顔の部位の名前を知りたいとき、額・眉・目・鼻・口・頬・顎といった大きなパーツだけでなく、「目頭と目尻はどこが違う?」「人中とはどの部分?」「頬骨と頬は同じもの?」と迷うことも少なくありません。日常会話で使う呼び方と、医学・解剖学で使われる名称には違いがあるため、位置と意味をセットで覚えると理解しやすくなります。
この記事では、2026年時点で一般に使われる顔の部位名前を一覧にまとめ、目・鼻・口・眉毛・まぶた・こめかみ・人中・顎などの細かな名称を解説します。日本解剖学会の公開用語や厚生労働省の人体各器官名称、日本眼科医会の解説なども参考に、英語表現や間違えやすい用語の違いまで整理しました。
【顔の部位名前を上から解説】まずは顔全体の位置を把握しよう

顔の部位は、額から顎に向かって上から順に確認すると覚えやすくなります。顔の部位図を見るときも、顔の中央にある目・鼻・口を基準にすると、周辺の名称との位置関係をつかみやすくなります。
正面から見た顔の部位を、上から順に整理すると次のようになります。
- 額の周辺:額(おでこ)、生え際、眉間、こめかみ
- 眉と目の周辺:眉頭、眉山、眉尻、上まぶた、下まぶた、目頭、目尻、まつ毛
- 鼻の周辺:鼻根、鼻背、鼻尖、鼻翼、鼻の穴、鼻柱
- 口の周辺:人中、鼻唇溝、上唇、下唇、口角、口裂
- 顔の側面:頬、頬骨、耳の前の部分、こめかみ
- 顔の下部:顎先、オトガイ、下顎の輪郭、オトガイ唇溝
ここで押さえたいのは、顔の表面に見える部分と、その下にある骨や内部構造は必ずしも同じ名称ではないという点です。例えば、頬は皮膚や皮下組織を含む顔の領域ですが、頬骨はその奥にある骨を指します。同様に、顎先と下顎骨も、厳密には同じ意味ではありません。
また、「顔の部位の正式名称」といっても、すべての部位に日常語とは異なる一つの名称があるわけではありません。一般用語と解剖学用語が共通しているものもあれば、位置や構造を細かく区別するために専門的な名称が使われるものもあります。
【目・眉毛・まぶたの名前一覧】目頭と目尻の違いも解説
顔の中でも、目の周辺は細かな名称が多い部分です。眉毛の形を説明するとき、アイメイクの位置を伝えるとき、写真やイラストの描き方を確認するときなどに、それぞれの名称を知っていると便利です。
目頭は目の鼻側にある端、目尻は耳側にある端です。左右どちらの目でも、この位置関係は変わりません。
目の周辺の主な名称- 眉頭(まゆがしら):眉毛の内側の端。鼻に近い部分です。
- 眉山(まゆやま):眉毛の輪郭が最も高くなる部分です。位置や形には個人差があります。
- 眉尻(まゆじり):眉毛の外側の端。こめかみに近い部分です。
- 眉間(みけん):左右の眉毛の間にある部分です。
- 上まぶた:眼球の上側を覆うまぶたです。解剖学では上眼瞼(じょうがんけん)と呼びます。
- 下まぶた:眼球の下側を覆うまぶたです。解剖学では下眼瞼(かがんけん)と呼びます。
- まつ毛:まぶたの縁に生えている毛です。医学用語では睫毛(しょうもう)と表記します。
- 目頭(めがしら):左右の目それぞれの内側の端。専門用語では内眼角(ないがんかく)といいます。
- 目尻(めじり):左右の目それぞれの外側の端。専門用語では外眼角(がいがんかく)といいます。
- 涙丘(るいきゅう):目頭の内側に見える、ピンク色をした小さな盛り上がりです。
目頭と目尻を区別するときは、顔の左右ではなく、鼻に近いか耳に近いかで判断するのが確実です。目頭の近くには涙丘があり、目尻はこめかみ側に位置します。目の端を表す「目頭・目尻」と、まぶたの内側にある涙丘などの構造は、別の部位です。
眼球そのものの名称も知っておこう目の周辺には、まぶたやまつ毛だけでなく、眼球の表面や内部にも名前があります。日本眼科医会の「目の仕組みとはたらき」では、眼球の壁や内部構造、眼球を支える付属器などが区別されています。
- 角膜(かくまく):眼球の前面にある透明な組織です。
- 虹彩(こうさい):一般に茶目などと呼ばれる、瞳孔の周囲にある色のついた部分です。
- 瞳孔(どうこう):虹彩の中央にある光の通り道です。一般に「瞳」と表現されることがありますが、虹彩とは異なります。
- 強膜(きょうまく):眼球の外壁を構成する丈夫な膜で、俗に白目と呼ばれる部分の基盤となります。
- 結膜(けつまく):まぶたの裏側や眼球の前面の一部を覆う膜です。
- 眼窩(がんか):眼球が収まっている、頭蓋骨のくぼみです。
特に混同しやすいのが虹彩と瞳孔です。虹彩は色のついた部分、瞳孔はその中央にある開口部を指します。写真の目を説明するときも、この違いを知っていれば、より正確に位置を伝えられます。
【顔の部位名前一覧表】日常語・正式名称・英語を比較
顔の部位の名前をまとめて確認したい人向けに、主要なパーツを一覧にしました。日常会話で使う呼び方、解剖学や医療の文脈で使われる名称、対応する英語を比較できます。
日本解剖学会が公開する解剖学用語では、額、こめかみ、上眼瞼、下眼瞼、鼻背、鼻尖、人中、頬、オトガイなどが整理されています。以下は、その用語体系や医療分野の一般的な表現を踏まえた実用的な一覧です。
| 部位 | 日常的な呼び方 | 専門的な名称・補足 | 英語 |
|---|---|---|---|
| 顔 | 顔 | 顔面 | Face |
| 額 | おでこ | 額(ひたい) | Forehead |
| 眉間 | 眉と眉の間 | 眉間部 | Glabella / Between the eyebrows |
| こめかみ | こめかみ | 側頭部の前方 | Temple |
| 眉毛 | 眉毛 | 眉 | Eyebrow |
| 目頭 | 目の内側の端 | 内眼角 | Medial canthus |
| 目尻 | 目の外側の端 | 外眼角 | Lateral canthus |
| まぶた | 上まぶた・下まぶた | 上眼瞼・下眼瞼 | Upper eyelid / Lower eyelid |
| 鼻の付け根 | 鼻の根元 | 鼻根 | Root of the nose |
| 鼻筋 | 鼻筋 | 鼻背 | Bridge of the nose |
| 鼻先 | 鼻の先 | 鼻尖 | Tip of the nose |
| 小鼻 | 小鼻 | 鼻翼 | Ala of the nose |
| 頬 | ほっぺ | 頬 | Cheek |
| 頬骨 | 頬の高い部分の骨 | 頬骨 | Zygomatic bone / Cheekbone |
| 人中 | 鼻の下の溝 | 人中 | Philtrum |
| 鼻唇溝 | ほうれい線 | 鼻唇溝 | Nasolabial fold |
| 上唇・下唇 | 上くちびる・下くちびる | 上唇・下唇 | Upper lip / Lower lip |
| 口角 | 口の両端 | 口角 | Corner of the mouth |
| 顎先 | あごの先 | オトガイ(頤) | Chin |
| 顎 | あご | 文脈により下顎・下顎骨など | Jaw / Mandible |
この表で注意したいのは、「専門的な名称」と「日常語」が常に一対一で対応するわけではないことです。例えば、「鼻筋」は鼻背に相当することが多い一方、鼻の付け根から先端までの形状全体を指して使われる場合もあります。
また、「あご」は会話では顎先を意味する場合も、下顎全体を意味する場合もあります。美容やイラストの説明では「顎先」、骨格や医学の説明では「下顎骨」と使い分けると、伝えたい場所が明確になります。
【鼻の部位名前】鼻根・鼻背・鼻尖・鼻翼の位置と違い
鼻は顔の中央にあるため、位置を説明する際の基準になりやすいパーツです。一般に「鼻」と呼ぶ外側の部分は外鼻といい、鼻の内部にある空気の通り道である鼻腔とは区別されます。
日本解剖学会の用語や医学分野の解説では、外鼻の各部位を鼻根・鼻背・鼻尖・鼻翼などに分けて表現します。
- 鼻根(びこん):鼻の上部の付け根。左右の目の間から鼻筋へ移る部分です。
- 鼻背(びはい):一般に「鼻筋」と呼ばれる部分です。鼻根から鼻先へ続く背面を指します。
- 鼻尖(びせん):鼻の先端にあたる部分です。「鼻先」とも呼ばれます。
- 鼻翼(びよく):鼻の左右にある膨らんだ部分で、日常語では「小鼻」といいます。
- 外鼻孔(がいびこう):外部に開いている鼻の穴です。
- 鼻柱(びちゅう):左右の鼻の穴の間にある、鼻の下側の仕切りにあたる部分です。
- 鼻中隔(びちゅうかく):鼻腔を左右に分ける仕切りです。鼻の外側から見える部分とは異なり、内部の構造を指します。
特に間違えやすいのが鼻根と鼻尖です。鼻根は目と目の間に近い上側、鼻尖は鼻の最も前に突き出した先端側にあります。鼻背はその間をつなぐ鼻筋です。
「小鼻が広い」「鼻筋が通っている」「鼻先が丸い」といった表現を、位置に対応させると、それぞれ鼻翼・鼻背・鼻尖について述べていると理解できます。
ただし、鼻の穴の形を説明する場合は外鼻孔、左右の鼻腔を隔てる内部構造を説明する場合は鼻中隔というように、表面と内部を分ける必要があります。外見の説明と医学的な説明では、同じ「鼻」でも対象となる範囲が異なるためです。
【口・頬・頬骨・顎の部位名前】人中やほうれい線の位置も整理
口の周辺には、人中、鼻唇溝、口角、口裂、赤唇縁など、似ているようで異なる名称があります。頬や顎についても、皮膚表面の領域と、その下にある骨を区別すると理解しやすくなります。
口の部位の名前- 人中(にんちゅう/じんちゅう):鼻の下から上唇の中央に向かって縦に伸びる溝です。英語ではphiltrumといいます。
- 人中稜(にんちゅうりょう):人中の溝の左右にある、縦方向の盛り上がりです。
- 鼻唇溝(びしんこう):鼻の脇から口の両側へ向かって伸びる溝です。一般には「ほうれい線」と呼ばれます。
- 上唇(じょうしん):鼻の下にある上側の唇です。
- 下唇(かしん):口の下側にある唇です。
- 口角(こうかく):上唇と下唇が左右で合わさる口の端です。
- 口裂(こうれつ):上下の唇の間にある開口部です。
- 赤唇縁(せきしんえん):唇の赤みを帯びた部分と、その周囲の皮膚との境界です。
- オトガイ唇溝(おとがいしんこう):下唇と顎先の間にある横向きの溝です。
人中と鼻唇溝は、どちらも鼻の近くにありますが、位置も方向も異なります。人中は鼻の下から上唇中央へ伸びる縦の溝、鼻唇溝は鼻の脇から口の端に向かう左右の溝です。
「ほうれい線」は日常で広く使われる呼び方で、医学的な解剖学用語では鼻唇溝と呼ばれます。唇の形を細かく説明する際には、口角や赤唇縁といった名称も役立ちます。
額・おでこ・こめかみの位置- 額(ひたい):眉毛の上から髪の生え際までの、顔の上部にある領域です。日常語では「おでこ」と呼ばれます。
- 眉間(みけん):左右の眉毛の間にある領域です。
- こめかみ:目尻の外側から耳の前方にかけての側頭部の前側です。解剖学用語では側頭という名称も使われます。
- 生え際:額と頭髪の境界部分です。額そのものとは区別されます。
額とこめかみの違いは、顔の正面にあるか、側面にあるかで考えるとわかりやすくなります。額は眉毛の上側に広がる部分、こめかみはその外側で耳に近づく部分です。
頬・頬骨・顎の部位の違い- 頬(ほお・ほほ):目の下から口の横、顎の上側にかけて広がる顔の領域です。日常語では「ほっぺ」ともいいます。
- 頬骨(きょうこつ):頬の上部にある骨です。顔の横幅や頬の突出を形づくる骨格の一部です。
- 顎先(あごさき):顔の下端の中央にある、顎の先端部分です。
- オトガイ(頤):顎先にあたる顔の領域を指す解剖学的な名称です。
- 下顎(かがく):下側の顎を指す名称です。骨そのものを指す場合は「下顎骨」といいます。
- 下顎角(かがくかく):下顎骨の後方下側で、下顎の枝と本体が角をなす部分です。輪郭を説明するときに使われます。
頬と頬骨は同じではありません。頬は顔の表面の広い範囲、頬骨はその内部にある骨を指します。頬の高い位置に触れると骨の存在を感じられることがありますが、皮膚や皮下組織の厚さには個人差があるため、見た目だけで骨の位置を正確に判断できるとは限りません。
顎についても、「顎先」「下顎」「下顎骨」は区別して使うと正確です。美容やイラストの話で「顎を短く描く」といった場合は顎先の形や長さを指すことが多い一方、歯科や解剖学の文脈では下顎骨という骨格そのものを指す場合があります。
【プロの結論】顔の部位の正式名称と英語はどう使い分ける?
顔の部位名前を正しく使うコツは、単に専門用語を暗記することではありません。どの位置を指すのか、表面の領域なのか内部の構造なのか、どのような場面で使うのかを区別することです。
日常語と正式名称は、目的に応じて選ぶ普段の会話なら「おでこ」「小鼻」「ほっぺ」「鼻の下」といった呼び方で十分に伝わります。一方、医療、解剖学、美容のカウンセリング、イラストの作画指示などでは、具体的な名称を使うと認識のずれを減らせます。
- 日常会話:「目尻」「鼻筋」「小鼻」「顎先」など、直感的にわかる呼び方を使う。
- 医学・解剖学:「内眼角」「鼻背」「鼻翼」「下顎骨」など、対象の構造が明確になる名称を使う。
- 美容・メイク:「眉頭」「眉山」「涙丘」「口角」など、施術や化粧の対象となる位置を具体的に示す。
- イラスト・デザイン:「頬骨の位置」「人中の長さ」「鼻尖の形」など、形状を調整する対象を明確にする。
- 英語での説明:一般的な部位はforeheadやcheek、専門的な部位はmedial canthusやphiltrumなど、相手と目的に応じて選ぶ。
「正式名称を使えば必ず正しい」というわけでもありません。専門用語であっても、文脈によって指す範囲が異なることがあります。例えば「顎」は下顎全体を指す場合もあれば、顎先を指す場合もあるため、必要に応じて「顎先」「下顎骨」のように具体化するのが確実です。
英語では一般語と専門語の違いに注意顔の部位の英語は、日常的な単語と専門的な単語を組み合わせて覚えると実用的です。例えば、目頭はmedial canthus、目尻はlateral canthus、人中はphiltrum、鼻唇溝はnasolabial foldと表現できます。
一方、日常会話では「鼻筋」をbridge of the nose、「鼻先」をtip of the nose、「顎先」をchinと表すのが一般的です。顎の骨格を指す場合はmandible、顎全体を意味する場合はjawが使われます。
同じ日本語から複数の英語表現が考えられる場合は、何を説明したいのかを先に決めると選びやすくなります。外見を伝えるなら一般語、骨や組織の位置を説明するなら専門語という使い分けが基本です。
【顔の部位名前】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:顔の部位の名前には、どのようなものがありますか?
A1:代表的なものは、額、眉毛、目、鼻、口、頬、顎、耳などです。細かな名称として、眉頭、眉山、目頭、目尻、鼻根、鼻尖、人中、口角、頬骨、オトガイなどがあります。位置を上から順に覚えると整理しやすくなります。
Q2:目頭と目尻はどこが違いますか?
A2:目頭は鼻に近い目の内側の端で、専門用語では内眼角といいます。目尻は耳に近い目の外側の端で、専門用語では外眼角といいます。左右どちらの目でも、鼻側が目頭、耳側が目尻です。
Q3:人中とはどこのことですか?
A3:人中は、鼻の下から上唇の中央に向かって伸びる縦の溝です。英語ではphiltrumといいます。鼻の脇から口の横へ伸びる鼻唇溝(ほうれい線)とは別の部位です。
顔の部位名前は、額・眉・目・鼻・口・頬・顎という大きな分類から覚え、さらに目頭・目尻、鼻根・鼻尖、人中・口角、頬骨・オトガイといった細かな名称へ広げると整理しやすくなります。
日常で使う「おでこ」「小鼻」「ほっぺ」「ほうれい線」と、専門的な「額」「鼻翼」「頬」「鼻唇溝」は、同じ部位を指すことがあります。ただし、顎と顎先、頬と頬骨、虹彩と瞳孔のように、似ていても区別が必要な組み合わせもあります。
まずは顔の部位図を上から順に確認し、各部位の位置を覚えること。そのうえで、日常会話ではわかりやすい呼び方を、医療・美容・デザイン・英語での説明では目的に合った名称を選ぶことが、正確に伝えるための基本です。