りんごの切り方は、定番のくし切りだけではありません。皮をむいて食べやすくする方法、皮ごと楽しめる輪切り、お弁当に映えるうさぎりんご、料理やお菓子に使いやすい薄切りなど、用途によって適した切り方が変わります。ポイントを押さえれば、包丁の扱いに慣れていない人でも、無駄を減らしながらきれいに仕上げられます。
また、切ったりんごが茶色くなるのを防ぐには、塩水や砂糖水を使う方法も便利です。農林水産省は、りんごの果肉が空気に触れることで酸化し、褐色に変化すると説明しています。この記事では、基本の切り方から皮のむき方、芯の取り方、お弁当向けの変色防止まで、家庭で実践しやすい手順をまとめます。
【基本編】りんごのくし切り・芯の取り方をマスターしよう

りんごの切り方で最初に覚えたいのが、くし形切りです。家庭で食べるときはもちろん、来客用のデザートやフルーツの盛り合わせにも使えます。切り分けたあとに芯を取り除けるため、食べるときに硬い部分が口に残りにくいのも利点です。
基本のくし切りは6〜8等分がおすすめりんご1個を食べやすい大きさにするなら、まずは8等分を目安にしましょう。大きめのりんごなら6等分、小ぶりのりんごなら8等分など、実の大きさや食べる人に合わせて調整できます。
- りんごを流水でよく洗い、清潔なまな板に置きます。
- ヘタを上にして縦半分に切ります。
- それぞれを縦半分に切り、4等分にします。
- さらに半分に切り、8等分のくし形にします。
- 各切れの芯側に、包丁で斜めの切り込みを両側から入れ、芯と種を取り除きます。
- 皮を残す場合はそのまま、むく場合は皮を薄く取り除いて完成です。
切るときは、りんごの丸い面を上にして不安定な状態で包丁を入れるのではなく、切り口をまな板につけて安定させるのがコツです。包丁を強く押し込むよりも、刃をまっすぐ下ろすことを意識すると、切り口が整いやすくなります。
りんごの芯の取り方はV字カットが簡単くし切りにしたりんごの芯は、V字に切り取る方法が簡単です。芯の境目に沿って左右から斜めに包丁を入れ、中央の硬い部分を外します。深く切り込みすぎると果肉まで多く取り除いてしまうため、芯の輪郭を確認しながら切るのがポイントです。
種だけでなく、種の周りにある硬い繊維質の部分も取り除くと、口当たりがよくなります。包丁の扱いに慣れていない場合は、りんごを手に持ったまま芯を切り取ろうとせず、まな板の上で安定させて作業しましょう。
りんごの皮のむき方は包丁とピーラーを使い分けるりんごの皮のむき方には、大きく分けて丸ごとむく方法と、くし形に切ってからむく方法があります。初心者には、くし切りにしてからむく方法がおすすめです。小さな面積ずつ処理できるため、刃の動きをコントロールしやすくなります。
- 包丁でむく:くし形に切ったりんごをまな板に置き、皮と果肉の境目に刃を入れて薄くむきます。
- ピーラーでむく:皮むきが苦手な人や、手早く準備したい人に向いています。製品の使い方に従い、刃の進行方向に手を置かないよう注意しましょう。
- 皮を残す:流水でしっかり洗い、皮の食感も楽しみます。廃棄する部分を減らせるのもメリットです。
皮をむくときに厚く削りすぎると、食べられる果肉まで捨てることになります。刃先だけで無理に削ろうとせず、切ったりんごの形に合わせて少しずつ進めると、果肉を残しやすくなります。
【用途別比較】輪切り・薄切り・皮ごと食べる切り方の選び方
りんごの切り方は、見た目だけでなく、食べやすさや調理のしやすさにも影響します。おやつ用ならくし切り、皮を残したいなら輪切り、ケーキに使うなら薄切りというように、目的から選ぶと迷いません。
| 切り方 | 基本の手順 | 向いている用途 | メリット・注意点 |
|---|---|---|---|
| くし切り | 縦に6〜8等分し、芯を取る | 普段のおやつ、食後のデザート | 手順がわかりやすく、芯を取り除きやすい |
| 輪切り | 横向きに置き、一定の厚さで切る | 皮ごとのおやつ、型抜き、盛り付け | 皮を残しやすく、星形やハート形にもアレンジできる |
| 薄切り | くし形にして芯を取り、薄く切る | アップルパイ、タルト、サラダ | 火が通りやすく、ほかの食材と合わせやすい |
| いちょう切り | くし形に切って芯を取り、端から薄く切る | フルーツサラダ、ヨーグルト、お菓子 | 小さくそろえやすい。厚さを均一にすると仕上がりが整う |
| スティック切り | 輪切りやくし形から棒状に切る | 皮ごと楽しむおやつ、盛り合わせ | 手で持ちやすい形にできる。子どもには硬さや長さに配慮する |
| うさぎ切り | くし形に切り、皮にV字の切り込みを入れる | お弁当、行事の盛り付け | 見た目が華やかになる。皮をむく幅と深さを調整する |
農林水産省の家庭向け情報でも、一般的なくし切りに加え、上から格子状に切る垂直カットや輪切りが紹介されています。輪切りは芯をくり抜いてアレンジしやすく、垂直カットは中心の芯を残して果肉を切り分けるため、手早く準備したいときの選択肢になります。
りんごの輪切りは皮ごと食べたいときに便利輪切りは、りんごを横向きにして、上から一定の厚さでスライスする方法です。厚さは用途に応じて調整できますが、まずは約1cmを目安にすると扱いやすくなります。皮をむかずに切れば、赤い皮と淡い果肉のコントラストを生かせます。
- りんごを洗い、横向きに置きます。
- 端から約1cm幅を目安に、輪切りにします。
- 中央に種や硬い芯が残っていれば、小さな型抜きや包丁で取り除きます。
- そのまま食べるほか、スティック状に切ったり、型抜きで星やハートの形に整えたりします。
輪切りは、皮をむく手間を省きたいときにも向いています。ただし、丸いりんごを横向きに切るときは滑りやすいため、最初に安定するように置き、無理に力を入れないことが大切です。
りんごの薄切りは2〜3mmを目安にするケーキやタルトに使う場合は、りんごをくし形に切って芯を取り、端から2〜3mm程度の厚さに切ると扱いやすくなります。薄さがそろっていれば、加熱したときに火の通りが均一になりやすく、見た目もきれいに仕上がります。
フルーツサラダに使うなら、薄切りだけでなく、いちょう切りや角切りも便利です。ほかの果物や具材と大きさをそろえると、スプーンですくいやすくなり、食感のバランスも整えられます。
【お弁当・飾り切り】うさぎりんごをきれいに仕上げる方法
りんごのうさぎ切りは、くし形にしたりんごの皮を一部残し、耳のような形を作る飾り切りです。特別な道具がなくても包丁で作れます。お弁当やフルーツの盛り合わせに取り入れれば、いつものりんごを少し華やかに見せられます。
うさぎりんごの切り方は3ステップ- くし形に切る:りんごを6〜8等分し、芯を取り除きます。
- 皮にV字の切り込みを入れる:皮のある側に、耳の形になるよう浅いV字の切れ込みを入れます。
- 片側の皮をむく:V字の切り込みから皮をむき、耳に見える部分の皮を残します。
耳の部分を深く切り込みすぎると、皮が途中で切れたり、形が崩れたりしやすくなります。最初は小さな切り込みから始め、皮をむく幅を少しずつ調整しましょう。左右の耳を完全に同じ形にするよりも、皮がつながった状態を保つことを優先すると仕上げやすくなります。
お弁当向けなら輪切りの型抜きもおすすめうさぎ切り以外の飾り切りとして便利なのが、輪切りにしたりんごを型抜きする方法です。星形やハート形の型を使えば、細かな包丁さばきに自信がなくても、比較的簡単に形を整えられます。
輪切りから芯をくり抜くと、中央に穴が開いたドーナツのような形になります。そこから型抜きすれば、皮の赤色を残したかわいらしい飾りが作れます。型抜きで余った果肉も、細かく切ってヨーグルトやサラダに加えれば無駄なく使えます。
子どもが食べやすい切り方は年齢と噛む力で選ぶ子ども向けのりんごは、見た目のかわいらしさだけでなく、噛み切る力や飲み込む力に合わせて形状を考える必要があります。こども家庭庁は、りんごや梨など、切り方や硬さによって喉に詰まりやすい食材について、離乳期には柔らかくなるまで加熱し、離乳期を過ぎて3歳頃までの子どもには、発達に応じて適切な大きさに切るなどの工夫を呼びかけています。
そのため、小さな子どもには、生のりんごを大きなくし形のまま渡すのではなく、必要に応じて加熱して柔らかくする方法を検討しましょう。細かく切れば必ず安全というわけでもありません。一口に詰め込まないよう見守り、食事中は座って食べることに集中させる配慮も欠かせません。
【時短・皮ごと】りんごを簡単に切る方法と失敗しないコツ
りんごを手早く切るには、すべての皮をむいてから切るのではなく、用途に合わせて工程を省くことがポイントです。皮を食べるなら輪切り、芯を取り除きたいならくし切り、料理に使うなら必要な形に切ってから薄さをそろえると、無駄な作業を減らせます。
時短したいなら垂直カット農林水産省が紹介する垂直カットは、りんごを上から格子状に切り分ける方法です。りんごをまな板の上に安定させ、中心の芯を避けるように包丁を入れるため、個別に芯を切り取る手間を減らせます。
ただし、中心の芯が残る部分は食べないようにし、切り分けた果肉を確認してから盛り付けましょう。芯の位置が分かりにくい場合や、きれいな形を優先したい場合は、くし切りにしてから芯を取り除く方法のほうが確実です。
皮ごと食べるなら洗ってから切る皮ごと食べる切り方は、輪切りやスティック切りが代表的です。皮を残すことで、皮の近くに含まれるペクチンなども一緒に摂取でき、皮をむく手間と廃棄を減らせます。青森りんごの公式情報でも、皮の近くに栄養成分が含まれることや、食べる前に水洗いすることが案内されています。
皮ごと食べる場合は、切る前に流水で十分に洗いましょう。まな板や包丁も清潔なものを使い、汚れが果肉に移らないようにします。皮の食感が苦手な人や、口当たりを優先したい人は、くし切りにしてから薄く皮をむけば十分です。
切り方で迷ったときの判断基準- 手早さを優先:皮をむかずに輪切り、または垂直カット。
- 食べやすさを優先:くし切りにして芯を取り除き、食べる人に合わせて大きさを調整。
- 料理の仕上がりを優先:薄切りや角切りにして、厚さ・大きさをそろえる。
- 見た目を優先:うさぎ切りや型抜きを取り入れる。
- 皮の食感が苦手:くし切りにしてから皮をむく。
切り方に唯一の正解があるわけではありません。食べる人、調理方法、準備にかけられる時間の3点を基準にすると、自分に合った方法を選びやすくなります。
【変色防止】りんごを塩水につける方法とお弁当での保存のコツ
切ったりんごが茶色くなるのは、果肉に含まれるポリフェノールなどが空気に触れて酸化するためです。農林水産省も、皮をむいたりんごが時間の経過とともに褐色に変化する仕組みを説明しています。見た目をきれいに保ちたいお弁当では、切ったあとの処理がポイントになります。
りんごを塩水につける方法塩水は、家庭で実践しやすい変色防止の方法です。塩の濃度が高すぎると塩味が強くなるため、薄めの塩水を使いましょう。
- ボウルに水200mlを入れ、塩小さじ約5分の1を溶かします。
- りんごを好みの大きさに切り、芯を取り除きます。
- 切ったりんごを塩水に短時間浸します。まずは数分程度を目安にします。
- 取り出して水気をよく切り、清潔な容器に入れます。
塩水の濃度は約0.5〜0.6%が目安です。塩水に浸すと果肉の表面が空気に触れにくくなり、変色を抑えやすくなります。ただし、完全に変色を防げるわけではなく、りんごの品種や切ってからの時間、保存状態によって結果は異なります。
塩味をつけたくないなら砂糖水や果汁も選択肢塩味が気になる場合は、砂糖水を使う方法もあります。水200mlに砂糖大さじ1程度を溶かし、切ったりんごを浸します。塩水と同様に、浸したあとは水気を切って保存しましょう。砂糖水は甘みが加わるため、おやつ用やデザート用にも取り入れやすい方法です。
農林水産省は、褐色になったりんごを果汁100%のオレンジジュースに約10分浸すと、ビタミンCの働きによって色が戻ることがあると紹介しています。塩水が主に変色を抑えるための方法であるのに対し、こちらはすでに褐色になった果肉の色を改善する方法です。オレンジの風味がつくため、用途に合わせて選びましょう。
お弁当で変色を防ぐための3つのポイント- 切ったら早めに処理する:塩水や砂糖水を使う場合は、切ったあと長時間放置せずに浸します。
- 水気を切って詰める:余分な水分がほかのおかずに移らないようにします。
- 冷蔵と保冷を意識する:清潔な容器に入れ、持ち運び中も適切な温度管理を心がけます。
お弁当のりんごは、変色を抑えるだけでなく、衛生面にも気を配ることが大切です。塩水に浸したからといって傷みにくくなるわけではありません。調理前の手洗い、清潔な調理器具の使用、適切な保冷を組み合わせましょう。
【りんご切り方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:りんごは何等分に切ると食べやすいですか?
A1:普段のおやつなら6〜8等分のくし切りが目安です。りんごの大きさや食べる人に合わせて調整し、芯を取り除いてから盛り付けると食べやすくなります。
Q2:りんごの皮はむかずに食べても大丈夫ですか?
A2:皮ごと食べる場合は、流水で十分に洗ってから切りましょう。皮の近くに含まれる成分も摂取でき、皮をむく手間を省けます。皮の食感が苦手な場合は、くし切りにしてからむく方法がおすすめです。
Q3:りんごを塩水につける時間はどのくらいですか?
A3:まずは数分程度を目安にしてください。水200mlに塩小さじ約5分の1を溶かした塩水を使うと、変色防止に役立ちます。浸す時間が長すぎると塩味が気になる場合があるため、短時間から試すとよいでしょう。
Q4:うさぎりんごはどの部分の皮を残せばよいですか?
A4:くし形に切ったりんごの皮側にV字の切り込みを入れ、その内側の皮をむきます。切り込みを入れた部分の皮を残すと、うさぎの耳のような形になります。皮を深く切りすぎず、少しずつむくのがコツです。
Q5:子どもにはどのような切り方がおすすめですか?
A5:子どもの年齢や噛む力、飲み込む力に合わせて選びましょう。りんごは硬く、窒息につながるおそれがある食材です。離乳期には柔らかくなるまで加熱し、その後も発達に応じて適切な大きさや硬さに調整してください。食事中は座って食べるようにし、様子を見守ることも大切です。
りんごの切り方を覚えるなら、まずはくし切りと芯の取り方から始めるのがおすすめです。普段のおやつには6〜8等分のくし切り、皮ごと楽しみたいときは輪切り、ケーキやタルトには薄切り、お弁当にはうさぎ切りや型抜きと、用途に応じて使い分けると便利です。
切ったりんごの変色が気になる場合は、水200mlに塩小さじ約5分の1を溶かした塩水に短時間浸す方法を試してみましょう。塩味を避けたい場合は砂糖水も選択肢になります。処理後は水気を切り、適切に冷蔵・保冷することも忘れないでください。
切り方を選ぶ際は、見た目や時短だけでなく、食べる人の年齢や噛む力、調理の目的まで考えることが大切です。基本のくし切りを覚えておけば、皮むきから飾り切りまで応用でき、毎日の食卓やお弁当づくりにも役立ちます。