『私が見た未来 完全版』で話題になった、漫画家・たつき諒氏の2025年7月の大災害の夢。SNSでは「2025年7月5日午前4時18分に日本を巨大津波が襲う」という情報が広がり、国内外で大きな注目を集めました。しかし、2025年7月5日はすでに過ぎ、実際の災害記録と本人の発言、出版社の公式見解を照合すると、拡散された情報と原作の記述には重要な違いがあります。
結論からいえば、2025年7月5日に日本全土を襲うような巨大津波や大災害は発生していません。 ただし、当日はトカラ列島近海で最大震度5強の地震が発生し、7月30日にはカムチャツカ半島付近の巨大地震による津波警報も出されました。2026年の気象庁の資料も踏まえ、夢の内容、7月5日説の出どころ、実際の災害、予言の検証結果を整理します。
【ネタバレ】『私が見た未来 完全版』に描かれた2025年7月の大津波の夢とは?

今回の騒動の中心にあるのが、2021年10月1日に飛鳥新社から刊行された『私が見た未来 完全版』です。
著者のたつき諒氏は、夢の内容を記録する習慣を持つ漫画家として知られています。出版社のプロフィールによると、1954年12月2日生まれ、神奈川県出身。1975年に『月刊プリンセス』でデビューし、1999年に漫画家を引退しています。
1999年版の表紙と東日本大震災最初の『私が見た未来』は1999年に朝日ソノラマから刊行されました。
特に注目されたのが、表紙に描かれた「大災害は2011年3月」という文字です。
2011年3月11日に東日本大震災が発生したことで、作品は震災を予知していた漫画として再び注目されました。
ただし、過去の出来事と夢の記述が重なったことと、未来の災害を科学的に予測できることは別問題です。
この話題を背景に、絶版となっていた作品が2021年に完全版として復刊され、新しい夢の記録や解説が加えられました。
2025年7月の夢に描かれた内容『私が見た未来 完全版』で特に話題になったのは、2025年7月に関係する新たな大災難の夢です。
書籍の内容について報じた女性自身などによると、夢の描写には次のような内容が含まれています。
- 日本とフィリピンの中間付近の海底が破裂するような現象
- 海底の異変によって巨大な波が発生する
- 太平洋周辺の国々に大津波が押し寄せる
- 津波の高さは東日本大震災の3倍と表現される
つまり、単に日本国内で地震が起きるという内容ではありません。太平洋地域を巻き込む大規模な津波災害のイメージが中心になっています。
ここで重要なのは、本に描かれたものは、著者が見たとする夢の記録であり、観測データに基づく津波予測ではないという点です。
夢の内容と実際の災害を比較する際には、発生時期だけでなく、場所、災害の種類、規模まで区別する必要があります。
【7月5日説の真相】2021年7月5日午前4時18分が2025年に変わった理由
「2025年7月5日午前4時18分」という日時は、今回の騒動で最も誤解されやすかった部分です。
実は、この数字には明確な出どころがあります。
4時18分は災害発生時刻ではなく夢を見た時刻飛鳥新社が2025年4月19日に公表した公式説明によると、『私が見た未来 完全版』の夢日記には、次の日時が記載されています。
夢を見た日:2021年7月5日4:18AM
つまり、4時18分は夢を見た日時です。
2025年7月5日午前4時18分に地震や津波が発生すると著者が指定したわけではありません。
飛鳥新社は、映画『2025年7月5日午前4時18分』のタイトルなどをきっかけに誤解が生じていることを受け、次のように説明しました。
著者は「2025年7月5日午前4時18分」に大災害が起こるとは一切言及しておりません。
これは出版社の公式発表に記載された説明です。
なぜ2025年7月5日という日付が広まったのか一方、2025年7月5日という日付そのものにも、書籍上の背景があります。
完全版のあとがきには、夢を見た日が現実化するなら、次の大災難の日は2025年7月5日になるという趣旨の条件付きの記述がありました。
ここから、次の2つの情報が結び付いていきました。
| 情報 | 本来の意味 |
|---|---|
| 2021年7月5日 | 夢を見た日 |
| 午前4時18分 | 夢を記録した時刻 |
| 2025年7月 | 夢の中で災難が起きるとされた時期 |
| 2025年7月5日 | 夢を見た日が現実化する場合の条件付きの推測 |
| 2025年7月5日午前4時18分 | ネット上で広まった災害発生日時 |
このように、書籍の記述と後から広まった情報は同じではありません。
たつき諒本人の発言は?2025年7月4日から5日にかけて、SmartFLASHはたつき諒氏への独占インタビューを掲載しました。
そこで本人は、次のように説明しています。
「私自身は、2025年7月に災難が起こるという夢を見ただけで、日付までは特定しておりません。」
また、本人は完全版の帯に書かれた宣伝文句について、自分が書いた文言ではなく、編集者によって付けられたものだと説明しています。
「あの本は予言ではない」という本人の認識と、ネット上で拡散された断定的な予言情報には距離があったわけです。
飛鳥新社の公式見解と映画の関係2025年4月19日の飛鳥新社の発表では、映画『2025年7月5日午前4時18分』についても説明されています。
出版社は、映画の制作・宣伝など一切のプロセスに関与しておらず、著者名や書籍の使用許諾についても依頼を受けていないと公表しました。
また、同社が正式に関与する書籍の映像化プロジェクトも存在しないと説明しています。
したがって、映画のタイトルをそのまま原作の予言内容だと理解するのは誤りです。
【7月5日 大災害は起きたのか】トカラ列島近海地震の実際の記録
2025年7月5日、日本では実際に地震が発生しました。
この事実が、予言をめぐる議論をさらに複雑にしました。
7月5日午前6時29分にM5.4の地震気象庁の2025年7月5日付の発表によると、トカラ列島近海で次の地震が発生しました。
M5.4
2025年7月5日 06時29分ごろ
発生場所
トカラ列島近海
最大震度
震源の深さ
19km
津波
心配なし
出典:気象庁「令和7年7月5日06時29分頃のトカラ列島近海の地震について」
震度5強は決して軽視できない揺れです。実際に鹿児島県の十島村で観測され、気象庁は今後も最大震度6弱程度の地震に注意するよう呼びかけました。
ただし、この地震について気象庁は津波の心配はないと発表しています。
したがって、夢に描かれた太平洋規模の大津波とは、災害の内容が一致していません。
7月2日・3日にも大きな地震が発生していた実際の地震活動は7月5日に突然始まったものではありません。
地震調査研究推進本部と気象庁の記録を整理すると、次のようになります。
- 2025年6月21日:トカラ列島近海の地震活動が活発化
- 7月2日:M5.6、最大震度5弱
- 7月3日:M5.5、最大震度6弱
- 7月5日:M5.4、最大震度5強
特に7月3日の地震では、鹿児島県十島村で最大震度6弱を観測しています。
つまり、7月5日当日に大規模な全国災害が起きなかったからといって、周辺地域で地震活動がなかったわけではありません。
ここは予言の検証と実際の被災地域の状況を混同しないためにも、押さえておきたいポイントです。
【カムチャツカ地震と津波警報】2025年7月30日に起きた本当の津波災害
2025年7月の災害記録を振り返るうえで、もう一つ重要なのが7月30日のカムチャツカ半島付近の巨大地震です。
この地震は実際に日本各地へ津波をもたらし、広い地域で避難が呼びかけられました。
M8.8の巨大地震と日本の津波警報2025年7月30日午前8時24分ごろ、ロシアのカムチャツカ半島付近でマグニチュード8.8の地震が発生しました。
気象庁の当初発表では速報値M8.7でしたが、消防庁の令和7年版消防白書ではM8.8と記録されています。
この地震を受け、気象庁は同日9時40分に北海道から和歌山県にかけての太平洋沿岸などに津波警報を発表しました。
さらに広範囲に津波注意報が出され、北海道から沖縄県にかけて津波が観測されました。
実際に観測された津波の高さ消防庁の令和7年版消防白書によると、国内で観測された最大の津波は岩手県の久慈港で141cmでした。
また、2025年11月14日時点の被害状況として、次の記録が公表されています。
| 項目 | 確認された内容 |
|---|---|
| 地震発生日 | 2025年7月30日 |
| 震源 | カムチャツカ半島付近 |
| 地震規模 | M8.8 |
| 国内最大津波 | 岩手県久慈港141cm |
| 人的被害 | 死者1人、負傷者19人 |
| 住家被害 | 報告なし |
死者と負傷者は、津波からの避難中の事故や転倒などによるものです。
この地震は実際に大きな津波を伴った災害でした。
しかし、発生したのは7月5日ではなく7月30日です。また、カムチャツカ半島付近を震源とする別の地震によるものであり、たつき諒氏の夢との因果関係を示す公的な証拠はありません。
7月に大きな津波が観測されたことと、7月5日の予言が的中したことは、まったく別の話です。
【時系列で完全検証】たつき諒の予言と実際の出来事を比較
ここまでの情報を、年代順に整理します。
この時系列から見えてくるのは、夢の記録、書籍の宣伝文句、本人の説明、SNS上の解釈、実際の災害記録が、それぞれ異なる情報であるということです。
特に、2021年の夢を記録した日時と、2025年の災害発生日を同一視したことが、4時18分説の大きな誤解につながりました。
【2026年最新の予言検証】気象庁の見解と今後の注意点
2026年時点で、この騒動を検証する際に重要な資料が、気象庁の『気象業務はいま2026』です。
同資料では、2025年7月の大災害に関する風説が国内外で広がったことを取り上げています。
気象庁は日時を指定した地震予知を否定気象庁が説明する地震予知には、次の3つの要素があります。
1. 地震が発生する時期
2. 地震が発生する場所
3. 地震の規模
これらを精度よく限定して予測する必要があります。
しかし、気象庁の公式FAQでは、現在の科学的知見では、この3要素を限定した確度の高い地震予測は難しいと説明されています。
加えて、日時と場所を特定した地震予知情報は一般にデマと考えられるとの見解を示しています。
2025年6月には、気象庁長官も7月5日の大地震説について、現在の科学では日時と場所を特定した地震予知は不可能との立場を示しました。
2025年7月の風説が現実に与えた影響2026年版の気象庁資料で注目すべきなのは、予言騒動が社会や経済に及ぼした影響についても触れていることです。
2025年の7月大災害説は、日本国内だけでなく海外にも広がりました。
気象庁は、こうした風説によって国民の不安が高まったことや、一部地域で訪日観光客の減少など経済への悪影響が見られたことを記録しています。
つまり、実際に巨大津波が起きなかったとしても、予言をめぐる情報拡散そのものは現実の社会に影響を与えていたのです。
2026年もトカラ列島近海の地震活動は続いているもう一つ、2026年の検証で見落としてはいけないのが、トカラ列島近海の地震活動です。
気象庁の2026年版資料によると、2025年6月21日から活発になった地震活動は、同年7月20日ごろから低下したものの、2026年1月時点でも継続していました。
加えて、気象庁の2026年10月の地震情報一覧にも、トカラ列島近海で発生したM2.0、M3.1などの地震が掲載されています。
これは地域の地震活動が続いていることを示す記録です。
しかし、地震活動が続いていることを理由に、2025年7月の夢が将来実現する、あるいは2026年に予言が持ち越されたと判断することはできません。
【プロの結論】予言情報と科学的な災害情報をどう見分ける?今回の騒動から学べることは、予言の真偽だけではありません。
災害情報を見極める際には、次の判断基準が役立ちます。
| 判断基準 | 確認するポイント |
|---|---|
| 一次情報 | 気象庁や自治体の公式発表があるか |
| 日時の正確性 | 夢を見た日と災害発生日を混同していないか |
| 場所の特定 | 震源や津波の対象地域が明確か |
| 規模の根拠 | M値や津波の高さなどに科学的根拠があるか |
| 発言の出典 | 本人の発言か、第三者の解釈か |
| 更新状況 | 2026年時点の最新の公的記録と一致するか |
特に注意したいのは、過去の地震と未来の予言を、後から都合よく結び付ける情報です。
地震が発生すること自体は日本では珍しい現象ではありません。気象庁の説明でも、日本では震度1以上の地震が年間およそ2,000回、平均すると1日約5回発生するとされています。
したがって、特定の日に地震が起きたというだけで、予言が的中したと判断することには無理があります。
【よくある質問】たつき諒の2025年7月ネタバレに関するFAQ
Q1:たつき諒は2025年7月5日午前4時18分に大災害が起きると予言した?
A1:いいえ。午前4時18分は2021年7月5日に夢を見た時刻です。飛鳥新社も、2025年7月5日午前4時18分に大災害が起きると著者が述べた事実はないと公式に説明しています。
Q2:2025年7月5日に大災害は起きた?
A2:日本全土を襲うような巨大津波や大災害は発生しませんでした。ただし、同日午前6時29分にはトカラ列島近海でM5.4、最大震度5強の地震が発生しています。
Q3:2025年7月の大津波の夢は外れた?
A3:夢に描かれた太平洋規模の大津波について、2025年7月にその内容に相当する災害が発生した事実は確認されていません。7月30日にはカムチャツカ地震による津波が観測されましたが、7月5日の予言が的中したことにはなりません。
Q4:たつき諒本人は予言について何と説明した?
A4:2025年7月の災難の夢を見たものの、具体的な日付までは特定していないと説明しています。また、本人は『私が見た未来 完全版』を予言漫画と捉えていない旨も語っています。
Q5:2026年に新たな予言や大災害の発生が示されている?
A5:2025年7月の夢を根拠として、2026年の特定日に大災害が発生すると裏付ける科学的な情報はありません。気象庁は日時と場所を特定した地震予知は現在の科学技術では不可能との見解を示しています。
2025年7月の大災害説を振り返ると、最も大きな誤解は、夢を見た日時と災害が起きるとされた日時が混同されたことでした。
『私が見た未来 完全版』には、2025年7月の大津波を連想させる夢が記録されています。一方、2025年7月5日午前4時18分という具体的な災害発生日時を、たつき諒氏が指定した事実はありません。
2025年7月5日にはトカラ列島近海で震度5強の地震が発生し、7月30日にはカムチャツカ半島付近の地震による津波も観測されました。しかし、これらを夢に描かれた巨大津波の予言が的中した証拠とすることはできません。
2026年の気象庁資料も、日時と場所を指定した地震予知の難しさを改めて示しています。
今回の検証で押さえておきたい結論は3つです。
- 2025年7月5日午前4時18分は、夢を記録した日時であり、災害発生日時ではない。
- 2025年7月に実際の地震や津波は発生したが、書籍で描かれた大津波の夢が実現したわけではない。
- 2026年以降も、予言の拡散情報より気象庁や地震調査研究推進本部などの公的な情報を優先する必要がある。
たつき諒氏の作品は、夢という不思議な題材を通して災害への関心を集めた作品です。その関心を恐怖や不確かな予測で終わらせず、家具の固定、避難場所の確認、非常食や水の備蓄など、実際の防災行動につなげることに意味があります。
予言が当たるかどうかを待つのではなく、いつ起きてもおかしくない災害に備えること。それが2026年にこの騒動を振り返るうえで、最も現実的な教訓です。