マイナンバーカードを持ち歩く必要性を考えるうえで、特に大きなポイントになるのが健康保険証としての利用です。
2025年12月1日をもって、従来の健康保険証はすべて有効期限を迎えました。加えて、期限切れの保険証を暫定的に利用できる取り扱いも2026年7月31日で終了しています。
2026年11月現在、医療機関や薬局の窓口で提示するものは、原則として次の2種類です。
- 健康保険証の利用登録をしたマイナンバーカード(マイナ保険証)
- マイナ保険証を利用しない人に交付される資格確認書
どちらも保険診療を受けるために使えますが、仕組みや利用できる機能は異なります。
| 比較項目 | マイナ保険証 | 資格確認書 |
|---|---|---|
| 基本的な仕組み | 健康保険証利用登録済みのマイナンバーカード | 保険資格を確認するための書類 |
| 医療機関での提示 | カードリーダーで本人確認 | 窓口に提示 |
| 医療情報の活用 | 本人の同意に基づき薬剤情報や診療情報などを参照可能 | マイナ保険証の情報連携機能は利用しない |
| 取得方法 | カード取得と健康保険証利用登録が必要 | 対象者には原則無償・申請不要で交付 |
| カードの携帯 | 受診時に必要。ただし対応施設ではスマホ利用も可能 | 交付された資格確認書を持参 |
| 向いている人 | デジタルでの本人確認や医療情報の活用を希望する人 | カードを使わず従来に近い方法で受診したい人 |
厚生労働省によると、マイナンバーカードを取得していない人、健康保険証利用登録をしていない人、利用登録を解除した人、電子証明書の有効期限が切れた人などには、資格確認書が原則として申請不要で交付されます。
高齢者や障害のある人など、マイナンバーカードでの受診が難しい事情がある場合には、申請によって資格確認書を交付してもらえる仕組みもあります。
つまり、マイナ保険証を利用しない人が、医療機関を受診できなくなるわけではありません。資格確認書という代替手段が用意されていることは、カードの携帯に不安がある人にとって知っておきたいポイントです。
なお、マイナ保険証には、本人の同意を前提として過去の薬剤情報や診療情報を医師・薬剤師が確認できるメリットがあります。情報を共有することで、重複投薬の防止や、より適切な診療につながる可能性があります。
【スマートフォン対応】カードを持たずに受診できる?iPhone・Androidの最新状況

2026年のマイナンバーカードをめぐる大きな変化が、スマートフォンへの機能搭載です。
以前は実物のカードを持ち歩くことが基本でしたが、現在は対応するスマートフォンにマイナンバーカードの機能を追加し、行政手続きや医療機関で利用できるようになっています。
iPhoneのマイナンバーカードデジタル庁は、2025年6月24日からiPhoneのマイナンバーカードの提供を開始しました。
Appleウォレットにカードの機能を追加することで、対応するサービスで本人確認に利用できます。Face IDやTouch IDなどの生体認証を利用できる点も特徴です。
iPhoneに追加した情報は安全な領域に保存され、医療情報や銀行口座などの機微情報がそのまま格納されるわけではありません。
iPhoneを紛失した場合には、マイナンバー総合フリーダイヤルで一時停止を依頼できるほか、Appleの「探す」機能を使った対応も案内されています。
AndroidのマイナンバーカードAndroidでは、2023年5月からスマートフォン用電子証明書のサービスが提供されていました。
加えて、2026年10月20日から「Androidのマイナンバーカード」への刷新が始まりました。従来の電子証明書を使った機能に加えて、対面での本人確認など、利用できる機能が拡大しています。
iPhoneとAndroidでは、利用できる機能や対応するサービスに違いがあるため、スマートフォンを設定しただけですべての場面に対応できるわけではありません。
スマホだけでマイナ保険証として受診できる?厚生労働省は、2025年9月19日から、準備が整った医療機関や薬局でスマートフォンによるマイナ保険証の受付を順次開始しています。
利用するには、健康保険証利用登録済みのマイナンバーカードをスマートフォンに追加し、必要な設定を済ませておく必要があります。
ここで注意したいのが、すべての医療機関・薬局がスマートフォンでの受付に対応しているわけではないという点です。
スマートフォンをマイナ保険証として利用できない施設では、実物のマイナンバーカードを提示する必要があります。デジタル庁も、実物のカードしか対応していない場面に備えて、カードを保管しておくよう案内しています。
したがって、スマートフォンを設定したからといって、実物のカードを完全に手放せるわけではありません。
また、スマートフォンのマイナンバーカードは、マイナ免許証とは別の機能です。スマートフォンにマイナンバーカードを追加しても、それだけで運転免許証の代わりになるわけではありません。
【紛失したらどうする?】0120-95-0178で利用停止する手順と再発行方法
マイナンバーカードを持ち歩く場合、事前に覚えておきたいのが紛失時の対応です。
カードを落としたり盗まれたりした場合、最初に行うべきなのは、カードの一時利用停止です。紛失に気づいたら、カードが見つかるまで待つのではなく、速やかに連絡しましょう。
マイナンバー総合フリーダイヤル
0120-95-0178
音声ガイダンス「2番」:紛失・盗難による一時利用停止
通話料無料・年中無休
カードだけでなく、電子証明書を搭載したスマートフォンの紛失・盗難も対象です。
通常のお問い合わせには平日・土日祝日の受付時間が設定されていますが、紛失や盗難による一時利用停止は24時間365日受け付けています。
マイナンバーカードを紛失したときの4つの手順
① フリーダイヤルに電話する
0120-95-0178に電話し、音声ガイダンスの2番を選択します。カードの一時利用停止を依頼してください。
② 警察に遺失届・盗難届を提出する
外出先で紛失した場合は、警察に届け出て、受理番号を控えておきます。
③ 市区町村の窓口に相談する
住民登録している自治体の窓口で、カードの廃止や再交付に必要な手続きを確認します。
④ 新しいカードを申請する
再交付を希望する場合は、自治体の案内に従って申請します。紛失したカードは廃止手続きが必要です。
自宅で紛失して警察に遺失届を出せない場合は、再発行の手続き時に自治体へ事情を伝えてください。
また、紛失したカードが後から見つかった場合でも、利用停止したカードをそのまま使えると判断してはいけません。自治体に連絡し、利用再開や廃止に関する手続きを確認しましょう。
紛失しても過度に慌てなくてよい理由カードをなくした場合、第三者に悪用される可能性が完全にゼロになるわけではありません。しかし、顔写真による本人確認や暗証番号のロック機能など、複数の安全対策があります。
また、カードを停止することで、電子証明書などの機能を利用できない状態にできます。重要なのは、紛失したカードを放置しないことです。
スマートフォンにマイナンバーカードを追加している場合も、端末を紛失したら同じフリーダイヤルで一時停止を依頼できます。
【プロの結論】マイナンバーカードを毎日持ち歩く人・自宅保管が向いている人
ここまでの制度や安全性を踏まえると、携帯するかどうかは、生活スタイルと利用頻度によって判断するのが合理的です。
毎日持ち歩くメリットが大きい人- マイナ保険証を日常的に利用している人
- 通院や薬局の利用が多い人
- 本人確認書類を提示する機会が多い人
- コンビニで住民票などの証明書を取得する人
- 行政サービスやオンライン手続きを頻繁に利用する人
こうした人にとって、必要なときにカードを取り出せることは大きな利点です。特に、スマートフォンでの受付に対応していない医療機関を利用する可能性がある場合は、実物のカードを携帯する安心感があります。
必要なときだけ持ち歩くほうがよい人- マイナ保険証をほとんど利用しない人
- 資格確認書を使って受診している人
- カードを提示する行政手続きが少ない人
- 財布やバッグを紛失しやすく、貴重品の管理に不安がある人
- 本人確認書類を必要とする予定がない人
資格確認書を利用している場合、健康保険証の代わりにマイナンバーカードを毎日持ち歩く必要はありません。必要な手続きがあるときにだけ持ち出す方法も選択できます。
安全に持ち歩くための5つの管理方法カードを携帯する場合は、次のポイントを意識してください。
- 財布やカードケースの決まった場所に収納する:出し入れする場所を固定して、置き忘れを防ぐ。
- 暗証番号を書いた紙を一緒に入れない:カードと暗証番号を同時に第三者に渡さない。
- カードの裏面を不用意に見せない:12桁の番号や券面情報を写真・SNSなどで公開しない。
- 利用後はすぐに収納する:医療機関や行政窓口で提示した後、置き忘れがないか確認する。
- 紛失時の連絡先を保存する:0120-95-0178をスマートフォンの連絡先などに登録しておく。
カードを保管する場合も、家族や第三者が簡単に持ち出せない場所に置き、暗証番号をカードと一緒に管理しないことが基本です。
【プロの結論】持ち歩くかどうかより、紛失後に対応できる準備が大切マイナンバーカードは、ICチップに税金や年金、病歴などが丸ごと保存されているカードではありません。12桁の番号を見られただけで、直ちに個人情報を抜き取られる仕組みでもありません。
その一方で、顔写真付きの本人確認書類であり、医療や行政手続きに使う重要なカードであることも事実です。紛失すれば一時停止や再発行の手間が生じます。
そのため、専門的な観点からは、次の3点を判断基準にすることをおすすめします。
- 利用頻度:毎日使うなら携帯、利用予定が少ないなら自宅保管。
- 代替手段:資格確認書や対応済みのスマートフォンがあるか確認する。
- 管理能力:紛失に気づいたらすぐ停止できるよう、連絡先と手順を把握しておく。
カードを持ち歩くことが危険だから避ける、あるいは便利だから必ず携帯するという二者択一ではありません。自分の生活に必要な範囲で活用し、管理できる方法を選ぶことが、2026年の現実的な付き合い方です。
【マイナンバーカードを持ち歩くこと】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マイナンバーカードは毎日持ち歩かなければいけませんか?
A1:いいえ。一般的な常時携帯義務はありません。マイナ保険証や本人確認などで必要な場合に持ち歩けばよく、利用予定がなければ自宅で保管しても問題ありません。
Q2:マイナンバーの12桁を他人に見られたら悪用されますか?
A2:12桁の番号を知られただけで、税金や年金、銀行口座、医療情報などを取得されることはありません。ただし、番号や券面情報をSNSなどに公開することは避けてください。
Q3:マイナンバーカードを紛失した場合、どこに連絡すればよいですか?
A3:マイナンバー総合フリーダイヤル0120-95-0178に電話してください。音声ガイダンスの2番で、24時間365日、一時利用停止を依頼できます。その後、警察への届出と自治体での再交付手続きを進めます。
Q4:マイナ保険証を使わない場合もカードを持ち歩く必要がありますか?
A4:必ずしも必要ありません。資格確認書を持っていれば、マイナ保険証を利用しなくても保険診療を受けられます。
Q5:スマートフォンがあれば実物のマイナンバーカードは不要になりますか?
A5:2026年11月現在、完全な代替にはなっていません。スマートフォンのマイナンバーカードやマイナ保険証に対応していない窓口や施設では、実物のカードが必要になるためです。
Q6:マイナンバーカードのICチップには医療情報が入っていますか?
A6:医療情報や税金、年金などの機微情報がそのまま保存されているわけではありません。医療機関では、本人確認と本人の同意に基づく情報連携の仕組みを通じて必要な情報を参照します。
2026年11月現在、マイナンバーカードには一般的な常時携帯義務はありません。しかし、マイナ保険証や本人確認、行政手続き、コンビニでの証明書取得など、日常生活で活用できる機会は増えています。
デジタル庁が公表する安全対策では、ICチップの暗証番号保護や不正読み取り対策、券面の偽造防止などが整備されています。12桁のマイナンバーを見られただけで、個人情報が直ちに漏れるわけでもありません。
一方、紛失や盗難への備えは欠かせません。万が一のときは0120-95-0178で一時利用停止を依頼し、警察と自治体で必要な手続きを行いましょう。
スマートフォンでの利用も広がっていますが、対応していない施設では実物のカードが必要です。マイナ保険証を利用する人は携帯のメリットが大きく、資格確認書を利用する人は必要なときだけ持ち出す方法もあります。
「毎日必ず持ち歩く」でも「絶対に自宅から出さない」でもなく、自分の利用目的に合わせて携帯方法を選ぶこと。それが、マイナンバーカードを便利かつ安全に使うための最も現実的な判断です。
主な情報源:デジタル庁「マイナンバーカードの安全性」「マイナンバーカードとは」「スマートフォンのマイナンバーカード」、厚生労働省「マイナンバーカードの健康保険証利用」「資格確認書について」、マイナンバーカード総合サイト「紛失・一時停止/セキュリティ」。