スライムは、洗濯のりや片栗粉など身近な材料を使って作れる、感触の変化が楽しい手作りおもちゃです。基本の作り方を覚えれば、ぷるぷるした透明スライムから、ふわふわ・もちもちのスライムまで、自分好みの感触に調整できます。
ただし、スライムは材料の組み合わせによって仕上がりが大きく変わります。ホウ砂を使わない方法にも異なる特徴があり、コンタクトレンズの洗浄液を使うレシピも、必ずしもホウ砂などのホウ素化合物を避けられるわけではありません。子どもと一緒に作るなら、材料選びと安全対策も欠かせません。
【基本レシピ】洗濯のりを使ったスライムの作り方を簡単解説

初めてスライムを作るなら、PVA(ポリビニルアルコール)入りの洗濯のりを使う方法がおすすめです。材料が比較的少なく、液体がまとまって弾力のある感触に変わる様子も観察できます。
用意する材料- PVA入りの液体洗濯のり:50mL
- 水:50mL
- ホウ砂:5g
- ホウ砂を溶かすための温かい水:50mL
- 混ぜるための使い捨て容器:2個
- 割り箸やプラスチックスプーン
- 絵の具または食紅:必要に応じて少量
洗濯のりは、商品名だけで判断せず、成分表示に「PVA」または「ポリビニルアルコール」と記載されているかを確認してください。でんぷんのりや、PVAを含まない洗濯のりでは、同じようなスライムにならない場合があります。
基本の作り方は5ステップ- ホウ砂水溶液を作る。 大人がホウ砂5gを温かい水50mLに入れ、よく混ぜる。溶け残りがある場合は、透明な上澄み液を使う。
- 洗濯のりと水を混ぜる。 別の容器に洗濯のり50mLと水50mLを入れ、均一になるまで混ぜる。
- 色を付ける。 好みの色にしたい場合は、絵の具や食紅を少量加えて混ぜる。入れすぎると仕上がりが変わることがあるため、少しずつ加える。
- ホウ砂水溶液を少しずつ加える。 洗濯のりの液をかき混ぜながら、ホウ砂水溶液を少量ずつ加える。液がまとまり始めたら、いったん追加を止めて硬さを確認する。
- まとまり具合を調整する。 全体がゲル状になったら、容器の中でよく混ぜる。手でこねる場合は、大人が状態を確認し、遊んだ後は必ず手を洗う。
ホウ砂水溶液は、一度に全部入れる必要はありません。使用する量は洗濯のりの製品や配合によって変わるため、少量ずつ加えて調整するのがコツです。ホウ砂の粉末や溶液の取り扱いは大人が担当し、子どもだけで作らないようにしましょう。
なぜ洗濯のりがスライムに変わるの?この変化には、PVAとホウ砂の働きが関係しています。PVAは長い分子の鎖を持つ物質で、ホウ砂由来の成分がその鎖同士をつなぐことで、網目状の構造ができます。その網目に水が取り込まれるため、さらさらした液体が、ぷるぷるとしたスライムへ変化します。
日本化学会の「化学だいすキッズ」や日本科学協会の科学実験資料でも、PVA入り洗濯のりとホウ砂を組み合わせる基本的な仕組みが紹介されています。ホウ砂水溶液を増やすと硬くなりやすいため、量の調整が仕上がりを左右します。
【ホウ砂なし】片栗粉・重曹・コンタクト洗浄液を使う方法
ホウ砂を使いたくない場合は、片栗粉と水を使う方法が手軽です。ただし、「ホウ砂を使わないこと」と「ホウ素化合物を含まないこと」は同じではありません。レシピごとの違いを理解して選びましょう。
1.片栗粉と水で作るスライム風の感触遊び片栗粉と水だけで作る方法は、特別な薬品を用意せずに楽しめるのが魅力です。一般的な伸びるスライムとは異なり、力を加えると硬く感じ、ゆっくり触ると流れるような不思議な感触が特徴です。
材料
- 片栗粉:大さじ4
- 水:大さじ2程度
- 深めの容器:1個
- 混ぜるためのスプーン
作り方
- 容器に片栗粉を入れる。
- 水を少しずつ加え、スプーンで混ぜる。
- 粉っぽさが残る場合は水を少量ずつ追加し、全体の感触を調整する。
- 指でゆっくり触ったり、手で軽く押したりして感触の違いを確かめる。
水を入れすぎるとさらさらになり、少なすぎると粉っぽくなります。水は一度に加えず、様子を見ながら調整してください。
この現象は「ダイラタンシー」と呼ばれる性質に関係しています。日本化学会近畿支部の質問コーナーでも、片栗粉の粒子と水の混合物に急な力を加えると、粒子の詰まり方が変化して硬く感じられる仕組みが説明されています。片栗粉は水に溶けているのではなく、細かな粒子が水の中に分散しているのです。
なお、片栗粉スライムは長く伸び続けるタイプではありません。伸びるスライムを作りたい人には、別の方法が向いています。
2.重曹とコンタクトレンズの洗浄液を使う方法重曹を使うスライムのレシピでは、PVA入り洗濯のりとコンタクトレンズの洗浄液を組み合わせる方法が紹介されています。ただし、重曹だけで洗濯のりが一般的なスライムになるわけではありません。洗浄液に含まれる成分が、固まり方に関係します。
材料
- PVA入り洗濯のり:50mL
- 重曹:ごく少量
- コンタクトレンズの洗浄液:少量ずつ調整できる量
- 混ぜるための容器とスプーン
作り方
- 容器に洗濯のりを入れる。
- 重曹をごく少量加えて混ぜる。
- 成分表示を確認した洗浄液を少しずつ加えながら、全体をよく混ぜる。
- まとまり具合を確認し、液を追加しすぎないように調整する。
この方法は、すべてのコンタクトレンズ用製品で成功するわけではありません。ホウ酸やホウ酸塩などの成分が含まれている製品を使うレシピもあるため、ホウ砂などのホウ素化合物を避けたい場合は、この方法を選ばないのが確実です。コンタクトレンズの洗浄液を、スライム作りのために目へ使用したり、作ったスライムを目に近づけたりしないでください。
3.本当にホウ砂を避けたいなら、どれを選ぶ?ホウ砂を使用せず、身近な材料で感触遊びをしたいなら、片栗粉と水の方法がシンプルです。一方、一般的なスライムのように伸びる弾力を求める場合、ホウ砂を使わないレシピがすべて同じ仕上がりになるわけではありません。
「ホウ砂なし」という表示だけで安全性を判断せず、使用する材料と成分を確認することが大切です。小さな子どもが遊ぶ場合は、口に入れないことを前提とした材料選びと見守りも必要です。
【作り方を比較】ふわふわ・もちもち・片栗粉スライムの違い
スライムの作り方を選ぶときは、材料の手軽さだけでなく、どのような感触を楽しみたいかを基準にすると失敗しにくくなります。代表的な方法の違いをまとめました。
| 作り方 | 主な材料 | 仕上がり・特徴 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 基本のスライム | PVA入り洗濯のり、水、ホウ砂水溶液 | 弾力があり、伸ばしたりこねたりできる | ホウ砂の取り扱いは大人が行う |
| 片栗粉スライム風 | 片栗粉、水 | 急に押すと硬く感じ、ゆっくり触ると流れる | 一般的な伸びるスライムとは異なる |
| 重曹を使うタイプ | PVA入り洗濯のり、重曹、成分を確認した洗浄液 | 配合によっては弾力のある感触になる | 洗浄液にホウ酸塩などが含まれる場合がある |
| ふわふわスライム | 基本のスライムの材料、シェービングフォームなど | 空気を含んだ軽く柔らかな感触 | 追加材料による肌への刺激や誤飲に注意する |
| もちもちスライム | 基本のスライムの材料、配合調整 | 柔らかさと弾力のバランスを楽しめる | 水分やホウ砂水溶液を一度に増やさない |
ふわふわスライムは、基本のスライムにシェービングフォームを加えて、空気を含んだような柔らかい感触に仕上げる方法です。まず基本のスライムを作り、少量ずつフォームを混ぜて好みの質感に近づけます。
フォームを多く加えるほど必ず扱いやすくなるわけではありません。まとまりにくくなった場合は材料をむやみに追加せず、混ぜた状態を確認しましょう。香料などで肌に刺激を感じることもあるため、敏感肌の人や小さな子どもには慎重な対応が必要です。
もちもちスライムの作り方もちもちした感触を目指すなら、基本のスライムを作る段階で、ホウ砂水溶液を少しずつ加えて柔らかさを調整する方法が取り入れやすいでしょう。液を一度に加えすぎず、混ぜるたびに伸び方や弾力を確かめることがポイントです。
柔らかさを重視する場合は、固まり始めた時点で追加を止め、しっかり混ぜてから判断します。ホウ砂水溶液を多く加えると硬くなりやすいため、硬さを出そうとして追加しすぎないようにしましょう。
スライムの材料費はどれくらい?材料費は、洗濯のりやホウ砂をすでに持っているか、容器などを新たに購入するかによって変わります。片栗粉と水の方法は、家庭に材料があれば追加購入を抑えやすいのが利点です。基本のスライムは洗濯のりに加え、ホウ砂や容器などの準備が必要になる場合があります。
購入時は商品価格だけでなく、必要な容量、余った材料の保管、使い切れるかどうかも含めて考えましょう。特にホウ砂は、スライム作り以外の用途がなければ、少量から使い方を検討するのが現実的です。
【失敗しないコツ】スライムが固まらない・硬すぎる原因と対処法
スライム作りでよくある失敗は、液体のまま固まらない、べたべたする、反対に硬くなりすぎるといったものです。原因を切り分けてから調整すると、材料を無駄にせずに済みます。
スライムが固まらない原因- 洗濯のりの種類が違う: PVAを含まない製品では、基本のスライムのように固まらない場合がある。
- ホウ砂水溶液が足りない: 固まり始めるための成分が不足している可能性がある。
- 混ぜ方が不十分: 材料が均一に混ざらず、部分的に液体が残っていることがある。
- 水分が多い: 水の量が多すぎると、全体がゆるくなりやすい。
- 洗浄液の成分が合っていない: コンタクトレンズの洗浄液を使うレシピでは、製品によって固まり方が異なる。
最初に確認したいのは、洗濯のりの成分表示と配合です。基本のレシピで作っているなら、混ぜながらホウ砂水溶液をほんの少しずつ追加し、毎回状態を確認してください。液が固まり始めているのに大量に追加すると、今度は硬くなりすぎる可能性があります。
べたべたする場合はどうする?べたつきが残っている場合は、まず容器の中で十分に混ぜて、まとまり具合を確認します。ホウ砂水溶液が不足している可能性はありますが、配合や材料が原因の場合もあるため、すぐに大量の液を加えるのは避けましょう。
また、手でこねることで感触が変化する場合もあります。ただし、べたつきを解消しようとして、ホウ砂の粉末を直接振りかけるのは避けてください。追加する場合は適切に調製した水溶液を少量ずつ使用し、大人が状態を確認します。
硬くなりすぎた場合は?ホウ砂水溶液を多く加えすぎると、スライムが硬くなったり、伸びにくくなったりすることがあります。水を少量加えて変化を見る方法もありますが、配合によっては元の状態に戻らないこともあります。
最初から一度に材料を加えないことが、最も失敗を防ぎやすい方法です。作り始める前に容器と計量道具を準備し、少量ずつ調整できるようにしておきましょう。
【子どもと安全に楽しむ】スライムの注意点と保存方法
スライムは楽しい感触遊びですが、口に入れてよいものではありません。特にホウ砂を使う場合は、材料の誤飲と手指を介した口への侵入を防ぐことが大切です。
子どもが作るときに守りたい安全ルール- ホウ砂の計量と水溶液の調製は大人が行う。
- 材料や完成したスライムを口に入れない。指をなめたり、目をこすったりしない。
- 遊ぶ前後に手を洗い、手に傷がある場合は直接触れる遊びを控える。
- 飲食物の容器をホウ砂水溶液の調製や保管に使わない。
- 小さな子ども、特に3歳以下の子どもが遊ぶ場合は目を離さず、誤飲できる大きさの材料や完成品を手の届く場所に置かない。
- 遊び終わったらすぐに片付け、ホウ砂や材料は子どもの手が届かない場所に保管する。
公益財団法人日本中毒情報センターは、2022年7月28日の注意喚起で、スライムやホウ砂の誤飲事故について説明しています。同センターの資料では、スライムの誤飲事故の約8割を3歳以下が占めるとされ、年上の子どもが使ったスライムを年下の子どもが誤飲する事故も指摘されています。
また、ホウ砂水溶液をペットボトルやコップなどの飲食物容器に入れておくと、飲み物と間違えて飲み込む危険があります。作業用の容器を明確に分け、余ったホウ砂水溶液は作業後に速やかに処分してください。
万一、ホウ砂やスライムを飲み込んだ場合は、自己判断で無理に吐かせず、医療機関や日本中毒情報センターに相談してください。呼吸が苦しい、意識がおかしいなどの症状があれば、直ちに救急対応が必要です。
スライムの保存方法作ったスライムをもう一度遊びたい場合は、密閉できる袋や容器に入れ、乾燥やほこりの付着を防ぎます。直射日光の当たる場所や高温になる場所は避け、子どもの手が届かない場所で保管しましょう。
手作りスライムは、保存料や衛生状態が一定ではないため、すべての配合に共通する安全な保存期間を決めることはできません。長期間の保存を前提にせず、なるべく早く使い切るようにしてください。
異臭がする、変色している、カビが見える、表面に異物が付着しているなど、いつもと違う状態があれば再利用しないでください。乾燥したスライムに水を足して再利用する場合も、衛生面を確認し、状態に不安があるものは処分しましょう。
処分するときは、排水口やトイレに流さず、自治体のごみ分別ルールに従って廃棄します。ホウ砂水溶液などの残液も、製品の注意書きに従って適切に処分してください。
【スライムの作り方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:スライムは洗濯のりなしでも作れますか?
A1:作れます。片栗粉と水を混ぜれば、力を加えると硬く感じるスライム風の感触遊びができます。ただし、一般的な伸びるスライムとは仕組みが異なります。
Q2:ホウ砂なしで、よく伸びるスライムを作れますか?
A2:ホウ砂を使用しないレシピにはさまざまな種類がありますが、すべてが同じ弾力や伸びを再現できるわけではありません。片栗粉と水の方法は伸びるスライムとは異なります。また、コンタクトレンズの洗浄液を使う方法でも、製品によってはホウ酸やホウ酸塩などを含むため、成分表示の確認が必要です。
Q3:スライムが固まらないときは何を追加すればよいですか?
A3:まず洗濯のりにPVAが含まれているか、水の量が多すぎないか、十分に混ざっているかを確認します。基本のスライムなら、適切に調製したホウ砂水溶液を少量ずつ加えて調整します。固まらないからといって、一度に大量に追加するのは避けましょう。
Q4:作ったスライムは何日くらい保存できますか?
A4:材料や衛生状態、保管環境によって異なるため、一律の保存期間は設定できません。密閉容器に入れて乾燥や汚れを防ぎ、なるべく早く使い切るのが基本です。異臭、変色、カビなどがあれば処分してください。
Q5:小さな子どもでもスライム作りを楽しめますか?
A5:大人が材料を管理し、口に入れないように見守ることが前提です。ホウ砂を使う場合は、計量や水溶液の調製を大人が担当してください。誤飲の危険が高い年齢の子どもには、材料や完成品を口に入れる可能性も考慮し、遊び方そのものを慎重に選びましょう。
スライムの作り方は、目指す感触と使用する材料によって選ぶのが基本です。弾力のあるスライムを作るならPVA入り洗濯のりを使う方法、ホウ砂を避けて身近な材料で感触遊びをするなら片栗粉と水の方法が候補になります。
ふわふわ・もちもちのスライムを目指す場合も、最初に基本の配合を安定させ、追加材料や水溶液を少しずつ調整することが失敗を防ぐ近道です。材料を増やせば必ず仕上がりがよくなるわけではありません。
そして、子どもと楽しむときは、作りやすさだけでなく安全性も判断基準にしてください。ホウ砂を使う場合は大人が管理し、誤飲を防ぎ、遊んだ後は手を洗う。保存するときは密閉し、異常があれば処分する。こうした基本を守ることで、スライム作りを身近な科学実験として楽しめます。