春の七草を覚えたいなら、まずは「せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ」という順番を、五七五七七のリズムに乗せて口ずさむのがおすすめです。名前を一つずつ暗記するより、短いフレーズに区切って覚えると、子どもから大人まで思い出しやすくなります。
2026年も、1月7日の七草粥は一年の無病息災を願う日本の伝統行事です。七草の名前と読み方はもちろん、すずなはカブ、すずしろは大根という違い、間違えやすい「ほとけのざ」の正体、春の七草と秋の七草の違いまで整理すれば、暗記と季節の知識を一緒に身につけられます。
【最短で覚える】春の七草は五七五七七のリズムが正解!

春の七草の覚え方として定番なのが、七つの名前を五つのまとまりに分けて唱える方法です。短歌と同じ五七五七七の音数に合わせると、言葉の並びが記憶に残りやすくなります。
せりなずな(5音)
ごぎょうはこべら(7音)
ほとけのざ(5音)
すずなすずしろ(7音)
これぞななくさ(7音)
この五つのフレーズを続けて読むと、春の七草の順番をまとめて覚えられます。最後の「これぞななくさ」は、七つの名前を言い終えたことを確認する合図にもなります。
なお、五七五七七は覚えやすくするためのリズムです。七草の名称そのものが短歌として生まれたという意味ではありません。古くから伝わる七草の唱え言葉を、音数で整理して覚える方法と考えるとよいでしょう。
一度に七つを覚えようとせず、まず「せり・なずな」、次に「ごぎょう・はこべら」、その次に「ほとけのざ」、最後に「すずな・すずしろ」と、前から順番に付け足していくのがコツです。
春の七草は、古い呼び名と現在一般的に使われる植物名が一致しないものがあります。特に、ごぎょう、はこべら、ほとけのざは、名前だけでは具体的な植物を想像しにくいところです。
農林水産省の行事食に関する紹介や、国立国会図書館のジャパンサーチによる七草の解説でも、春の七草は、セリやナズナなどの植物と、カブや大根を含む七種類として説明されています。
| 順番 | 七草の名前・読み方 | 現在の植物名 | 覚えるポイント |
|---|---|---|---|
| 1 | 芹(せり) | セリ | 湿った場所に生える。香りが特徴。 |
| 2 | 薺(なずな) | ナズナ | ペンペングサの別名でも知られる。 |
| 3 | 御形(ごぎょう) | ハハコグサ | 白っぽい綿毛に覆われた葉や茎が特徴。 |
| 4 | 繁縷(はこべら) | ハコベ | 小さな白い花をつける。 |
| 5 | 仏の座(ほとけのざ) | コオニタビラコ(タビラコ) | 一般的な紫色の花のホトケノザとは別の植物。 |
| 6 | 菘(すずな) | カブ | 丸みのある根が特徴。 |
| 7 | 蘿蔔(すずしろ) | ダイコン | 白く細長い根が特徴。 |
最初の五つは、野草として知られる植物が中心です。最後の二つは、普段の食卓でもおなじみの野菜であるカブと大根です。この構成を意識すると、七種類の名前と植物の正体を関連づけて覚えられます。
漢字まで覚える必要がある場合は、まず読み方を確実にしてから、芹・薺・御形・繁縷・仏の座・菘・蘿蔔を一つずつ対応させましょう。難しい漢字を先に暗記するより、音と植物名を結びつけてから漢字を追加するほうが効率的です。
【語呂合わせ・覚え歌】子ども向けに楽しく覚える3つのコツ
春の七草を子ども向けに教える場合は、意味の難しい名前を説明する前に、リズム・動作・実物の三つを使うと覚えやすくなります。
コツ1:手拍子をしながら唱える
「せりなずな」「ごぎょうはこべら」「ほとけのざ」「すずなすずしろ」「これぞななくさ」と、五つのまとまりに合わせて手をたたきます。慣れてきたら、最後の「これぞななくさ」を言う前に、七つの名前が全部出てくるか確認してみましょう。
コツ2:二つずつの組み合わせで覚える
「せり・なずな」「ごぎょう・はこべら」「すずな・すずしろ」は、二つ一組にして覚えると負担が減ります。間に入る「ほとけのざ」は一つだけなので、七草の順番を思い出す目印になります。
コツ3:食べ物や写真と結びつける
カブを見せて「すずな」、大根を見せて「すずしろ」と教えれば、言葉だけの暗記より具体的に理解できます。残りの五種類も写真や植物図鑑で確認し、名前と見た目を結びつけると、記憶が定着しやすくなります。
覚え歌を使う際に大切なのは、歌詞を正確に再現することだけではありません。七種類の名前を正しい順番で思い出せることが第一の目標です。名前が言えるようになったら、植物名や漢字を追加していくと、段階的に知識を広げられます。
七草の名前を覚えた後に混乱しやすいのが、似た名前の植物や、普段の呼び名と異なる植物です。とりわけ、すずなとすずしろ、ほとけのざは、意味を取り違えないように注意しましょう。
すずな=カブ
すずなはカブの古い呼び名です。根の部分が丸くふくらむのが特徴で、葉も食材として利用されます。「鈴のように丸い根を持つカブ」とイメージすると覚えやすくなります。ただし、名前の由来を説明する際には、覚え方としての連想と語源の説明を混同しないことが大切です。
すずしろ=大根
すずしろは大根を指します。カブと比べると、一般的には根が細長い形をしています。「すずなは丸いカブ、すずしろは細長い大根」と対比すれば、二つの名前を取り違えにくくなります。
ほとけのざ=コオニタビラコ
ここは特に注意したいポイントです。春の七草に含まれるほとけのざは、一般に「ホトケノザ」と呼ばれる紫色の花をつける植物ではなく、コオニタビラコ(タビラコ)を指します。名前が同じように見えても、植物としては別物です。
残りの五種類は特徴を一つずつ覚える
セリは湿った場所に生え、ナズナはペンペングサの名でも親しまれています。ごぎょうに当たるハハコグサは白っぽい綿毛が目立ち、はこべらに当たるハコベは小さな白い花をつけます。見分ける際は、一つの特徴だけで断定せず、葉・茎・花・生育環境などを総合して確認することが必要です。
環境省近畿地方環境事務所が2025年に紹介した春の七草の観察記録でも、ハコベ、セリ、ハハコグサなどの特徴を確かめながら、七草を探す様子が取り上げられています。植物の実物を観察することは、名前を覚えるだけでなく、似た植物の違いを知る機会にもなります。
ただし、野外で見つけた草を自己判断で食べるのは避けましょう。似た植物との誤認や、道路脇・農地などでの汚染や農薬の付着といった問題があるためです。七草を実際に食べる場合は、食用として販売されているものを選ぶと安心です。
【1月7日の七草粥】なぜ食べる?由来と意味をわかりやすく解説
七草粥を食べる日は、毎年1月7日です。この日は五節句の一つである「人日の節句(じんじつのせっく)」に当たり、一年の無病息災を願う日として知られています。
農林水産省は、1月7日の行事食として、七種類の若菜を入れた七草粥を食べ、無病息災を願う習慣を紹介しています。神社本庁の節供に関する解説でも、人日の節供と七草粥の関係が説明され、冬を越えて芽を出す若葉の力強さを分けてもらうという意味が伝えられています。
七草粥の由来には、中国の風習と日本の若菜摘みが関係しています。
国立国会図書館のジャパンサーチによる解説では、古代中国で正月7日に邪気を避けるため七種類の菜を使った汁物を食べる風習と、日本で早春に若菜を摘む風習が結びついたことが紹介されています。平安時代初期には、宮中で正月7日に若菜を用いた行事が行われていたとされます。
その後、米の粥に七草を入れる現在につながる形が広まり、江戸時代には人日が五節句の一つとして定着したことで、七草粥を食べる習慣も広く知られるようになりました。
七草粥には、健康を願う行事食としての意味だけでなく、食生活の面での利点もあります。正月料理が続いた時期に、青菜を取り入れた温かい粥を食べられるためです。ただし、七草粥を食べるだけで病気を予防できるという意味ではありません。伝統的な願いと、食事としての栄養面は分けて考える必要があります。
七草粥の具材は、必ずしもすべての地域で同じとは限りません。春の七草を使うのが一般的ですが、地域の食文化や手に入る食材に合わせて工夫されることもあります。七草の名前を覚えることと、行事食を楽しむことは、どちらも日本の季節の暮らしを知る方法です。
【春の七草と秋の七草の違い】食べる七草、眺める七草
春の七草と秋の七草は、どちらも七種類の植物をまとめた呼び名ですが、目的が大きく異なります。春の七草は七草粥を通じて健康を願う食文化と結びついているのに対し、秋の七草は秋の野に咲く草花を観賞し、季節の美しさを楽しむ文化に結びついています。
春の七草:せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ。
秋の七草:はぎ、おばな、くず、なでしこ、おみなえし、ふじばかま、ききょう。
秋の七草は、山上憶良の歌で知られる植物の組み合わせに由来します。なお、古典の歌に登場する「あさがお」がどの植物を指すのかについては諸説があり、現在一般的な七草の説明ではキキョウが挙げられます。
覚え方を混同しないためには、「春は食べて健康を願う」「秋は花を眺めて季節を楽しむ」と目的から整理するのが効果的です。春の七草の暗記が目的なら、まず五七五七七のフレーズを優先し、秋の七草は別のまとまりとして覚えると混乱を防げます。
【春の七草覚え方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:春の七草を一番簡単に覚える方法は?
A1:「せりなずな・ごぎょうはこべら・ほとけのざ・すずなすずしろ・これぞななくさ」と五七五七七のリズムで唱える方法です。五つのまとまりに分け、手拍子をつけて繰り返すと、順番まで覚えやすくなります。
Q2:春の七草のうち、野菜なのはどれ?
A2:すずなに当たるカブと、すずしろに当たる大根です。残りの五種類は、一般的にセリ、ナズナ、ハハコグサ、ハコベ、コオニタビラコとして知られる植物です。
Q3:春の七草の「ほとけのざ」は、紫色の花のホトケノザ?
A3:違います。春の七草のほとけのざは、コオニタビラコ(タビラコ)を指します。一般にホトケノザと呼ばれる紫色の花の植物とは別なので、名前だけで判断しないようにしましょう。
Q4:七草粥はなぜ1月7日に食べるの?
A4:1月7日が人日の節句に当たり、七草粥を食べて一年の無病息災を願う習慣があるためです。中国の正月7日の風習と、日本の若菜摘みが結びついて広まったとされています。
Q5:春の七草は必ず七種類すべてそろえないといけない?
A5:伝統的な七草粥では春の七草を使いますが、家庭では入手できる青菜などを使って楽しむ方法もあります。伝統どおりの七草を知ることと、家庭で無理なく行事食を取り入れることは、分けて考えて問題ありません。
春の七草を確実に覚えるなら、最初に五七五七七のリズムで七つの名前を暗記し、次に植物名、最後に七草粥の由来を関連づける順番がおすすめです。音の並びを覚えるだけでも役立ちますが、カブと大根の違いや、ほとけのざがコオニタビラコを指すことまで知れば、単なる暗記から一歩進んだ理解につながります。
覚える際の判断基準は、目的に合わせて変えるとよいでしょう。学校の学習なら名前と順番、植物観察なら見た目と生育環境、家庭の年中行事なら1月7日の意味と七草粥の由来を優先します。すべてを一度に覚えようとする必要はありません。
2026年の1月7日に限らず、春の七草は毎年同じ順番で覚えられる日本の伝統文化です。「せりなずな、ごぎょうはこべら、ほとけのざ、すずなすずしろ、これぞななくさ」。このフレーズを口ずさみながら、七草の名前と植物の姿、無病息災を願う意味を一緒に思い出せるようにしておきましょう。