合で3試合に先発。攻守両面での運動量と、ゴール前に入るタイミングが強み。
堂安は右サイドの有力候補だ。10月5日のニュージーランド戦では71分に勝ち越しゴールを決めており、得点に直結する働きも見せている。
3バックなら右ウイングバック、4バックなら右ウイングやインサイドの攻撃的MFとして起用できる柔軟性も魅力だ。森保監督がシステムを変更しても、堂安の居場所は確保されやすい。
左サイド:中村敬斗と三笘薫のコンディションが鍵
左ウイングバック/左ウイング
ドリブル突破と縦への推進力が魅力。途中出場から試合の流れを変えられる選手でもある。
中村敬斗は、ブラジル戦で左サイドを任せる候補の一人だ。10月5日のニュージーランド戦では途中出場から堂安の決勝点をアシスト。サイドから相手の守備組織を崩す能力を示した。
一方、三笘薫は長期離脱からの復帰状況が焦点となる。ブライトンのファビアン・ヒュルツェラー監督は10月16日時点で、11月の代表期間中の復帰を希望しながらも、慎重な姿勢を示していた。9〜10月の日本代表にも招集されていないため、ブラジル戦での先発を前提に考えるのは難しい。
ボランチ:田中碧と佐野海舟の組み合わせに注目
リーズ・ユナイテッド
ボール奪取後の前進、パスの配球、攻守の切り替え。
マインツ05
ボール奪取、広い守備範囲、相手の攻撃を止める能力。
今回の中盤で特に注目されるのが、田中碧と佐野海舟のボランチ争いだ。
佐野は直近4試合で3試合に先発。10月5日のニュージーランド戦では、4バックの前に位置するアンカー的な役割も担った。ブラジルの攻撃を受け止めるうえで、中央のスペースを管理する能力は大きな武器になる。
田中碧は10月1日のエクアドル戦で先発。ほかの試合でも途中出場し、プレー機会を得ている。ボールを奪った後に前進する能力や、縦方向へのパスで攻撃を加速させる点が魅力だ。
3-4-2-1を採用するなら、佐野と田中碧のダブルボランチは有力な組み合わせ。4-1-2-3なら佐野をアンカーに置き、田中碧や鎌田大地らをインサイドに配置する方法も考えられる。
なお、鎌田大地は単純なボランチ候補ではない。攻撃的MF、シャドー、守備的MFまで役割を変えられることが強みだ。ブラジルのプレスを受けた際に、どこまで低い位置まで下がってボールを引き出すかも重要になる。
前線:久保建英の先発と上田綺世の復帰が最大の焦点
レアル・ソシエダ
狭いスペースでのボールキープ、ドリブル、ラストパスで攻撃を組み立てる存在。
久保建英は10月のエクアドル戦とニュージーランド戦で連続先発。9月の2試合では途中出場だった。徐々に先発での起用が増えている点は、ブラジル戦に向けたプラス材料だ。
ブラジルのように個人技と守備強度を兼ね備えた相手には、ボールを簡単に失わず、局面を打開できる選手が必要になる。久保をシャドーに配置すれば、相手の中盤と最終ラインの間でボールを受け、前線へ攻撃をつなげられる。
LOSCリール
直近4試合で4得点。得点力という点では最も期待したいセンターフォワード。
上田は9月・10月の4試合で合計4得点を記録した。途中出場からも結果を残しており、得点感覚の高さは際立っていた。
しかし、10月13日のアーセナル戦で左足底筋膜を負傷したことが、ブラジル戦の予想を難しくしている。10月29日のリール監督の説明では、11月8日のレンヌ戦での復帰を目指して調整中とされた。復帰できたとしても、代表戦までに十分な試合勘を取り戻せるかは別の問題だ。
上田が間に合わなければ、前田大然を中央に置く選択肢が浮上する。伊東純也も重要な交代カードになる。河治氏は伊東について、単なる途中出場要員ではなく、試合の流れを変えるゲームチェンジャーとして期待を寄せている。
【2026年最新の招集メンバー】9〜10月の31人と11月の追加候補
11月の日本代表スタメンを予想するうえで、基準となるのが9月17日に森保監督が発表した31人の招集メンバーだ。JFAの9月18日付公式発表によれば、このメンバーはワールドカップ北中米大会から継続して選ばれた20人を中心に、初招集と復帰組の計11人を加えた構成だった。
初招集は谷村海那、松木玖生、齋藤俊輔、中野就斗の4人。佐藤龍之介、佐野航大、小久保玲央ブライアン、熊坂光希らも復帰組として選ばれた。代表の世代交代と戦力の底上げを同時に進める編成だったことが分かる。
11月の予想で押さえたい主要メンバー| ポジション | 選手 | ブラジル戦での評価 |
|---|---|---|
| GK | 鈴木彩艶 | 第一候補 |
| GK | 早川友基 | 競争相手 |
| GK | 小久保玲央ブライアン | 競争相手 |
| DF | 板倉滉 | CBの中心候補 |
| DF | 伊藤洋輝 | 左CB候補 |
| DF | 瀬古歩夢 | 継続起用の有力候補 |
| DF | 鈴木淳之介 | 左SB・CB候補 |
| DF | 中野就斗 | 右SB候補 |
| MF/FW | 佐野海舟 | 中盤の守備の軸 |
| MF/FW | 田中碧 | ボランチ候補 |
| MF/FW | 鎌田大地 | シャドー・中盤 |
| MF/FW | 堂安律 | 右サイドの主力候補 |
| MF/FW | 久保建英 | 攻撃の中心候補 |
| MF/FW | 中村敬斗 | 左サイドの有力候補 |
| MF/FW | 上田綺世 | CF候補・負傷からの復帰待ち |
| MF/FW | 前田大然 | CF・左サイドの代替候補 |
| MF/FW | 伊東純也 | 攻撃の切り札 |
このほか、9〜10月の活動には伊藤純也、相馬勇紀、鈴木唯人、田中聡、松木玖生、谷村海那、後藤啓介、塩貝健人、佐藤龍之介、佐野航大らも招集されている。複数のポジションをこなせる選手が増えていることも、今回の選考に影響しそうだ。
なお、9〜10月の31人は11月のブラジル戦に向けた確定メンバーではない。11月2日時点では日本代表の新たな招集発表前であり、負傷者の復帰や所属クラブでの出場状況によって顔ぶれが変わる余地がある。
11月の招集で注目したい追加・復帰候補特に注目したいのは三笘薫だ。ブライトンでの復帰時期が流動的で、11月の代表活動に間に合うかは不透明。仮に復帰できても、長時間のプレーが可能かどうかを慎重に判断する必要がある。
上田綺世についても同様だ。リールでの復帰目標が11月8日と報じられているため、ブラジル戦までの回復状況が招集判断に直結する。
一方、上田が難しい場合には小川航基の復帰を推す識者の見解もある。9〜10月の31人には含まれていなかったが、センターフォワードの選択肢を増やすという意味では注目したい存在だ。
【ブラジル代表の戦力を分析】日本が警戒すべき選手と勝負のポイント
今回の対戦は、2026年FIFAワールドカップ北中米大会での対戦に続く再戦でもある。JFAの年間試合結果には、6月30日のブラジル戦が日本の1-2での敗戦として記録されている。短期間で再び対戦するだけに、日本にとっては前回の課題を検証する機会になる。
ブラジルサッカー連盟は10月29日、11月のシンガポール遠征に向けた26人を発表した。ヴィニシウス・ジュニオール、ハフィーニャ、エンドリッキ、エステヴァン、ブルーノ・ギマランイス、ガブリエウ・マガリャンイスらが選ばれている。さらに初招集の選手が5人含まれ、世代交代も進めている。
日本の守備陣が警戒すべき3つのポイント1. ヴィニシウスの突破への対応
ヴィニシウスはスピードとドリブルを生かしてサイドから局面を変えられる。1対1で簡単に飛び込最初に、味方のカバーと連動して対応する必要がある。
2. ハフィーニャの内側への侵入
ハフィーニャはサイドに張るだけでなく、中央に入ってシュートやパスに関与できる。日本のサイドバックやウイングバックがボールだけを見てしまうと、背後や中央のスペースを使われる危険がある。
3. ブルーノ・ギマランイスを中心とした中盤の構成力
中盤で自由にボールを持たせると、前線への配球やセカンドボールの回収で日本が後手に回る可能性がある。佐野海舟と田中碧には、相手の攻撃を止めるだけでなく、奪ったボールを素早く久保や堂安につなぐ仕事が求められる。
日本が勝機を見いだすには、守備に人数をかけるだけでは足りない。相手のボールを奪った直後に、前線へ素早く展開できるかが大切だ。久保の判断力、堂安の攻撃参加、前田のスプリントは、そのための重要な武器となる。
試合は11月14日(土)、シンガポール・ナショナルスタジアムで開催され、現地時間18時15分、日本時間19時15分キックオフ。ブラジル戦はテレビ朝日系列で全国ネット生中継、U-NEXTでも無料ライブ配信が予定されている。
【プロの結論】ブラジル戦のスタメンを見極める3つの判断基準
現段階での予想を整理すると、鈴木彩艶、瀬古歩夢、堂安律、佐野海舟、久保建英が先発候補の中心となる。3バックを採用する場合は、板倉滉と伊藤洋輝、中村敬斗、田中碧、鎌田大地を組み合わせる形が有力だ。
ただし、最終的な先発メンバーを見極めるには、次の3点を確認する必要がある。
1. 直近の先発実績: 4試合で継続的に起用された瀬古、堂安、佐野を軸に考える。
2. 所属クラブでの出場状況: 上田と三笘のような負傷明けの選手は、復帰した事実だけでなく、実戦でどこまでプレーできるかを見る。
3. 採用するフォーメーション: 3バックなら守備強度とWBの運動量、4バックならSBと攻撃陣の連係を重視する。
ネット上の予想スタメンを見るときも、選手の知名度だけで判断するのは避けたい。先発予想の信頼度を判断するには、公式の直近出場記録、所属クラブでのコンディション、監督が実際に試した戦術の3点を照合するのが有効だ。
特に今回は、上田綺世の復帰時期と三笘薫の状態によって前線の構成が大きく変わる。名前だけを並べた予想と、実際の起用可能性を反映した予想は区別しておきたい。
【日本代表スタメン予想】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:11月14日のブラジル戦で日本代表のスタメンはいつ発表される?
A1:正式な先発メンバーは試合当日に発表される。11月2日時点では日本の11月シリーズ招集メンバーも発表前のため、9〜10月の31人と直近のクラブでの状態が予想の基準になる。
Q2:ブラジル戦の日本代表フォーメーションは3バックと4バックのどちら?
A2:現時点では3-4-2-1を本命と予想する。ただし、10月5日のニュージーランド戦で4バックを試しており、相手の戦い方や試合展開によって4-1-2-3に変更する可能性もある。
Q3:上田綺世はブラジル戦に出場できる?
A3:10月13日のアーセナル戦で左足底筋膜を負傷し、11月8日のレンヌ戦での復帰を目指していると報じられた。ブラジル戦までに実戦復帰できるかが焦点で、先発出場はコンディション次第となる。欠場の場合は前田大然が代役候補だ。
Q4:久保建英と堂安律は先発する可能性が高い?
A4:高いと予想する。堂安は直近4試合で3試合に先発し、久保も10月の2試合で連続先発している。攻撃の中心として両選手が同時に起用される可能性は十分にある。
Q5:田中碧と佐野海舟はどちらがボランチの先発に近い?
A5:佐野海舟が起用実績では優位に立つ。直近4試合で3試合に先発しており、田中碧とのダブルボランチも有力な組み合わせだ。守備を重視するなら佐野を軸にした構成が考えられる。
2026年11月14日のブラジル戦は、単なる強豪国との親善試合ではない。9〜10月の4連戦で積み上げた選手の組み合わせと、森保監督が新たに試した4バックを含む戦術の幅が試される一戦だ。
現時点での先発予想は3-4-2-1。GK鈴木彩艶、3バックに瀬古歩夢・板倉滉・伊藤洋輝、ボランチに佐野海舟・田中碧、シャドーに久保建英・鎌田大地、両ウイングバックに堂安律・中村敬斗を配置する構成が有力となる。
最大の不確定要素は上田綺世の負傷からの復帰だ。得点力では申し分ないものの、試合に出られる状態まで戻るかどうかが1トップの選考を左右する。上田が間に合わなければ、前田大然の起用が有力な代替案となる。
また、4バックへの変更によって中野就斗や鈴木淳之介の起用機会が広がる可能性もある。従来の主力組だけでなく、新戦力がブラジル相手にどこまで存在感を示せるかにも注目したい。
正式な招集メンバーと試合当日の先発発表によって予想は変わるが、直近4試合の実績、森保監督の戦術的な意図、選手のコンディションを合わせて見ることが、ブラジル戦のスタメンを読み解く最も確かな手がかりになる。