トマトペーストは、少量でトマトのうま味や風味を加えられる便利な食材です。離乳食の味付けや下ごしらえにも活用できますが、「いつから使える?」「塩分や添加物は大丈夫?」「どのくらい薄めればいい?」と迷う保護者も少なくありません。
2026年時点で参考になるこども家庭庁の「授乳・離乳の支援ガイド」では、離乳食は生後5〜6か月頃を目安に始め、子どもの発達や食べる様子に合わせて進めることが示されています。トマトペーストも、原材料を確認し、月齢に合った濃さや食感に調整すれば取り入れられます。ここでは、初期・中期・後期の使い方、適量、商品の選び方、レシピ、冷凍保存まで具体的に解説します。
【いつから使える?】トマトペーストの離乳食は初期から取り入れられる

トマトペーストは、離乳食を始めた後、トマトを食べられる状態に調理してから使えます。生のトマトを毎回湯むきして裏ごしする手間を減らせる点がメリットです。ただし、トマトペーストは生のトマトより濃縮されているため、製品をそのまま与えるのではなく、必ず月齢に合う濃さに調整しましょう。
こども家庭庁が案内する離乳の進め方では、初期は生後5〜6か月頃、中期は7〜8か月頃、後期は9〜11か月頃が目安です。月齢は一律の開始日を意味するものではなく、子どもの発達や食べる様子を見ながら進めます。
離乳食初期(生後5〜6か月頃)初期は、食材をなめらかにすりつぶし、飲み込みやすい状態にする時期です。トマトペーストを湯冷ましなどで十分に薄め、必要に応じて加熱し、なめらかな状態に整えます。
初めて食べるときは、薄めたトマトを小さじ1程度から試します。最初から多く食べさせる必要はありません。酸味や香りに驚いて口を閉じることもありますが、無理に食べさせず、別の日に少量から試してみましょう。
離乳食中期(生後7〜8か月頃)中期は、舌と上あごでつぶせる程度のやわらかさを目指します。トマトペーストを薄めたソースとして、おかゆ、豆腐、十分に加熱してほぐした白身魚などに組み合わせられます。
初期より少し濃いめに調整することもできますが、濃度を上げること自体が目的ではありません。食べにくそうなら水分を加え、口の中で扱いやすい状態に戻してください。
離乳食後期(生後9〜11か月頃)後期は、歯ぐきでつぶせる程度のかたさを目安に、食材の形や食感を少しずつ広げます。トマトペーストを鶏ひき肉ややわらかく煮た野菜に加えたり、軟飯や十分にやわらかく調理した短いパスタに混ぜたりする方法がおすすめです。
トマトペースト自体の濃さは、引き続き食材や料理に合わせて調整します。月齢が上がったからといって、塩分の多いソースや大人向けの味付けに切り替える必要はありません。
【選び方を徹底比較】無塩トマトペースト・ピューレ・トマト缶の違い
離乳食用のトマト加工品を選ぶときは、商品名だけで判断せず、原材料表示と食塩相当量を確認することが大切です。「トマトペースト」と表示されていても、商品によって原材料や濃縮度は異なります。
全国トマト工業会の加工品解説によると、トマトピューレーとトマトペーストは、どちらもトマトを裏ごしして濃縮した加工品ですが、濃縮度が異なります。一般的には、ペーストのほうが濃厚です。
| 種類 | 特徴 | 離乳食での選び方・注意点 |
|---|---|---|
| 無塩トマトペースト | トマトを濃縮した、粘度の高いペースト | 少量で風味を加えやすい。薄める量を調整する必要がある。 |
| トマトピューレー | ペーストより濃縮度が低く、比較的なめらか | 薄める手間を抑えやすい。食塩や香辛料が加えられていないか確認する。 |
| トマト缶 | ホール状やカット状のトマトを液汁とともに加熱殺菌したものが一般的 | 食塩無添加の商品を選び、皮・種・大きなかたまりが残る場合は取り除いて調理する。 |
| トマトソース・ケチャップ | 商品によって食塩、砂糖、香辛料などで味付けされている | 離乳食の基本食材としては避け、原材料や用途を十分に確認する。 |
離乳食に使うなら、原材料がトマトのみの商品が選びやすいでしょう。食塩、砂糖、香辛料、にんにく、たまねぎなどが加えられていないか、原材料表示を確認してください。
ここで注意したいのが、「食塩不使用」と「食塩相当量が完全にゼロ」は同じ意味ではないことです。原材料に食塩を加えていなくても、原料由来のナトリウムが含まれる場合があります。栄養成分表示の食塩相当量も併せて確認しましょう。
離乳食におすすめの商品は?具体的な選択肢の一つが、カゴメ株式会社の「トマトペーストミニパック」です。公式商品情報では、18g入りの小分け包装で、原材料はトマト(輸入)、トマトを約7倍に濃縮した商品として案内されています。離乳食にも使用でき、1袋当たりの食塩相当量は0.005〜0.04gと表示されています。
小分け包装は必要量を取り出しやすい点が利点です。ただし、濃縮度が高いため、初期から使う場合は十分に薄めてください。また、商品仕様や表示は変更されることがあるため、購入時のパッケージを優先しましょう。
トマトピューレーを選ぶ場合も、食塩不使用とは限りません。例えば、メーカーの商品情報に原材料として「トマト、食塩」と記載されている製品もあります。トマト缶も同様に、食塩無添加かどうかを確認して選びましょう。
【薄め方と使う量】月齢別に失敗しにくい調整方法を解説
トマトペーストは濃縮されているため、離乳食では薄め方が重要です。濃度を調整する際は、商品ごとの濃縮度を確認し、最初は薄めに作って食べる様子を見ながら調整すると扱いやすくなります。
トマトペーストの薄め方は10〜12倍が一つの目安カゴメ株式会社が公開している離乳食初期向けレシピでは、トマトペーストのミニパック1本(18g)に対して水180mlを加える方法が紹介されています。水の量はペーストの10〜12倍を目安に調整する内容です。
家庭で作る場合は、次のように考えると計量しやすくなります。
- トマトペースト1gに対し、水10〜12ml程度を加える。
- 全体をよく混ぜ、湯冷ましなどで濃さを調整する。
- 初期はなめらかさを確認し、必要に応じてさらに薄める。
- 中期・後期も、食材や料理に合わせて濃さを調整する。
この割合は、トマトペーストを使いやすい状態にするための目安です。すべての製品に同じ割合が適するとは限りません。商品ごとの濃縮度や、実際に作る料理の水分量も考慮してください。
離乳食で使う量はどれくらい?トマトペースト単独について、初期・中期・後期それぞれの一律の標準使用量が定められているわけではありません。離乳食全体の量は、子どもの食欲や成長に合わせて調整します。
初めてトマトを食べる場合は、十分に薄めた状態で小さじ1程度から試しましょう。すでに食べ慣れている場合の使用量は、ほかの野菜やたんぱく質性食品とのバランス、料理全体の量に合わせて決めます。
- 初期:薄めたトマトを小さじ1程度から。食べられることを確認して、少しずつ増やす。
- 中期:薄めたソースをおかゆや豆腐などに少量加え、料理全体の量と食べやすさを確認する。
- 後期:やわらかく調理した野菜や肉などに加え、食材全体の量と食感を調整する。
上記は家庭で取り入れる際の考え方であり、トマトペーストの公式な月齢別規定量ではありません。こども家庭庁の支援ガイドを基にした離乳食の目安では、中期の野菜・果物は1回当たり20〜30g、後期は30〜40gとされています。これは野菜・果物全体の目安であり、トマトだけで満たす量ではありません。
また、濃縮ペーストを原液のまま小さじ1与えることと、薄めたトマトを小さじ1与えることでは、摂取するトマトの濃さが大きく異なります。使用量を考えるときは、必ず薄めた後の状態を基準にしましょう。
【簡単レシピ3選】離乳食初期・中期・後期のトマトペースト活用術
トマトペーストは、基本の薄めたトマトソースを作っておくと、さまざまな食材に組み合わせられます。以下のレシピは、各食材をすでに食べられることを確認している場合の調理例です。初めての食材を同時に複数加えることは避けましょう。
1.初期:なめらかトマトソース材料:トマトペースト少量、水または湯冷まし。
作り方:トマトペーストを水で10〜12倍程度に薄め、よく混ぜます。必要に応じて加熱し、なめらかさを確認してください。初期はこのソースを小さじ1程度から試せます。
おかゆに混ぜる場合は、トマトを単独で食べられることを確認してから組み合わせると、食べた後の変化にも気づきやすくなります。
2.中期:トマトと豆腐のやわらかソース材料:薄めたトマトソース、豆腐。
作り方:豆腐を十分に加熱し、月齢に合うようにつぶします。薄めたトマトソースを少量加えて混ぜ、舌と上あごでつぶしやすい状態に整えます。水分が足りなければ、湯冷ましなどで調整してください。
豆腐のやわらかさとトマトの風味を組み合わせることで、主食やほかの野菜にも合わせやすい一品になります。味付けのための塩や砂糖は基本的に必要ありません。
3.後期:トマトと鶏ひき肉のやわらか煮材料:薄めたトマトソース、鶏ひき肉、にんじんなどの食べ慣れた野菜。
作り方:鶏ひき肉と野菜を十分に加熱し、月齢に合うやわらかさに調理します。薄めたトマトソースを加えて煮込み、肉のかたまりが残らないようにほぐしてください。
軟飯にかければトマト風味のごはんに、やわらかく調理した短いパスタに混ぜれば、食事のバリエーションが広がります。大人用のトマトソースとは別に作り、塩や香辛料を加えずに仕上げるのがポイントです。
【冷凍保存・酸味対策】おいしさと安全性を両立するコツ
トマトペーストの酸味を和らげる方法トマトの酸味が苦手な赤ちゃんには、単純に水で薄めるだけでなく、ほかの食材と組み合わせる方法もあります。
- かぼちゃと合わせる:かぼちゃの自然な甘みが加わり、トマトの酸味を感じにくくなることがあります。
- にんじんと合わせる:十分に加熱してやわらかくしたにんじんを混ぜると、甘みとうま味を補えます。
- おかゆに混ぜる:トマトの風味が全体に分散し、食べやすい濃さに調整しやすくなります。
- 加熱してから使う:ソースとして加熱すると風味がなじみ、酸味の印象が和らぐことがあります。
酸味を和らげるために砂糖や塩を追加する必要はありません。まずは濃さや組み合わせを調整し、食べにくそうであれば無理に食べさせないことが大切です。
トマトペーストの冷凍保存は小分けが基本一度に作った薄めたトマトソースは、すぐに使わない分を小分けにして冷凍すると便利です。カゴメ株式会社の離乳食初期向けレシピでも、余ったソースを製氷皿やフリーザーバッグに入れて冷凍し、1週間以内に使い切る方法が案内されています。
冷凍保存する際は、次の点を守りましょう。
- 清潔な製氷皿や保存容器を使い、1食分ずつ小分けする。
- 調理後は長時間室温に放置せず、早めに冷凍する。
- 保存日を記録し、調理済みの離乳食は1週間以内を目安に使い切る。
- 食べる分だけ取り出し、十分に再加熱してから、赤ちゃんが食べられる温度まで冷ます。
- 一度解凍したものを再冷凍しない。食べ残しは保存せずに処分する。
農林水産省も、離乳食を冷凍保存する場合は十分に再加熱してから与えるよう注意を促しています。赤ちゃんは細菌への抵抗力が弱いため、調理器具や食器、手指を清潔に保つことも欠かせません。
未希釈のトマトペーストを開封した場合は、薄めた調理済みソースとは保存条件が異なります。開封後の冷蔵・冷凍の可否や使用期限は、商品パッケージに記載された方法を優先してください。
【アレルギー・塩分の注意点】安心して使うために確認したいこと
トマトにもアレルギーの可能性はあるトマトは離乳食に利用できる食材ですが、どの食材でも食物アレルギーが起こる可能性はあります。トマトが初めての場合は、少量から試し、初回はほかの新しい食材と一緒に与えないようにしましょう。体調がよく、異変があった際に医療機関へ相談しやすい時間帯に試すと安心です。
食後に皮膚の赤み、じんましん、かゆみ、嘔吐などが見られた場合は、食べさせるのを中止して医師に相談してください。息苦しさやゼーゼーする呼吸、繰り返す嘔吐、意識の異常など、重い症状が現れた場合は、速やかに救急対応を求めてください。
こども家庭庁の乳幼児期のアレルギーに関する案内でも、食物アレルギーを疑う症状が出た場合は自己判断で対応せず、医師の指示に従うことが勧められています。過去に食物アレルギーを指摘されたことがある場合や、医師から食事について指示を受けている場合は、その指示を優先しましょう。
塩分・原材料・添加物をチェックするトマトペーストを選ぶ際は、パッケージの原材料表示と栄養成分表示を確認します。特に注意したいのは、食塩、砂糖、香辛料、ほかの野菜や調味料が加えられていないかという点です。
「トマトのみ」と書かれていても、食塩相当量の表示は確認してください。また、トマトペーストとトマトソース、ケチャップは別の食品です。大人向けの調味済み商品を、そのまま離乳食に流用しないようにしましょう。
【プロの結論】濃縮度・原材料・食べる量の3点で判断するトマトペーストを離乳食に取り入れる際に大切なのは、商品名だけで選ばないことです。原材料がシンプルであること、濃縮度に応じて薄められること、子どもの月齢や食べる様子に合った量に調整できること。この3点を確認すれば、家庭でも扱いやすくなります。
特に、毎回少量だけ使いたい家庭には小分け包装の商品が便利です。一方、トマトの風味を比較的穏やかに取り入れたい場合は、食塩無添加のトマトピューレーも選択肢になります。どちらが優れているかではなく、原材料と濃さ、使い切りやすさで選ぶのが合理的です。
初期は薄めてなめらかに、中期は食べやすいソース状に、後期はほかの食材と組み合わせてやわらかく。月齢に応じて調理方法を変えながら、無理のない範囲で活用していきましょう。
【トマトペーストの離乳食】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:トマトペーストは離乳食初期から使えますか?
A1:使えます。離乳食を始める生後5〜6か月頃から、原材料を確認したトマトペーストを十分に薄め、なめらかに調理して少量から試しましょう。
Q2:トマトペーストとトマトピューレーはどちらがおすすめですか?
A2:少量で濃い風味を加えたいならトマトペースト、比較的濃縮度が低いものを使いたいならトマトピューレーが選択肢になります。どちらも食塩や調味料の有無を確認し、月齢に合った濃さに調整してください。
Q3:トマトペーストの離乳食は冷凍できますか?
A3:冷凍できます。薄めて調理したソースを清潔な容器で1食分ずつ小分けし、早めに冷凍してください。調理済みのものは1週間以内を目安に使い切り、食べる前に十分に再加熱します。
トマトペーストは、離乳食初期から後期まで幅広く活用できる食材です。初期は十分に薄めてなめらかにし、中期はおかゆや豆腐に、後期はやわらかく調理した肉や野菜に加えるなど、成長に合わせて使い方を変えられます。
選ぶときは、原材料がトマトのみの商品を優先し、食塩相当量や濃縮度を確認しましょう。酸味が気になる場合は、かぼちゃやにんじん、おかゆなどと組み合わせる方法があります。冷凍する際は小分けにして衛生的に保存し、十分に再加熱してから与えてください。
トマトペーストを上手に活用すれば、毎日の離乳食づくりの手間を減らしながら、料理のバリエーションを増やせます。赤ちゃんの食べる様子を見守り、無理なく取り入れていきましょう。