愛知県稲沢市の尾張大國霊神社(国府宮)で行われる「国府宮はだか祭」。ふんどし姿の男性たちが神男を目指して激しくもみ合う勇壮な神事として知られていますが、実は2024年から女性も一部の神事に参加できるようになっています。2026年も女性団体による参加が認められ、午前9時から11時までの「なおい笹奉納」に、着衣のうえ団体名入りの半纏などを着用して参加する形が設けられました。
ただし、女性なら誰でも参加できるわけではありません。午後に行われる裸男のなおい笹奉納や、神男を中心とした激しいもみ合いは女性の参加対象外です。2026年の開催日は3月1日(日)で、すでに神事は終了しています。神社の公式手引き、稲沢市の開催情報、当日の報道をもとに、女性参加の条件や服装、奉納ルート、女人禁制とされてきた背景まで詳しく解説します。
【2026年最新】国府宮はだか祭に女性は参加できる?答えは「笹奉納なら可能」

結論からいえば、国府宮はだか祭では女性も参加できます。ただし、参加できるのは女性団体による「なおい笹奉納」という神事です。
従来の国府宮はだか祭は、男性が下帯姿でなおい笹を奉納し、神男を中心とするもみ合いに参加する姿が象徴的でした。そのため、女性が祭りに参加するというイメージを持つ人は少なかった可能性があります。
しかし、2024年から女性団体にも笹奉納への参加が認められています。2025年11月27日には、尾張大國霊神社が「国府宮はだか祭 女性団体参加(笹奉納)の手引き」を公表。2026年の参加についても、時間や服装、安全面に関する具体的なルールが示されました。
女性が参加できる行事と参加できない行事最も重要なのは、女性の参加が祭り全体に拡大されたわけではないという点です。
女性団体が参加できるのは、願い事を書いた布を結び付けた「なおい笹」を拝殿に奉納する神事です。一方、午後から行われる裸男のなおい笹奉納や、神男を取り囲む激しいもみ合いには参加できません。
つまり、女性が祭りの正式な神事に加われるようになったものの、男性の裸祭参加者と同じ役割を担う制度ではないのです。
この違いを整理すると、次のようになります。
- 女性団体による午前中のなおい笹奉納:参加可能
- 着衣での参加:必須
- 団体名入りの半纏などの着用:必要
- 午後の裸男によるなおい笹奉納:参加不可
- 神男を中心とするもみ合い:参加不可
なお、女性が見物や一般参拝をすることと、神事の参加者として奉納に加わることは別です。女性も参拝者として神社を訪れることはできます。
【2026年の参加条件】女性の服装・時間・なおい笹奉納ルートを解説
女性団体が参加する場合、神社が公表した手引きに従う必要があります。特に注意したいのが、奉納時間、服装、奉納する場所、移動方法の4点です。
1.奉納時間は午前9時から11時まで2026年の女性団体によるなおい笹奉納は、午前9時から午前11時までと定められています。
これは拝殿への奉納時間です。午後から始まる男性参加者の行事とは時間帯が明確に分けられています。
一般的な見物客が注目する午後のもみ合いと、女性団体の奉納を同じ時間帯の行事として考えないようにしましょう。
2.服装は着衣が基本、団体名入りの半纏などを着用女性参加者は、服を着た状態で奉納に加わります。神社の手引きには、団体名が明記された半纏などを着用するよう記載されています。
男性の裸男と同じように下帯姿になる必要はありません。女性の参加は、あくまで着衣による笹奉納です。
また、団体名の表示は参加団体を識別するうえでも重要です。半纏を準備する場合は、団体名が分かる状態になっているかを事前に確認しておきましょう。
3.奉納ルートは第二鳥居から拝殿まで奉納ルートについても、神社は具体的な範囲を示しています。
女性団体のなおい笹奉納は、原則として第二鳥居から拝殿までです。各地域から公道を練り歩くことは推奨されていません。
第二鳥居までの移動手段は参加者側で手配し、駐車場所なども各自で確保する必要があります。
公道を使用する場合には、参加団体が警察署へ道路使用許可申請書を提出します。代表者は許可証の交付や説明会に出席し、警察から示される注意事項を守らなければなりません。
4.なおい布は神社の授与所で受けられるなおい笹に結び付ける「なおい布(笹用布)」は、国府宮の授与所で受けることができます。
神社の女性団体向け手引きでは、なおい布について、できるだけ国府宮の授与品を使用するよう案内されています。手引きに記載された初穂料は1枚500円です。
なおい布には厄除けや願いを託す意味があります。奉納する笹と布を準備する際は、神社の案内に沿って手配することが大切です。
女性団体の参加条件一覧| 確認項目 | 2026年の公式案内 | 注意点 |
|---|---|---|
| 参加対象 | 女性団体 | 個人参加の受付方法は手引きに明記されていない |
| 奉納時間 | 午前9時~11時 | 拝殿への奉納時間 |
| 服装 | 着衣・団体名入りの半纏など | 裸男と同じ装束ではない |
| 奉納場所 | 第二鳥居から拝殿まで | 原則としてこの範囲 |
| 公道の使用 | 道路使用許可申請が必要 | 代表者は許可証交付・説明会に出席 |
| なおい布 | 神社授与所で授与 | 手引き記載の初穂料は1枚500円 |
| 午後の奉納・もみ合い | 女性の参加不可 | 神男を中心とする行事には加われない |
以上が、神社の公式手引きに示された主な参加条件です。なお、2026年の案内は2025年11月27日に公表されたものです。翌年以降も同じ条件が適用されるとは限らないため、参加を検討する場合は年度ごとの手引きを確認してください。
【女人禁制はなぜ変わった?】国府宮はだか祭の女性参加が実現した経緯
国府宮はだか祭の女性参加を理解するには、単に「女人禁制が解禁された」という言葉だけでは不十分です。実際には、女性側からの参加希望と、神社・関係者による協議を経て、神事の一部に参加できる仕組みが生まれました。
2023年、地元の女性団体から参加希望が寄せられる東海テレビの2025年3月の報道によると、女性参加への動きが具体化したのは2023年です。
一宮市の女性たちを中心としたチーム「縁友会」は、女性も祭りに参加したいという思いから、2023年に国府宮神社と神男OBの会に参加希望を伝え、話し合いを始めました。
チームの活動を支えた玉腰厚子さんも、女性が祭りに参加したいという思いを形にするために動いた関係者の一人です。
これまで女性は、厄除けの願いを書いた布を笹に結び付けることはできても、祭りの奉納行事に参加する立場ではありませんでした。女性側からの申し出が、従来の参加方法を見直すきっかけになったのです。
2024年、女性団体による笹奉納が実現2023年11月には、翌年から女性がなおい笹奉納に参加する方針が報じられました。そして2024年、女性団体による奉納が実現します。
重要なのは、神社が女性に男性と同じ装束や参加方法を求めたわけではないことです。安全面を考慮し、着衣での参加と男性とは異なる時間帯での奉納という形が採用されました。
神社側が説明した「女性が参加できなかった」背景東海テレビの取材では、国府宮神社の角田成人権禰宜が、神社として女性の参拝や参加を一律に禁止すると発表していたわけではないと説明しています。
背景にあったのは、荒々しく危険な祭りというイメージです。激しいもみ合いが行われるため、女性や子どもは危ないから近づかない方がよいという認識が一般に広がっていたとされています。
ここから分かるのは、国府宮の女性参加問題が、単純な宗教上の禁止事項だけで説明できるものではないということです。祭りの安全性、伝統的な参加形態、地域社会の意識など、複数の要素が関係していました。
2025年には約240人、7団体が参加2025年の東海テレビ報道では、女性参加者は少なくとも7団体、約240人に上ったと紹介されています。
参加者の背景も一様ではなく、板金工として働く人やXジェンダーの人など、多様な人々が祭りに加わったことが伝えられました。
女性参加は一部の人だけの特別な試みではなく、地域の祭礼に参加したいという意思を持つ人々の活動として広がっていったのです。
女性参加の経緯と祭りの変化を年表で整理| 時期 | 出来事 | 意味・背景 |
|---|---|---|
| 767年 | 儺追神事の起源 | 称徳天皇の勅命による悪疫退散の祈祷に由来 |
| 江戸時代末期 | 現在につながる裸男のもみ合いが形成 | 裸参りの風習などが融合 |
| 2023年 | 縁友会などが女性参加を希望 | 神社や神男OBの会との協議が始まる |
| 2024年 | 女性団体の笹奉納が実現 | 一部神事への女性参加が認められる |
| 2025年 | 7団体、約240人が参加 | 女性参加が広がったことを報道各社が紹介 |
| 2025年11月27日 | 女性団体参加の公式手引きを公表 | 2026年に向けた時間・服装・ルートなどを明文化 |
| 2026年3月1日 | 令和8年の儺追神事を開催 | 女性の笹奉納参加も確認された |
女性参加の歴史を振り返ると、伝統を全面的に変更したのではなく、祭りの中心的な神事を維持しながら、参加できる範囲を段階的に広げてきたことが分かります。
【2026年3月1日の実態】女性参加と神男のもみ合いはどう違った?
2026年の国府宮はだか祭は、3月1日(日)に愛知県稲沢市の尾張大國霊神社で開催されました。稲沢市の公式開催情報でも、同日を令和8年の開催日として案内しています。
祭りの正式名称は「儺追神事(なおいしんじ)」。一般に知られるはだか祭は、この神事の一環として行われます。
2026年も女性の法被姿が見られた2026年3月1日の報道では、なおい笹奉納に参加する女性の姿が確認されています。鉢巻きを結び、法被を着た女性たちが参加しており、2024年に始まった女性団体の参加が2026年にも続いていることが分かります。
ただし、2025年の約240人という数字を2026年の参加人数として扱うことはできません。2026年の報道では女性参加者の具体的な総数までは示されていません。
神男を中心とするもみ合いは男性参加者の神事国府宮はだか祭の最大の見どころは、神男(しんおとこ)を中心に繰り広げられる激しいもみ合いです。
神男の正式な呼称は「儺負人(なおいにん)」。神籤によって選ばれ、祭りの中心的な役割を担います。人々が神男に触れることで厄を落とせるという信仰があり、裸男たちは神男に触れようと一斉に集まります。
2026年の神男には、国府宮神社の2月18日付の公式発表で、木村勇樹さん(一宮市大和町)が選ばれたことが公表されました。
千葉日報が配信した当日の報道によると、3月1日午後5時10分ごろに神男が参道に現れ、約1万人の参加者が神男を目指して激しくもみ合いました。
この場面こそ、従来のはだか祭を象徴する光景です。ただし、女性団体の参加はこのもみ合いには及びません。午前中の笹奉納と午後の神男を中心とした行事は、参加者も役割も異なります。
なおい笹奉納には男女共通の祈願の意味があるなおい笹には、厄除けや無病息災などの願いが込められています。
国府宮の公式案内では、裸になることができない老若男女も、願いを込めた笹用布を笹に結び付け、裸男や子どもたちなどを通じて奉納できると説明しています。
つまり、笹奉納は男性だけのものではありません。女性も祈願を託すことができ、その参加方法が2024年から団体による奉納という形で広がったのです。
【誤解を解消】女性は一人でも参加できる?女人禁制は完全になくなった?
女性参加が認められたというニュースだけを見ると、女性も男性と同じように祭り全体へ参加できるようになったと受け取る人もいる可能性があります。しかし、実際の制度には明確な区分があります。
誤解1:女性なら誰でも当日参加できる神社の2026年向け手引きは、女性団体を対象にした参加案内です。参加したい女性が当日個人で訪れれば、そのまま奉納に加われるという内容ではありません。
また、個人参加の申し込み方法や、個人を団体に編入する手続きについても、同手引きには具体的な記載がありません。
一人で参加を希望する場合は、参加団体への加入や神社への事前相談など、受け入れ方法を確認する必要があります。
誤解2:女性も午後のもみ合いに参加できるこれは誤りです。公式手引きには、午後からの裸男によるなおい笹奉納と、神男を中心とするもみ合いについて、女性は参加できないと明記されています。
女性の参加が認められたのは、午前中の笹奉納です。祭りの中心的なもみ合いまで男女共通になったわけではありません。
誤解3:女性の参加が認められたことで女人禁制が全面撤廃されたこれも正確ではありません。
今回の変化は、女性団体による特定の神事への参加が認められたというものです。女性が参加できる範囲には、時間、服装、奉納場所などの条件があります。
加えて、神社関係者の説明によれば、もともと神社が女性の来訪を一律に禁止していたと発表していたわけではありません。荒々しい祭りというイメージから、女性や子どもは近づかない方がよいという認識が定着していた側面があります。
したがって、「女人禁制が全面解禁された」という表現よりも、「女性団体によるなおい笹奉納への参加が認められた」と説明する方が実態に即しています。
女性が参加を考える場合の判断基準実際に参加を希望する場合、次のような点を事前に整理しておくとよいでしょう。
- 女性団体として参加できる体制があるか。
- 午前9時から11時までの奉納時間に参加できるか。
- 団体名入りの半纏などを準備できるか。
- 第二鳥居までの交通手段や駐車場所を確保できるか。
- 必要な道路使用許可や説明会への対応ができるか。
- 午後のもみ合いには参加できないというルールを理解しているか。
これらの条件を満たせない場合でも、一般参拝やなおい布による祈願という方法があります。祭りへの関わり方は、神事への参加だけではありません。
【プロの結論】女性参加で変わる国府宮はだか祭の伝統と今後
国府宮はだか祭の女性参加は、伝統を否定する動きではなく、長く受け継がれてきた神事に新しい参加の形を加えたものです。
約1250年の歴史を持つ儺追神事は、奈良時代の767年、称徳天皇の勅命による悪疫退散の祈祷に由来すると伝えられています。現在のような裸男のもみ合いが形成されたのは江戸時代末期とされ、祭りの姿そのものも時代とともに変化してきました。
今回の女性参加も、その長い変化の一つとして捉えられます。
伝統を守ることと参加者を広げることは両立する祭りの継承には、神事の意味を次の世代へ伝えることが欠かせません。その一方で、地域の人々が祭りに関わる機会を確保することも重要です。
女性団体による笹奉納は、男性の裸男や神男を中心とする神事をそのまま置き換えるものではありません。奉納時間を分け、着衣を基本とし、移動範囲や安全面のルールを設けることで、異なる参加形態を成立させています。
ここには、伝統を維持するために参加の入口を増やすという考え方があります。
女性参加を希望する人が確認すべきことこれから参加を検討する人にとって、最も大切なのは、女性参加が可能という情報だけで判断しないことです。
女性団体としての参加が前提であること、奉納時間が午前中に限られること、服装や奉納ルートに指定があることを理解しておく必要があります。
特に2026年の手引きは2025年11月に公表された年度別の案内です。次回以降は開催日や運営方法、参加条件が変更される可能性があります。次の参加を考える場合は、尾張大國霊神社の公式案内で最新の手引きを確認するのが確実です。
【国府宮神社のはだか祭と女性参加】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:国府宮はだか祭に女性は一人でも参加できますか?
A1:2026年の公式手引きでは、女性団体による参加が案内されています。個人参加の受付方法は明記されていないため、一人で参加を希望する場合は、神社に事前に問い合わせて受け入れ方法を確認してください。
Q2:女性の参加時間は午前9時から11時までですか?
A2:はい。2026年の女性団体によるなおい笹奉納は、午前9時から11時までです。これは拝殿への奉納時間であり、午後の男性参加者による奉納とは時間が分けられています。
Q3:女性もふんどし姿で参加したり、神男のもみ合いに入ったりできますか?
A3:できません。女性は着衣のうえ、団体名入りの半纏などを着用して参加します。午後の裸男による奉納と神男を中心とするもみ合いも参加対象外です。
Q4:女性参加のときに必要な服装は何ですか?
A4:着衣が基本で、団体名が明記された半纏などを着用します。男性の裸男と同じ下帯姿になる必要はありません。
Q5:なおい笹に付ける布はどこで購入できますか?
A5:国府宮の授与所で笹用のなおい布を受けることができます。2026年向け手引きに記載された初穂料は1枚500円です。
国府宮はだか祭では、2024年から女性団体によるなおい笹奉納が認められ、2026年もその参加が続きました。
2026年の公式案内では、女性の参加時間は午前9時から11時まで。服を着た状態で団体名入りの半纏などを着用し、原則として第二鳥居から拝殿までの範囲で奉納します。
一方、午後の裸男による奉納や、神男を中心とした激しいもみ合いには参加できません。女性参加が認められたからといって、祭りのすべての行事が男女共通になったわけではないのです。
女性の参加を実現させた背景には、2023年から始まった地域の女性たちの働きかけと、神社や関係者との話し合いがありました。伝統を守りながら参加の機会を広げるという取り組みは、国府宮はだか祭の新しい歴史として位置付けられます。
2026年の祭りは3月1日に終了しています。次回の参加を希望する人は、最新の女性団体向け手引き、奉納時間、服装、参加手続きを尾張大國霊神社の公式発表で確認してください。
女性も祭りの担い手として祈願を奉納できるようになったこと。それこそが、国府宮はだか祭における大きな変化です。
主な根拠資料: 尾張大國霊神社「女性団体参加(笹奉納)の手引き」、稲沢市「令和8年国府宮はだか祭開催情報」、神社公式「令和八年 神男決定」、東海テレビの女性参加経緯に関する報道、2026年3月1日の当日報道。