お笑いコンビ「馬鹿よ貴方は」は、独特の間とシュールな世界観で注目を集め、2014年の「THE MANZAI」と2015年の「M-1グランプリ」で2年連続の決勝進出を果たした実力派コンビです。ボケの平井“ファラオ”光と、ネタ作りを担当するツッコミの新道竜巳という、個性の異なる2人の組み合わせが特徴です。
2026年現在、2人はどのような活動を続けているのでしょうか。2025年9月にはサンミュージックプロダクションからの退所を発表し、フリーで活動することを明らかにしました。ただし、これはコンビの解散発表ではありません。これまでの経歴やプロフィール、ファラオが芸人を志した理由、所属事務所の変遷を振り返ると、現在の活動スタイルにつながる背景が見えてきます。
【馬鹿よ貴方はの現在】2026年もフリーで活動、解散とは別の選択

馬鹿よ貴方はの現在を知るうえで、最も重要なのが2025年9月1日の発表です。日刊スポーツやスポニチアネックスの報道によると、新道竜巳と平井“ファラオ”光は、それぞれのSNSを通じてサンミュージックプロダクションからの退所を公表しました。
新道は退所を報告した際、解散するわけではなく、退所のみであることを明言。今後はフリーとして活動すると説明しました。ファラオも退所を報告し、関係者への感謝を伝えています。
つまり、事務所を離れたことと、漫才コンビとしての活動を終えることは別の話です。2026年現在の状況を整理する際には、この2つを混同しないことが大切です。
もっとも、フリー転身後の活動を、以前と同じテレビ出演中心のスタイルだけで捉えるのも適切ではありません。2人には、それぞれの得意分野を生かした個人活動があります。コンビとしての漫才と、個人名義での仕事を分けて見ることで、現在の活動を理解しやすくなります。
なお、退所発表で明らかにされたのは、所属事務所を離れることと、今後も芸人として活動することです。退所の具体的な理由について、発表内容から特定のトラブルや対立があったと断定することはできません。
【プロフィール比較】平井“ファラオ”光と新道竜巳はどんな芸人?
馬鹿よ貴方はの魅力は、単に変わった言葉や奇抜な設定を使うことだけではありません。ボケのファラオが醸し出す独特の存在感と、新道が構成するネタの組み合わせによって、一般的な漫才とは異なる空気を生み出してきました。
お笑いTVのプロフィール情報や過去のインタビューをもとに、2人の基本情報を整理します。
平井“ファラオ”光(ひらい・ファラオ・ひかる)
1984年3月21日生まれ、神奈川県出身。馬鹿よ貴方はではボケを担当します。独特の風貌や落ち着いた雰囲気に加え、音楽や美術への関心が深いことでも知られています。
ファラオの活動は漫才だけにとどまりません。本人の公式サイト「幽秋庵」では、舞台やイベントMC、執筆、台本作成、サンリオ関連イベント、古代エジプトタロット占いなどの活動が紹介されています。音楽分野ではギターや作曲の特技も持ち、芸人としてのキャラクター以外にも複数の表現手段を備えています。
新道竜巳(しんどう・たつみ)
1977年4月15日生まれ、千葉県出身。馬鹿よ貴方はではツッコミを担当し、コンビのネタ作りを担ってきました。女性芸人の分析や賞レースの研究など、お笑いを観察・分析する活動でも知られています。
新道の特徴は、ネタを作るだけでなく、芸人の個性や大会の傾向を言語化する力にもあります。本人による発信や寄稿、YouTubeチャンネル「馬鹿よ貴方は、新道竜巳のごみラジオ」など、舞台やテレビとは異なる場所でも活動を続けています。2026年にも女性芸人を紹介する連載記事が掲載されており、執筆活動が現在の仕事の一つになっています。
2人の違いを端的に表すなら、ファラオは舞台上で独特の人物像を体現する側、新道はその個性をネタとして組み立てる側です。ただし、ファラオも個人で企画や執筆に取り組み、新道も舞台に立つ芸人です。役割分担はあっても、活動領域が完全に分かれているわけではありません。
【結成経緯】ピン芸人同士の出会いと、独特なコンビ名の誕生
馬鹿よ貴方はが結成されたのは2008年です。2016年のSeventeen-Webのインタビューで、新道は共通の知人が主催するライブでファラオと出会ったことを説明しています。当時は2人ともピンで活動しており、新道からコンビを組もうと声をかけたそうです。
新道がファラオに興味を持った理由の一つは、その存在感とキャラクターでした。2015年の下北沢経済新聞のインタビューでも、新道は相方の独特な価値観と、周囲との温度差が新鮮なネタにつながると語っています。
新道はもともと、相手の人生観や個性をくみ取り、その人に合ったネタを作ることを重視してきました。ファラオの個性を無理に一般的な漫才の型へ押し込めるのではなく、その人物像を生かす方向でネタを構成したことが、コンビの特徴につながったと考えられます。
コンビ名「馬鹿よ貴方は」の由来も、2人らしいエピソードです。
2020年のぴあエンタメ情報のインタビューによると、当初は2人の芸名を並べた名前で活動していました。その後、「新道竜巳とNP」や「新道竜巳と牧場の平井」など、名前が何度か変わったといいます。
最終的にコンビ名が決まったのは、ネタの練習で集まったカラオケでのこと。モニターに表示される曲名を読み上げるなかで「馬鹿よ貴方は」という名前が候補に上がり、そのまま採用されました。ただし、どちらが先にこの名前を気に入ったのかについては、2人の記憶が食い違っています。
こうしたエピソードからも、2人が最初から緻密なコンビ戦略を立てていたというより、それぞれの個性を持ち寄りながら形を作っていったことがうかがえます。
【経歴・年表】THE MANZAI 2014からM-1グランプリ2015決勝進出へ
馬鹿よ貴方はの経歴を語るうえで欠かせないのが、2014年と2015年の賞レースでの活躍です。長い下積みを経てテレビでの知名度を高めた2人は、異なる漫才コンテストで続けて決勝に進出しました。
新道は2020年に公開した自身の振り返り記事で、2008年の結成からTHE MANZAI 2014の決勝進出までは6年目にあたると説明しています。コンビ結成から比較的早い時期に大きな舞台へ進んだように見えますが、本人の芸歴はそれ以前から続いていました。コンビの実績だけを見ると見落としやすい、長い下積みがあったわけです。
主な経歴を時系列で整理すると、次のようになります。
| 時期 | 出来事 | 注目ポイント |
|---|---|---|
| 2008年 | 馬鹿よ貴方はを結成 | 新道竜巳と平井“ファラオ”光がコンビとして活動を開始 |
| 2014年 | THE MANZAI 2014決勝進出 | 独特な芸風が注目され、知名度を高める転機に |
| 2014年末ごろ | オフィス北野に所属 | 賞レースでの活躍を経て、所属事務所が変わる |
| 2015年 | M-1グランプリ2015決勝進出 | 決勝で8位。2年連続で大きな漫才賞レースの決勝に進出 |
| 2016年 | ABCお笑いグランプリ決勝進出 | 賞レースでの実績を重ねる |
| 2018年6月 | サンミュージックプロダクションへ移籍 | オフィス北野から所属先を変更 |
| 2025年9月1日 | サンミュージック退所を発表 | 解散せず、フリーで活動する方針を明らかにする |
2014年のTHE MANZAIでは、決勝進出を機にテレビ出演や営業の仕事が増えたことを新道自身が振り返っています。2015年のM-1グランプリでも決勝に進み、公式大会の記録や当時のプロフィール情報で、ファイナリストとしての実績が確認できます。
M-1グランプリ2015の決勝出場者一覧には、馬鹿よ貴方はがオフィス北野所属のコンビとして掲載されています。結果は8位でした。優勝には届かなかったものの、決勝進出という実績は、コンビの経歴における大きな節目です。
なお、決勝進出は必ずしも、その後ずっと地上波テレビへの出演が増え続けることを意味しません。賞レースでの評価と、その後のテレビでの露出、個々の芸人としての仕事は、それぞれ異なる要素によって左右されます。馬鹿よ貴方はの歩みは、賞レースの実績だけでは芸人のキャリア全体を説明できないことも示しています。
【ファラオが芸人を志した理由】松本人志の『遺書』が与えた影響
平井“ファラオ”光が芸人を志すきっかけとなったのは、ダウンタウンの松本人志が執筆した著書『遺書』でした。この本の影響については、2017年のGQ JAPANのインタビューでも本人が語っています。
ファラオは子どもの頃からダウンタウンが好きでしたが、当初から芸人になることを決めていたわけではありません。中学時代は吹奏楽部で活動し、高校時代にはボーカルのレッスンを受けるなど、音楽の道へ進むことも考えていました。
転機となったのが、松本人志の『遺書』を読んだことです。ファラオは、クラスの人気者だけでなく、引っ込み思案な人間にも独自の世界観があり、それが笑いにつながるという趣旨の考え方に強く影響を受けたと振り返っています。
自分は人前で積極的に話すタイプではない。その性格は、一般的な社交性という観点では短所に見える可能性があります。しかし、松本の考え方に触れたことで、内向的な性格もお笑いに生かせるのではないかと考えるようになったのです。
このエピソードは、馬鹿よ貴方はの芸風を理解するうえでも重要です。ファラオのボケは、大声や派手なリアクションで笑いを取るタイプとは異なります。独特の表情、淡々とした話し方、一般的な感覚から少しずれた人物像が、笑いを生み出す要素になっています。
もちろん、現在の芸風が松本人志の影響だけで完成したわけではありません。ファラオ自身の経験や関心、新道によるネタ作りが組み合わさって、コンビ独自のスタイルが形成されました。『遺書』は、ファラオが芸人という道を選ぶうえで、自分の個性を肯定するきっかけになった一冊といえます。
【所属事務所の変遷】オフィス北野、サンミュージック、そしてフリー転身
馬鹿よ貴方はの所属事務所は、キャリアのなかで複数回変わっています。コレクション・エンターテインメントやフリーでの活動を経て、オフィス北野、サンミュージックプロダクションへと移り、2025年には再びフリーとして活動することになりました。
オフィス北野への所属は、THE MANZAI 2014の決勝進出後に訪れた転機です。その後、2018年6月にサンミュージックへ移籍しました。当時のオフィス北野では、ビートたけしの独立を背景に退所や移籍が相次いでいました。日刊ゲンダイDIGITALも、馬鹿よ貴方はが同年6月にサンミュージックへ移ったことを報じています。
サンミュージックでは、テレビ出演や個人活動を含めて仕事の幅を広げてきました。ファラオはサンリオ好きという個性を生かしたテレビ出演などでも知られ、新道はネタ作りに加えて、お笑い賞レースの分析や女性芸人に関する執筆活動を続けてきました。
そして2025年9月1日、2人はサンミュージックからの退所を発表しました。新道は事務所への感謝を述べたうえで、解散ではなく退所のみであることを説明しています。スポニチアネックスの報道では、ファラオも退所を報告し、今後の仕事の依頼に関する案内を行ったことが伝えられました。
フリー転身の経緯で押さえておきたいのは、退所理由を推測で補わないことです。公表された情報から確認できるのは、2人が所属事務所を離れ、今後はフリーで活動すること、そしてコンビを解散しないと明言したことです。
芸能事務所に所属していれば、仕事の窓口やスケジュール調整、営業活動などを事務所と連携して進められます。一方、フリーで活動する場合は、仕事の受け方や個人活動の組み立て方について、本人たちが担う領域が広がります。ただし、フリー転身によって具体的にどのような契約や運営体制になったのかまでは、公表情報だけでは分かりません。
新道は退所報告のなかで、2人の距離感についても独特の表現を用いていました。もともとコンビで頻繁に話し合うタイプではなく、それでもM-1グランプリ2015の決勝まで進んだという趣旨の説明です。こうした関係性も、2人の活動スタイルを理解する手がかりになります。
【プロの結論】個性を生かす個人活動と、コンビとしての可能性
馬鹿よ貴方はの現在を評価する際には、テレビで見かける頻度だけで判断するのではなく、コンビとしての活動と個人の仕事を分けて見る必要があります。
ファラオは公式サイトで、舞台やイベントMC、執筆、サンリオ関連の仕事など、幅広い活動を紹介しています。加えて、三福エンターテイメントやおせつときょうたのおせつと組んだコントユニット「大人のお笑い」や、芸人によるヘヴィメタルバンド「HEAVY METAL THUNDER!!!」など、漫才以外の表現にも取り組んでいます。
新道は、ネタ作りに加え、お笑いの大会や芸人の個性を分析する執筆活動を続けています。2026年にも女性芸人を紹介する記事が掲載されており、舞台で演じるだけでなく、お笑いを言葉で分析する活動も継続しています。
こうした個人活動は、2人がコンビとしての個性を失ったことを意味しません。むしろ、それぞれの持ち味を別の場面でも生かせることは、フリーで活動する芸人にとって選択肢を広げる要素になります。
一方で、個人活動が活発であることと、コンビでの出演がどの程度あるかは別の問題です。今後のコンビ活動を知りたい場合は、個人の仕事だけでなく、馬鹿よ貴方は名義でのライブ出演や公式発信も確認する必要があります。
また、「馬鹿よ貴方はは消えた」「解散した」という情報を見かけた場合には、所属事務所の変更と解散を混同していないかを確かめることが重要です。2025年の退所発表では、解散しないことが明確に説明されました。テレビ出演の印象だけで、その後の活動すべてを判断するのは適切ではありません。
2人のキャリアで注目したいのは、賞レースの決勝進出という実績を持ちながら、一般的な売れ方だけに収まらない活動を続けている点です。ファラオの独特なキャラクターと幅広い関心、新道のネタ作りや分析力は、コンビとしても個人としても、それぞれ異なる形で生かされています。
【馬鹿よ貴方は】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:馬鹿よ貴方はは現在、解散していますか?
A1:2025年9月1日にサンミュージックプロダクションからの退所を発表しましたが、同時に解散しないことも明言しています。退所と解散は別のことであり、退所発表を解散の告知と受け取るのは誤りです。
Q2:馬鹿よ貴方はのファラオが芸人を志した理由は何ですか?
A2:松本人志の著書『遺書』を読んだことが大きなきっかけです。引っ込み思案な性格にも独自の世界観があり、それが笑いにつながるという趣旨の考え方に影響を受け、自分もお笑いに向いているかもしれないと考えるようになりました。
Q3:馬鹿よ貴方ははM-1グランプリで何位でしたか?
A3:2015年大会で決勝に進出し、8位となりました。前年のTHE MANZAI 2014でも決勝に進出しており、2年連続で大きな漫才賞レースの決勝に進んだ実績があります。
Q4:馬鹿よ貴方はの所属事務所はどのように変わりましたか?
A4:コレクション・エンターテインメントなどでの活動を経てオフィス北野に所属し、2018年6月にサンミュージックプロダクションへ移籍しました。その後、2025年9月に退所を発表し、フリーで活動することになりました。
Q5:新道竜巳とファラオは現在、個人でも活動していますか?
A5:はい。ファラオは舞台やイベントMC、執筆、サンリオ関連の仕事などに取り組み、新道はネタ作りやお笑いに関する分析・執筆活動を続けています。コンビとしての活動と並行して、それぞれの個性を生かした仕事を展開しています。
馬鹿よ貴方はは2008年に結成され、THE MANZAI 2014とM-1グランプリ2015で決勝進出を果たしたお笑いコンビです。ファラオの独特なキャラクターと、新道竜巳のネタ作りが組み合わさった芸風で注目され、複数の所属事務所を経て活動を続けてきました。
2025年9月にはサンミュージックプロダクションからの退所を発表しましたが、コンビの解散を意味するものではありません。2026年現在はフリーで活動しており、2人はそれぞれの得意分野を生かした仕事にも取り組んでいます。
今後の動向を追う際には、所属事務所の情報だけでなく、本人たちの発表、個人活動、コンビ名義の出演情報を分けて確認することが大切です。賞レースでの実績と独自の芸風を持つ馬鹿よ貴方はが、フリーという環境でどのような活動を展開していくのか。コンビとしての漫才と、それぞれの個人活動の両方に注目することで、2人の現在をより立体的に理解できます。