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野球のDHとは?指名打者の意味・ルール、セ・パの違いと2026年最新動向を徹底解説

霧島 直人 霧島 直人 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
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野球中継で耳にする「DH」とは、守備につかず、打撃を専門に担当する「指名打者」のことです。投手の代わりに打席に立つ選手を起用できる制度で、攻撃力を高めるだけでなく、選手起用や試合展開にも大きな影響を与えます。

2026年のプロ野球では、セ・リーグとパ・リーグの違いを理解するうえで、DH制の動向が要点になっています。セ・リーグは2027年シーズンからの導入を正式決定しており、2026年は移行準備の期間です。この記事では、DHは何の略なのかという基本から、DH制の仕組み、解除条件、メリット・デメリット、MLBや大谷翔平選手に関係するルールまで、観戦前に押さえたい知識を解説します。

【基本解説】野球のDHとは?意味とDHは何の略なのか

野球dhとは

DHは、英語の「Designated Hitter(デジグネイテッド・ヒッター)」を略した言葉です。日本語では「指名打者」と呼ばれます。野球の試合で、投手に代わって打撃を担当する選手をあらかじめ指定する制度がDH制です。

通常の野球では、投手も守備の9人のうちの1人として出場し、攻撃時には自分の打順で打席に立ちます。DH制を採用した試合では、投手が守備を担当する一方、別の選手がその投手の打順で打撃を担当できます。

つまり、DH制では投手と打者の役割を分けられるため、守備力の高い投手を起用しながら、打撃力のある選手も打線に加えられるのです。

たとえば、チームに守備の負担が大きいベテランの強打者がいる場合、DHとして起用すれば、守備につかせずに打撃力を生かせます。守備位置を持つ選手をDHに回し、別の選手を守備に起用する戦術も可能です。

なお、DHは「必ず守備につけない選手」という意味ではありません。規則上、DHを守備につかせることは可能ですが、その場合はDH制が解除されます。打撃専門というのは、制度上の基本的な役割を表しています。

【ルールを整理】DH制の仕組みとDH解除の条件

DH制の基本ルールは、公認野球規則5.11に定められています。試合を観戦するうえで、特に知っておきたいのは、試合開始前の申告、代打・代走の扱い、DH制が解除される条件の3点です。

1.DHは試合開始前に指定する

DH制を使うチームは、試合開始前に提出する打順表に指名打者と打順を記載します。DHを指定しなかった場合、原則として試合途中から新たにDHを採用することはできません。

また、先発投手に対して、指定されたDHは少なくとも一度は打撃を完了する必要があります。ただし、相手の先発投手が交代した場合などには例外があります。負傷などで出場できなくなった場合の扱いも、規則に従って判断されます。

2.DHへの代打・代走は可能

DHに代打を送ることは認められています。その場合、代打に出た選手が以後のDHの役割を引き継ぎます。代走を起用した場合も同様に、代走者がDHの役割を引き継ぎます。

一方、投手がDHの代打や代走として出場すると、DH制は解除されます。DHに代打を送ったからといって、それだけでDH制がなくなるわけではありません。

3.DH解除とは何か

DH解除とは、投手の代わりに打席に立つ選手を置く制度を終了し、投手を含む守備選手が通常の打順に組み込まれる状態に戻すことです。いったん解除すると、同じ試合の途中で再びDHを採用することはできません。

代表的なDH解除の条件は次のとおりです。

  • DHが守備位置についた場合
  • 投手がマウンドを離れ、別の守備位置についた場合
  • 投手がDHの代打または代走として出場した場合
  • DHの代打・代走として出場した選手が、そのまま投手になった場合
  • それまで別の守備位置についていた選手が投手になった場合

ここで注意したいのは、通常の投手交代だけでは、DH制は解除されないという点です。先発投手が降板して救援投手が登板しても、DHが引き続き打撃を担当する形であれば、制度はそのまま継続します。

DH解除は、単に投手が交代したかどうかではなく、誰が投手を務め、誰がDHの役割を担い、どの選手が守備位置についたかによって判断されます。監督の采配を理解するうえで、要点です。

【2026年最新】セ・リーグとパ・リーグのDH制はどう違う?

日本のプロ野球では、長年にわたってセ・リーグとパ・リーグでDH制の採用状況が異なってきました。2026年もこの違いは残っていますが、翌2027年からは制度が統一される予定です。

日本野球機構(NPB)の発表によると、セ・リーグは2025年8月4日の理事会で、2027年シーズンからDH制を採用することを正式決定しました。2026年シーズンは、選手編成やスカウティングなどの準備期間と位置づけられています。

2026年時点の制度と、これまでの主な経緯を整理すると、次のようになります。

対象・時期 DH制の状況 観戦時のポイント
MLB・1973年 アメリカン・リーグが導入 投手の代わりに打者を起用する制度が始まった。
NPB・1975年 パ・リーグが導入 パ・リーグでは打撃専門のDHを活用する野球が定着した。
MLB・2022年 ナショナル・リーグにも導入 両リーグでDH制を採用する方式に統一された。
NPB・2026年 パ・リーグはDHあり、セ・リーグはDHなし セ主催試合では投手も打席に立つ。パ主催試合ではDHを採用する。
NPB・2027年 セ・リーグもDH制を導入予定 両リーグでDH制を採用する体制へ移行する。
日本の高校野球・2026年度 DH制を採用 日本高等学校野球連盟は2026年度シーズンインからの導入を案内している。

セ・リーグがDH制を採用してこなかった背景には、投手も打席に立つ「9人野球」の伝統や、投手への代打を含めた采配の面白さを重視する考え方がありました。一方、国際大会やアマチュア野球でDH制の採用が広がり、競技環境の変化に対応する必要性も高まっていました。

NPBの2025年8月の発表では、高校野球や東京六大学野球連盟、関西学生野球連盟などが2026年からのDH制採用を決めたことも、セ・リーグが制度を見直す背景として挙げられています。

2026年の観戦では、セ・リーグ主催試合かパ・リーグ主催試合かを確認すると、投手が打席に立つかどうかを判断できます。交流戦では主催球団側のリーグの方式が適用されるため、同じカードでも試合によってDHの有無が異なることがあります。

【徹底比較】DH制のメリット・デメリットとは?

DH制の評価が分かれる理由は、攻撃力の向上だけでなく、野球の戦術や選手起用の考え方まで変わるためです。導入するかどうかを考える際には、試合の魅力とチーム運営の両面から見る必要があります。

DH制のメリット

  • 打線の攻撃力を高められる:投手の打順に強打者を配置できるため、得点機会を増やす選択肢が広がります。
  • 選手の長所を生かせる:守備の負担が大きい選手や、打撃力に優れたベテラン選手を起用しやすくなります。
  • 投手の役割に集中しやすい:投手が打撃に備える必要がなくなり、投球に専念する運用が可能になります。
  • 選手起用の幅が広がる:守備位置の異なる選手を組み合わせ、DHを含む打順全体を設計できます。
  • 二刀流選手の起用にも対応できる:一定の条件を満たせば、投手として登板しながらDHとして打撃を続けることもできます。

DH制は、打撃力のある選手を試合に出す機会を広げる制度でもあります。守備につく選手と打撃を担当する選手を分けることで、監督は選手の能力やコンディションを考慮した起用をしやすくなります。

DH制のデメリット

  • 投手の打撃を見る機会が減る:投手が安打を放ったり、送りバントを決めたりする場面は、DH制を採用した試合では基本的に見られません。
  • 代打や継投を絡めた戦術が変わる:投手の打順に代打を送るかどうかという判断が、通常のDH制の試合では不要になります。
  • 打撃専門選手の競争が激しくなる:DHの枠を争う選手が増えれば、チーム内で限られた出場機会を巡る競争も生まれます。
  • 選手編成の見直しが必要になる:DH制を前提とする場合、球団は打撃力や守備力のバランス、選手の獲得方針などを再検討する必要があります。

ただし、DH制の導入によって必ず得点が増える、あるいは必ず試合が面白くなると断定することはできません。実際の効果は、選手層、球場、対戦相手、監督の戦術などによって異なります。

DH制を支持する人にとっては、強打者が並ぶ打線や攻撃の迫力が魅力です。一方、投手への代打や継投のタイミングを重視する人にとっては、DH制を採用しない試合ならではの駆け引きも大切な見どころです。両者は、野球の面白さのどこに価値を置くかという違いでもあります。

【大谷翔平にも関係】投手DHルールとMLBの「大谷ルール」

DH制を語るうえで欠かせないのが、投手と打者の両方で活躍する二刀流選手の存在です。MLBでは2022年シーズンから、先発投手がDHを兼任できる特例が設けられました。大谷翔平選手のような選手の出場機会を確保するうえでも重要な仕組みで、一般に「大谷ルール」と呼ばれています。

通常のDH制では、投手は守備、DHは打撃を担当します。しかし、このルールでは、先発投手自身がDHを兼ねることができます。打順表には投手とDHの2つの役割が記載され、同じ選手がその両方を担います。

たとえば、大谷選手が投手兼DHとして先発した場合、投手として降板しても、DHとしての出場を続けることができます。反対に、DHとして交代した場合でも、投手として出場を続けることが可能です。ただし、一度退いた役割に再び戻ることはできません。

このルールの要点は、投手の交代とDHの交代を切り分けられることです。従来のDH制では、投手とDHの役割が通常は別の選手に割り当てられますが、二刀流選手には別々の役割を認めることで、投打両面での出場を可能にしています。

日本の公認野球規則でも、2023年度の改正で、先発投手自身が打つ場合には、投手とDHを別々の2人として扱う規定が明確化されました。日本高等学校野球連盟も、2026年度からのDH制導入に向けて規則5.11の解説を公表しています。

なお、投手兼DHで出場する場合にも、投手としての交代とDHとしての交代にはそれぞれ規則上の制約があります。たとえば、投手として退いた選手がDHとして出場を続ける場合でも、DHとして必要な打撃を完了する義務が残るケースがあります。2026年2月には、日本高等学校野球連盟がこの点に関する規則の運用説明を訂正しています。

MLBでは、アメリカン・リーグが1973年にDH制を採用し、ナショナル・リーグも2022年に導入しました。現在は両リーグでDH制が採用されています。大谷選手のような二刀流選手を含め、打撃と守備の役割をどう組み合わせるかは、DH制の柔軟性を示す代表的なテーマです。

【プロの結論】DH制を知ると野球観戦はどう変わる?

DH制を理解すると、単に打順表の「DH」という表記が分かるだけでなく、監督がなぜその選手を起用したのか、なぜ投手交代のタイミングが変わるのかといった戦術面まで見えてきます。

観戦時に注目したい要点は、次の3つです。

  • 打順の組み方:DHに誰を起用しているかを見ると、チームが得点力を高めるためにどの選手を重視しているかが分かります。
  • 交代のタイミング:DH制がある試合では、投手が降板しても打撃専門の選手を残せます。DH制がない試合では、投手の打順が代打起用の判断に関係します。
  • 選手の役割:守備につかず打撃に集中する選手、守備と打撃を両立する選手、投打を兼任する二刀流選手では、チームへの貢献の仕方が異なります。

また、DH制の有無は選手の獲得や育成にも関係します。DH枠を活用できるチームでは、打撃力を評価しながら守備位置の制約を抑えた起用が可能です。一方、DH制のない試合では、守備力と打撃力を兼ね備えた選手の価値や、投手の打順を踏まえた選手交代の判断がより重要になります。

2027年にセ・リーグがDH制を導入すると、NPBの両リーグで基本的な制度がそろいます。ただし、制度が統一されても、各球団の選手層や監督の采配によって試合の展開は変わります。制度そのものだけでなく、それをどう活用するかに注目することが、野球観戦をより深く楽しむコツです。

【野球のDHとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:DHは何の略ですか?
A1:DHは「Designated Hitter」の略で、日本語では「指名打者」です。一般的には、投手の代わりに打席に立ち、打撃を専門に担当する選手を指します。

Q2:2026年のセ・リーグにもDH制はありますか?
A2:2026年シーズンのセ・リーグは、従来どおりDH制を採用していません。2025年8月に2027年シーズンからの導入が正式決定しており、2026年は移行準備期間となっています。

Q3:DHに代打を送るとDH制は解除されますか?
A3:通常、DHへの代打は認められており、代打者がDHの役割を引き継ぎます。代打を送っただけではDH制は解除されません。ただし、投手がDHの代打や代走として出場した場合などは、DH制が解除されます。

Q4:投手が交代するとDH制も解除されますか?
A4:通常の投手交代だけでは解除されません。救援投手が登板しても、DHが引き続き打撃を担当できます。投手が別の守備位置につくなど、規則で定められた条件に該当するとDH制が解除されます。

Q5:DH制がある試合で投手自身が打つことはできますか?
A5:条件を満たせば可能です。MLBでは先発投手がDHを兼任できるルールがあり、日本の公認野球規則にも同様の考え方が導入されています。ただし、投手とDHの役割にはそれぞれ規則上の制約があります。

野球のDHとは、投手の代わりに打撃を担当する指名打者のことです。DH制は打線の攻撃力を高め、選手起用の幅を広げる一方、投手の打撃や代打を絡めた采配の見どころを変える制度でもあります。

2026年のNPBではパ・リーグがDH制を採用し、セ・リーグは従来の方式を継続しています。ただし、セ・リーグも2027年シーズンからの導入を正式に決定しました。MLBでは2022年から両リーグでDH制が採用され、投手とDHを兼任できる「大谷ルール」も二刀流選手の活躍を支えています。

観戦前に覚えておきたいのは、DHの役割、代打・代走の引き継ぎ、DH解除の条件、そしてセ・リーグとパ・リーグの制度の違いです。この4点を押さえておけば、打順表の見方から監督の采配まで理解しやすくなり、2026年の試合も、2027年以降の新しいセ・リーグの野球も、より深く楽しめます。

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コンテンツディレクター 霧島 直人
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