「税の作文は何を書けばよいの?」「1200字をどう埋めればいい?」「入賞作品にはどんな特徴がある?」。税の作文に取り組む中学生・高校生にとって、最初のテーマ選びと文章の組み立ては大きな悩みです。税金の知識を並べるだけでは、自分らしい作文に仕上げるのは難しいもの。身近な体験から疑問を見つけ、調べたことと自分の考えを結び付けることが、説得力のある文章への近道です。
2026年度の国税庁の募集要項では、中学生向けは題名を含めて1200字以内、高校生向けは800字以上1200字以内と定められています。中学生向けの締め切りは原則9月3日、高校生向けは9月7日で、10月28日現在、いずれも2026年度の応募受付は終了しています。この記事では、公式要項、前年度の応募実績、実際の入賞作品の題名や構成を手掛かりに、テーマ一覧、書き方、タイトルの付け方、生成AIと盗作の注意点まで詳しく解説します。
【2026年最新】税の作文の募集要項と文字数を中学生・高校生別に解説

「税の作文」と呼ばれる作品募集には、国税庁と全国納税貯蓄組合連合会が共催する中学生向けの「税についての作文」と、国税庁が募集する高校生向けの「税に関する高校生の作文」があります。名称が似ていても、テーマの指定方法や文字数、提出先などが異なるため、まず自分が応募する部門の条件を確認することが大切です。
国税庁の2026年度募集要項によると、中学生向けの応募資格は中学生のほか、義務教育学校の後期課程生徒、中等教育学校の前期課程生徒です。高校生向けは高校生、中等教育学校の後期課程生徒、高等専門学校の1~3年生が対象です。
中学生向けのテーマは「税に関すること」であれば幅広く認められています。一方、高校生向けは「税の意義と役割について考えたこと」がテーマです。ただし、どちらも税の専門知識を羅列する必要はなく、学校で学んだことや日常生活で感じた疑問、自分の体験を基に考えを深めることができます。
2026年度の主な応募条件は次のとおりです。
| 確認項目 | 中学生向け | 高校生向け |
|---|---|---|
| 募集名称 | 中学生の「税についての作文」 | 「税に関する高校生の作文」 |
| 応募資格 | 中学生など | 高校生など、高専1~3年生 |
| テーマ | 税に関すること | 税の意義と役割について考えたこと |
| 文字数 | 1200字以内(題名を含む) | 800字以上1200字以内(所定の記載事項などを除く) |
| 応募点数 | 1人1編 | 1人1編 |
| 2026年度の締め切り | 9月3日(木)。地区により異なる場合あり | 9月7日(月)必着 |
| 提出先 | 原則として学校を通じて地区の納税貯蓄組合連合会へ | 学校所在地を管轄する税務署 |
出典は、国税庁の「令和8年度 中学生の『税についての作文』募集」と「令和8年度『税に関する高校生の作文』募集」です。高校生向けの募集要項では、学校を通じて応募する場合、住所の記載は不要とされています。中学生向けは学校名・学年・氏名(ふりがな)・題名の記載が必要です。
なお、2026年10月28日現在、高校生向けの国税庁公式ページには「本年度の応募は締め切りました」と記載されています。中学生向けも原則の締め切りを過ぎており、入選発表は11月初旬の予定です。今後応募を考えている人は、次年度の募集要項が公表された際に、締め切りや提出方法を改めて確認してください。
【テーマ一覧】税の作文は何を書けばよい?身近な体験から選ぶ方法
税の作文でテーマが決まらないときは、税金そのものを難しく考えすぎないことがポイントです。まずは自分の生活を振り返り、税金が関係している場面を探してみましょう。国税庁の募集要項でも、家庭などで見聞きしたこと、税の申告や納付について感じたこと、学校で税を学んだときの感想などが例示されています。
具体的なテーマを選ぶときは、次のような切り口が考えられます。
- 学校生活と税金:学校施設、図書館、公立学校の教育環境などを通じて、教育を支える仕組みを考える。
- 医療と税金:公的医療保険や子どもの医療費助成などを調べ、必要な医療を受けられる仕組みについて考える。
- 災害対策と税金:避難所、消防、防災設備、道路の復旧など、地域の安全を守る公共サービスを取り上げる。
- ごみ収集と地域の暮らし:ごみ処理や道路の維持管理など、普段は意識しにくい公共サービスに目を向ける。
- 税金の公平性:誰がどのように負担し、どのような人やサービスを支えるべきかを考える。
- 税に関するニュース:税制改正、社会保障、少子高齢化、地域の財政などのニュースを読み、自分の意見を整理する。
- 将来の社会と税:高校生なら、成人年齢や将来の納税者としての立場から、望ましい社会のあり方を考える。
この中から選ぶときは、「資料を集めやすいか」だけでなく、「自分がなぜ気になったのか」を説明できるかどうかを基準にしましょう。たとえば、図書館をテーマにするなら「図書館は税金で運営されている」と説明するだけでは、作文としては発展しにくいものです。「無料で本を借りられる環境は、家庭の経済状況にかかわらず学ぶ機会を提供しているのではないか」という疑問を加えると、考察につながります。
税金の使い道を扱う際には、国税庁の「税の学習コーナー」が参考になります。医療や年金などの社会保障、教育、公共事業、警察・消防、ごみ処理など、税金と公共サービスの関係を確認できます。調べた情報は、自分の体験や疑問を説明するために使い、資料の説明だけで作文を終わらせないことが重要です。
【書き方の基本】序論・本論・結論で1200字の作文を組み立てる
税の作文を読みやすくするには、序論・本論・結論の3段階で構成を考える方法が有効です。いきなり1200字を書こうとすると、同じ説明を繰り返したり、途中で話題がそれたりしがちです。先に各段落の役割を決めておけば、必要な内容が見えやすくなります。
序論では、体験や疑問を提示する。読者が「なぜこの話題を取り上げたのか」を理解できるよう、身近な出来事や学校で学んだことから書き始めます。大きな事件や特別な体験である必要はありません。日常の中で感じた小さな疑問でも、作文の出発点になります。
本論では、調べた事実と自分の考えを結び付ける。税金がどのような仕組みで使われているのかを調べ、体験を振り返りながら、何を学んだのかを説明します。必要に応じて、制度の課題や公平性についても考えましょう。事実と意見を分けて書くと、文章に説得力が生まれます。
結論では、気づきや今後の行動を示す。序論で示した疑問に答え、自分の考えがどのように変わったか、これから社会とどう関わりたいかをまとめます。「税金は大切だと思った」で終えるのではなく、なぜ大切なのか、何を考え続けたいのかまで書くと、内容が具体的になります。
文字数の配分は、あくまで下書き段階の目安として、次のように考えると整理しやすくなります。
- 序論:全体の約15~20%。体験や問題意識を提示する。
- 本論:全体の約60~70%。調べた事実、具体例、考察を展開する。
- 結論:全体の約15~20%。自分なりの答えや今後の考えを示す。
たとえば、中学生向けで1000字程度を目指すなら、序論を150~200字、本論を600~700字、結論を150~200字程度に分けて考えられます。高校生向けは800字以上1200字以内なので、最初に800字を下回らない計画を立て、推敲後も条件を満たしているか確認してください。配分は固定ルールではなく、内容に応じて調整するものです。
特に大切なのは、本論を単なる制度紹介にしないことです。「税金は教育に使われる」という説明に続けて、「その仕組みが自分や地域にどんな意味を持つのか」「どんな課題があるのか」と問いを深めましょう。自分の考えを示すときは、根拠となる事実も一緒に説明すると、感想文から一歩進んだ作文になります。
【入賞作品から学ぶ】中学生・高校生の税の作文に生かせる工夫
書き方に迷ったときは、過去の入賞作品を読んで、テーマの選び方や論の進め方を参考にする方法があります。国税庁が公表した2025年度の中学生向け募集では、全国6,339校から426,594編の作品が寄せられました。高校生向けでは全国1,505校から173,021編が集まり、国税庁長官賞12編などが選ばれています。
こうした実績からも、税の作文は多くの生徒が取り組む課題だと分かります。ただし、応募数や受賞者数だけで、個々の作品の評価基準や入賞確率を判断することはできません。大切なのは、実際の受賞作品を読み、自分の作文に取り入れられる工夫を見つけることです。
2025年度の中学生向け内閣総理大臣賞を受賞した作品は、福岡市立春吉中学校3年の内海璃子さんによる「『納税』という名の優しさ」です。公開作品では、妹の将来への夢を身近な題材として、医療を支える税金への気づきにつなげています。税の制度を最初から抽象的に説明するのではなく、身近な人への思いを起点に、社会全体の支え合いへと視野を広げている点が参考になります。
高校生向けの2025年度国税庁長官賞受賞作品には、北海道の旭川龍谷高等学校2年、村上友紀乃さんによる「新たな夢を胸に」があります。国税庁の公開作品では、医療費をめぐる自身の経験から子ども医療費制度を知り、税金が医療を支える仕組みや、その持続可能性について考えを深めています。身近な出来事をきっかけに、制度の役割だけでなく課題にも目を向けている点が読み取れます。
これらの作品を参考にするときは、文章や具体的なエピソードをそのまま借りるのではなく、構成の工夫を学ぶことが大切です。特に参考になるのは、次の3点です。
- 個人的な疑問から始める:自分が見たもの、経験したこと、疑問に思ったことを出発点にする。
- 視野を広げる:自分の体験だけで終わらせず、その背景にある税の制度や社会全体とのつながりを考える。
- 自分なりの答えを出す:調べた情報を整理するだけでなく、そこから何を感じ、何を考えたのかを文章にする。
なお、2026年度の中学生向け入選発表は11月初旬の予定です。10月28日時点では、前年度の受賞作品を参考にしながら、最新の発表を待つ段階です。内閣総理大臣賞などの受賞作品は、国税庁や全国納税貯蓄組合連合会が公表する作品集などで確認できます。
【タイトルの付け方と例文】自分の体験を伝える書き出しのコツ
税の作文のタイトルは、読み手が内容を想像できるものにすると、文章全体の方向性が伝わりやすくなります。難しい言葉や大げさな表現を使う必要はありません。自分が取り上げる出来事と、そこから得た気づきが伝わる題名を考えましょう。
テーマ別のタイトル案としては、次のようなものが考えられます。いずれも発想のヒントであり、実際に提出する作品では、自分の体験や考察に合う表現に調整してください。
- 学校・教育:「図書館から考える、学ぶ機会を支える税金」
- 医療・福祉:「見えないところで支え合う社会」
- 地域の安全:「いつもの道を守る税金の役割」
- 税の公平性:「誰もが安心して暮らせる社会のために」
- 将来の社会:「未来の私たちと税金のつながり」
タイトルを考える際には、内容が曖昧になりすぎていないかを確認しましょう。「税金について」だけでは、何を伝えたいのかが分かりにくくなります。反対に、本文で扱わない内容を題名に盛り込むと、読み手の期待と実際の文章がずれてしまいます。本文を書き終えてから、中心となる気づきに合わせてタイトルを調整するのも一つの方法です。
書き出しは、作文全体の問題意識を示す部分です。次の短い例は、構成を考えるための参考例です。そのまま応募するのではなく、自分が実際に経験したことや考えたことに置き換えてください。
書き出しの参考例:
「私はこれまで、税金は大人が納めるもので、自分の生活とは少し離れたものだと思っていた。しかし、学校生活や地域の公共サービスについて調べるうちに、普段当たり前だと感じていた環境にも税金が関わっていることに気づいた。そこで、税金が私たちの暮らしをどのように支えているのかを考えてみたい。」
この例の要点は、税金への最初の認識、調べるきっかけ、これから考えたいことの順に並んでいる点です。ただし、これは一般的な構成例にすぎません。自分の経験と一致しない場合は、事実に合わせて書き直す必要があります。
自分の体験から始める場合は、次の順序でメモを作ると文章にしやすくなります。
- 何を見たのか、経験したのか。
- そのとき、どのような疑問や感情を持ったのか。
- 税金と関係があるのか、どんな制度があるのかを調べたか。
- 調べる前と後で、考え方がどう変わったか。
- その気づきを、今後の生活や社会への考えにどう結び付けるか。
自分だけの特別な体験がなくても問題ありません。学校の授業で知ったことや、身近な公共サービスについて調べた経験からでも、十分に考察を深められます。大切なのは、他人の感動的な体験を借りることではなく、自分が本当に疑問を持ったことを掘り下げることです。
【盗作・生成AIに注意】提出前に確認したいチェックポイント
税の作文を書く際に、内容や構成と同じくらい気を付けたいのが、作品の独創性と応募条件です。国税庁の2026年度募集要項では、中学生・高校生向けのいずれも、応募作品は本人が創作した未発表のものに限るとしています。また、盗作や不適切な引用があった場合は審査対象外になることがあり、生成AIによって作成された文章の応募は控えるよう明記されています。
生成AIを使って文章全体を作成し、それを自分の作文として提出することは避けてください。作文の課題は、税について自分で考え、その考えを自分の言葉で表現することにあります。言い回しを少し変えたり、語尾を修正したりしただけでは、他人の文章やAIが生成した文章を自分の創作に置き換えたことにはなりません。
また、入賞作品の読み込みは学習に役立ちますが、表現や構成を参考にすることと、内容を流用することは別です。受賞作品にある体験、主張、文章の流れを借りるのではなく、どのように体験から問題意識を導き出しているかを学びましょう。統計や制度の説明を引用・参照する場合も、出典と内容を確認し、資料の文章を自分の考えであるかのように書かないことが大切です。
提出前には、次の点を確認してください。
- 応募する部門の資格と締め切りを確認したか。
- 文字数が指定の範囲内に収まっているか。
- 自分自身の体験や疑問、考えが文章の中心になっているか。
- 他人の作文やウェブ上の文章を無断で流用していないか。
- 税の制度や数字について、国税庁などの公的資料で事実を確認したか。
- 中学生向け・高校生向けそれぞれの指定された記載事項を満たしているか。
- 誤字脱字、同じ説明の繰り返し、論理の飛躍がないか。
税の作文は、難しい言葉をたくさん使えば評価されるものではありません。自分が調べた事実を正確に理解し、そこからどのような考えに至ったのかを、自分の言葉で説明できているかを見直しましょう。
【税の作文】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:税の作文は中学生なら何文字書けばよいですか?
A1:2026年度の国税庁の募集要項では、中学生向けは題名を含めて1200字以内です。最低文字数は指定されていませんが、短すぎると体験や考察を十分に説明できない場合があります。伝えたい内容に合わせて構成を考え、字数制限を超えないように仕上げましょう。
Q2:高校生の税の作文は800字以上必要ですか?
A2:はい。2026年度の高校生向けは800字以上1200字以内です。学校名や氏名などの指定された記載事項は文字数に含めません。本文が800字未満にならないよう、提出前に文字数を確認してください。
Q3:税の作文の例文をそのまま使ってもよいですか?
A3:例文は構成や考え方を学ぶための参考として利用し、提出する文章は自分で書く必要があります。国税庁は本人が創作した未発表作品を応募条件とし、盗作や不適切な引用は審査対象外になる場合があるとしています。生成AIによって作成された文章の応募も控えるよう求めています。
Q4:税の作文に書きやすいテーマは何ですか?
A4:学校の施設、図書館、医療、消防、ごみ収集、道路など、身近な公共サービスから考える方法があります。自分が感じた疑問を出発点にして、税金がどのように使われているかを調べ、そこから得た気づきをまとめると書き進めやすくなります。
Q5:2026年度の税の作文はまだ応募できますか?
A5:2026年10月28日時点では、国税庁が案内する中学生向け・高校生向けの募集締め切りを過ぎています。中学生向けは原則9月3日、高校生向けは9月7日必着でした。次年度の応募を希望する場合は、国税庁や各地区の納税貯蓄組合連合会が公表する募集要項を確認してください。
2026年度の税の作文では、中学生向けは1200字以内、高校生向けは800字以上1200字以内という文字数の違いを理解し、応募部門に応じた条件を守ることが基本です。テーマは、教育、医療、地域の安全、ごみ処理、税の公平性など、身近な暮らしの中から見つけられます。
書き方に迷ったら、序論で体験や疑問を示し、本論で税の仕組みを調べて考察し、結論で自分なりの答えや今後の考えをまとめる方法を試してください。過去の入賞作品は、体験から社会全体へ視野を広げる構成や、調べた事実を自分の考えに結び付ける工夫を学ぶための参考になります。
一方で、受賞作品の丸写しや生成AIによる文章の作成は、公式の募集条件に反するおそれがあります。読みやすさや表現を磨くことは大切ですが、それ以上に重要なのは、自分が何を疑問に思い、何を調べ、どのように考えたのかを正直に伝えることです。
税金は、学校や地域の公共サービス、医療や社会保障などを通じて、私たちの生活とつながっています。身近な疑問を一つ見つけ、その背景を調べて自分の言葉で考えをまとめること。それが、読み手に伝わる税の作文を完成させるための第一歩です。