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サッカーのオフサイドとは?判定基準・例外・VARの見分け方を2026年版で徹底解説

霧島 直人 霧島 直人 • 更新: • 公開: • 読了約 16 分
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サッカーの試合でゴールが決まったと思った瞬間、副審の旗が上がり、得点が取り消される。そんな場面で耳にするのが「オフサイド」です。サッカー初心者にとっては、相手ゴールの近くにいるだけで反則になるのか、パスを受ける前に判定されるのか、判断が難しいルールの一つでしょう。

オフサイドを理解する要点は、選手がどこに立っていたかだけではありません。味方がボールをプレーした瞬間の位置、相手守備側の選手との距離、そして実際にプレーへ関与したかどうかが重要です。日本サッカー協会(JFA)が公表する2026/27年版のサッカー競技規則第11条を踏まえ、オフサイドになる条件から例外、オフサイドトラップ、VARによる判定まで、試合観戦に役立つ知識を整理します。

【まず基本】サッカーのオフサイドとは?前にいるだけでは反則にならない

サッカーのオフサイドとは

オフサイドとは、攻撃側の選手が特定の位置にいる状態で味方のプレーに関与し、競技規則で定められた条件を満たした場合に取られる反則です。サッカーの競技規則では、この位置関係を「オフサイドポジション」と呼びます。

ここで覚えておきたいのは、オフサイドポジションにいること自体は反則ではないという点です。相手ディフェンスの背後で待っていても、ボールに触れず、相手選手のプレーにも影響を与えなければ、それだけでオフサイドの反則になるわけではありません。

例えば、味方のミッドフィルダーが前方へパスを出したとします。その瞬間、フォワードが相手ディフェンスよりゴール側にいたとしても、パスを受ける選手がオフサイドポジションにいなかったり、オフサイドポジションにいた選手がプレーに関与しなかったりすれば、反則にならない場合があります。

反対に、パスが出た瞬間にオフサイドポジションにいた選手がボールを受けたり、相手ゴールキーパーの視界を遮ったりすれば、オフサイドが成立する可能性があります。

つまり、オフサイドの判定は「攻撃側の選手が前にいるか」だけで決まるものではありません。位置関係とプレーへの関与という2つの要素を分けて考えることが、ルールを理解する第一歩です。

【判定基準を解説】オフサイドポジションとオフサイドラインの見方

オフサイドポジションにいるかどうかは、味方の選手がボールをプレーする、または触れる瞬間の位置関係で判断します。判定には、攻撃側選手の位置、ボールの位置、相手チームの後方から2人目の選手の位置が関係します。

オフサイドポジションになる3つの条件

1.相手チームのハーフ内にいる

選手の頭、胴体、足のいずれかの一部が相手チームのハーフ内にあることが条件です。ハーフウェーライン上は相手チームのハーフに含まれません。自分のハーフ内にいる選手は、相手ゴールに近い位置にいてもオフサイドポジションにはなりません。

2.ボールより相手ゴールラインに近い

攻撃側の選手がボールよりもゴールラインに近い位置にいる必要があります。相手ディフェンスの背後にいても、ボールより後ろにいる場合はオフサイドポジションになりません。

3.後方から2人目の相手競技者よりゴールラインに近い

攻撃側の選手の頭、胴体、足のいずれかの一部が、後方から2人目の相手競技者よりも相手ゴールラインに近い位置にあることが条件です。後方から2人目の選手は、必ずしもゴールキーパーとは限りません。ゴールキーパーが前に出ている場面では、フィールドプレーヤー2人が基準になることもあります。

この3つの条件がそろっていても、実際にオフサイドの反則を取るには、さらにプレーへの関与が必要です。また、後方から2人目の相手競技者と同じ位置、または最後方にいる2人の相手競技者と同じ位置にいる選手は、オフサイドポジションにはいません。

オフサイドラインはどこに引かれる?

中継映像で見かける「オフサイドライン」は、フィールドに実際に引かれている線ではありません。オフサイドの位置関係を確認するために、映像上などで示される仮想のラインです。

判定では、後方から2人目の相手競技者の、オフサイド判定の対象となる頭・胴体・足の位置と、ボールの位置が基準になります。攻撃側の選手がボールと後方から2人目の相手競技者の両方よりゴール側にいるかを確認します。

なお、手や腕は判定の対象になりません。ゴールキーパーを含め、選手の手や腕はオフサイドポジションの判定から除外され、腕の上限は脇の下の最も奥の位置を基準とします。したがって、攻撃側の選手の腕だけが相手ディフェンスより前に出ていても、それを理由にオフサイドにはなりません。

【パスを出した瞬間が重要】オフサイドになる条件とプレーへの関与

オフサイドの判定で最も重要なのが、味方がボールをプレーした瞬間の位置です。ボールを受けた瞬間や、シュートを打った瞬間の位置だけを見ても、正しい判定はできません。

パスが出た瞬間にオフサイドポジションならどうなる?

例えば、味方がスルーパスを出した瞬間にフォワードがオフサイドポジションにいて、そのままボールを受けた場合、原則としてオフサイドの反則になります。

一方、パスが出た瞬間には相手ディフェンスと同じ位置にいた選手が、その直後にディフェンスラインの背後へ走り込んでボールを受けた場合、オフサイドポジションにいなかったのであれば反則にはなりません。ボールを受けた時点で相手選手より前にいることだけを理由に、オフサイドになるわけではないのです。

競技規則では、ボールをプレーした、または触れた最初のコンタクトポイントを基準にします。ただし、ゴールキーパーがボールを投げる場合は、ボールを放した最後のコンタクトポイントが基準になります。

ボールに触れていなくてもオフサイドになるケース

オフサイドポジションにいる選手がボールに触れなかったとしても、相手選手のプレーを妨害すれば反則になることがあります。代表的なのは、次のようなケースです。

  • 相手の視線を遮る:オフサイドポジションにいる攻撃側選手がゴールキーパーの視界を明らかに遮り、ボールをプレーする能力に影響を与える。
  • 相手のボールへのプレーを妨げる:ボールを奪い合うために相手選手へチャレンジする。
  • 明らかな動きで相手に影響を与える:ボールに近づいてプレーしようとする動きなどが、相手選手のプレー能力に明確な影響を与える。

ただし、オフサイドポジションにいる選手がボールへ走り出したという理由だけで、必ず反則になるわけではありません。ボールに触れず、相手のプレーにも影響を与えなければ、プレーが続く場合があります。

相手に当たったボールはオフサイドがリセットされる?

この点は、試合中に判断が分かれやすいポイントです。味方のパスが相手ディフェンスに当たった場合でも、すべてのケースでオフサイドが解消されるわけではありません。

相手選手がボールを意図的にプレーした場合、原則として、そのボールを受けた攻撃側選手は、以前のオフサイドポジションにいたことだけを理由に反則にはなりません。ただし、相手がゴールに向かうボールを止めるためのセーブをした場合は別です。

一方、相手選手にボールが偶然当たって方向が変わっただけの「ディフレクション」や、ゴールポスト、クロスバーなどからの跳ね返りをオフサイドポジションの選手がプレーした場合は、オフサイドが成立することがあります。

つまり、相手にボールが触れたかどうかだけでは判断できません。相手選手がボールを意図的にプレーしたのか、それとも単に当たって方向が変わったのかを見極める必要があります。

【例外を一覧で比較】オフサイドにならないケースと反則になる場面

オフサイドには明確な例外があります。日本サッカー協会が公表する2026/27年版競技規則第11条では、スローイン、ゴールキック、コーナーキックからボールを直接受けた場合、オフサイドの反則にはならないと定められています。

以下の表で、試合中によく見られる場面を整理します。

場面 オフサイドの判定 判断のポイント
味方のスルーパスを受ける 条件次第で反則 パスが出た瞬間の位置と、プレーへの関与を確認する
自分のハーフ内でパスを受ける 反則にならない 自分のハーフ内はオフサイドポジションの対象外
スローインから直接受ける 反則にならない 相手ゴール前にいても、直接受ける限りオフサイドではない
ゴールキックから直接受ける 反則にならない ゴールキックから直接受けた場合は例外
コーナーキックから直接受ける 反則にならない コーナーキックから直接受けた場合は例外
フリーキックから直接受ける 条件次第で反則 スローインなどの例外には含まれない
シュートがポストや相手のセーブで跳ね返る 条件次第で反則 オフサイドポジションの選手が跳ね返りをプレーすると、反則になる場合がある
オフサイドポジションにいるがプレーに関与しない 反則にならない場合がある ボールへの関与や相手への妨害があるかを判断する

スローイン・ゴールキック・コーナーキックの注意点

例外が適用されるのは、あくまでそれぞれの再開方法からボールを直接受けた場合です。例えば、コーナーキックから味方がボールを受け、その選手が別の味方へパスを出した場合、その次のパスからは通常のオフサイドルールが適用されます。

コーナーキックを蹴った選手が、味方から折り返しのパスを受ける場面も同様です。最初のコーナーキックから直接ボールを受ける場合は例外ですが、いったん味方がボールに触れた後のパスでは、オフサイドポジションにいたかどうかが判定されます。

オフサイドを取られたらどうなる?

オフサイドの反則が成立すると、相手チームに間接フリーキックが与えられます。再開位置は反則が起きた場所であり、攻撃側選手が自分のハーフに戻っていたとしても、オフサイドの反則が成立した場所を基準に判断されます。

間接フリーキックは、キックされたボールが別の選手に触れるなど、競技規則上の条件を満たしてからでなければ、そのまま直接ゴールに入っても得点として認められません。

【戦術と最新技術】オフサイドトラップとVARによる判定の仕組み

オフサイドトラップとは?

オフサイドトラップとは、守備側の選手たちが連動してディフェンスラインを前方へ移動させ、相手の攻撃側選手をオフサイドポジションに置くことを狙う守備戦術です。相手がパスを出す瞬間にラインを押し上げることで、攻撃側の選手が反則になる状況をつくります。

ただし、守備側が前へ動いたこと自体でオフサイドになるわけではありません。実際の判定は、味方がボールをプレーした瞬間の攻撃側選手の位置を基準に行われます。

守備側の連携が成功すれば、相手の攻撃を止められます。一方、ラインを上げるタイミングがずれると、攻撃側の選手がオンサイドのまま守備の背後へ抜け出し、決定的なチャンスをつくることがあります。オフサイドトラップは、守備の連携とタイミングが問われる戦術です。

VARによるオフサイド判定はどう行われる?

VAR(ビデオアシスタントレフェリー)は、映像を用いて主審の判定を援助する仕組みです。オフサイドは得点の成否に直接関わるため、VARが導入されている大会では、ゴールに至る攻撃局面でオフサイドがあったかどうかを確認することがあります。

映像を確認する際には、味方がボールをプレーした瞬間を特定し、その時点での攻撃側選手と相手守備側選手の位置関係を照合します。映像上のオフサイドラインは、この位置関係を判断するための補助となります。

一方、オフサイドポジションにいた選手が実際にプレーへ関与したかどうかは、競技規則に照らして判断する必要があります。位置だけで機械的に決まるわけではありません。また、VARを使用するかどうか、半自動オフサイドテクノロジー(SAOT)を利用するかどうかは大会によって異なります。

JFAの2026/27年版競技規則でも、VARは主審を援助する役割とされ、最終的な判定を下すのは主審です。VARはすべての判定を自動的に変更する仕組みではなく、競技規則に定められた対象事象について、明白な誤りや見逃された重大な事象がないかを確認します。

試合中にオフサイドを見分ける4つの手順

初心者が中継映像を見ながらオフサイドを判断するなら、次の順番で確認すると理解しやすくなります。

  1. パスが出た瞬間を確認する。 ボールを受けた瞬間ではなく、味方がボールをプレーした瞬間に注目します。
  2. 攻撃側選手の位置を見る。 自分のハーフ内ではないか、ボールよりゴール側にいるかを確認します。
  3. 相手の後方から2人目の選手と比較する。 ゴールキーパーが必ず基準になるわけではない点に注意します。
  4. プレーへの関与と例外を確認する。 ボールに触れたか、相手のプレーを妨げたか、スローインなどの例外が適用されるかを見ます。

この手順を意識すると、前方にいる選手がすぐにオフサイドと判定されるわけではない理由が分かってきます。特に、ボールが蹴られた瞬間の映像を基準にすることが、見分け方の最大のポイントです。

【サッカーのオフサイドとは】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:オフサイドは相手ディフェンスより前にいたら必ず反則ですか?
A1:必ずしも反則ではありません。味方がボールをプレーした瞬間の位置関係に加え、ボールへの関与や相手選手への妨害などが判定に関係します。また、ボールより後ろにいる場合や自分のハーフ内にいる場合は、オフサイドポジションにはなりません。

Q2:スローインやゴールキック、コーナーキックでもオフサイドになりますか?
A2:それぞれの再開方法からボールを直接受けた場合は、オフサイドの反則になりません。ただし、その後に味方がボールをプレーし、さらに別のパスが出た場合は、通常のオフサイドルールが適用されます。

Q3:相手ディフェンスにボールが当たればオフサイドはなくなりますか?
A3:相手に触れただけでは判断できません。相手選手がボールを意図的にプレーした場合は、原則としてオフサイドポジションが解消されます。一方、偶然の跳ね返りやディフレクション、相手のセーブからボールを受けた場合は、オフサイドになることがあります。

サッカーのオフサイドを理解するには、攻撃側の選手が相手ゴールに近い位置にいたかどうかだけでなく、味方がボールをプレーした瞬間の位置と、その後のプレーへの関与を確認することが大切です。

特に押さえておきたいのは、次の3点です。第一に、オフサイドポジションにいるだけでは反則にならないこと。第二に、判定の基準はパスが出た瞬間であること。第三に、スローイン、ゴールキック、コーナーキックから直接受けたボールには例外が適用されることです。

加えて、相手の意図的なプレーと偶然の跳ね返りの違い、オフサイドトラップの仕組み、VARによる位置確認を理解すれば、判定が難しい場面も整理しやすくなります。

試合を見るときは、ボールを受けた選手だけでなく、パスが出た瞬間の攻撃側と守備側の位置関係にも注目してみてください。オフサイドの仕組みが分かると、スルーパスの駆け引きや守備ラインの動きなど、サッカーの戦術的な面白さも、より深く楽しめるようになります。

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コンテンツディレクター 霧島 直人
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