モンテルカストを飲み始めてから体重が増えた、顔や足がむくむようになった。このような変化を感じ、「薬の副作用で太ったのでは?」と心配している人は少なくありません。モンテルカストは、気管支喘息やアレルギー性鼻炎の治療に使われる薬ですが、体重への影響については、副作用の記載を正しく読み分ける必要があります。
2026年11月現在、PMDA(医薬品医療機器総合機構)に掲載されている2026年4月改訂のモンテルカスト錠「YD」の添付文書では、体重増加は独立した副作用として記載されていません。一方、浮腫(むくみ)はその他の副作用に含まれています。また、キプレスの2026年8月改訂版でも、浮腫が副作用として記載されています。さらに注意したいのは、急激な体重増加が重大な副作用である劇症肝炎の自覚症状として、患者向け医薬品ガイドに掲載されている点です。
つまり、「モンテルカストを飲むと太る」と単純に判断することはできません。体脂肪が増えたのか、水分によるむくみなのか、それとも別の病気や併用薬が関係しているのかを見極めることが大切です。
【結論】モンテルカストの副作用で太る?2026年最新の添付文書を検証

最初に、最も気になる「モンテルカストを飲むと太るのか」という疑問に答えます。
2026年4月改訂の添付文書では、体重増加そのものは通常の副作用一覧に記載されていません。
PMDAに掲載されているモンテルカスト錠5mg・10mg「YD」の電子添文は、2026年4月1日改訂の第3版です。効能・効果には気管支喘息とアレルギー性鼻炎が記載され、副作用の項目には浮腫、頭痛、傾眠、消化器症状、肝機能異常などが掲載されています。
ここで重要なのは、体重増加という症状と浮腫が別の意味を持つことです。
浮腫とは、皮膚の下などに余分な水分がたまった状態です。足首やすね、手、顔などが腫れぼったくなることがあり、体内の水分量が増えれば体重計の数字にも変化が出る可能性があります。
しかし、これは必ずしも脂肪が増えたことを意味しません。
2026年の添付文書で確認できる事実モンテルカストの副作用欄では、その他の副作用として浮腫が記載されています。
また、2026年8月3日改訂のキプレス錠・OD錠の電子添文でも、同じ有効成分であるモンテルカストナトリウムについて、浮腫が副作用として掲載されています。
したがって、キプレスを服用している人も、後発医薬品のモンテルカストを服用している人も、むくみという症状には注意が必要です。
なお、添付文書に体重増加の記載がないことは、服用中に体重が増える可能性が一切ないという意味ではありません。薬との因果関係が明確になっていない体重変化や、別の原因による増加も考えられます。
【原因を検証】モンテルカストの体重増加はなぜ起こる?むくみ・食欲との関係
モンテルカストの服用中に体重が増えた場合、考えたいのは主に水分の変化、併用薬、生活習慣や体調の変化です。
1. むくみによって体重が増えている可能性モンテルカストの添付文書には、浮腫がその他の副作用として記載されています。
浮腫が起きると、体内に水分がたまり、体重が増加する場合があります。
例えば、次のような変化が目安になります。
- 朝起きたときに顔やまぶたが腫れぼったい
- 夕方になると足首やすねがむくむ
- 靴下の跡が以前より残りやすい
- 指輪がきつく感じる
- 体重が増えた一方で、食事量に大きな変化がない
ただし、これらの症状があれば必ずモンテルカストが原因というわけではありません。
腎臓、心臓、肝臓などの病気でも浮腫が生じることがあります。むくみが続く場合は、薬の副作用だけに原因を限定せず、医療機関で確認する必要があります。
2. モンテルカストによる食欲増進は確認されている?「モンテルカストを飲み始めて食欲が増えた」という疑問もあります。
しかし、2026年4月改訂の添付文書に掲載されている副作用一覧には、食欲増進は独立した副作用として記載されていません。
消化器系の副作用として掲載されているのは、主に次の症状です。
- 下痢
- 腹痛
- 胃不快感
- 吐き気
- 胸やけ
- 嘔吐
- 便秘
食欲増進が公式の副作用として記載されていないからといって、服用中に食欲の変化を感じる人がいないと断定することはできません。
食事量、睡眠、運動量、ほかに服用している薬なども確認することが大切です。
3. 併用薬や生活習慣の変化も確認する喘息やアレルギー性鼻炎の治療では、モンテルカスト以外の薬を併用することがあります。
特に確認したいのがステロイド薬です。
経口ステロイド薬などは、種類や使用量、服用期間によって体重増加やむくみに関係する場合があります。
モンテルカストを飲み始めた時期と、ほかの薬を開始・増量した時期が重なっている場合は、どの薬が関係しているのかを医師や薬剤師に確認しましょう。
また、食生活の変化、運動不足、睡眠不足、加齢、基礎疾患なども体重変化に関係します。
服用開始と体重増加の時期が一致しただけでは、薬が原因だとは判断できません。
【副作用一覧】モンテルカストで注意したい症状を比較表で整理
モンテルカストは、ロイコトリエン受容体拮抗薬に分類される医療用医薬品です。
気管支喘息では気道の炎症に関係するロイコトリエンの働きを抑え、アレルギー性鼻炎では鼻の症状を改善する目的で使用されます。
体重への影響だけでなく、ほかの副作用も知っておくことが大切です。
モンテルカストの副作用と体重変化の関係| 項目 | 添付文書・患者向け資料の記載 | 確認したいポイント |
|---|---|---|
| 体重増加 | 通常の副作用一覧には独立した記載なし | 体重変化の原因を確認 |
| 浮腫 | その他の副作用に記載 | 手足や顔のむくみ |
| 食欲増進 | 独立した副作用として記載なし | 食事量や生活習慣の変化 |
| 急激な体重増加 | 劇症肝炎の自覚症状として患者向け資料に記載 | 黄疸や腹部膨満などを伴わないか |
| 血管浮腫 | 重大な副作用として記載 | 唇・舌・顔・喉の急な腫れ |
| 肝機能障害 | 重大な副作用として記載 | 倦怠感、吐き気、黄疸など |
※PMDA掲載のモンテルカスト錠「YD」2026年4月改訂版およびキプレス2026年8月改訂版を参考に整理。
比較的注意したいその他の副作用添付文書の11.2項には、その他の副作用が記載されています。
主なものは次のとおりです。
過敏症
- 発疹
- かゆみ
- じんましん
精神神経系
- 頭痛
- 眠気
- 不眠
- 悪夢
- めまい
- しびれ
- イライラ
- 情緒不安
- 集中力低下
消化器系
- 下痢
- 腹痛
- 胃の不快感
- 吐き気
- 胸やけ
- 嘔吐
- 便秘
肝臓
- 肝機能異常
- AST上昇
- ALT上昇
- γ-GTP上昇
- 総ビリルビン上昇
その他
- 口の渇き
- 血尿
- 尿潜血
- 尿糖
- 浮腫
- 倦怠感
- 尿蛋白
- 中性脂肪上昇
添付文書では、0.1~5%未満と頻度不明の項目に分けて記載されています。ただし、この頻度区分は錠剤、チュアブル錠、細粒剤の国内臨床試験の結果を合わせて算出したものです。すべての症状について個別の発生率が分かるわけではありません。
見逃してはいけない重大な副作用モンテルカストには、頻度不明ながら重大な副作用もあります。
- アナフィラキシー
- 血管浮腫
- 劇症肝炎
- 肝炎
- 肝機能障害
- 黄疸
- 中毒性表皮壊死融解症(TEN)
- 皮膚粘膜眼症候群(スティーブンス・ジョンソン症候群)
- 多形紅斑
- 血小板減少
また、うつ病、自殺念慮、自殺、攻撃的行動などの精神症状も報告されています。添付文書では因果関係が明らかではないとしながら、患者の状態を十分に観察するよう注意喚起しています。
体重増加だけに注目せず、精神面や全身状態の変化にも気を配りましょう。
【飲み始め・長期服用・中止】体重が変化したときの正しい確認方法
モンテルカストを飲み始めてから体重が変わった場合、いつから、どの程度、どのような症状と一緒に変化したのかを整理すると、医師に相談しやすくなります。
飲み始めてから体重が変化した場合モンテルカストの服用開始後、何日目や何週間目に体重が増えるという一定の発症時期は、添付文書では示されていません。
そのため、飲み始めた直後の体重増加を、すぐに薬の影響だと判断するのは適切ではありません。
最初に、次の項目を記録してみましょう。
- 服用開始日
- 服用量と服用回数
- 体重が増え始めた時期
- 体重の変化
- 顔や足のむくみの有無
- 食欲や食事量の変化
- ほかに服用している薬
- 息切れ、倦怠感、尿の変化などの症状
体重は、できるだけ毎日同じ時間帯、同じ条件で測定すると変化を比較しやすくなります。
モンテルカストを長期服用すると太る?長期服用によって必ず体重が増えるという記載は、2026年の添付文書にはありません。
ただし、長く服用しているから副作用が起こらないという意味でもありません。
添付文書では、効果が認められない場合に漫然と長期投与しないよう注意されています。
一方、気管支喘息については、症状が良好にコントロールされている場合でも継続して服用するよう説明することが記載されています。
つまり、長期服用の必要性は、薬の効果と患者の状態を踏まえて判断するものです。
体重変化が気になる場合は、定期的に診察を受け、治療の継続や変更について相談しましょう。
モンテルカストを中止すると体重は戻る?「薬をやめれば元の体重に戻るのでは?」と考える人もいる可能性があります。
しかし、モンテルカストを中止すれば体重が必ず減るという医学的な保証はありません。
仮に体重増加の一部が浮腫によるものだったとしても、改善するかどうかは原因や身体の状態によって異なります。
脂肪の増加、食生活の変化、ほかの薬の影響、内臓の病気などが関係している場合は、モンテルカストを中止するだけでは解決しません。
加えて、添付文書では、本剤によってステロイド維持量を減量できた患者が服用を中止する場合、原疾患が再発するおそれがあると注意されています。
体重管理を目的に自己判断で服用を中止することは避けてください。
【受診の目安】むくみや急激な体重増加が起きたらどうする?
体重の変化が気になるとき、特に重要なのが症状の組み合わせです。
単なる体重の増減なのか、重大な副作用の兆候なのかによって、必要な対応は異なります。
早めに医師や薬剤師に相談したい症状次のような変化が続いている場合は、処方した医師に相談してください。
- 足や手のむくみが続く
- 顔やまぶたが腫れぼったい
- 服用開始後から体重が増え続けている
- 食欲や食事量が大きく変わった
- 倦怠感や体調不良が続く
- 尿の量や状態に変化がある
受診時には、体重の記録と服用中の薬の一覧を持参すると、原因を調べる際に役立ちます。
急激な体重増加は重大な副作用の可能性もある特に注意したいのが劇症肝炎です。
モンテルカストの患者向け医薬品ガイドでは、劇症肝炎の自覚症状として、急激な体重増加が挙げられています。
次の症状が一緒に現れた場合は、速やかに医療機関を受診してください。
- 白目や皮膚が黄色くなる
- 尿の色が濃くなる
- お腹が張る
- 吐き気や嘔吐
- 強い倦怠感
- 体がかゆくなる
- 急激に体重が増える
こうした症状は、一般的な体重増加とは意味が異なります。肝臓の重大な異常を示している可能性があるため、様子を見続けないことが大切です。
顔や舌、喉が急に腫れた場合は緊急対応もう一つ注意したいのが血管浮腫です。
足のむくみなどとは異なり、唇、舌、顔、喉などが突然腫れることがあります。
喉が詰まる感じ、声が出にくい、息苦しいといった症状を伴う場合は、気道が危険にさらされる可能性があります。
このような場合は救急対応が必要です。呼吸困難などがあれば119番に連絡してください。
【よくある質問】モンテルカストの副作用と体重増加について
Q1:モンテルカストを飲むと太るというのは本当ですか?
A1:2026年4月改訂の添付文書では、体重増加は独立した副作用として記載されていません。ただし、浮腫は副作用として記載されています。むくみによって体重が増える可能性はあるため、体重の変化と身体の症状を合わせて確認してください。
Q2:モンテルカストの副作用で食欲が増えることはありますか?
A2:食欲増進は添付文書の副作用一覧に独立した項目として記載されていません。食欲の変化を感じた場合は、食事量、生活習慣、併用薬なども含めて医師に相談しましょう。
Q3:キプレスやシングレアでも体重増加は起こりますか?
A3:キプレスとシングレアは、いずれもモンテルカストナトリウムを有効成分とする薬です。キプレスの2026年8月改訂版でも、浮腫は副作用として記載されています。体重増加そのものが独立した副作用として記載されているわけではありません。
Q4:モンテルカストを長期間飲むと体重が増えますか?
A4:長期服用によって必ず体重が増えるという記載はありません。ただし、長期服用中に体重や体調が変化した場合は、併用薬やほかの病気も含めて確認することが大切です。
Q5:モンテルカストをやめれば体重は元に戻りますか?
A5:中止によって必ず体重が戻るわけではありません。むくみが原因なのか、脂肪が増えたのか、別の病気や薬が関係しているのかによって対応は異なります。喘息の再発リスクもあるため、自己判断で中止しないでください。
Q6:モンテルカストの服用中に急に体重が増えたらどうすればよいですか?
A6:急激な体重増加は、劇症肝炎の自覚症状として患者向け医薬品ガイドに記載されています。黄疸、濃い尿、腹部膨満、強い倦怠感などを伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。
モンテルカストの副作用で太るのかという疑問について、2026年のPMDA掲載資料を確認すると、体重増加そのものは通常の副作用一覧に独立して記載されていません。一方、浮腫は副作用として記載されています。
今回の要点は次のとおりです。
- モンテルカストの副作用一覧に体重増加は独立した項目として掲載されていない。
- 浮腫はその他の副作用に含まれる。
- 食欲増進も独立した副作用としては記載されていない。
- 急激な体重増加は劇症肝炎の自覚症状として注意が必要。
- キプレスやシングレアも同じ有効成分を含む薬である。
- 体重が増えた場合も自己判断で服用を中止しない。
特に大切なのは、体重計の数字だけで薬の副作用を判断しないことです。
むくみの有無、体重が増えた時期、併用薬、全身状態を総合的に確認することで、必要な対応が見えてきます。
喘息やアレルギー性鼻炎の治療を続けながら健康管理をするためにも、気になる変化があれば処方医や薬剤師に相談し、自分の症状に合った治療方針を確認しましょう。
※本記事は2026年11月時点の公的医薬品情報を参考にした一般向け解説です。個別の診断や治療方針については医師・薬剤師にご相談ください。