menu株式会社は、スマートフォン向けのフードデリバリー・テイクアウトサービスを企画・運営していたIT企業です。飲食店と利用者、配達員をアプリ上でつなぎ、料理の注文から決済、配達、店舗での受け取りまでを支えるプラットフォームを展開していました。
単なる飲食店ではなく、テクノロジーを活用して飲食店の販売機会と消費者の利便性をつなぐ事業会社だった点が特徴です。
menu株式会社の基本プロフィール
会社基本情報
商号
menu株式会社
設立
2018年10月
代表者
信田篤男
資本金
1億円
所在地
東京都新宿区
事業内容
フードデリバリー・テイクアウトサービスの運営
法人番号
5011101085619
上記はKDDIが2026年8月19日に公表した会社概要を中心に整理しています。
所在地は新宿区四谷所在地については、公式資料の間で建物名と番地に違いがあります。
- KDDIの2026年8月19日付発表:東京都新宿区四谷1-6-1 YOTSUYA TOWER
- menu公式サイトのサービス終了告知:東京都新宿区四谷1-22-5 WESTALL四谷ビル1階
このため、2026年のKDDI発表上の所在地と、公式サイトに掲載された所在地は区別して見る必要があります。登記上の最新本店所在地を確定する場合は、商業登記の確認が適切です。
代表者・信田篤男氏の経歴menu株式会社の代表取締役社長兼CEOを務めていたのは、信田篤男氏です。
menu株式会社が2024年4月1日に公表した人事発表によると、信田氏は1992年に中国セルラー電話株式会社(現KDDI株式会社)へ入社。auを中心としたコンシューマー事業で、戦略策定から現場のオペレーションまで約25年間携わってきました。
特に全国2,000店舗以上のauショップを統括した経験や、KDDI関連の海外通信事業におけるマーケティング・営業責任者としての経験が紹介されています。
2023年4月にmenu株式会社の取締役に就任し、2024年4月1日付で代表取締役社長に就任しました。KDDIの通信事業や顧客基盤に精通した人物が経営を担っていたことは、同社とKDDIの関係を理解するうえでも重要です。
【事業の歴史】2018年設立から2026年のサービス終了まで

menu株式会社の歩みを理解するには、会社の設立時期と、実際にアプリのサービスを開始した時期を分ける必要があります。
会社が設立されたのは2018年10月ですが、テイクアウトサービスの開始は2019年4月、フードデリバリーへの本格展開は2020年4月でした。
その後、KDDIとの提携強化によって事業規模を拡大しましたが、2026年8月にサービス終了が発表され、同年9月末に約6年半のサービス運営に幕を下ろしました。
menu株式会社の重要な出来事・年表年表の内容は、menu株式会社、KDDI、レアゾン・ホールディングスの発表および2026年9月30日の終了報道をもとに整理しています。レアゾンの公式沿革にも、2026年のmenu全株式譲渡が記載されています。
menuはどのようなサービスを提供していたのかmenuの中心事業は、飲食店の料理を注文できるフードデリバリーと、店舗で商品を受け取るテイクアウトでした。
アプリ上で飲食店や商品を探し、注文・決済を行える仕組みを提供していたほか、配達員と加盟店を結び付ける役割も担っていました。
また、KDDIとの連携を通じて、au PAYやauスマートパスプレミアムなどの既存サービスとの接点も増やしていました。単独のデリバリーアプリにとどまらず、通信会社の会員基盤や決済サービスと連携する戦略を進めていた点が特徴です。
サービスが残した実績2026年9月30日のサービス終了に際して、menuはサービスの歩みを振り返る実績を公開しました。
7,318万km
総配達距離
地球約1,826周分に相当約3.93億円
配達員が受け取ったチップ総額約1,904万件
利用者から寄せられた口コミ・星評価の総数
これらはサービス開始から2026年8月31日までの実績として紹介された数値です。単にアプリが終了したというだけでなく、利用者、飲食店、配達員が参加するプラットフォームとして一定の取引規模を築いていたことが分かります。
【資本関係を検証】menu株式会社とKDDI・レアゾンの関係
menu株式会社の終了を理解するうえで、特に重要なのがKDDIと株式会社レアゾン・ホールディングスとの資本関係です。
両社は最初から同じ立場で事業を運営していたわけではありません。KDDIは2021年にmenuとの資本業務提携を開始し、2023年4月に提携をさらに強化。最終的には2026年にレアゾンが保有する全株式をKDDIへ譲渡する流れになりました。
3社の役割と関係性
KDDI株式会社
通信・決済・会員基盤を持つ企業
資本・事業連携
全株式譲渡
menu株式会社
フードデリバリー・テイクアウト事業の運営会社
代表取締役社長兼CEO:信田篤男氏
株式会社レアゾン・ホールディングス
事業立ち上げ・共同運営を担った企業
2026年に保有するmenu全株式を譲渡
2023年4月28日、KDDI、レアゾン・ホールディングス、menu株式会社の3社は資本業務提携の強化を発表しました。
この時点での株式保有比率は、KDDIが50.6%、レアゾンが49.4%です。つまり、KDDIはすでに過半数の株式を保有していましたが、レアゾンも主要株主として共同運営に参加していました。
提携強化の狙いは、KDDIのau・UQ mobileなどの顧客基盤や決済サービスと、menuのデリバリー事業を組み合わせることでした。加盟店の開拓や配達員向けサービスの強化も掲げられていました。
2026年8月、KDDIが完全子会社化を決定2026年8月19日、レアゾン・ホールディングスは保有していたmenu株式会社の全株式をKDDIへ譲渡する契約を締結したと発表しました。
譲渡の実行予定日は8月31日。レアゾンの公式企業沿革にも、2026年のmenu全株式譲渡が記録されています。
この株式取得は、単にKDDIが持ち株比率を引き上げるための施策ではありません。サービス終了後に発生する利用者・加盟店・配達員への対応や、menu株式会社の解散・清算手続きをKDDI主導で進めるための体制整理という意味を持っていました。
【終了理由を分析】menuはなぜ2026年9月30日にサービスを終了したのか
menuの終了理由について、KDDIとmenu株式会社が公式に示したのは、フードデリバリー市場の競争環境の変化と、今後の事業見通しです。
menu株式会社は2026年8月19日の発表で、事業環境の変化に伴い、今後も持続的にサービスを提供することが難しいと判断したと説明しました。
「今後の持続的なサービス提供が困難であると判断し終了を決断した」
menu株式会社のサービス終了に関する説明。ITmedia NEWS掲載の公式発表引用。
KDDI側も、競争環境と将来の事業見通しを総合的に検討し、経営資源の最適配分を考慮して終了を決めたとしています。
理由1:競争が激しく、持続的な事業運営が難しくなったフードデリバリーは、利用者が多ければ成功するという単純なビジネスではありません。
利用者を集めるにはクーポンや配達料の優遇が必要になり、加盟店を増やすには営業活動が欠かせません。加えて、注文を安定して届けるためには配達員の確保や配送品質の維持も必要です。
つまり、利用者・加盟店・配達員の3者を同時に確保し続けなければならない構造です。どれか一つが弱くなると、サービス全体の利便性が低下します。
特に大手事業者との競争では、知名度、注文数、配送網、広告宣伝費などの面で規模の差が経営に影響します。KDDIの資本力があっても、事業として持続可能な収益構造を確立できるとは限りません。
理由2:コロナ禍後の需要変化と市場の収益性フードデリバリー市場は、新型コロナウイルス感染症の流行期に大きく拡大しました。外出を控える人が増え、自宅で料理を注文する需要が急増したためです。
しかし、外食や外出の機会が戻ると、需要の伸び方も変わります。市場が一定規模を維持していても、事業者が以前と同じ成長率や収益を確保できるとは限りません。
2026年8月のFNNプライムオンラインの報道でも、コロナ禍のデリバリー需要の急増が一巡したことが、menu終了の背景の一つとみられています。
一方、フードデリバリー市場そのものが消滅したわけではありません。CREXがNPDジャパンの調査をもとに紹介したデータでは、2025年の国内デリバリー市場規模は8,240億円(前年比2.0%増の見込み)でした。
これは2019年の4,183億円と比べても大きな市場規模です。需要が存在していても、各社が利益を確保できるとは限らないという点が、今回の撤退を考えるうえで重要です。
理由3:競合事業者の撤退が示す業界構造menuだけが日本のフードデリバリー市場から撤退したわけではありません。
過去にはfoodpanda、DiDi Food、Chompyなどが日本市場でのサービス提供を終了。さらに2026年3月にはWoltも日本市場から撤退しました。
複数の企業が市場から退場する状況は、利用者が一定数存在することと、サービス運営で利益を出せることが別問題であると示しています。
理由4:KDDIグループ全体で経営資源を再配分する判断今回の公式発表で見逃せないのが、KDDIが「経営資源の最適配分」という表現を使っていることです。
これはmenu単体の業績だけではなく、KDDIグループ全体で事業の優先順位を見直したことを意味します。
auやUQ mobile、金融・決済、法人向け通信など、多様な事業を持つKDDIにとって、すべての事業を同じ規模で継続することが最善とは限りません。競争が激しく、今後の収益化が見通しにくい事業から撤退し、ほかの分野へ経営資源を振り向ける判断は、企業経営上の選択肢の一つです。
なお、menu株式会社単体の最終的な赤字額や撤退時点の収益率については、KDDIのサービス終了発表だけから具体的な数字を断定することはできません。終了理由として公式に確認できるのは、競争環境、事業見通し、経営資源の最適配分という3点です。
【2026年11月現在】menu株式会社は解散・清算されたのか?
ここが2026年11月時点で最も注意して確認したいポイントです。
menuのサービス提供は2026年9月30日に終了しています。一方、menu株式会社の解散・清算が法的に完了したこととは同じではありません。
KDDIは2026年8月19日の公式発表で、サービス終了後にmenu株式会社の解散および清算を予定すると説明しました。したがって、サービス終了の事実と、会社の清算結了の事実は分けて扱う必要があります。
解散と清算は何が違う?株式会社の解散は、会社が通常の営業活動を終え、清算に向けた段階へ移るための法的な手続きです。
解散したからといって、その日に会社が完全に消滅するわけではありません。一般的には清算人が債権・債務などを整理し、残余財産の処理を進め、最終的に清算結了の登記を行うことになります。
会社終了までの一般的な流れ
サービス終了
menuは2026年9月30日に提供終了済み。
株式譲渡・完全子会社化
レアゾンからKDDIへの全株式譲渡。2026年の譲渡はレアゾンの公式沿革にも記載。
会社の解散
KDDIがサービス終了後の実施方針を公表。
清算手続き
債権・債務などの整理、必要な手続き。
清算結了
清算を終え、会社としての法人格が消滅する段階。
現時点で確認できるKDDIの発表は、2026年8月19日に公表された解散・清算の方針です。レアゾンの公式沿革では全株式譲渡が記録されており、menuの公式サイトにはサービス終了のお知らせが掲載されています。
一方、解散登記の日付、清算人の氏名、清算結了日を具体的に示す新たな公式発表は、確認できる資料からは把握できません。
そのため、2026年11月3日時点で正確に表現するなら、「サービスは終了済み。menu株式会社の解散・清算もKDDIが決定しているが、法的な清算結了まで完了したかは別途確認が必要」となります。
「menu株式会社はすでに消滅した」と断定することは、解散と清算結了を混同することになります。会社の法的な状態を確定するには、最新の商業登記や官報公告の確認が必要です。
【問い合わせ先】2026年11月以降、menuに連絡できる窓口はある?
サービス終了に伴い、menu株式会社は利用者、加盟店、配達員それぞれに専用の問い合わせ先を設けていました。
ただし、公式サイトに記載された問い合わせ受付期間は、いずれも2026年10月31日までです。現在は2026年11月3日のため、案内されていた通常の問い合わせ受付期間は終了しています。
2026年に案内された問い合わせ先各窓口の案内上の受付時間は、全日10時から19時まででした。これは2026年10月31日までの受付条件であり、11月以降も同じ窓口が対応していることを意味しません。
領収書や過去の注文履歴はどうなる?サービス終了後も、一定期間は過去の利用履歴や領収書を確認するための案内が設けられていました。
menu公式の終了告知によると、領収書の閲覧には2026年10月25日23時59分までにアプリをインストールする必要があり、閲覧期限は10月31日23時59分まででした。
したがって、11月3日時点では、この公式案内に基づく領収書閲覧期限も過ぎています。経費精算などで領収書が必要だった利用者にとっては、重要な確認期限でした。
注文に関する問い合わせ、返金、加盟店との契約、配達員への報酬などについて個別の事情がある場合は、過去の契約書類や決済明細などを保管しておくことも大切です。終了前に案内されていた窓口の受付期間を過ぎているため、連絡が必ず受理されるとは限りません。
【menu株式会社】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:menu株式会社は何をしていた会社ですか?
A1:飲食店の料理を注文・配達できるフードデリバリーと、店舗で商品を受け取れるテイクアウトのアプリ「menu」を運営していた会社です。2018年10月に設立されました。
Q2:menu株式会社の代表者は誰でしたか?
A2:2024年4月1日から代表取締役社長を務めたのは信田篤男氏です。KDDIで長年、通信・コンシューマー事業に携わった経歴があります。
Q3:menuのサービス終了日はいつですか?
A3:2026年9月30日です。通常注文は同日午後8時受付分まで、予約注文は9月23日午後8時受付分までと案内されていました。
Q4:menu株式会社はKDDIの完全子会社になったのですか?
A4:はい。2023年時点ではKDDIが50.6%、レアゾンが49.4%を保有する合弁体制でした。2026年にはレアゾン保有の全株式をKDDIへ譲渡する契約が締結され、レアゾンの公式沿革にも全株式譲渡が記載されています。
Q5:menu株式会社はすでに解散・清算が完了していますか?
A5:KDDIは2026年8月19日に解散・清算を決定し、サービス終了後に手続きを進める方針を発表しました。ただし、清算結了まで完了したことを示す具体的な公表情報は確認できず、会社の法的な消滅まで断定することはできません。
Q6:2026年11月現在、menuの問い合わせ窓口は利用できますか?
A6:公式サイトに案内されていた利用者・加盟店・配達員向けのメール問い合わせ受付は、2026年10月31日までです。11月3日時点では案内上の受付期間が終了しています。
Q7:menuが終了した理由は何ですか?
A7:KDDIは、フードデリバリー市場の競争環境の変化と今後の事業見通しを総合的に検討した結果、経営資源の最適配分の観点から終了を判断したと説明しています。
menu株式会社は、2018年10月に設立され、2019年のテイクアウト開始、2020年のデリバリー開始を経て事業を拡大した企業です。KDDIとレアゾン・ホールディングスの資本業務提携によって、通信・決済・会員基盤とフードデリバリーを組み合わせる事業戦略を進めてきました。
しかし、フードデリバリー市場の競争環境や将来の事業見通しを踏まえ、KDDIは2026年8月にサービス終了と運営会社の解散・清算を決定。menuは9月30日にサービス提供を終了し、レアゾンが保有していた全株式もKDDIへ譲渡されました。
今回の出来事から読み取れるのは、市場規模が大きいことと、個々の企業が継続的に利益を生み出せることは別問題だという点です。利用者、加盟店、配達員を同時に確保するフードデリバリー事業では、競争力と採算性の両立が欠かせません。
2026年11月3日現在、サービス終了は確定した事実です。一方、menu株式会社の解散・清算については、KDDIの発表した方針と法的な手続きの完了を区別して理解する必要があります。今後、会社の最終的な状態を判断する際には、登記上の解散日や清算結了の公示が重要な確認事項になります。
menu株式会社の現在を正しく理解するには、「サービス終了」「KDDIによる完全子会社化」「会社の解散」「清算結了」という4つの出来事を混同せず、それぞれの進捗を把握することが大切です。