映画『ホーム・アローン2』にドナルド・トランプが出演していることを知っていますか?1992年に公開されたクリスマス映画の名作には、当時ニューヨークのプラザホテルを所有していたトランプが、主人公ケビンに道を教える短いカメオ出演シーンがあります。わずか数秒の登場ですが、撮影を許可する条件として出演を求めたというクリス・コロンバス監督の証言をきっかけに、長年にわたって議論が続いています。
2023年12月にはトランプ本人がTruth Socialで監督の説明を否定。さらに2025年4月、コロンバス監督は改めて出演シーンへの後悔を語りました。2026年現在、この話題を理解するには、プラザホテルの所有関係、撮影当時の事情、両者の食い違う証言、そして出演シーン削除をめぐる論争を時系列で整理する必要があります。
【まず確認】ホーム・アローン2のトランプ出演シーンはどこ?ケビンとのやり取りを解説

トランプが登場するのは、主人公ケビン・マカリスターがニューヨークの高級ホテル、プラザホテルを訪れる場面です。
家族とはぐれてニューヨークにやってきたケビンは、父親のクレジットカードを使ってプラザホテルに宿泊します。ホテルのロビーを歩いていたところ、偶然出会った男性にロビーの場所を尋ねます。その男性を演じているのが、当時ホテルのオーナーだったドナルド・トランプです。
トランプはケビンに対し、廊下を進んで左に行くよう案内します。複雑な会話やストーリー上の重要な役割があるわけではなく、本人役として登場する短いカメオ出演です。
出演シーンの基本情報- 作品名:ホーム・アローン2
- 原題:Home Alone 2: Lost in New York
- 公開日:1992年11月20日
- 監督:クリス・コロンバス
- 主人公:ケビン・マカリスター
- 主演:マコーレー・カルキン
- 特別出演:ドナルド・トランプ(本人役)
- 登場場所:ニューヨークのプラザホテル
20世紀スタジオの公式作品情報でも、同作は1992年11月20日公開、上映時間120分のコメディー映画として紹介されています。監督はクリス・コロンバス、脚本・製作はジョン・ヒューズです。
トランプの出演時間は約7秒と報じられています。作品全体から見ればごく小さな場面ですが、映画の知名度と本人の政治的な影響力が重なり、作品を象徴する話題の一つになりました。
【出演理由の核心】プラザホテルの撮影条件とは?クリス・コロンバス監督とトランプの証言を比較
トランプの出演が実現した最大の背景は、当時のプラザホテルの所有者がトランプだったことです。
プラザホテルはニューヨークを代表する歴史的な高級ホテルです。トランプは1988年に同ホテルを取得し、内装などの改修を進めました。『ホーム・アローン2』の撮影が行われた1991年12月には、ホテルの所有者として大きな影響力を持っていました。
制作陣にとって、プラザホテルのロビーは作品の舞台となるニューヨークの豪華さを表現する重要な場所でした。スタジオに同じ空間を再現するのは難しく、実際のホテルで撮影することには大きな意味がありました。
クリス・コロンバス監督の説明:撮影許可と出演がセットだった2020年11月、コロンバス監督はBusiness Insiderのインタビューで、トランプの出演に至った経緯を説明しました。
監督によると、制作陣は通常のロケーション使用料を支払う形でプラザホテルの撮影を交渉しました。しかし、トランプ側から追加条件が提示されたといいます。
「プラザを使える唯一の方法は、私が映画に出演することだ」
これはコロンバス監督が当時のトランプの発言として紹介した言葉です。監督は、ホテルの使用料を支払ったうえで出演条件にも応じ、トランプを映画に登場させることになったと説明しています。
監督はこの経緯を、トランプが映画に自分を押し込んだという趣旨で表現しました。単なる出演依頼や友情出演ではなく、撮影場所を確保するための交渉の一部だったというのが監督側の説明です。
トランプ本人の説明:制作陣から出演を頼まれた一方、トランプの説明は正反対です。
2023年12月27日、トランプは自身のSNS「Truth Social」に投稿し、コロンバス監督の説明に反論しました。
「監督のクリス・コロンバスたちは、出演を頼み込んできた。私は忙しく、出演したくなかったが、彼らはとても粘り強かった」
加えて、トランプは監督の説明について「真実とはまったく違う」という趣旨の言葉を使い、自分の出演によって映画が成功したとも主張しました。
トランプの説明では、制作陣が自ら出演を希望し、本人が最終的に依頼を受け入れたことになります。ホテルの所有者という立場を利用して出演を要求したという監督の話とは、交渉の主導権が誰にあったのかという点で大きく異なります。
両者の主張はどこが食い違っているのか重要なのは、両者とも撮影当時にトランプがプラザホテルを所有していたこと、そして本人が映画に出演したこと自体は否定していない点です。
対立しているのは、出演が実現するまでの交渉の主導権と、出演が撮影許可の条件だったかどうかです。
2026年11月時点で公表されている主要な報道や本人の発信からは、当時の契約書や出演条件を直接確認できる資料は示されていません。そのため、監督の取材証言とトランプ本人の反論を区別して理解する必要があります。
この問題は、映画の撮影時だけでなく、公開後のテレビ放送、SNSでの反応、監督による再発言を通じて何度も注目されてきました。主要な出来事を整理します。
| 時期 | 出来事 | 意味・確認できる事実 |
|---|---|---|
| 1988年 | トランプがプラザホテルを取得 | 映画撮影時のホテル所有者となる |
| 1991年12月 | プラザホテルで撮影 | ホテルのロビーが映画の舞台として使用される |
| 1992年11月20日 | 映画公開 | トランプのカメオ出演が本編に残る |
| 1995年 | トランプがホテルを売却 | プラザホテルの所有者が変わる |
| 2014年 | CBCがテレビ放送用の編集を実施 | トランプの場面を含む複数のシーンがカットされる |
| 2019年12月 | CBCの放送でカメオ出演が見当たらず話題に | 政治的な削除ではないかとの議論が広がる |
| 2020年11月 | コロンバス監督が撮影条件を説明 | ホテル撮影と出演条件が結び付いていたと証言 |
| 2021年1月 | マコーレー・カルキンが削除案に反応 | トランプの出演をデジタル処理で置き換える案に賛同 |
| 2023年12月27日 | トランプがTruth Socialで反論 | 制作陣から出演を頼まれたと主張 |
| 2025年4月14日 | コロンバス監督が再び出演シーンに言及 | 出演シーンがなくなってほしいと後悔を表明 |
この時系列で注目したいのは、撮影当時の交渉をめぐる対立が、公開から約30年後に再燃していることです。
映画の公開当初は、トランプはニューヨークの著名な不動産実業家でした。その後、政治家としての知名度が高まり、大統領に就任したことで、約7秒の出演シーンにも政治的な意味が付与されるようになりました。
なお、プラザホテルの公式歴史年表によれば、トランプによるホテル取得は1988年、映画の撮影開始は1991年12月です。トランプがホテルを売却したのは1995年であり、映画撮影時には確かに所有者でした。
【2025年の監督発言】クリス・コロンバスはなぜトランプの出演を後悔しているのか
この論争が再び大きく注目されたのが、2025年4月14日に公開されたサンフランシスコ・クロニクルのインタビューです。
コロンバス監督は、トランプのカメオ出演について、長年にわたって自分に付きまとう厄介な存在になったと語りました。
「何年もたって、これは私にとって呪いのようなものになった。なくなってほしいと願っている」
監督は、出演シーンを現在では好ましく思っていないことを明確にしました。
なぜ当時は出演シーンを残したのかここで重要になるのが、1992年の初期試写における観客の反応です。
コロンバス監督によると、シカゴで行われた試写会でトランプがスクリーンに登場すると、観客が歓声を上げて盛り上がりました。
監督は当初、トランプの場面を映画に残すかどうかについて判断を保留していたと説明しています。しかし、予想以上に観客の反応がよかったため、編集担当者にそのシーンを残すよう伝えたそうです。
「観客は歓声を上げ、面白がっていた」
当時のトランプは、ニューヨークの不動産業界で知られた人物でした。映画の中で本人が登場すること自体が、観客にとって意外性のある演出として受け止められた可能性があります。
監督は2025年のインタビューで、当時の観客の反応を振り返り、自分はその場面がこれほど面白がられるとは思わなかったという趣旨の説明もしています。
「出演を頼み込んだ」というトランプの反論にも再反論2025年のインタビューでは、2023年にトランプがTruth Socialで投稿した反論についても話題になりました。
コロンバス監督は、自分は嘘をついていないと改めて強調しました。そして、映画に出演する必要のない人物に対し、制作側が出演を懇願する理由はなかったという趣旨を説明しています。
監督が必要としていたのは、あくまでプラザホテルという撮影場所でした。撮影許可を得ることが難しく、実際のホテルで撮影する必要があったため、交渉上の条件を受け入れたという説明です。
「削除すれば国外追放される」という発言の意味2025年のインタビューでは、監督が現在このシーンを削除した場合、国外追放されてしまうかもしれないと冗談めかして語ったことも報じられました。
これは、当時のアメリカの移民政策やトランプ政権の強硬な姿勢を皮肉った発言です。実際に国外追放の処分を受けるという意味ではありません。
約7秒の出演シーンが、映画制作の思い出という枠を超えて、政治的な論争の象徴になってしまったことへの監督の複雑な心境が表れています。
【出演シーン削除論争】CBCの編集とマコーレー・カルキンの反応は?
トランプの出演をめぐる議論は、監督と本人の対立だけではありません。映画からシーンを削除すべきかという問題も、たびたび注目されています。
2019年のCBC放送でトランプの場面がカットされた2019年12月、カナダの公共放送CBCが『ホーム・アローン2』を放送した際、トランプの出演シーンがなくなっていることに視聴者が気付きました。
これを受け、一部の視聴者や政治関係者から、トランプを意図的に映画から排除したのではないかという批判が出ました。
しかし、CBCの広報担当者チャック・トンプソンは、テレビ放送に合わせた時間調整のための編集だったと説明しています。
さらに重要なのは、編集が実施された時期です。CBCによれば、同局が映画の放送権を取得した2014年に、トランプの場面を含む複数のシーンを削除していました。
2014年はトランプが大統領選への出馬を表明する前です。PolitiFactも、政治的な理由で削除されたという主張を裏付ける証拠はないと検証しています。
つまり、2019年の放送で場面がなかったことと、政治的な理由でトランプだけを狙って削除したことは、同じ意味ではありません。
マコーレー・カルキンは削除案に「Sold」と反応2021年1月には、主演のマコーレー・カルキンもこの論争に加わりました。
きっかけは、SNS上に投稿されたトランプの出演シーンを削除し、代わりに現在のカルキンを合成してはどうかというジョークです。
カルキンは、この提案に対して「Sold」と返信しました。加えて、トランプの姿をデジタル処理で消した編集動画にも「Bravo」と反応しています。
この反応は、出演シーンの削除をめぐる議論をさらに広げました。ただし、カルキンが賛同したのはSNS上の編集案であり、映画会社による正式な再編集や公開版の変更が決定したという意味ではありません。
削除された映画が公式版になったわけではないここは誤解されやすいポイントです。
テレビ放送用の編集版と、映画のオリジナル版は区別する必要があります。CBCの放送でトランプの場面がカットされていても、それだけで映画本編から出演シーンが正式に削除されたことにはなりません。
また、SNSで公開された加工映像も、公式な作品の再編集とは別物です。
作品のオリジナル版、放送局による短縮版、個人が作成した編集動画を混同しないことが、この論争を理解するうえで大切です。
【プロの結論】ホーム・アローン2のトランプ出演問題から見える3つの事実
ここまでの経緯を整理すると、この話題には映画制作、施設所有者との交渉、政治的なイメージ、作品の編集という複数の問題が重なっていることが分かります。
1. 出演が実現した背景にはプラザホテルの所有関係があった最も確かな事実は、トランプが撮影当時のプラザホテルの所有者だったことです。
制作陣が実際のホテルで撮影したかったこと、トランプが本人役で映画に登場したことも確認できます。
一方、出演条件をめぐる細かな交渉については、監督とトランプの説明が対立しています。両者の発言を同じ事実として扱うのではなく、誰が何を主張したのかを分けて理解が必要です。
2. 観客の反応が出演シーンを残す判断につながったコロンバス監督は、当初からトランプの出演を積極的に望んでいたわけではありません。少なくとも監督の説明では、シカゴの試写会で観客が盛り上がったことが、最終的にシーンを残す判断につながりました。
映画編集では、物語の本筋に関係しない場面でも、試写会の反応や作品全体のテンポを考慮して残される場合があります。このケースでは、結果として短いカメオ出演が後年まで注目される要因になりました。
3. 映画の評価と出演者への政治的評価は別の問題『ホーム・アローン2』は、クリスマス映画として世界的に知られる作品です。一方、出演者の政治的な活動や発言は、映画そのものの評価とは別の軸で議論されます。
トランプの登場シーンを残すべきか、削除すべきかという意見が分かれるのも、この二つの評価が交差しているためです。
映画をオリジナルの形で楽しみたい人にとっては、当時の文化的背景を含めて鑑賞する価値があります。一方、出演者の政治的なイメージを作品に持ち込みたくない人が、編集版を支持することにも理由があります。
作品の歴史を理解することと、特定の人物の政治的立場に賛同することは、必ずしも同じではありません。
【よくある質問】ホーム・アローン2とトランプに関するFAQ
Q1:ホーム・アローン2にトランプが出演している理由は何ですか?
A1:撮影当時、トランプがプラザホテルを所有していたためです。クリス・コロンバス監督は、ホテルで撮影する条件としてトランプが出演を求めたと説明しています。一方、トランプ本人は制作陣から出演を頼まれたと反論しています。
Q2:トランプの出演シーンは何分何秒ごろですか?
A2:ケビンがプラザホテルのロビーでトランプに道を尋ねる場面です。出演時間は約7秒と報じられています。視聴環境や映像版によって再生時間の表示は異なる場合があります。
Q3:プラザホテルは当時トランプの所有物だったのですか?
A3:はい。トランプは1988年にプラザホテルを取得し、1995年に売却しました。『ホーム・アローン2』の撮影が行われた1991年12月には、トランプが所有していました。
Q4:トランプは出演条件をめぐる監督の証言を否定しましたか?
A4:はい。2023年12月27日のTruth Social投稿で、制作陣から出演を頼まれたと主張し、コロンバス監督の説明を否定しました。
Q5:クリス・コロンバス監督は2025年に何を語りましたか?
A5:2025年4月のサンフランシスコ・クロニクルのインタビューで、トランプの出演シーンが自分にとって厄介な存在になり、なくなってほしいと語りました。過去の試写会では観客が歓声を上げたため、シーンを残す判断をしたことも振り返っています。
Q6:マコーレー・カルキンはトランプの出演シーン削除に賛成したのですか?
A6:2021年1月、SNS上でトランプの姿を削除して現在のカルキンに置き換えるという提案に「Sold」と返信しました。また、トランプを消した編集動画にも「Bravo」と反応しています。ただし、公式版の変更を発表したわけではありません。
Q7:ホーム・アローン2からトランプの出演シーンは正式に削除されたのですか?
A7:CBCのテレビ放送では2014年に行われた時間調整用の編集によってカットされました。しかし、それは映画全体から公式に削除されたことを意味しません。SNS上の編集動画とも区別する必要があります。
『ホーム・アローン2』におけるドナルド・トランプの出演は、当時のプラザホテルの所有関係と映画制作の交渉から生まれたものです。
クリス・コロンバス監督は、ホテルで撮影する条件として出演を求められたと説明する一方、トランプ本人は制作陣から頼まれたと反論しています。両者の主張は正反対ですが、撮影当時にトランプがホテルを所有していたこと、映画に出演したことは共通する事実です。
2025年4月にはコロンバス監督が出演シーンへの後悔を改めて表明しました。1992年の公開当時には観客を楽しませた短い場面が、政治的な時代背景によって異なる意味を持つようになったのです。
この話題を正確に理解するための判断基準は、次の3点です。
- 監督の証言とトランプ本人の反論を混同しないこと。
- CBCの放送用編集と映画の公式版を区別すること。
- 2025年の監督発言を、撮影当時の出来事そのものではなく、後年の評価や心境の変化として理解すること。
わずか数秒の出演シーンが30年以上にわたって語り継がれている背景には、映画の制作事情と、出演者の社会的・政治的な立場が時代とともに変化したという事情があります。『ホーム・アローン2』を見返す際には、あのロビーでの短いやり取りが生まれた背景にも注目すると、作品を取り巻く歴史がより立体的に見えてきます。