2024年度、長野県内の高校で認知されたいじめは167件だった。小学校・中学校・高校・特別支援学校を合わせた県内全校種の認知件数は9,633件。高校分は全体の約1.7%に当たる。前年度と比べると高校は17件減少した一方、県内全体でも434件減少している。
ただし、認知件数の減少だけで問題が改善したとは判断できない。長野県教育委員会が公表した資料には、発見のきっかけ、悪口や仲間外れ、SNS・インターネット上の誹謗中傷、いじめの解消状況など、数字の背景を読み解くための情報も掲載されている。2026年には県のいじめ対応マニュアルも令和8年改訂版へ更新され、学校の初動対応や情報共有のあり方が改めて整理された。
この記事では、2024年度の統計を中心に、高校いじめの実態と重大事態の発生状況、県教委の対策、2026年度に利用できる相談窓口までを整理する。
【2024年度の実態】長野県の高校いじめ167件と全校種9,633件の違い

長野県教育委員会が公表した「令和6年度 いじめの状況について」によると、県内の高校におけるいじめ認知件数は167件だった。
一方、小学校・中学校・高校・特別支援学校を合わせた認知件数は9,633件。前年度の10,067件から434件減少している。
ここで注意したいのは、9,633件が高校だけの数字ではないことだ。高校167件は、その全体に含まれる一つの校種の数字である。
高校の割合は約1.7%となるが、これは高校生の被害が少ないことを直接示す数字ではない。学校種によって児童生徒数や人間関係、相談方法、認知の仕組みが異なるためだ。
高校の認知件数は前年度から17件減少2024年度の高校の認知件数は、前年度の184件から167件へ減少した。
県教育委員会の説明では、学校種別に見ると、小学校と高校で認知件数が減少し、中学校と特別支援学校では増加している。
県内全体の認知件数も減少したものの、いじめがなくなったという意味ではない。学校が把握した件数と、実際に子どもたちが経験している被害の総量は、必ずしも一致しないからだ。
また、県内の調査対象は国公私立の小中高校(通信制を含む)と特別支援学校の711校。特定の学校や公立高校だけを対象にした統計ではない。
認知件数が少ない学校ほど安全とは限らないいじめ防止対策推進法では、被害を受けた生徒が心身の苦痛を感じているかどうかが重要な判断基準となる。
そのため、本人が冗談や遊びだと受け止めていない行為を、周囲が「よくあること」と判断してしまえば、発見が遅れる可能性がある。
高校では、クラス内の人間関係だけでなく、部活動、通学中の交友関係、オンライン上のつながりなど、複数の場所で人間関係が形成される。
学校内で目立ったトラブルが確認されなくても、SNS上での嫌がらせが続いているケースは考えられる。認知件数を評価するときは、数字だけでなく、学校が相談を受け止める仕組みを整えているかも見る必要がある。
【5年間の推移】長野県高校いじめの認知件数はどう変化した?
長野県の高校いじめ認知件数は、2020年度から2024年度にかけて、おおむね減少傾向で推移している。
長野県教育委員会の公表資料から、5年間の高校と全校種の数字を比較すると次のようになる。
| 年度 | 高校の認知件数 | 全校種の認知件数 |
|---|---|---|
| 2020年度(令和2年度) | 203件 | 8,638件 |
| 2021年度(令和3年度) | 198件 | 9,668件 |
| 2022年度(令和4年度) | 180件 | 9,603件 |
| 2023年度(令和5年度) | 184件 | 10,067件 |
| 2024年度(令和6年度) | 167件 | 9,633件 |
出典:長野県教育委員会「令和6年度 いじめの状況について」
高校は2020年度から36件減少2020年度の203件と比較すると、2024年度は167件で36件減少している。
ただし、毎年一方向に減少していたわけではない。2023年度には前年の180件から184件に増加しており、年度によって変動が見られる。
2024年度は再び減少したが、この変化をそのまま学校環境の改善と結びつけることには慎重さが必要だ。
県内全体では1,000人当たり45.5件2024年度の長野県全校種のいじめ認知件数は、児童生徒1,000人当たり45.5件だった。
全国平均は61.3件で、長野県は15.8件下回っている。
一方、全国の認知件数は増加傾向にあり、長野県でも認知件数が高い水準で推移している。
信越放送が2025年12月11日に報じた長野県いじめ問題対策連絡協議会の会合でも、9,633件という数字が報告され、県内のいじめ問題への継続的な対応が議論された。
重要なのは、全国平均より数字が低いからといって、県内の高校生が安心して学校生活を送れていると断定できないことだ。
認知件数には、学校側が小さな兆候を把握し、いじめとして認識できているかどうかも反映される。
【発見のきっかけと実態】悪口・仲間外れ・SNS上の誹謗中傷
いじめ問題を考えるうえで、認知件数と同じくらい重要なのが、どのような経路で学校が問題を把握したかという点だ。
長野県教育委員会の2024年度資料では、県内全校種の発見のきっかけについて、学校関係者による発見と、学校関係者以外からの情報による発見に分けて集計している。
なお、この発見経路の内訳は全校種の数字であり、高校167件だけの内訳ではない。
学校の教職員による発見は53.5%2024年度の発見のきっかけは、次のとおりだった。
- 学校の教職員等による発見:5,158件、53.5%
- 学校の教職員以外からの情報:4,475件、46.5%
- アンケートなど学校の取組による発見:3,348件、34.8%
- 本人からの訴え:2,558件、26.6%
- 本人の保護者からの訴え:1,272件、13.2%
- 他の児童生徒からの情報:451件、4.7%
特に注目したいのは、本人からの訴えが26.6%を占めていることだ。
いじめの発見は、教師が現場を目撃することだけで成立するわけではない。本人が相談できる環境を整え、保護者や周囲の生徒が異変を伝えられる仕組みを持つことも、早期発見につながる。
また、アンケートなど学校の取組による発見も34.8%に達している。定期的な調査や教育相談が、表面化しにくい問題を把握する手段になっている。
高校では悪口やからかいが最多の態様高校のいじめの態様については、2024年度の県資料に具体的な数字が掲載されている。
主な項目は次のとおりだ。
- 冷やかし、からかい、悪口、脅し文句など:104件
- 仲間外れや集団による無視:23件
- 軽くぶつかる、遊ぶふりをして叩くなど:13件
- ひどくぶつかる、叩く、蹴るなど:11件
- 金品を隠す、盗む、壊すなど:15件
- 嫌なことや恥ずかしいこと、危険なことをさせる:13件
- パソコンや携帯電話による誹謗中傷など:21件
最も多いのは、悪口やからかいなどの言葉による行為だった。
高校のいじめは、必ずしも暴力を伴うものではない。本人が嫌だと感じる言葉を繰り返されたり、周囲から孤立させられたりする行為も認知対象になる。
なお、態様の統計は複数回答であるため、各項目の合計は高校の認知件数167件を超える。21件という数字も、ネット上のいじめだけで高校の認知件数を構成しているという意味ではない。
SNS・ネット上の誹謗中傷は学校外にも影響する高校生にとって、SNSやメッセージアプリは友人との連絡や情報交換に使われる身近な手段だ。
一方、インターネット上では、悪口や誹謗中傷、仲間外れにつながる情報が、学校の外でも継続する可能性がある。
投稿された内容が保存・転載されれば、削除した後も情報が残る場合がある。本人が学校で過ごす時間だけを見ていても、オンライン上の被害を把握できないことがある。
長野県教育委員会の令和8年改訂版マニュアルでは、SNS上のいじめや誹謗中傷の危険性を具体的に伝えること、匿名であっても書き込みには責任が伴うことなどを啓発する方針が示されている。
また、問題が起きた場合には、必要に応じてネット上の書き込みなどをスクリーンショットで保存することも対応上の留意点として挙げられている。
SNS上の問題は、単なる友人同士の口論として処理するのではなく、被害を受けた生徒の心理的な負担や生活への影響を確認する必要がある。
【重大事態と解消率】長野県のいじめ対策で見落とせない数字
いじめの認知件数とは別に、重大事態の発生状況も確認しておきたい。
いじめ防止対策推進法第28条では、いじめによって児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがある場合や、相当の期間、学校を欠席することを余儀なくされている疑いがある場合を重大事態として扱う。
重大事態と判断された場合、学校や設置者には事実関係を明確にするための調査などが求められる。
2024年度の重大事態は県内全体で11件長野県教育委員会の2024年度資料によると、県内全校種の重大事態は次の状況だった。
- 発生学校数:11校
- 発生件数:11件
- 1号重大事態:6件
- 2号重大事態:7件
- 1,000人当たりの発生件数:0.05件
全国では重大事態が1,405件、1,000人当たり0.11件だった。
ここで重要なのは、長野県の11件は小学校・中学校・高校・特別支援学校を合わせた数字だということだ。公表資料のこの集計だけでは、高校で発生した重大事態の件数を特定できない。
また、1号と2号の区分別件数は合計13件となり、発生件数11件とは一致しない。区分別の数字を単純に足して、独立した重大事態の総数と解釈しないことも大切だ。
いじめの解消済み割合は81.8%2024年度の長野県全校種におけるいじめの解消状況は次のとおりだった。
- 解消済み:7,877件、81.8%
- 取組中:1,745件、18.1%
- その他:11件、0.1%
全国の解消済み割合は76.1%だったため、長野県は5.7ポイント高い。
ただし、この81.8%も高校だけの解消率ではない。全校種を合わせた数値である。
加えて、いじめの解消には一定の条件が設けられている。
1. いじめに関係する心理的・物理的な影響を与える行為が、少なくとも3か月継続して止んでいること。
2. 被害を受けた児童生徒本人と保護者への面談などを通じて、心身の苦痛を感じていないことを確認できること。
つまり、加害側が謝罪しただけでは、解消したことにはならない。
学校が一時的に問題を収めたとしても、その後の生活で被害が再発したり、本人が精神的な苦痛を感じ続けたりしていれば、解消の条件を満たさない。
数字上の解消率だけでなく、被害を受けた生徒が安心して学校生活を送れる状態になったかどうかが問われる。
【2026年の県教委の対応】基本方針・条例・令和8年改訂版マニュアル
長野県のいじめ対策は、国の法律だけでなく、県独自の条例や基本方針、学校現場向けの対応マニュアルによって構成されている。
それぞれの役割を理解すると、問題が発生したときに、どの機関が何を担うのかが分かりやすくなる。
長野県のいじめ対策を支える4つの仕組み| 主体・制度 | 主な役割 | 高校いじめとの関係 |
|---|---|---|
| いじめ防止対策推進法 | 国の基本的な法制度 | いじめの定義、学校の対応、重大事態の調査 |
| 長野県いじめ防止対策推進条例 | 県独自の基本理念や責務を規定 | 県民、学校、関係機関の連携を推進 |
| 長野県いじめ防止等のための基本的な方針 | 県の基本的な対応方針 | 未然防止、早期発見、組織的対応 |
| 長野県いじめ対応マニュアル(令和8年改訂版) | 学校現場での実務的な対応方法 | 初動対応、情報共有、聞き取り、心理的支援 |
長野県は2014年3月に「長野県いじめ防止等のための基本的な方針」を策定した。
その後、2015年3月には「長野県いじめ防止対策推進条例」を制定。いじめの未然防止、早期発見、適切な対処を進めるため、県の責務や県民の役割などを明確にした。
基本方針は2018年3月に改定されている。
この基本方針では、いじめを受けた児童生徒の立場に立って認知することや、些細に見えるトラブルも軽視しないこと、教職員が一人で問題を抱え込まず組織的に対応することなどが示されている。
令和8年改訂版マニュアルで何が変わった?2026年、長野県教育委員会は「長野県いじめ対応マニュアル~いじめの重篤化を防ぐために~」の令和8年改訂版を掲載した。
この改訂では、令和7年度の長野県いじめ問題対策連絡協議会での見直しに加え、こども家庭庁と文部科学省が2025年に示した「いじめの重大化を防ぐための留意事項集」などを踏まえ、学校で実行できる具体的な対応方法を整理している。
特に要点は次の5つだ。
1. 初動対応の迅速化
いじめが疑われる段階から情報を受け止め、対応を先送りしない。小さなトラブルであっても、重大化する可能性を考慮する。
2. 情報共有の徹底
担任だけで対応を完結させず、学年主任、生徒指導担当、管理職などに情報を共有する。学校内のいじめ対策組織を中心に対応方針を決める。
3. 仮判断の活用
正式な組織判断を待つことで初動が遅れないよう、対応の集約担当者による仮判断を活用する。
4. 被害者・加害者双方への支援
被害を受けた生徒の心理的なケアだけでなく、行為をした生徒の背景や心理面にも目を向ける。必要に応じてスクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーと連携する。
5. 関係機関との連携
学校だけで解決が難しい事案では、警察、児童相談所、専門機関などとの協力を進める。
特に注目したいのは、いじめの疑いがある情報を組織で共有するという考え方だ。
担任が「子ども同士のけんか」と判断して対応を終えてしまえば、学校全体で問題を把握する機会が失われる可能性がある。令和8年改訂版は、そうした初動の遅れを防ぐための実務的な手順を重視している。
長野県いじめ問題対策連絡協議会の役割長野県いじめ問題対策連絡協議会は、地域、家庭、学校、関係機関などの連携を強化するために設置されている。
2025年12月11日には令和7年度の協議会が開催され、2024年度のいじめの状況などが報告された。
このような協議会は、単に認知件数を確認するだけの場ではない。重大事態の調査報告書などから課題を整理し、再発防止策を県内の学校や関係機関に広げる役割も担っている。
2026年1月16日更新の県教育委員会の公開情報でも、協議会の開催状況や資料が確認できる。
【高校生向け相談窓口】2026年に利用できる電話・LINE・専門家の支援
いじめを受けている生徒にとって、最初に難しいのは誰かに相談することだ。
担任に知られたくない、保護者に心配をかけたくない、相談した後に相手との関係が悪化するのが怖い。そうした不安から、被害を受けていても声を上げられないことがある。
長野県では、学校内外に複数の相談窓口を設けている。
24時間利用できる学校生活相談センター長野県教育委員会の「学校生活相談センター」は、いじめや不登校など学校生活に関する相談を受け付けている。
- 電話番号:0120-0-78310
- 受付時間:24時間365日
- 対象:長野県内に在住する児童生徒・保護者など
- メール:gakko-sodan@pref.nagano.lg.jp
夜間や休日でも電話相談が可能で、匿名での相談にも対応している。相談内容などのプライバシーも守られる。
学校に直接相談することが難しい場合や、すぐに誰かに話を聞いてほしい場合に利用できる。
中学生・高校生専用のLINE相談2026年度には、長野県教育委員会によるLINE相談窓口「ひとりで悩まないで@長野」も開設されている。
対象は県内の学校に在籍する中学生・高校生など。
2026年4月1日から2027年3月31日まで、原則として毎週水曜日と日曜日に実施される。
- 通常の受付時間:17時~21時
- 相談終了:21時30分
- 7月・8月・9月の水曜日:大学生等が対応するピア・デイ
- ピア・デイの受付時間:18時~20時
LINEは電話で話すことに抵抗がある生徒にも利用しやすい相談方法だ。
友人関係、学校生活、気持ちの落ち込みなど、相談内容は限定されていない。いじめと断定できない段階でも、困っていることを相談できる。
子ども支援センター学校生活以外の悩みも含めて相談したい場合は、長野県子ども支援センターも利用できる。
- 子ども専用ダイヤル:0800-800-8035
- 大人用ダイヤル:026-225-9330
- 受付時間:月曜日~土曜日10時~18時
- 休業日:日曜日、祝日、年末年始
友人関係や家庭の問題など、子どもに関する幅広い悩みを受け付けている。
スクールカウンセラーとスクールソーシャルワーカーの違い学校内で支援を受けたい場合は、スクールカウンセラー(SC)とスクールソーシャルワーカー(SSW)も相談先になる。
両者は専門分野が異なる。
スクールカウンセラー(SC)
公認心理師や臨床心理士などの心理の専門家。生徒本人や保護者とのカウンセリング、心理状態の把握、教職員への助言などを行う。
長野県の事業資料では、県立高校への対応も位置づけられており、2025年度の資料では県立高校全82校が対応対象となっている。
スクールソーシャルワーカー(SSW)
社会福祉や精神保健福祉の専門家。いじめの背景に家庭や地域の問題がある場合などに、関係機関との調整を行い、学校外も含めた支援体制を整える。
例えば、学校での人間関係の問題だけでなく、家庭環境や生活上の困難も重なっている場合、学校と福祉関係機関をつなぐ役割を担う。
どちらに相談すればよいか分からない場合は、学校の教育相談担当者や学校生活相談センターに相談してもよい。
【長野県高校いじめ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:長野県の高校いじめ認知件数は2024年度に何件でしたか?
A1:2024年度の長野県内の高校におけるいじめ認知件数は167件です。小学校・中学校・高校・特別支援学校を合わせた全校種の認知件数は9,633件でした。
Q2:長野県の高校でいじめによる重大事態は何件発生しましたか?
A2:2024年度の県内全校種の重大事態は11件です。ただし、公開されている集計では高校だけの発生件数は特定できません。高校の重大事態件数として11件を扱うことはできません。
Q3:SNSやLINEでの誹謗中傷もいじめに該当しますか?
A3:該当する可能性があります。いじめ防止対策推進法では、インターネットを通じて行われる行為も対象に含まれています。長野県の2024年度資料では、高校の「パソコンや携帯電話等による誹謗中傷や嫌なこと」の態様が21件記録されています。
Q4:学校に知られずにいじめを相談できますか?
A4:学校生活相談センターでは匿名相談が可能です。また、県内の中学生・高校生向けLINE相談「ひとりで悩まないで@長野」もあります。相談内容や本人の安全に関する状況によって対応は異なりますが、学校に直接話しにくい場合の相談先として利用できます。
Q5:いじめが解消したと判断される条件は何ですか?
A5:いじめに関係する行為が少なくとも3か月継続して止んでいることと、被害を受けた生徒本人や保護者への確認を通じて、心身の苦痛を感じていないことが必要です。謝罪や一時的な関係改善だけでは解消とは判断されません。
2024年度の長野県高校いじめ認知件数は167件だった。県内全校種の9,633件と比べると割合は小さいが、数字だけで高校生の被害の深刻さを判断することはできない。
高校では悪口やからかいなどの言葉による行為が多く、SNS・インターネット上の誹謗中傷も認知されている。いじめが学校外でも続く可能性を踏まえ、学校内の観察だけでなく、生徒本人や保護者が相談できる仕組みを整えることが欠かせない。
2026年の長野県教育委員会は、令和8年改訂版の対応マニュアルを通じて、早期発見、組織的な情報共有、迅速な初動対応、専門家との連携を重視している。
読者が学校や教育委員会の対応を確認する際には、次の3点が重要な判断基準となる。
- 認知の段階: 本人の訴えや小さな兆候を軽視せず、組織的に情報共有しているか。
- 対応の段階: 事実確認や安全確保、被害を受けた生徒への支援が迅速に行われているか。
- 解消の段階: 一時的な謝罪で終わらせず、再発防止と心理的な回復まで確認しているか。
いじめの問題は、認知件数が減っただけでは解決しない。被害を受けた生徒が安心して学校に通い、自分の気持ちを表現できる環境が整って初めて、実質的な改善につながる。
長野県の今後の課題は、統計上の数字を追うだけでなく、学校現場での早期発見と、被害を受けた生徒に寄り添う継続的な支援をどこまで実効性のあるものにできるかにある。