防水ケースを選ぶときに見かける「IPX5」「IPX8」「IP68」。これらは見た目のグレード表示ではなく、国際規格IEC 60529や日本産業規格JIS C 60529に基づく保護等級の表記です。
一般財団法人電気安全環境研究所(JET)の説明では、IPコードは水や異物の侵入に対する保護性能を数字で示しています。
IPX5とIPX8の性能比較| 防水等級 | 保護内容 | 主な用途の目安 |
|---|---|---|
| IPX4 | あらゆる方向からの水の飛まつ | 水しぶき |
| IPX5 | あらゆる方向からの噴流水 | 水道水の噴流など |
| IPX6 | 強い噴流水 | 強い水しぶき |
| IPX7 | 一時的な水没に対する保護 | 規定条件下での浸水 |
| IPX8 | 継続的な潜水状態に対する保護 | 製造者が指定する水中条件 |
大きな違いは、IPX5は水を噴射する試験、IPX8は水に沈める試験を基準にしていることです。
IPX5は水しぶきや噴流水に対する保護を示しますが、水中に沈めて使えるという意味ではありません。
IPX8は継続的な潜水状態での保護を示します。ただし、水深や試験時間は製品ごとに製造者が指定する条件によって異なります。
IPX8とIP68も同じではないここも間違えやすいポイントです。
- IPX8:防水性能は等級8。防塵性能の等級は指定されていない
- IP68:防塵等級6、防水等級8
つまり、IP68は防塵性能も備えていることを表しています。
ダイソーの220円の浮くケースにはIP68、110円のスマートフォン防水ケースにはIPX8相当という表記があります。
ただし、IPX8という数字があれば、どの商品でも同じ水深・時間で使用できるわけではありません。ダイソーの110円商品についても、公式商品ページからは具体的な試験水深や試験時間までは読み取れません。
加えて、220円の浮くケースには水中使用を避ける注意事項があります。
防水等級の数字よりも、最終的には商品の使用上の注意とメーカーが認めている使用条件を優先してください。
【海・プール・お風呂】100均の防水ケースはどこまで使える?

防水ケースを購入する目的は人それぞれです。
海で写真を撮りたい人もいれば、プールサイドで連絡を確認したい人、お風呂で動画を見たい人もいます。
しかし、同じ水辺でも必要な保護性能は異なります。
海で使う場合:塩水と砂への対策が必要海での使用では、水だけでなく砂や塩分にも注意が必要です。
特に次のような使い方は避けてください。
- ケースを装着したまま海中に沈める
- 波が強い場所でスマホを持ち歩く
- 砂が付着したまま開口部を開ける
- ストラップだけを頼りにスマホを管理する
ダイソーの220円の浮くタイプは、水面に落としたときに沈みにくくする機能が特徴です。
ダイソーの公式企業サイトも、2024年8月6日の商品紹介で、ストラップから外れた場合にもケース本体が浮くため、スマホを見つけやすいという利点を説明しています。
ただし、浮くことは水中使用を保証するものではありません。公式の商品上の注意事項を優先し、遊泳中や水中での使用は避けましょう。
プールで使う場合:水面での落下対策と防水性能を分けて考えるプールサイドでスマホを使うなら、濡れた手での操作や水しぶきへの対策が中心になります。
生活防水タイプやIPX5の商品は、商品の指定する条件内で水しぶき対策として検討できます。
一方、プールに沈めて水中撮影をしたい場合は別です。
ダイソーの浮くタイプは、水に浮くという特徴だけで水中撮影用に選んではいけません。水中での使用が禁止されている商品もあるためです。
水中撮影が目的なら、水深や使用時間が明確に指定された専用の防水ハウジングを選ぶほうが適切です。
お風呂で使う場合:水よりも熱や蒸気に注意お風呂で動画を見たり、音楽を聴いたりする目的なら、スマホをケースに入れたまま操作できる商品が便利です。
ダイソーの110円のスマートフォン防水ケースは、公式商品説明でもお風呂場での使用例が紹介されています。
ただし、浴室での使用と湯船への水没は別の話です。
注意したいのは次の3点です。
- 熱いお湯や湯船にケースごと沈めない
- 蒸気や高温環境に長時間さらさない
- シャンプーや石けんが付着した状態で開口部を開けない
特にスマホは充電中や高温環境で熱を持つことがあります。防水ケースに入れた状態で充電するのは避けてください。
お風呂での使用を想定する場合も、商品パッケージに記載された使用条件を確認することが必要です。
【売り場はどこ?水漏れテストは必要?】購入前と使用前の確認事項
商品を見つけても、スマホが入るかどうか、防水性能に問題がないかは別途確認する必要があります。
防水ケースの売り場はスマホ用品コーナーが第一候補100均で防水ケースを探すなら、まずスマートフォン関連の商品が並ぶ棚を確認しましょう。
| 店舗 | 最初に探したい売り場 |
|---|---|
| ダイソー | 電気小物・スマホアクセサリー |
| セリア | スマホグッズ・モバイル用品 |
| キャンドゥ | モバイルカバー・ポーチ |
店舗によっては、夏のレジャー用品や旅行用品のコーナーに置かれている場合もあります。
見つからなければ、店員に「スマートフォン用の防水ケースはありますか」と聞くのが確実です。
ダイソーでは公式通販の商品名やJANコードを控えておくと、店頭で商品を確認するときにも役立ちます。
水漏れテストはスマホを入れる前に行う防水ケースを購入したら、すぐにスマホを収納するのではなく、最初にケース単体で水漏れテストを行いましょう。
ダイソーのIPX5商品も、使用前に毎回防水確認をするよう公式商品説明で案内しています。
基本的な確認手順は次のとおりです。
STEP1:ケースの状態を確認する
透明部分に傷や破れがないか、留め具に変形がないかをチェックします。
STEP2:乾いた紙を入れる
スマホの代わりに乾いたティッシュやペーパータオルを収納します。
STEP3:開口部を完全に閉じる
チャックやクリップ、左右のダイヤルロックなどを商品説明に従って確実に閉じます。
STEP4:ケース単体で水に入れる
商品が指定する方法と時間に従って水漏れを確認します。水深や時間の指定がない商品について、独自に深く沈めて試すことは避けてください。
STEP5:紙の濡れ具合を確認する
ケースを取り出して外側の水を拭き、内部の紙が濡れていないか確認します。
少しでも水分が入っていた場合は、スマホを入れて使用しないでください。
なお、一度テストに合格しても、その後の傷や劣化によって防水性能が低下する可能性があります。使用するたびに確認することが大切です。
スマホの対応サイズは縦・横・厚さの3方向で確認購入前には、スマホ本体の寸法を測っておきましょう。
特に大画面モデルやPro Maxなどの大型機種は、ケースの外寸だけを見て購入すると収納できないことがあります。
確認したいのは以下の項目です。
- 縦幅:ケースの収納可能な高さを超えていないか
- 横幅:左右に余裕があるか
- 厚さ:カメラ部分の出っ張りも含めて収納できるか
- カバー:スマホケースを装着したまま収納できるか
例えばダイソーの110円のIPX5ケースには、最大縦17.4cm×横8cmのタイプがあります。
一方、同じ110円のスマートフォン防水ケースは、収納可能サイズが縦16cm×幅9.5cmです。
高さはIPX5タイプのほうが大きいものの、横幅は通常タイプのほうが広くなっています。
どちらが大きいかではなく、自分のスマホが実際に入るかで判断が必要です。
【プロの結論】100均の防水ケースをおすすめできる人・できない人
100均の防水ケースは、価格を抑えながら水濡れ対策をしたい人にとって便利な選択肢です。
ただし、すべての水辺のレジャーに対応できる万能商品ではありません。
100均の商品で十分な人- 雨の日にスマホを使うことがある
- キッチンや洗面所で水濡れを防ぎたい
- お風呂場で動画や音楽を楽しみたい
- プールサイドでスマホを持ち歩きたい
- 予備用の防水ケースを安く用意したい
このような用途なら、対応サイズと防水表示を確認したうえで、110円の商品から検討できます。
100均の商品をおすすめしにくい人- 水中撮影を頻繁に行う
- ダイビングやシュノーケリングで使用したい
- 深い水中に長時間スマホを持ち込みたい
- 高価なスマホを水没リスクにさらしたくない
- 強い水圧や波を受ける環境で使用する
こうした用途では、100均の商品に頼るのはおすすめできません。
水中使用の条件が明記された専用ケースを選び、対応する水深・時間・使用方法を確認する必要があります。
失敗しないための判断基準は3つ最終的には、次の順番で選ぶと失敗しにくくなります。
1. 対応サイズが合っているか: 縦・横・厚さを確認する。
2. 使用場所に合った防水性能か: 水しぶきなのか、水没なのかを区別する。
3. 実際に水漏れがないか: スマホを入れる前にケース単体でテストする。
110円と220円の違いは、価格だけではありません。浮力やロック構造、対応サイズなど、使い勝手に関わる部分にも注目しましょう。
【防水ケースの100均購入】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:防水ケースはダイソー・セリア・キャンドゥのどこが一番おすすめ?
A1:商品仕様を比較して選びたいなら、110円と220円の商品を公式通販で確認できるダイソーがおすすめです。セリアは110円の生活防水タイプ、キャンドゥはクリップ式の110円商品が候補になります。
Q2:ダイソーの110円と220円の防水ケースは何が違う?
A2:110円にはIPX5タイプやIPX8相当のスマートフォン防水ケースがあります。220円の商品は水に浮く構造が特徴で、IP68の表示があるタイプも掲載されています。ただし、浮くタイプにも水中使用を禁止する注意事項があります。
Q3:100均の防水ケースは海やプールで水中撮影できる?
A3:商品によりますが、浮くタイプや生活防水タイプを水中撮影用として使うのは避けてください。水中撮影には、メーカーが水深や使用時間を明確に指定した専用防水ケースが適しています。
Q4:防水ケースはスマホケースを付けたまま収納できる?
A4:商品やスマホの形状によります。カバーを装着したままだと入らない場合があるため、カバー込みの縦・横・厚さを確認してください。
Q5:防水ケースは使用するたびに水漏れテストが必要?
A5:必要です。特に開口部やロック部分は、繰り返し使用することで傷や劣化が生じる可能性があります。スマホを収納する前に乾いた紙を使って確認しましょう。
2026年11月現在、100均では110円からスマホ用防水ケースを購入できます。
ダイソーには110円のIPX5タイプやIPX8相当の商品、220円の水に浮くスマートフォン防水ケースがあります。セリアには110円の生活防水タイプ、キャンドゥには110円のクリップ式ケースが掲載されています。
最後に、選び方を整理します。
- 安さ重視: ダイソー・セリア・キャンドゥの110円商品
- 水しぶき対策: 用途に合ったIPX5タイプ
- 浮力重視: ダイソーの220円の浮くタイプ
- 水中撮影: 水中使用が明確に認められた専用防水ケース
大切なのは、IPX8やIP68という表示だけを信じて、どんな水中環境でも使えると考えないことです。
スマートフォンは毎日の写真や連絡先、仕事のデータなど、大切な情報が詰まった機器です。わずかな節約のために水没のリスクを高める必要はありません。
購入前のサイズ確認、使用前の水漏れテスト、商品の注意事項の確認。この3つを守ることが、100均の防水ケースを上手に活用するための基本です。