寺田心さんとブックオフの関係は、2019年に始まった広告キャンペーンにさかのぼります。
2019年3月21日、ブックオフは寺田心さんを広告キャラクターに起用した新CMを公開しました。店員に扮した寺田さんが「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」と叫ぶ演出は、従来の企業CMとは一線を画すものでした。
このセリフが注目されたのは、単に子役の意外な演技が面白かったからではありません。中古書籍店というイメージが強かったブックオフが、洋服や家電、ブランド品、玩具なども取り扱う総合リユースショップへと変化していることを伝える狙いがありました。
オリコンニュースが2019年に掲載したブックオフのマーケティング担当者へのインタビューでも、従来のブランドイメージを変える必要性が語られています。
つまり、「本ねぇじゃん」はブックオフを批判する言葉ではなく、視聴者に意外性を感じてもらうための広告表現だったのです。
【2019年の起用理由】なぜ寺田心が選ばれたのか?

寺田心さんが起用された理由には、親しみやすさと演技力という2つの要素がありました。
2019年3月28日付のJ-CASTニュースは、ブックオフの広報担当者への取材を通じて、起用理由を紹介しています。
担当者によると、寺田さんは全国的に親しまれており、高い演技力を持っていたことが選定のポイントでした。
加えて、オリコンニュースのインタビューでは、マーケティング担当者が寺田さんの持つ可愛らしさと毒々しさのギャップに注目していたことも明らかになっています。
従来のCMから方向転換した背景当時のブックオフには、「本を売るならブックオフ」という中古書籍のイメージが強く定着していました。
しかし、実際の事業はすでに本だけにとどまっていません。
1999年にはキッズ関連商品の取り扱いを始め、その後は洋服、ブランド品、スポーツ用品、携帯電話、小型家電、玩具、トレーディングカードなどへと買取・販売の対象を広げていました。
問題は、こうした事業の変化が消費者に十分伝わっていなかったことです。
そこで、従来のように商品の種類を淡々と説明するのではなく、視聴者が思わず目を止めるCMを制作する方向へ転換しました。
企画の選定では、広告会社から提出された約6パターンの案を検討。その中から、従来の企業CMとは異なる個性的な企画が採用されました。
涙を流す演技が強烈な印象を残した2019年のCMでは、寺田さんの表情や声の使い方も大きな見どころでした。
特に「本ねぇじゃん」篇や「冗談よしてや」篇では、店員役の寺田さんが涙を流して訴えかける場面が登場します。
J-CASTニュースによれば、撮影では目薬を使わず、監督からの指示を受けて寺田さん自身が涙の演技を披露したといいます。
ブックオフの広報担当者も、その演技力に驚いたことを取材で明かしています。
こうした演技の振り幅が、CMの短い放送時間の中に強烈な印象を残しました。
【ブックオフCM歴代シリーズ】2019年から2022年までの変遷
寺田心さんのブックオフCMは、2019年の初期シリーズから複数の展開を見せています。
単に同じキャラクターを使い続けたのではなく、共演者やストーリー、広告で伝えるメッセージを変化させてきました。
年代別のCM・出演者一覧| 時期 | CM・シリーズ | 主な出演者・内容 |
|---|---|---|
| 2019年3月 | 本ねぇじゃん篇・すごいやん心くん篇 | 寺田心。店員役で本以外の商品も扱うことを訴求 |
| 2019年3月 | 心を読める心くん篇・冗談よしてや篇 | 寺田心。Web限定CMも展開 |
| 2020年11月 | 本を欲する人々 第1話・第2話 | 寺田心、木村多江。演技合戦を描く |
| 2020年12月 | 本を欲する人々 第3話 | 寺田心、木村多江。大買取祭を訴求 |
| 2021年4月 | あるじゃん!はじまる篇 | 寺田心、松本穂香。ないじゃんからあるじゃんへの転換 |
| 2021年8月 | あるじゃん!やってみた! | 寺田心、松本穂香。店舗で商品との出会いを体験 |
| 2022年4月 | 好きなのあるじゃん!GW篇 | 寺田心、なかやまきんに君。オリジナルソングを使用 |
| 2022年8月 | 好きなのあるじゃん!寺田心さん店内ライブ篇 | 寺田心。店内ライブをテーマにした続編 |
この年表から分かるのは、CMの中心となるメッセージが、商品の多様性を伝える段階から、店舗での発見や買い物の楽しさを伝える段階へ移っていることです。
2019年の初期シリーズについてはブックオフグループの公式発表、2020年以降については同社のプレスリリースなどで各作品の展開が確認できます。
2020年には木村多江が加わる2020年11月14日から全国放送された「本を欲する人々」シリーズでは、女優の木村多江さんが新キャストとして参加しました。
寺田さんは引き続きブックオフの店長役。木村さんは芝居の先輩のような立場で登場します。
第1話「出会い/そのまま売れる」篇では、寺田さんが木村さんに本を売ってほしいと涙ながらに訴えます。
ところが、木村さんは寺田さんの演技を見抜くような態度で応戦。これまでのシリーズとは違う、演技派同士の掛け合いが見どころになりました。
続く第2話「学び/まとめて売れる」篇、第3話「再会/大買取祭」篇でも、2人の強烈な演技が展開されています。
ブックオフの2020年12月18日付の発表によれば、第1話と第2話のYouTube再生回数は、12月17日時点で合計約450万回に達していました。
2021年には松本穂香が新キャストとして参加2021年4月28日に公開された「あるじゃん!はじまる」篇では、松本穂香さんが初めて寺田さんと共演しました。
設定は、寺田さんがブックオフの店長、松本さんがエリアマネージャーです。
店長の寺田さんは、いつものように「ブックオフなのに本ねぇじゃん」というフレーズを披露します。
しかし、そこに松本さんが登場し、実際に本を手に取って「あるじゃん!」と反応することで、物語の方向性が変わります。
注目したいのは、従来の「ない」という言葉を否定するだけでなく、「ある」という新しい価値を前面に押し出した点です。
同年8月9日には「あるじゃんプロジェクト」が始動。寺田さんと松本さんが実際に店内を見て回り、それぞれの「あるじゃん」を探すCMも公開されました。
このプロジェクトでいう「あるじゃん」とは、以前から探していた商品や、思いがけず見つけた商品との出会いを意味しています。
【2022年のCMが話題】なかやまきんに君との共演とCMソングの正体
2022年のブックオフCMでは、寺田心さんの演技に加え、音楽とパフォーマンスを取り入れた大胆な演出が採用されました。
特に注目されたのが、4月27日から全国放送された「好きなのあるじゃん!GW」篇です。
なかやまきんに君との初共演2022年4月22日に発表されたブックオフのプレスリリースによると、このCMで寺田さんとなかやまきんに君さんが初共演しました。
寺田さんは店員役として、店内で熱いライブパフォーマンスを披露します。
一方、なかやまきんに君さんはタンクトップ姿のお客さんとして突然登場。
この予想外の組み合わせが、CMのシュールな雰囲気をさらに強めています。
寺田さんはヘッドバンギングを交えながら、まるでライブ会場で熱唱しているかのような表情と動きを見せました。
なかやまきんに君さんの持ちネタ「パワー!」を取り入れた演出もあり、2人の個性を生かした内容になっています。
ブックオフCMソングを歌っているのは誰?ここで気になるのが、「好きなのあるじゃん!」のCMソングを歌っている人物です。
実は、テレビCMとWebCMでは歌唱者が異なります。
| 項目 | テレビCM | WebCM |
|---|---|---|
| タイトル | 好きなのあるじゃん!GW篇 | 好きなのあるじゃん!(寺田心さん生歌ver.)篇 |
| 歌唱者 | 北本莉斗 | 寺田心 |
| 寺田心の役割 | 口パクによるライブパフォーマンス | 実際に歌唱 |
| 公開日 | 2022年4月27日 | 2022年4月22日 |
| 楽曲 | オリジナルソング | 同じオリジナルソング |
テレビCMで歌唱を担当したのは、歌唱力の高さで知られる北本莉斗さんです。
一方、Web限定のバージョンでは、寺田さん自身が歌唱に挑戦しています。
この違いは、ブックオフの公式発表にも明記されています。
つまり、テレビで流れていた歌声を寺田さん本人のものだと考えるのは正確ではありません。寺田さんの実際の歌声を楽しめるのはWebCM版です。
「好きなのあるじゃん!」に込められた意味この楽曲では、映画化された本、好きな作家の本、昔好きだった本など、さまざまな本との出会いが描かれています。
単に安く買えることを訴求するのではなく、店内を探すことで自分の好きなものに再会できる楽しさを伝えているのです。
広告制作を担当したクリエイティブディレクターの竹内史明氏は、広告業界専門メディア「アドタイ」の取材で、スローガンの内容とゴールデンウィークのアプリ提示による割引施策を知らせるため、印象に残る15秒のCMを目指したと説明しています。
CMの演出とキャンペーンの内容が連動していたことも、2022年版の特徴です。
【寺田心のブックオフCMの評判】なぜここまで話題になった?
寺田心さんのブックオフCMが話題になった理由は、広告としてのインパクトだけではありません。
SNSでの拡散やパロディ動画など、視聴者が自発的に参加する現象へと発展したことが大きな特徴でした。
2019年のSNS反響は通常時の約40倍オリコンニュースが2019年4月に掲載したインタビューでは、ブックオフの担当者が公式Twitterのリツイート数について説明しています。
通常は1日約3,000件だったリツイート数が、CM公開時には1日約70,000件に増加したといいます。
これは通常時のおよそ40倍に当たります。
また、同記事ではYouTubeでの再生回数が、1パターンで110万回を突破し、4パターン合計では約350万回に達したと紹介されています。
CMの放送期間は2019年3月21日から31日までの約10日間。放送地域も関東・中京エリアに限られていました。
それにもかかわらず、インターネットを通じて全国的に認知が広がりました。
なぜ視聴者に受け入れられたのか反響につながった要素は、大きく3つあります。
1. 寺田心のイメージとのギャップ
当時の寺田さんは、子どもらしい愛らしさや独特の話し方で広く知られていました。
その寺田さんが、強い口調で叫んだり、涙を流して訴えたりする姿は、従来のイメージとのギャップを生みました。
2. 一度聞いたら忘れにくいフレーズ
「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」という言葉は、短く、リズムがあり、真似しやすい表現でした。
パロディや大喜利など、視聴者が自分なりに再利用しやすかったことも拡散の理由です。
3. 広告の意図と面白さが一致していた
CMを見て笑った後に、ブックオフには本以外の商品もあるという情報が残ります。
広告の面白さとブランドのメッセージが分離していなかった点が、成功につながりました。
単なる話題作りに終わらず、企業が伝えたかった内容まで拡散されたことに価値があります。
【2026年最新】寺田心の現在は?ブックオフCM出演後の活動
2019年当時は子役として知られていた寺田心さんですが、2026年には18歳となり、俳優として活動の幅を広げています。
所属事務所ジョビィキッズの公式プロフィールによると、寺田さんの生年月日は2008年6月10日です。
2026年11月現在、満18歳です。
俳優としての主な出演作品寺田さんは、ブックオフCM以外にも映画やドラマ、吹き替えなど幅広い分野で活動してきました。
代表的な出演作品には、次のようなものがあります。
- NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」
- 映画「妖怪大戦争 ガーディアンズ」
- 映画「鋼の錬金術師 完結編」
- NHK連続テレビ小説「らんまん」
- 映画「屋根裏のラジャー」
- NHK大河ドラマ「べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜」
特に2025年の大河ドラマ「べらぼう」では田安賢丸役を演じ、歴史作品にも出演しています。
2026年は「タツキ先生は甘すぎる!」に出演2026年の出演作として注目されるのが、日本テレビ系ドラマ「タツキ先生は甘すぎる!」です。
2026年4月11日に放送が始まった同作で、寺田さんは皆藤壮哉役を演じました。
役柄は、19歳の大学生ボランティアスタッフです。
実年齢より上の人物を演じることも、成長した寺田さんの俳優としての変化を感じさせるポイントです。
同作には町田啓太さん、松本穂香さん、比嘉愛未さん、江口洋介さんらも出演しました。
所属事務所の公式プロフィールにも同作品の出演歴が掲載されています。
また、現在のプロフィールではテレビ出演情報も更新されており、俳優業だけでなくバラエティー番組などでも活動していることが分かります。
ブックオフCMへの再出演はある?寺田さんの所属事務所のプロフィールには、CM出演歴としてBOOK OFFが掲載されています。
ただし、これは過去の出演実績を含む情報です。
2026年現在、新しい寺田心さん出演のブックオフCMが放送されていることを示す公式発表とは区別する必要があります。
2019年から2022年までのCMシリーズが印象的だっただけに、今後、成長した寺田さんが再びブックオフの広告に登場するかどうかも関心を集めるポイントです。
【プロの結論】寺田心のブックオフCMから読み解く広告戦略
寺田心さんのブックオフCMは、企業広告が商品やサービスの説明だけでなく、視聴者の記憶に残る体験を作ることで成功することを示した事例です。
2019年の「本ねぇじゃん」は、ブックオフが本以外の商品を扱うことを伝えるための意外性のある表現でした。
2020年には木村多江さんとの演技合戦、2021年には松本穂香さんとの「あるじゃん!」への転換、2022年にはなかやまきんに君さんとの共演や音楽を取り入れた演出へと発展しています。
この流れには、一貫した広告戦略があります。
それは、ブックオフを単なる中古本販売店としてではなく、さまざまな商品との出会いを楽しめるリユースショップとして認識してもらうことです。
このCMを評価するときに見るべき3つのポイント- 認知度: 本以外の商品を扱っているという事実が、視聴者に伝わったか。
- 記憶への定着: 寺田さんの表情やセリフ、音楽がブランドの印象につながったか。
- 購買行動への接続: CMを見た人が実際に店舗を訪れ、商品を探すきっかけになったか。
特に重要なのは、話題性と販売促進を分けて考えることです。
2019年のSNS反響や再生回数は、広告の認知拡大という点では大きな成果でした。一方、それだけで来店者数や売上への直接的な効果まで証明できるわけではありません。
2021年の「あるじゃんプロジェクト」や2022年のゴールデンウィーク施策は、話題性を実際の店舗体験につなげようとする展開でした。
寺田心さんのCMは、ブランドイメージの転換と来店促進を組み合わせた広告事例として見ると、さらに興味深いものになります。
【寺田心とブックオフ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:寺田心がブックオフのCMに初出演したのは何年ですか?
A1:2019年3月21日です。「本ねぇじゃん」篇や「すごいやん心くん」篇などが公開され、関東・中京エリアで放送されました。
Q2:ブックオフなのに本ねぇじゃんのCMはなぜ作られたのですか?
A2:ブックオフが本以外にも洋服、家電、ブランド品、玩具などを扱っていることを広く知ってもらうためです。従来の中古書籍店というイメージを変える狙いがありました。
Q3:松本穂香が寺田心と共演したのはいつですか?
A3:2021年4月公開の「あるじゃん!はじまる」篇です。松本さんはエリアマネージャー役、寺田さんは店長役で出演しました。
Q4:なかやまきんに君と寺田心が共演したCMは何年ですか?
A4:2022年です。「好きなのあるじゃん!GW」篇で初共演しました。
Q5:ブックオフのCMソングを歌っているのは誰ですか?
A5:2022年のテレビCMでは北本莉斗さんが歌唱を担当しています。Web限定の生歌バージョンでは寺田心さん本人が歌っています。
Q6:2026年現在、寺田心は何歳ですか?
A6:2008年6月10日生まれで、2026年11月現在18歳です。俳優としてドラマや映画などで活動しています。
寺田心さんとブックオフの関係は、2019年の広告キャラクター起用から始まりました。
「ブックオフなのに本ねぇじゃん!」というセリフは、本以外の商品も扱うブックオフの新しい姿を伝えるために生まれた広告表現です。
その後、木村多江さん、松本穂香さん、なかやまきんに君さんといった共演者を迎え、シリーズは演技中心のコメディーから音楽を取り入れたパフォーマンス型へと発展しました。
特に押さえておきたい事実は次の3つです。
1. 2019年: 寺田心さんの起用と「本ねぇじゃん」によってブランドイメージの転換を狙った。
2. 2021年: 松本穂香さんとの共演で「あるじゃん!」という新しいメッセージへ発展した。
3. 2022年: なかやまきんに君さんとの共演や北本莉斗さんの歌唱によって、音楽を取り入れたCMを展開した。
そして2026年、寺田さんは18歳となり、子役時代から俳優として新たなキャリアを築いています。
かつての「本ねぇじゃん!」という強烈なフレーズは、単なる一発ネタではありません。企業のブランド戦略と出演者の演技力、SNS時代の拡散力が結びついた、印象的な広告シリーズだったのです。
今後、成長した寺田さんがブックオフのCMに再登場することがあれば、2019年当時との演技や表現の違いにも注目が集まりそうです。
参考にした主な情報源- ブックオフグループの2019年CM起用発表
- オリコンニュース「寺田心のシャウトでSNSをザワつかせた“ブックオフCM”の狙い」
- J-CASTニュース(2019年3月28日)
- ブックオフ公式プレスリリース(2020年・2021年・2022年)
- 寺田心さん所属事務所ジョビィキッズ公式プロフィール
- 日本テレビ「タツキ先生は甘すぎる!」公式情報